影の軌跡 〜鉄血の子供たち〜   作:もっさん。

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どうももっさん。です。


少し投稿ペースが伸びてしまいました。
読んでる方がもしいらっしゃったら申し訳ありません。


今回はトヴァルさんとのフラグ建てですね。
この二人。意外と気が合いそうです。

当然、トヴァルさんがツッコミなんだろうなー……





四話 墓穴を掘る男トヴァル

 

 

 

 

「さて、と……ん?」

 

奥の広場の方で声がする。

どうやらちょっとした騒ぎになってるようだ。

それに、あの士官学院生が向かっていくのも確認できた。

 

「……お手並み拝見といくか?」

 

そう漏らしながら、広場へと向かった。

 

 

 

 

どうやら、出店を出す場所についてモメているらしい。

なんでも場所が被ったって話だ。

ふーん…、早速不可解なことだ。

ケルディック統治者であるアルバレア公爵家。

なんとも適当な仕事してやがる。

そうこうしてるうちに、士官学院生がモメている二人を抑えた。

二人共頭に血が登っていて、士官学院生の話を聞かない。

 

「なんだ!なんの騒ぎだ!」

 

ズラズラと現れる領邦軍。

けっ、余裕なことだ。

 

「しっかし……どうも腑に落ちん」

 

根本的に領邦軍が出てくるのが遅すぎる。

それに、言ってることも滅茶苦茶だ。

二人共逮捕、ね。そんなこと言われたら確かに騒ぎは収まるだろうが……

納得は、いかないだろうな。

 

「ならば解散!次に騒ぎを起こしたら只では済まさんぞ!」

 

そんな事を言い、領邦軍は帰って行った。

どうやら士官学院生らも納得がいかないらしく、個人で調べてみるようだ。

……なるほど。支援ってのはこういう事ね。

 

「なら、先に真実を知る必要があるな」

 

情報収集を再開しますか。

 

 

 

 

……ふぅむ。

頭の中で手に入れた情報を整理してみる。

今のところ、あまり有力な情報がないな…

まだ、相手の出方を見るしか無さそうだ。

 

「とりあえずは、様子見かねぇ……」

 

若干の不安を持ちながら、煙草に火をつける。

今後俺がすべきは、士官学院生の支援かね。

 

「まあ、もう夜だし……明日の朝にでも……いや」

 

ふと考える。

果たして、今回の騒動は解決したのだろうか。

寧ろ、何かの過程だったのでは?

もし、あの二人がターゲットとして狙われていたとすれば。

 

「……狙われてるのは、二人か。商人が狙われるってことは物品か……?」

 

物品を盗むことが、目的だとすれば。

集団で動く可能性が高い。

それに、あの不自然な領邦軍の動き。

 

「もし、領邦軍とグルだったら……?」

 

そうなれば。

こっちの出番だ。

 

「お、今日も来てたのかい」

 

後ろから声がする。

その声の主は、そのまま俺の隣の席についた。

 

「おや。またアンタか」

「アンタも探ってるようだな。内容はケルディックの領邦軍の動きについてか?」

「て、ことはアンタもか?」

 

俺の質問に頷く男。

 

「丁度いい、情報交換といこうじゃないか。帝国軍対暴徒鎮圧部隊特別大尉、トーリ・X・アイゼンブルグ殿?」

「……もうバレたのか」

「ま、ちょっと気になって調べさせて貰った。別にどうこうしようって思ってはいないさ」

 

俺の素性まで調べ上げるとは。

……なーるほど、俺も分かったぞ?

 

「アンタ、遊撃士だろ」

「うへっ」

 

飲んでる珈琲を噴き出しそうになる男。

どうやら図星らしい。

 

「俺の素性を調べることが出来るのは少ない。せいぜい帝国軍関係者か、遊撃士ぐらいだ」

「てことは、墓穴を掘ったってわけか」

「恥じることはないぜ?ここまで当てたんだ。アンタの名前くらい教えてくれてもいいんじゃないか?」

 

にやにやしながら相手の顔を覗く。

やっちまった感満載のこの男、意外と面白いかもしれない。

 

「ああ。そうだなー……俺はトヴァル。トヴァル・ランドナーだ」

「トーリ・X・アイゼンブルグだ。宜しく」

 

男二人は、夜の酒場で握手を交わした。

 

 

 

「ところで、アンタってよく失敗するだろ」

「んな!?なんで分かるんだよ!」

 

そういうところだよ。

 

 

 

 




はい、トヴァルさんもなかなか良い味だしてます。

裏で動くトーリにとって、同じく裏で動くトヴァルさんとは絡みやすいですね。

そろそろ、トーリの戦闘シーンが出てくると思いますので、頑張って書きます。


ご意見、感想お待ちしております。

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