二話目投稿となります。
最近寒いですが、少しずつ春に近づいている感じはしますね。
トーリが初めてトールズ士官学院特化クラスⅦ組とのフラグを建てました。
………折れなきゃいいけど(๑•̀ㅂ•́)و✧
装飾された廊下に歩く音が木霊する。
二人分の足音だ。
一人は俺と、クレア姉……もといクレア大尉。
長い廊下の先には大きな扉が。
ここが、目的の会議室だ。
二回ノックし、名前を告げる。
「帝国軍対暴徒鎮圧部隊、特別大尉。トーリ・X・アイゼンブルグです」
「鉄道憲兵隊所属、クレア・リーベルト憲兵大尉です。入ります」
その重いドアを、開けた。
「ふむ、来たか」
声を上げたのは、我らが帝国宰相閣下、ギリアス・オズボーン宰相。
「遅くなり申し訳ありません閣下」
「よい、お前も任務から帰ってきたばかりだろう。少しばかりの遅刻は目を瞑ろう」
「は……ありがとうございます」
「さっそくだけど、コイツを見てくれ」
俺と閣下のやり取りのなか、声を出したのはレクター兄だ。
モニターに目をやると、そこにはまるで要塞と呼ぶに相応しい建物が。
「これは……?」
クレア姉が口に出す。どうやらクレア姉でも見たことないもののようだ。
「オーロックス峡谷を進んだところにある、オーロックス砦だ。領邦軍の砦なんだが、ここ最近急速に強化されててな」
「オーロックス砦。ということは、アルバレア公爵の管理地ですね」
「しっかしまぁ……これは戦車か。しかも新型」
「そ。トーリの言う通り、ここには新型の戦車が納品されている。しかも。これからもどんどん数を増やすだろう」
最近のアルバレア公爵の行動。
これは明らかに、貴族派の軍力強化だろう。
戦争でもおっ始める気か?
「んで、ここからが本題なんだが」
モニターの画面が切り替わる。
画面には交易町ケルディックの姿だった。
「ケルディック?」
「そ、ここケルディックの領邦軍が、最近良からぬことをしでかしてるって話でな。トーリにはこいつらを調査してもらいたい」
「調査……ってことは、剣を抜くことはなさそうな感じか?」
「いや、怪しい動きが有った場合、その行為を止めるという名目で刃を抜くのは構わねぇが、殺しはやめてくれ。一応、領邦軍と揉めたとなっちまったら、貴族派が黙ってねぇからな」
なるほど、あくまで領邦軍が何をしているのかを調査し、現場に出くわしたら止めるってことか。
「なるほど。そして、そのような現場に『うまく鉢会えた』のなら、鉄道憲兵隊の出番…という訳ですね?」
「あぁ、ケルディックは憲兵隊の管轄でも有るからな。堂々としょっぴけるってことだ」
ふむ、出来ることなら貴族派の戦力を削りたい訳だし、公の権力には向こうも逆らえない……って魂胆か。
「もう一つは、とある学生の補助を頼みたい」
「学生の補助?」
突然告げられた閣下の言葉。
「それは、トールズ士官学院のことでしょうか」
「その通りだ。かの学院の特化クラスⅦ組……その一部が、実習としてケルディックを訪れるそうだ」
「珍しいですね。閣下からそのような……何か興味を引くものでも?」
「ふふ……まぁ。そう言っておこう」
含みのある笑みを浮かべる閣下。
何故だが、その顔は優しい顔に見えた。
「……了解しました。トーリ・X・アイゼンブルグ、ケルディックへ向かい領邦軍の動向の詮索及び、そのトールズ士官学院特化クラスⅦ組の補助を行ないます」
「補助については、間接的で構わん。直接接触はなくてもよい。あくまで、こちらの存在は相手に悟られぬようするのだ」
「了解です。それでは、準備がありますので」
「うむ、ご苦労」
こうして、俺はケルディックへと向かう任務が出来た。
さて、どう向かうかな……
「それはそうとクレア、トーリの裸体はどうだった」
「し、知ってらしたんですか!?」
クレア姉は閣下に弄られてた。
はい、クレアかわいいです。
三話目からはケルディックでの話になります。
今更になりますが、ネタバレを、大いに含みます。
それが苦手な方はブラウザバック推奨です。
ご意見、質問等お待ちしております。