もうすぐ夏至祭を迎える帝国。
どういうふうに書こうか、迷っております。
まぁ、クレアとイチャつくだけやろうけどな(暴論
二十一話
「さて……と」
身支度を整え、立て掛けている刀を腰にやる。
……そろそろ、アイツ等を使い始めないとな……。
もう片方が、少し厄介だが……。
そんなことを考えていると、インターホンが鳴った。
へいへいと呟きながら玄関まで歩き、ドアを開ける。
「特別大尉、今よろしいでしょうか」
「ん……?フェイか。大丈夫だ」
「はい、失礼します」
リビングへと招き、座る。
どうやら、何かの報告らしい。
「あの例の警備配置ですが、無事提出終わりました。近々、帝都庁から直々に指示が出ると思われます」
「ん…、ご苦労さん。俺からも一回帝都庁に出向いて確認を取るとしよう。レーグニッツさんと話もしたいしな」
「了解しました。車の手配は……」
「いや、いい。動力車はどうも苦手でな」
「あ、そうでありましたね。了解しました」
「ん、わざわざ報告ご苦労さん。以上か?」
「あ、いえ。もう一つあるんですが」
「ん?」
すると、一つの手紙を取り出すフェイ。
それは、見たことのある手紙だった。
「特別大尉宛に一通の手紙が届いてまして」
「コイツは………」
見ただけで分かる、嫌な予感。
文面にはこう綴られていた。
―――親愛なる我が友へ。
今日、ここ紅き都でパーティを行おうと思っている。
是非、君の参加を希望したい。
時に縛られぬ空間にて、珈琲を飲みながら待つ。
ブルブラン
「……今度はお前かよ」
「……?友人の方ですか?」
「あー……いや、友人とは呼びたくない輩だ」
……なんなんだこれ。
しかも、パーティ……アイツ、またやらかすつもりか……
「わざわざありがとう。手紙は預かっておく」
「は、はい。では失礼します」
「ん、さんきゅ」
一礼し、部屋を出ていくフェイ。
……だが、この言い回し……なるほどな。
とりあえず、この手紙に書かれた場所に行くとしよう。
………この面倒くさい書き回し、勘弁してくんねぇかな…。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「やぁ我が友。よく来た」
「書き回しが面倒くさいんだお前は。時間かかったじゃねぇか」
「ふっ、それこそが私というものではないかね?」
「あー……はいはい。そうだな」
俺はオスト通りにある酒場に来ている。
ここの珈琲はわりかし有名で、時に縛られぬというのは、貴族層と別れているってことだ。
「たく……んで、今回の標的は?」
「うむ、よくぞ聞いてくれた。だが、それについては話すわけにはいかない。警備がキツくなってしまうからね」
「ちっ……察しがいいな」
「でないと、この偉業を達成させることは出来ないからね」
本当に面倒くさい。
ブルブラン。執行者の一員で、またの名を怪盗Bと巷を騒がせている怪盗だ。
何度もコイツを相手しているが、いつも逃げられてしまうし、運良く捕らえてもすぐに逃げられてしまう。
若干、コイツの相手に疲れてきているのも事実だ。
そんな奴が、何故俺を呼んだのか。
「リィン君と言ったかな……彼はなかなか面白い人種のようだ」
「……お前もリィンか。マクバーンといい、こうも厄介人に好かれるなアイツは」
「ほーぅ……?それはまた面白い。しかし、彼が君以外に興味を持つとは……ふふふ、私の見立ては間違いではなかった」
そういい、珈琲を啜るブルブラン。
いつもは紅茶ばかり飲んでいるくせに。
本当に珈琲の良さを分かってんのか…?
「さて、我が友。君を呼んだのは一つの理由があってね」
「んあ?なんだよ」
「これから私が行う盗みを、見逃して欲しいのだ」
「……はぁ?」
「今回の偉業、これはあくまでリィン君の力量を測る、いわば戯れなのだよ。盗んだ商品は必ずお返しすると約束しよう。どうだね?」
「戯れ、ねぇ……」
珈琲を一口。
どうせ止めてもコイツは勝手に行うだろう。
商品を返すとまで言っているんだ。
コイツのことだから本当に返してはくれるはず。
だが……。
「どうしてそこまでリィン・シュバルツァーに興味を持つんだ……?お前は」
「ふっ……愚問だ我が友よ。君に似ているから、さ」
立ち上がり、そのまま出口へ向かうブルブラン。
最後に一言、こう付け加えて。
「鬼の力に、興味があるのだよ」
いや、ブルブラン難しい。
ブルブラン自体は好きなのですが、いざ喋らすと本当に面倒くさい奴ですね。
あ、トーリもおんなじ事言ってたわ((((