本分は勉強のため、テスト週間中は手を付けれませんでした。
ですが、無事に終わりましたので、再開していきます。
ノルドでの一件から時間が経つ。
あの後、ミリアムとリィン達が洞窟内に侵入。
奥にいた猟兵団を捉え、ミッションを完了した。
だが、その主犯格でありそうな眼鏡の男を逃がし、俺はその男を追っていた。
……恐らくは、Mの仲間であろう。
と、なると……。
「……アイツの仲間、でもあるってことか」
クロウ・アームブラスト。
俺の幼馴染であり、恐らく、閣下の命を狙っている組織の一員。
止めなければいけない。
例え、殺すことになったとしても。
「……手詰まり、か」
俺は今、その眼鏡の男に関する情報を頼りに近辺を洗っているところだが、収穫はない。
寧ろ、無駄な時間を使ったと言うに等しいくらい、何も得ることはなかった。
「手がかりはゼロ…、くそ、情報局にもなにも来ないし……しばらくは様子を見るしか、ないか…」
そう思い、来た道を帰ろうとする。
その直後。
「…!?」
背後から、異常な気配を感じた。
この感じは、『人間ではない』
慌てて振り向くと、そこには見知った、そして出会いたくない一人がニヤニヤしながら立っていた。
「いよーぅ……トーリじゃねぇかぁ……」
……最悪だ。
よりにもよって、コイツとは……。
まだ、鋼の聖女なら交渉の余地は有るだろうが、こいつには通用しない。
「マグバーン……」
「んぁ…?つれねぇな。感動の再会じゃねぇか」
「お前との思い出はろくなもんじゃないからな」
「ふぅむ……?……あぁ、あの山が消し飛んだやつか……ありゃぁやり過ぎだとは思ってるさ」
「……なにがやり過ぎただ。あんとき、鋼の聖女が止めに来なかったら続いてただろうが」
「余計な邪魔だったなぁありゃ」
こいつとは、何度か刃を合わせている。
毎回毎回、地形が変化してしまうが。
マグバーンとやり合うなら、カンパネルラに結界を貼って貰わないと消し飛んでしまう。
「んで、何のようだ」
「んなに身構えんなよ。今日はやりに来たわけじゃねぇ。あのリィンとかいうガキについてだ」
「リィン……?リィン・シュヴァルツァーのことか?」
珍しいもんだ。
こいつが他人に興味を持つことがあるなんて。
……まぁ、内容は想像できるが…。
「あぁ、そいつだ。そいつの中には…混じってるぜ。俺やお前とは違う、一部だがな」
「……あぁ、感じはする。何かのスイッチをきっかけに出てくる厄介なタイプだ」
「…くくく、俺は楽しめればいいんだが。んで、そのガキはどんくらい戦えるんだ」
「……やめとけ。消し炭が一つ増えるだけだ」
「ふぅ……ん。ま、今後に期待ってやつか」
そんなことを話しながら、手から火を出したり消したりしているマグバーン。
こいつは、ただの人間ではない。
寧ろ、人間ではないと言ったほうが正しいのだろう。
本人曰く、俺は火を出せる、それだけだ。などと言ってはいるが、あいつの中には間違いなく人間とは異なるモノがある。
「邪魔したな。トーリ。次会うときは殺り合おうや」
「……結構だ。もう一度鋼の聖女のストレートを喰らいたいなら話は別だが」
止めに来た鋼の聖女が最初に動いたのは、俺とマグバーンに対して全力踏み込みの右ストレートだった。
俺は何とか起動を逸らして直撃を免れたが、拳圧だけで吹き飛ばされてしまった。
あんなのを直撃したら即死だ。
「…、まぁ、楽しみにしてるぜ…。またな」
そう言い、焔を纏って消えるマグバーン。
……願わくば。もう会わないことを祈る。
そんなことを思いながら、消えていく焔を見ているのだった。
戦いの火蓋は、もうすぐ落とされる。
マグバーンさん登場です。
どうやら、トーリはマグバーンと知り合いらしく、鋼の聖女とも面識があるようで。
そのお話は別の機会に書かせて頂きます。
それと本当に遅れてしまい申し訳ありません。
何か言うべきだったのですが、忘れてました((((
また、よろしくお願いします。
ご意見、感想お待ちしております。