影の軌跡 〜鉄血の子供たち〜   作:もっさん。

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はい、もっさん。です。

そろそろオリジナルシナリオをぶっこんでいきたいと思っております。

トーリとは、どんな人物なのか。

想像で膨らませて頂きたいですね。

それから、お気に入り数が60を超えていました。

投稿する度に増えていてとても嬉しいです。

ありがとうございます!





十三話 変態皇子

十三話

 

 

 

 

 

 

………。

 

「トーリ?」

「あぁ、ごめん。なんだっけ」

「もう、ちゃんと話を聞いてください。さっきからずっとその調子ですよ?」

「あぁ……ごめん」 

 

どうやらずっとクレア姉の話を聞いてなかったみたいだ、申し訳ない。

……やっぱり、頭から離れない。

内容はもちろん、この間襲ってきた急襲者。

確か、M、と言ったか。

俺と同じ天ヶ瀬流を使ったあの少女……。

要注意人物の一人だ。

 

「そろそろ着きますよ」

「……あぁ、そうだね」

 

俺とクレア姉は今、帝都ヘイムダルに向かっている。

なんでも、オリヴァルト殿下直々の呼び出しらしい。

 

「オリヴァルトからの直接の呼び出しなんて……」

「えぇ、何かあったのでしょうか」

「圧倒的、嫌な予感しかしねぇな……」

 

案の定、その予感は外れなかった。

 

 

 

 

 

「やぁやぁトーリ君。君を待っていた。クレア君も、よく来てくれた」

 

俺達を出迎えたのは、口に薔薇を咥えたオリヴァルト皇子……もとい変態皇子。

 

「君失礼なこと考えなかったかい?」

「事実を思っただけだ」

「あ、あははは……」

 

相変わらず、何考えてるかよく分からない奴だ。

 

「それより、用ってのは?大尉級を二人も個人で呼び出したんだ、何かあるんだろう?」

「ふむ。それについてだが、まずはかけたまえ、ゆっくりと話をするとしよう」

 

オリヴァルトはそのままソファーに座る。

俺達も向かい側のソファーに腰掛ける。

しばらくすると、使用人らしき人が紅茶やお菓子を持ってきてくれた。

 

「それで、話というものだが。先日、各国の会議で通商会議が行われる事が決定してね」

「ん……あぁ、共和国やら帝国やらの首脳級を集めて会議するってやつか」

「そのような認識で構わないよ。それで、帝国からはオズボーン宰相が行くことになると思う」

「閣下が……、まぁ。妥当と言えば妥当ですが」

「そして、国の象徴としてという名目で、私も行くことになったのさ」

「なるほどね…、まぁそれがどうかしたのか」

 

紅茶を飲みながら尋ねる。

すると珍しく、オリヴァルトが目を細める。

 

「僕は、その通商会議で何かが起こると踏んでいる。二人はその会議中は当然警備に当たると思うし、伝えとこうと思ってね」

「……何かが?」

「そうだ。最近良からぬ噂を耳にしてね。なんでも、鉄血宰相を暗殺しようとする輩がいる、というね」

「……そっちにも情報がいったか」

「そして、最近起きている不可解な事件。どうも無関係とは思いにくい。だから二人にはこの暗躍を止めてもらいたい」

「そりゃ、任務になるだろうし止めるけど……」

「何故、改めて私達に?」

「君達がいい関係だと聞いてね」

『あーなるほ……はぁ!?』

「愛とは素晴らしい。予想を遥かに超える力だ。その愛があれば、どのような困難をも乗り越えることができるとは思わないかい?」

「な、何を仰ってるんですか!わ、私とトーリはまだそんな関係じゃ……!」

「ほーう、まだ、かね」

「ーー!!」

 

クレア姉がオリヴァルトの標的になってしまった。

こうなったら当分は開放されないだろう。

真面目になったなとか思った俺が馬鹿だったよ。

 

 

 

 

 

 

 

「……もういやです」

「あ、あははは……お疲れ様」

「もう…どうして助けてくれなかったんですか」

「アイツは一度走り出したら止まらないから。ほっとくのが一番なんだ……」

「……納得いかないです」

 

あーあ、ふてくされちった。

 

 

 

 

 

 

「ふっ……はっ……ふっ……」

「あらー、精が出るわねM」

「同士S……えぇ。負けられないですから」

「そんなに、倒したいの?」

「はい。あの人を倒すことで、私の存在を証明出来るんです。負けられません」

「ふーん……お姉さんよく分からないけど。無理しちゃ駄目よ?」

「あ……は、はい。わかりました」

「うん、素直で宜しい」

 

無理をするな。

そう心配されたのは、何年ぶりでしょうか。

私にはもう、刀を振るうしかない。

あの人を……同じ剣を使うあの人を。

超えなければ。

 

『人を殺す剣士は、天ヶ瀬に一人でいい』

 

なら、私がその一人になりましょう。

貴方に……負けない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




謎の剣士M。

どのようなキャラだと思いますか?

僕的にはこれっていう想像があるのでにやにや出来ますね。

ヒロインは、クレアですよ?((((

ご意見、感想お待ちしております。

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