お気に入り数が50超えてました!
ありがとうございます!!
それと、前話で言ったクレアの萌えるシチュエーションについて早速ご意見が届きました。
これについては常時募集しておりますので、どしどしコメント下さい。
「おーい、こっちだよー!」
送られてきた位置情報を元に、ミリアムの場所へと向かいたった今着いたところ。
ミリアムも仕事着として白いスーツアーマーのようなモノを着ている。
「様子は?」
「今のところはね。だけどガーちゃんが近づいてくる列車を見つけてくれたからそろそろじゃないかな」
「なるほどね……って、アイツら…?」
ふと砦の方に目をやると、砦の中に入ってくる士官学院生が。
その中にはリィン・シュバルツァーの姿も確認できた。
「アイツら……どうしてここに?」
「んー?トーリ知り合い?」
「あぁ、前の任務で顔を合わせたんだが……ほら、クレア姉の卒業校のトールズ士官学院の奴らだ」
「へー。見た感じ面白そうな人ばっかだね!」
「ほんと、特徴的な奴らばっかだよ」
なるほど、特別実習生ってやつか。
……今度サラに苦情送ってやるか。
しかし、タイミングの良いのか悪いのか……。
「今回は顔合わせが無いことを祈るぜ……」
改めてオーロックス砦を見てみる。
……俺の記憶とは全然違う外壁だな。
領邦軍の兵士も多い。
「ね?厄介でしょ?」
「あぁ…。コイツは洒落にならないな。本気で戦争する気かよこいつら……」
ここまで来たら、近いうち抗争は避けられんかもしれないな……。
均衡を破るのは、どっちだろうか。
「あ、来たみたいだよ」
ミリアムの声の方を見ると、列車がやって来るのが見える。
貨物台に、大量の戦車を乗せて。
「1、2、3、4、5……結構な数だな」
「こりゃすごいねー。僕とガーちゃんでもちょっとキツイかな」
「破壊は容易いが、数を揃えられると厄介なのは間違いないだろ」
「またまたー。 なんだっけ?しんとうけんげん?ってやつ使えば簡単なくせにー」
「あれは特別だ。まだそう連発は出来ないしな」
んなこと言ってるうちに、リィン達がオーロックス砦を出て行くようだ。
……あの少年、ユーシス・アルバレアか。
見た感じ、この砦はよく思ってないみたいだが……。
「じゃあ。僕らも行こーかー」
「あぁ。そうだな………」
翻し、帰ろうとする。
が、背後から感じる殺気に思わず刀を抜く。
「なっ………」
こいつ……さっきまで気配を消して……?
ミリアムもアガートラムのステルス機能を消して臨戦態勢に入ってる。
「トーリ・X・アイゼンブルグさん、でよろしいでしょうか」
「そうだと。言ったら?」
「すみません、貴方には恨みは無いのですが……」
そういい、謎の少女は腰の長い刀を抜く。
……この刀、居合刀か…!
「ミリアム!とりあえずこの場から離れろ!」
「ぼ、僕も一緒に…!」
「馬鹿!お前じゃ勝てっこねぇ!早く逃げろ!」
ミリアムを無理やり逃げさせ、改めて少女の方を見る。
どうやらミリアムを追う気は無いようだ。
あくまで、狙いは俺ってことか……
「……アンタの名前は?」
「それはお教え出来ませんが……同士からは『M』と呼ばれています」
「……なるほど、理解したぜこんちくしょう」
俺も刀を二本抜く。
最初からある程度力出さねぇとやられる。
なかなかの実力者だぞこいつ……。
「いいのか、居合刀なのに刀を抜いて」
「……まずは力量の方を測ろうかと思いまして。それに、私の居合は抜刀からでも問題ありません」
「……納刀居合、まさか」
「……『烈の瞬閃』M、いきます」
「……『影の刀神』トーリ・X・アイゼンブルグ、押して参る」
刹那、刀と刀が火花を散らした。
……速い。流石は居合を得意としてるだけはある。
相手の剣戟を捌きながら出方を見る。
刀の速さなら、俺よりも上だろう。
そしてなにより、あのリーチの長さ。
俺の二刀流とは相性が悪い。
一撃防いで二撃目という、二刀流の基本が繰り出せない。
「……なるほど、概ねは理解しました」
刀を振りながら、そう呟くM。
観察眼もなかなか、厄介な奴だ。
「お前の流派、やっぱり」
「分かりましたか」
そういい、距離を取るM。
これは不味い…!
「天ヶ瀬一刀流居合。螺雲」
その瞬間、一瞬で距離を縮められる。
くそ……縮地か!
回転しながらその遠心力で引き抜かれる居合刀。
喰らえば大ダメージは避けられない。
「天ヶ瀬弐閃流、叢雲!」
こちらも回転しながら応戦。
叢雲は本来、敵を引き寄せ剣戟を与える技だが、今回は相手から近づいてきているので反応しやすい。
火花が散る。
威力を相殺しきれずにお互い離れる。
が、また縮地で距離を縮められる。
「天ヶ瀬一刀流居合、薙風」
「天ヶ瀬弐閃流、螺華!」
お互い縮地で距離を詰め、刃同士が火花を散らす。
さっきからそれの繰り返しで進展がない。
「……貴方の使う流派は二刀流でしたね」
距離を取り、そう口を開く。
「なぜ、二刀流に変えたのですか?」
「………その方が効率がいいからだ」
「それは嘘です」
刀を納刀し居合の構えを取るM。
……。
「私の居合は相手に直接接近するタイプです」
「そのようだな。自身が動くからキリング・ゾーンが調整出来る珍しいタイプだ」
「ですが、貴方はこの剣の対処法を知っている」
「……」
「その沈黙は肯定と見ます。ですが、それを行わない」
再度距離を詰めてくる。
「いえ、行えないのではないですか?」
咄嗟に飛び退き回避する。
俺が立っていた場所には何回も抉られた様な傷が残る。
「だとしたら?」
「貴方は死ぬだけ」
刀を抜き身で距離を詰められる。
……!こいつは!
「天ヶ瀬一刀流居合、納刀の紡、風死」
「んぐ…!」
多方向から襲い掛かる無数の剣戟。
最初は凌ぐが追いつかず、一撃貰ってしまった。
……。
「……何故、何もしてこないんですか」
「………」
「……怖いんでしょう?長い、この刀が」
「……!」
「かつて、貴方が免許皆伝したこの居合が、怖いのでしょう?」
「……そうだな」
「怖いよ。その刀は。俺は、とんでもないモノを極めちまった」
「…………何故。この剣を捨てたんです」
「決まってんだろ。それは強過ぎる。使えば身を滅ぼす。それが嫌だった」
「それは嘘です。使えば自分が殺人衝動に駆られる。それが嫌だった」
「……なんでもお見通しかい」
「トーリさん。貴方は強い。でも弱い。それは技量ではなく、心身の弱さ」
「………」
「今の貴方には何も残っていない。……残念です」
Mは刀を鞘に入ったままの状態で目を瞑る。
………驚いた。そこまで出来るのかい。
「貴方に、天ヶ瀬を名乗る資格は無い……さよなら」
刹那、Mの姿が消える。
否、速すぎて見えないのだ。
おそらく、彼女は今俺の周囲を縮地で動き回っているんだろう。
……。
「…天ヶ瀬一刀流居合奥義!凪閃!」
「……!」
正面に急に姿を現したMは、最高加速の状態で居合を放とうとしている。
流石にあれ喰らえばひとたまりもない。
「はぁぁぁぁ!」
彼女の剣は、ある意味真っ直ぐだ。
曇りがなく、綺麗な玉鋼の輝きを放っている。
だから。
「お前には、その技は早いよ」
その技を使う資格がない。
向かってくる刃を左の刀で弾き飛ばし、背後に移動し右の刀で首元を捉える。
「なっ……!?」
「天ヶ瀬弐閃流、空蝉。直線からくる攻撃は大体これで凌げてな。二刀流にしたのも、攻撃ではなく防御に特化する為だ」
首元に刃を接触させながら考える。
このまま殺すことは簡単だ、だが、それでいいのか。
昔の俺なら殺していただろう。未熟で、自分の道も見えなかったあの頃なら。
「一刀流を捨てた訳じゃない、逃げた。これは紛れもない事実だ。これをどうこう言われようが言い訳をするつもりはない。だが」
刀を鞘に仕舞い、ペタンと座り込むように崩れるM。
その目は虚ろで何も映ってはいないんだろう。
「お前の剣は真っ直ぐだ。人を殺すような剣を使うべきじゃない。天ヶ瀬は捨てろ。しかも居合は、俺が完成させてしまった最悪。何処でそれを学んだかは知らないが、二度と振るわない方がいい」
「……私の剣は間違ってるんですか?」
「人を殺す剣士は、天ヶ瀬に一人でいい」
「……くっ!」
立ち上がり、ふらつきながらもこちらを睨む。
其の目は、何かの復讐心に取り憑かれているかのようだ。
「………次は、負けません」
「そのうち、見せてやるよ。一刀流」
一瞬で姿が消える。
おそらく縮地で移動したのだろう、既に周囲に気配は無かった。
M、と言ったな……。
速さではおそらく俺以上。
縮地を最大限に引き出している。居合の腕も確かだ。
……そしてもう一人の天ヶ瀬流継承者。
立場が違えば、少しは仲良く出来たのかね……。
「申し訳ありません、同士C」
「いや、問題無い。本当は俺も行きたかったのだが」
「Cの手を煩わせることはありません。……それより、本当にあの人が……?」
「ああ、そうだ。自覚はしてなさそうだが。目覚めさせ、こちら側に引き入れなければならない」
「……了解です。お互い、頑張りましょう」
「………次は負けません。トーリさん」
はい、新キャラです。
見た目はセミロングの長さで、後ろで横から髪の毛持ってきて結んでるって感じです。
シンフォギアの未来ちゃんみたいな感じですね。
ここからどうなるのか。作者もわかりません(
ご意見、感想お待ちしております。