ロリ体型なのに巨乳ってさ―――。
小さな頃から努力しまくってるのに、結局72の愛香さんが可哀想だよ!!
でも、愛香さんの巨乳って想像できないような。
まあ、胸の話は置いといて、16話です。
―――あっ!本編も胸の話だった!
新たな友達、新たな恋の生まれたその日の放課後、エレメリアンが現れた。
現場はグラビアアイドルのオープンコンテスト会場。
逃げ惑うグラビアアイドル、大きく揺れる乳房。
その光景を目にして、明らかに愛香が不機嫌になっていた。
「よりによって、なんでここなのよ…!あたしを怒らせようとしてんの?」
「愛香、既にキレかかってるぞー!一旦落ち着け!」
「え、あ、うん…」
ツインテールを撫でてやると、あっさり愛香は落ち着いた。
確かに、これだけ
だけど、まずは目の前のエレメリアンを倒すのが先決だ。
今日のエレメリアンは―――華やかな会場とは不釣り合いなゴツイ体型に立派な角を二本生やした、牛のような姿をしている。
角が立派なので、ただの牛には見えない。野牛―――いや、闘牛と言ってもいいかもしれないな。
「んん…!ここもはったりばかりで見かけ倒しの者ばかりか…!!真の巨乳はここにもおらぬ…」
不機嫌そうに呟くエレメリアン。
こいつが望むようなターゲットはいなかったようだ。
「仕方あるまい。まずはツインテール属性を頂こう、総員かかれい!!」
「「「モケー!!」」」
ツインテールにしている子が
そんな一大事なのに、彼女達はテレビ局のカメラに向かってポーズを取っているように見えるのは幻覚だろうか。
彼女達を助ける為に近づくと、牛のエレメリアンが立ち塞がった。
「邪魔はさせぬぞツインテイルズ。我が名はバッファローギルディ。我が愛する
お決まりの容姿言動不一致。
「しかし俗な属性だなぁ、巨乳属性《ラージバスト》なんて」
そんな物もあるのか、と思ってしまう俺。
すると、隣にいる愛香が、何か欲望に執着するような目を向けながら、口を開いた。
「…
「!?ちょ、ブルー、落ち着けって!」
「何を言ってるの?こんなに落ち着いているのに―――おわん…つりがね…」
「おーい!巨乳に関する俗語が口から漏れてるぞー!」
やばい、必死に『俺は愛香の胸が一番好きだ』って言い続けて、巨乳になりたいという愛香の願望を抑えつけていたのに、こいつの所為で台無しじゃねーか!!
バッファローギルディは俺の気持ちなど知る由もなく、熱弁する。
「俗な属性とは言ってくれるな。幼子よ、まだお主には分かるまい。願わくは、その成長と共に胸も大きくなると信じる純粋さを失うでないぞ。そして、弛まぬ練磨を忘れてはならぬ。それを放棄した者のなれの果てが、この者達の中にも大勢いるように人工的な乳を持つ偽善者というわけよ」
「偽善者…つまり、豊胸手術を施した人って事か…」
「でも、あんた。どんだけ努力しても大きくならない人だっているのよ」
「それは努力が足りないという事だろう。大きくなりたい、そう強く願う心が足りなかったのだ」
「―――五つの時から大きくなりたいって思って、努力してる子を知ってるんだけど―――それでも足りないの?」
「――――――えーっと、それはその…」
冷や汗をかくバッファローギルディ。必死に答えを探しているみたいだが、なかなか出てこないようだ。
俺も正直唖然としているが、隣の愛香は―――ん、愛香?…まさか。
「オーラピラー!」
「!?な、隙を!?」
「食らいなさい、エグゼキュートウェイブ!!」
「ま、まさか貧乳に―――!」
「ブルー…作戦勝ち…か?」
バッファローギルディが考えている所を狙って、
一応、作戦勝ちと言えるが、殺り方が下衆とも言えるような。
愛香はバッファローギルディがいた所の爆煙を掻き分け、青色に輝く宝石を拾い上げた。
「や、やった。やったわレッド!
「お、おう。やったな」
「これで…あたしは、うふふ…」
とても嬉しそうな笑みを浮かべる愛香。
その様子をテレビ局のカメラがしっかりと映していた。
『いやー、今日のブルーちゃん、いつもより嬉しそうだね。巨乳がどうとか言ってたし、それかな?』
『それもあるけど、考えた作戦がハマったのもあるからじゃない?』
『うん、今日のトップニュースはこれで決まりだ』
マスメディアの声が聞こえてくる。
大きな話にならなけりゃいいんだけど。
「あ、あの~テイルレッドたん」
武器をも出さぬ間に戦闘が終わった俺の元に、グラビアアイドルの子が何人か駆け寄ってきた。
同じようにして、愛香の方にも何人かが行っている。
「ツインテール、触ってもらえませんか?」
「え、えっ?」
「テイルブルーお姉様、その美しいツインテール、触らせていただけませんか?」
「え?ちょっと、その…」
俺の方は触られる、ブルーの方は触る。どうして違うんだろう?
それだけは知りたいような。
「今、テイルレッドたんにツインテールを触ってもらうか、テイルブルーさんのツインテールを触るかすると、幸せになるって噂が流行ってるんですよ~」
なんだその胡散臭い噂は、そこまで俺達は浸透してしまっているのか。
しかし困ったなぁ―――これだとまた浮気になっちゃうぞ。
「あ、あの、凄く悪いんだけど…さ。俺―――」
「えっと、その、ごめんね。あたし―――」
「触るのはブルーのだけって決めてるから…」
「レッドだけに触ってほしいから…」
二人揃って、衝撃的な事を口にした。
テレビ局等のマスメディアは、帰っていないのに。
『!?い、今の発言録音したか!?』
『しっかり録音しました!!今日の夜にでも行きますか!?』
『いかんいかん、ニュース内容の変更は免れないぞ!』
『これは―――夏が面白くなりそうだな…!』
マスメディアの方からざわざわと大きな声がする。
俺は言った事を思い出し、愛香の方を見る。―――愛香と目が合った。
湧き上がる羞恥心で、俺と愛香は揃って顔を真っ赤に染める。
そんな中で、グラビアアイドルの子が一人、おずおずと俺に話しかけてきた。
「えっと、レッドたん」
「は、はい!?」
「あの…私、同人作家もやってるんですよ。夏に…その…」
「え、ちょっと、その…出しても、いいけど、できれば俺を攻めに…!」
「了解しました!」
そして俺はまた変な事を口に…!だけど、薄い本でも攻めは絶対に俺だ!間違いない!
「レ、レッド…」
「あ、ああ、分かった!ごめんね、ブルーがもう帰りたいみたいだから…!」
「「は、はーい」」
『ブルーちゃん、可愛いなあ』
『今日の特集は二つ組むか』
恥ずかしさに耐えきれなかった愛香が、大急ぎで
顔を真っ赤にして、涙を浮かべる愛香。
「もう…せっかく
「まだ正体は明らかになってないからな!?―――でも、まあ…
「それとこれとは別なの!もう、やだ…」
両手で思い切り顔を覆う愛香。
―――両手で…思い切り…?って!?
「え、あ、愛香!!何やってんだああああ!!!!」
「そーじ!?そーじ!!」
思い切り顔を覆った反動で、腕に抱えていた俺は―――地面へ落下していった。
「はぁ…今日は一日大変だった」
『転入初日というのはそんなに大変なのか?』
(ったりめーだよ、いろんな手続きあんだからな!?夢のスクールライフとか、ギャルゲーやエロゲーで謳ってるけど、学校生活って本当は地獄のように大変、ましてや、俺みたいな転入生は人一倍だ!)
「あーあ…空からツインテールの子でも降ってこないかなぁ」
『我は空から人が降ってくる世界など見た事は無いぞ』
(妄想で悪いか!)
双崎龍、十五歳。
本日転入してきたばかりの帰国子女。
二歳の頃、親の都合で渡米。
アメリカで幼少期、少年期を過ごし、日本に帰ってきた。
―――怪しいペットを連れて。
(なあ、ドラさん)
『何だ?』
(ドラさん、テイルレッドの事憎んでるか?)
『テイルレッド…ああ、我が
(今の発言から察するに、全く憎んでないんだな)
『当然よ。あの幼子に倒され、ツインテール属性を失うのなら、悔いは無い』
(一応、幼女属性はまだ生きてるのか…)
奇妙な心中での会話を繰り広げる、龍と『ドラさん』。
それに集中し過ぎていたのか、周囲に警戒していなかったのか、彼らは空から物凄い勢いで迫る物体に気づいていなかった。
「――――――なーい!!」
「!?」
爆音と共に、龍の背後に何かが落ちた。
綺麗に地面にめり込んだそれは、ゆっくりと立ち上がる。
「いてて、大丈夫ですか…!?」
「え、大丈夫だけど…って!!」
お互いがお互いの顔を見て、驚きの声を上げた。
「テイルレッド!?」
「龍!?」
「何でここに―――!?って、ちょ、ちょっと待て!!」
「な、何でしょう―――?」
龍はテイルレッドの失言を聞き逃さなかった。
「お前―――何で俺の名前を知ってるんだ…?」
「!!そ、それは―――その!」
「…まさか」
転入初日、日本人で俺の名前を知っているのは親戚と同じクラスの人間ぐらい。
しかも、親しく名前で呼んでくれる人間は更に限られる。
龍の目に映るテイルレッドの姿が徐々に崩れ、その姿が今日できたばかり親友の姿に見えた。
そして、色々な思いを胸に、龍はテイルレッドに向かって口を開く。
「お前――――――もしかしなくても、総二だよな?」
胸の話しかやんないんだな、と思わせるサブタイ。
大嘘でした、すいません。
何処で彼に身バレさせようかと考えた結果、いろんな候補はありました。
リヴァクラ達との初戦後、会長と一緒にとか。
イエローが世間に出た後とかでも。
なのに、採用されたのは…転入初日。
いきなり身バレ。
まあ…ここからですね、大変なのは。
オリキャラをどう話に絡ませていくか、頑張ります。
あ、そうそう、総二×愛香本、テイルレッド×テイルブルー本、俺は需要大アリですからね!!