俺、ツインテールになります。lover   作:金細工師

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番外編は○-B話で表されます。
BとはBangaihenのBであると同時に、BonusのBでもあります。

ここまで書いてきた自身へのボーナスですw

さて、番外編と言いましても何をするのか。
それは簡単、ただイチャつかせるだけの話です。
今回は二人きりの休日を書いたお話。

KENZENなはず。



1-B話~一日、夫婦~

目の前には愛香がいる、いつも通りの日常。

ただ、今日はいつもと違う。

「え、今日未春おばさんいないの?」

「おう。夜まで帰ってこないって言ってたぞ」

「トゥアールは?」

「あー、あいつはAKB(アキバ)へ行くとかなんとかって」

「つまり…今、ここにはそーじしかいないって事?」

「ああ。二人きりって事だな…」

「そ、そっか」

何気なく、二人揃って顔を赤く染める。

二人きりの休日。

トゥアールがやってきてから初めてかもしれない。

それだけに、内心すごく嬉しい俺がいた。

 

 

 

「えっと…何しよっか?」

「どこか出かける?」

「あ、でもあたしお金無いなぁ…」

「そういう俺もなんだよな…どうするか…」

こういう肝心な時に金欠って一番悲しいよね。

俺が悩んだ顔をしていると、愛香が顔を赤らめ、もじもじしながら呟く。

「じゃあ…その、一日の間、夫婦っぽく過ごす…とか?」

「!?…え。あ、愛香…」

「あ、あなた」

愛香からの唐突な提案で顔を赤くし、なんとか愛香の名を呼ぶ俺。

そして、いつまでたっても慣れない『あなた』呼びが返ってくる。

もしかしたら、結婚してもまだ慣れてないとかあり得そうだ。

「あなた…ご飯にする?お風呂にする?それとも…」

「い、いや、愛香!それをするにはまだ時間が…!」

「!!そ、そうね!やだ、あたしったら何を考えてるのかなぁ!!」

時計の針はまだ11時、ようやく昼と言える時間帯。

夫婦定番のネタをするには早すぎるような。

そもそも、俺も愛香も恐らく正しい思考ができていない。

仕方ないよね、二人きりだもんね。

「じゃ、じゃあ愛香…その、今日は一日、よろしく、な?」

「は、はい。よろしくお願いします。あなた」

「あい、かっ…!」

俺は反射で愛香の身体を思い切り抱きしめる。

愛香は頬を赤くしながらも、笑みが(こぼ)れていた。

 

 

 

「あなた、お昼ごはんできたよ」

「お、愛香、ありがとう」

一日夫婦生活、いきなり『(あいか)』の手料理を食べる機会がやってきた。

「うわ、美味しそうなオムライスだ…!」

「えへへ…これも花嫁修業の一環…かな?ケチャップもハートにしてみたよ」

「!!本当に愛香は可愛いな…!そういう細かい所まで可愛いから、俺、大好きだよ」

「もう…あなたったら…!嬉しい…」

頬に手を当て、嬉しそうな表情を見せる愛香。

本当に結婚しても、これぐらいイチャついてそうだなぁ…俺達。

「じゃ、いただきます!」

「えっと、どう…かな?」

「美味しい!!愛香、すごく美味しいよ!!これ、毎日食べたいくらいだ…!」

「あなたっ…!ありがとう、大好きっ!!」

「愛香…!」

エプロン姿の愛香が抱き着いてきた。

それを受け止め、抱擁を交わす。

愛香の温もりを直に感じ、少し興奮してきた。

もういっそ、このまま押し倒すか。

いや待て、ここはあくまでアドレシェンツァの店内だ。

もし営業中に客からイカ臭いとか言われたら、完全にアウトだろう。

そんな一人脳内劇場を繰り広げる俺。

「あ、あなた。ほっぺにケチャップが付いてる」

「え、ああ…!?」

「ん…おいしい。あわてんぼさんね、ほんと」

「!?!?」

愛香が頬に付いたケチャップを指で取り、ペロッと舐めた。

そしてその指で俺の頬をつん、と突く。

愛香の何気ないその行動で俺の身体は真っ赤に染まってしまった。

「あ、愛香。お前の頬にもケチャップが」

「え?どこ?」

「ほら、ここだよ……れろ」

「!?あ、あなた…っ…!」

「お返し、だよ」

「もう…」

愛香の頬に付いていたケチャップを舌で舐めとる。

照れ笑いをする愛香。

俺の顔も自然と笑顔になった。

 

 

 

「お昼かぁ…ちょっと眠くなっちゃった」

「じゃあ、昼寝でもするか?その…一緒に」

日中で一番暖かい昼過ぎ、愛香が眠いと言ったので、俺は昼寝の提案をする。

すると、愛香は顔を赤くして、突然声を張り上げた。

「えっ!?一緒のベッドで!?」

「そうだけど…?」

むしろそれ以外にあるのか。

ベッドが二つあるなら話は別だが、一つしかないのだから当たり前。

というよりも、愛香と一緒に寝たいという思いが強いだけだが。

意味深に聞こえるけども、今回は決して意味深な事じゃないぞ。

「じゃ、じゃあ…一緒に寝よ?あなた」

「お、おう…」

首を(かし)げながら、おねだりしてくる愛香。

またイケない考えが頭を過ったが、なんとか我慢をする。

えーい…まだ押し倒してはいけない!

「じゃ、じゃあ俺の部屋…行くか」

「うん!えいっ」

「愛香…」

愛香が俺に肩を寄せてきた。

その行動に、またまた俺は赤くなってしまう。

今日の愛香は積極的というかなんというか。

本当に結婚して妻になっても、こんな感じなのかな。

すごく楽しそうだ。

 

自室に着くと、二人でベッドに寝転ぶ。

「なんか、昔の頃に戻ったみたいね。あなた」

「そうだな、小さな頃はこうやって一緒に寝てたっけ」

「うん。それが今はこんな関係になれて…すごく嬉しい」

「俺も嬉しいよ。これからもよろしくな、愛香」

「はい」

ベッドの上で愛香を抱き締める。

春の陽気と抱いている愛香の熱で、とても和やかな気分になった。

本当に、抱いているだけで気持ちが良い。

「…すぅ…すぅ」

「?愛香?…もう寝たのか」

「…そーじ」

「何?」

寝ている愛香に返事をする俺。

聞こえないはずなのに、何をしているんだ。

「そーじ…絞めちゃ、やぁ…!」

「え?絞める?」

「ダメっ、置いてかないでよ…!そーじ…!」

「…愛香の夢の中の俺は何をしてるんだ…!?」

絞める、置いていく。

なんとなく、ある事が浮かんだが、口に出さないでおこう。

色々まずいから。

「…そーじ…もうこんな事しないでね?」

「え、えっ?」

「だいすき…んー」

「こ、これ、愛香寝てるのか!?」

愛香が俺の唇目がけて顔を近づけてきた。

一応、愛香は寝ているはずなんだが。

本当は起きてるんじゃ…?

まあ、いいか。

「んっ」

「んん…ん…」

「っ…ん!」

「んんっ、っ…んっ、んんんっ…!」

寝ているはずの愛香とディープキスを交わす。

…よく考えたら、今の愛香は無防備だ。

そろそろ欲望の歯止めが利かなくなるかも。

「っんんっ!…んんっ…!!」

「んむっ…んん…っ、ん…!」

「んん…っ、ぷはぁっ…!」

「はぁっ。すぅ…すぅ…」

「…また寝たし」

深く、甘いキスを終えると、愛香はまた寝息を立てる。

ずっと一緒に育ってきた俺にも、愛香の全てを知るという事は遠い道のりなのかもしれない。

まあ…どんな愛香でも、俺は大好きだけど。

「愛香…」

「すぅ…すぅ…」

愛香の可愛らしい寝顔を堪能し、頭を撫でながら、俺も眠りについた。

 

 

 

「ふああ…いつの間にやら夕方か…って!?」

「すぅ…すぅ…」

「やっぱり…可愛いな」

「すぅ…すぅ…!」

「あい、か!?」

首に手を巻かれ、思い切り抱きしめられた。

本当に愛香は寝ているのだろうかと、またもや疑いたくなる。

「すぅ…っ…んっ…ふああ…っ、おはよ…!?」

「お、おはよう!愛香!」

「え、え!?あ、あなた。あたしは何故抱き着いて…!?」

「そ、そのな。寝ている時からずっと不思議な行動をしてたぞ?」

「どんな…感じ?」

「印象に残ってるのはディープキスかな」

「え、ええっ!?」

顔を真っ赤にしながら驚く愛香。

直後、恥ずかしさに耐えきれなかったのか、俺の胸に顔を(うず)めてきた。

「あなた…今日の事は…二人だけの秘密にしてね」

「え。どうしよっかなー」

「秘密にしてっ!!」

「分かったよ。秘密にしとくから」

「約束だよ?」

「はいはい」

寝る前と同じように、優しく頭を撫でてあげた。

愛香の身体から震えが無くなり、とても気持ちよさそうな顔をしている。

「あなた」

「ん、何?」

「あ、あの…ご飯にする?お風呂にする?それとも…あ・た・し?」

「!!愛香に決まってんだろ!!!!」

「きゃっ」

愛香が突然、思い出したように夫婦定番のネタを口にする。

それが引き金となって、俺は愛香を強く抱きしめた。

今日はもう絶対に離さないとばかりに。

「あ、あなた…そ、その、優しく…してね?」

「お、おう。優しく…するな?」

なんだか初めてした時に戻った気分だ。

愛香と言葉を交わし、また唇を重ねる。

そして、想いのままに営んだ。

 

 

 

「総ちゃーん、愛香ちゃーん、ご飯よー」

「ん…また寝てたのか…」

「おはよ」

「うわっ!?お、おはよう愛香」

寝ている間に母さんが帰ってきていたらしく、その声で俺は起きる。

直後、一糸(まと)わぬ姿の愛香が声をかけてきた。

俺は思わず驚いてしまう。

「あい、か…まだ裸なのか?」

「あたしもだし…あなたも裸よ」

「…!?また裸で寝てたのか…」

せめて服を着て寝ないと、風邪を引くかもしれない。

でも、どうしても疲れてそのまま寝ちゃうんだよなぁ。

「総ちゃん?愛香ちゃん?」

「「!?」」

…裸のまま寝る事が新しい(わざわ)いを引き起こす時もあるみたいだ。

「あら―――?ふふ、お邪魔したみたいね。ごゆっくり♪」

「「ゆっくりできるかああああああああああああああああああ!!!!!!!!」」

この後滅茶苦茶からかわれた。

そして、お互いを慰める為にまた交わったのは言うまでもないだろう。

 

今日はいろんな事があったけど、愛香と一日中愛し合えて、俺は幸せだ。




久しぶりにイチャイチャイチャイチャする二人が書けて幸せです。
次回から2巻の内容…頑張ります。

さて、2巻といえば、主に胸のお話。
愛香はどうなってしまうのでしょう。

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