インフィニット・ストラトス ~ダークサマー~   作:kageto

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起きた。買出しもしてきた。
さてつらつら書いていきますよっと。
ここから2、3話は中間テスト回。
話の内容は決まってるから、後は書くだけさ。

クリスマスなんて存在しない。


第27話

 

「皆さん。もうすぐ中間テストになります。一年生は座学テストのみになりますが、しっかり復習をしてテストに備えてくださいね」

 

 山田先生はここ最近、かなり体調を戻している。あの日のことは完全に覚えていないらしいけど、なにがあったのかは全て聞いたそうで、数日は教室に来ると顔を真っ赤にしていた。クラスの何人かは「スイカの上にりんごが乗ってる」といっていた。わからんでもない。にしても、4月最初の頃の癒し度満点の笑顔が戻りつつあるのは喜ばしいことだ。

 でもそうか、もうすぐ6月か。4月5月と色々ありすぎたからな。もうすぐ6月といわれても、なんとなくしっくり来ないんだが。それにしてもテストか。

 

「といっても、今回のテストはそんなに気を張らなくても大丈夫ではあるんですが」

 

 え?頑張んなくていいの?

 

「えっと、先生。テスト頑張んなくていいんですか?」

 

 とりあえず代表して聞いておく。

 

「えっとですね。今回のテストでは、この2ヶ月での皆さんの習熟速度を確認するものなんです。それでですね。その度合いによって今年の残りのカリキュラムを組みなおすんです。ですのでありのままの状態で挑んでくれていいんです」

 

 「けど」と山田先生は続ける。まぁそうおいしい話はないってことなんだろうな。

 

「度合いが遅ければ遅いほど、三学期がつらくなるので、ある程度進んでいたほうが安定して一年を過ごせますよ」

 

 結局はしっかりとやっておけってことだな。こと学校の勉強に関して、楽な道はないってことか。

 

 

 

 

「にしてもあれねぇ。ここの教師達ってえげつないわね」

 

 それは納得だ。

 

「りんり~ん。どゆこと~?」

 

「ええい。りんりんはやめなさいって言ってるじゃないの。つまりね、私達生徒は必ず勉強するようになってるのよ。頑張らなくてもいいっていう言葉を信じたヤツは必然的に成績下位になって、取り戻すために勉強する。信じなかったヤツは成績を維持するためにちゃんと勉強する。この学園は国立だから、成績を落とすと自身の将来に完全に直結しかねないから、成績下位で安穏とするようなのはいないからこその所業よ」

 

 将来ISに関わっていくんだったら、成績が良いに越したことはない。そのほうが就職に有利だからな。どの企業だって成績がいい人間を欲しがる。だからこそ、このやり方。

 

「そっか。勉強しなくて成績落とす人が実際に出たら、本人達は勉強すれば取り戻せると思って頑張るし、成績落とさなかった人たちは、勉強しなかったらどうなるのかの実例が存在するから勉強を疎かにしないんだ」

 

 はい。シャル正解。だからえげつないんだよ。最終的にみんな勉強するようになるんだから。

 

「にしても簪。珍しく専用機製作作業やってないのね。普段はこうやってだべってるときでもウインドウの一つは開いてるのに」

 

「成績落としすぎると学園の施設使わせてもらえなくなるから、テストはしっかりすることにしてるの」

 

 教師陣えらい。簪をうまく制御してる。その辺の約束事を決めてなかったら、テスト期間中でもお篭もりしてただろうからな。

 

「けど、ただおとなしくテスト受けるっていうのも、面白くないわね」

 

 あー。鈴が悪いこと考えてやがる。そしてこういうときは高確率俺も巻き込まれるんだよなぁ。

 

「あまり面倒なことはするなよ。具体的にいうと、俺の負担は少なめで」

 

「だいじょーぶ。あたしにまっかせなさ~い」

 

 

 

 それが大丈夫じゃなさそうだから、心配してるんだっての。

 




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