インフィニット・ストラトス ~ダークサマー~   作:kageto

13 / 51
本日二度目の投稿。
第12話から読んでください。
第02話も改訂してますのでそちらもどうぞ。


第13話

 さて、怒涛の四月が終わって、五月の一日。今日も今日とて授業が続く。

 

 そういえば今日、隣の二組に転入生が来たらしい。けどこの場合って、転入生と言うよりも入学してたけど諸事情で学校入りが遅れてた、プチ休学扱いなんじゃね?

 

 まぁ誰が来たのかは本人から聞いてるから、当然知ってるけどさ。挨拶は向こうから顔見せに来るだろ。後攻よりも先攻って感じだしな。

 

 っと、考え事してたら授業が終わっちまった。一般科目は特別授業のおかげで先を進み始めたからな。授業が楽だ。

 

 

 

「一夏~?いる~?」

 

 本当にソッコー来たよ。しかも休憩時間が少し長い二限目終了後に。

 

「なんだ。背ぇ伸びたとか言ってた割りに伸びてないじゃねぇか。ミニマム過ぎて、気ぃ張ってないと見失いそうだ」

 

「はんっ。あんたがムダに伸びただけでしょ。脳みそ使ってないから余ったカロリーの分だけ背が伸びたんじゃないの」

 

 睨み合うようにして黙る。クラスのみんながハラハラした様子で見守っている。

 

 

 ぱぁんっ

 

 

 ハイタッチをして笑う。

 

「相っ変わらずねぇ~。その毒舌聞くと、ホントに日本に帰ってきたって感じるわ」

 

「一年ぶりだっけか?なんかもっと会ってなかった気がするが。けどマジでそんなに伸びてねぇな。相変わらず一年で数センチしか伸びてねぇの?」

 

「そうなのよね。食事もちゃんとして運動も欠かしてないし、睡眠時間もしっかりとってるのよ。なのに毎年数センチだけ。けど、小さい頃からずっと同じように伸びてるから成長が止まるだろう二十歳までは伸びるわよ」

 

「二十歳頃までコンスタントに伸びれば、二十歳の頃には小柄ですむくらいには伸びるな」

 

「もうちょっと伸びてほしいけどね」

 

 いや~。この感じ懐かしいなぁ。

 

「おりむ~。その人、ともだち……で、いいの?」

 

「ん?あぁ悪い悪い。驚かせたな。小中のときの幼馴染で……」

 

 挨拶を促してやる。

 

「凰鈴音(ファンリンイン)よ。呼びにくいでしょ?リンでいいわよ。一夏とは幼馴染でダチよ」

 

 仁王立ちで少し胸を張って宣言した。そのフレーズ好きだなぁ。

 

「ダチ?」

 

 クラスメイトの誰かが呟いた。

 

「そ、ダチ。あ、先に言っとくけど、恋愛感情はないわよ。とっくにフラれてるし」

 

 爆弾投下してんじゃねぇーーーーー!

 

 慌てて耳を塞ぐ。横で鈴も耳を塞いだ。

 

 

『ええぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!?』

 

 

 クラスで大絶叫。そして自分達の絶叫で耳を押さえて蹲る。なんと言う自爆。

 

「あぁ~。大丈夫?アンタたち」

 

 鈴が気まずそうに声をかけてる。まぁ原因コイツだしな。

 

「鈴とは惚れた腫れたの関係じゃなくて、歳いってからも『よう』って声掛け合えるような、そういった関係なんだよ。俺にとっちゃ。だから、ダチ」

 

「ある意味恋人よりもすごい関係じゃない?まぁ、フラれたときは本気で泣いたけど。これでもかってくらい泣いたけど。泣きすぎて声が枯れるくらい泣いたけど」

 

「中学入ってすぐくらいだったろ?もう三年も前なんだな」

 

「あたしからしたらまだ三年よ。もっと昔かと思ったわ」

 

 っと、気がついたらまた鈴と二人で話し込んじまった。

 

「っつーわけで、幼馴染兼ダチってわけだ」

 

「アタシが去年一年中国に行ってたから、久しぶりに会ったってわけよ。今年の頭まではメールでやり取りしてたんだけど」

 

「ど~?」

 

 のほほんさんが気がついたら鈴の目の前の席を陣取ってた。いつ移動したし。

 

「コイツがIS動かしたもんだから、保護もかねて海外からの回線すべて押さえられたみたいで連絡つかなくなってたのよ」

 

「まぁそれまでのやり取りでISパイロットになったことは知ってたから、学園に来ると思ってたんだけど、入学して見当たらなかったから、今日の転入生の話し聞いて鈴だろうと予想してたわけだ」

 

「私はニュースや国のお偉いさんから一夏がIS学園に入学したのは知らされてたから、自分のクラスで一夏のクラス聞いて、長めに話せるこの時間狙って来たのよ」

 

 今度は腕組んで仁王立ちしてるし。しかも地味に似合ってるから困る。

 

「おっと、そろそろ休み時間終わりだ」

 

「そうね。ってなわけで、あたし二組だけどよろしくねっ!」

 

 鈴はにこやかに笑って隣の教室に戻っていった。

 

 

 鈴も戻ってきたし、IS学園(ここ)の生活も楽しくなるなぁ。

 

 あ、中学のプチ同窓会でもするか。鈴に会いたいヤツもいるだろうしな。

 




と、言うわけで、鈴はこちら側ですが、ヒロインではないです。ダチです。親友です。



感想を書いていただけると、私は狂喜乱舞します。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。