しかし余り書く事は多く無い代わりに伏線は多い。
ついでにほっぽちゃんだから書き方とか分からなかったりしましたが、想像で書きました。
いくつか伏線回収をしたけど分かりますかね?
迷い込んできた深海棲艦の少女は何を思うのか。
九条という存在に触れ、何を感じるのか。
これは、とあるほっぽちゃん。北方棲姫の日記である。
S月B日、アメダヨ!
深海棲艦同士の抗争で敗北したら、いつの間にか変な鎮守府に入り込んでいた。
提督サンがノートくれたから書いてみる。
確か、今日の昼間。突然港湾棲姫の軍勢が攻めてきて、住むところを追われた。
仲間達が皆殺されて、私だけが生き残っちゃった。
それで逃げていたらいつの間にか鎮守府に居た。
鎮守府の提督サンは、本来は敵である私を匿ってくれるらしい。でも、まだ信用出来ないからカエレと言っておく。
とりあえず本土に行こうと言ってた。
仲間がいるかもしれないらしいので、一応付いていくつもりだ。
S月C日、ハレダヨ!
提督サンは良い人だ!
ほっぽの艤装を改造してくれた! しかもカワイイ!
性能も上がっているし、大きさも自由に変えられる。一日で解析したことでも凄いのに、更に改造するのはもっと凄い!
服とかもくれた。前のよりも防御性能が高い服だ。艦娘用の服なのかは分からないけど凄い!
タコ焼きなるものとかもくれて、美味しかった。
それから最初に泊まるホテルで、どうして良くしてくれるのか聞いてみたら、
「どうしてって言われてもな……まぁ理由を言うなら、『嫌』だから、かな?」
「イヤ?」
「その
ナルホド。その
だから……、か。
S月D日、ハレダヨ!
けーたいしょっぷ? ってところに行った!
どうやら提督サンが少し前に壊してしまったかららしい。
一瞬……。
けーたいに突き刺さってた弾丸が見えたケド。
あれって深海棲艦のダヨネ?
もしかして提督サンは現地に行って指揮をするの?
もしくは交戦してるの?
分からないけど、何で深海棲艦の前に生身で行って生き残っているのかが不思議。
それから、ホテルに帰った頃。
一緒に来てた駆逐艦の雷と、響が司令官に『ナゼ深海棲艦と行動しているのか』を尋ねていた。
ナンデダロ。胸のあたりがギュッて痛くなった。
その場から逃げてしまいたくなった。
提督サンは一瞬だけ驚いた顔を浮かべた後にふふ、と笑うと
「雷ちゃん響ちゃん。深海棲艦は怖い?」
「……怖いわ」
「雷と同じだね」
怖い、と答えた二人に提督サンはニコリと笑った。
そして二人の頭を撫でて言う。
「そうだね、俺も深海棲艦は怖いよ。この前は本当に死ぬかと思うくらいだったし。でもね」
そう言うと提督サンはほっぽを抱き寄せた。
「二人はほっぽちゃんが怖いかな? 今までの様子を見て、彼女が俺たちに仇なすことをしたか?」
すると二人は首を横に振った。
それを見て提督サンは、
「だからだよ。俺は敵には容赦しないけど、その敵は深海棲艦じゃない。人間だろうが艦娘だろうが、ソイツが間違ってると思ったら俺はソイツと戦う。相手がどんなに強かろうが関係ない。例え届かなくたって、戦う姿勢が重要なんだ。で、話を戻すけど俺はほっぽちゃんをどうこうする気はない。だってする必要が無いからな」
そう言って笑った提督サンを見たら、さっきまで痛かった胸が治まっていた。
その言葉を聞いた二人は、納得したような声を上げた後に謝罪の言葉を向けてきた。
ほっぽは許した。
S月E日、ハレダヨ!
今日は提督サンと色々な場所に行った。
交番とか、いろいろ。
どうやら私の仲間を探してくれているらしい。でも、陸には居ないと思うのにナンデ?
それから何か決意したように提督サンは頷いて、
「とりあえずウチで働くか?」
そんな事を言ってきた。
ナンデその答えが出たのかは分からないけど、このままお世話されっぱなしはダメだと思ったので頷いた。
それに……港湾棲姫とかが私の仲間を殺した事は忘れていない。
でも復讐はダメだと分かってるから、死んだ深海棲艦達のために和平を実現してあげたい!
提督サン、チャンスをくれてありがとう。
S月F日、ハレダヨ!
今日は学校に行くらしい。
提督サン曰く、ほっぽ達は付いてきちゃダメ! らしい。
なんでなのかな? 昨日働くって言ったからまず提督サンを護ろうとおもってたノニ。
駆逐艦の二人もそこを疑問に思ってたみたい。同じようについていくといってた。
で、問い詰めると提督サンは隠し事をしていたらしい。
ほっぽが港湾棲姫に追われて鎮守府に迷い込んだ事とかを気付いてたみたいで、尾行している人もいるとか言ってた。
改造された艤装の特殊探知機を使用して
帽子から目の当たりに画面が現れて、マップが表示されて、場所が分かる。
普段、艦娘の探知を優先してたから深海棲艦の接近には気付かなかった。
「反応ハ7! 近クニ一艦イルヨ!」
「うん、あそこだね」
指差した先には地上を歩く深海棲艦の姿。ある程度は偽装してるみたいだった。
それから駆逐艦の雷といくつか話していた提督サンが言う。
「非番だけど仕方ないか。人質をとられる前に素早く殲滅してしまおう。と言っても人数的に無理もあるし仲間に連絡されたら困る。つまり、取れる手段は一つ」
そう言って、提督サンは私達三人に言った。
「囮作戦だ。俺は学校にいるから、その間に殲滅を頼む。指示はケータイでするよ。超高性能だからね」
「一言」
まさかの壊れたケータイが伏線。そして妖精の技術(透視)
覗きに使え……はい。
とりあえず街中でも指揮が出来るようになりました(少しずつ進化していく九条君)