リトルバスターズ〜死んだ世界に参戦……?〜   作:ブラックくまさん

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どうも!少しづつ少しづつ三話に絡ませていきます!最終話までどのくらいかかるんだろ…まぁ頑張っていきます!

棗恭介の一問一答

HN:筋肉-100%
棗先輩は何で出来ていますか?教えてください

恭介の回答
愛と青春と…リトルバスターズだ!!


出来なかった事

 

「今日はここから始めるか…」

 

恭介が情報収集を開始してから、二日がたっていた

これといった情報が得られていなかったが、それでも気落ちすることはなかった

 

しばらく恭介は廊下を歩いていると向かいから音無が歩いて来るのが見えた

恭介は近づき、音無に声をかけた

 

「よう!偶然だな」

 

「あ…棗…」

 

恭介に声をかけられて若干気まずそうな顔をする音無

 

「どうした?暗い顔して?」

 

恭介は音無に明るい声で尋ねる

 

「いや…ギルドの時に不可抗力とはいえお前を巻き込んじまった事…あっただろ…」

 

「ああ…あれな…」

 

「その…なんて言ったらいいか…」

 

「すげぇ楽しかったぜ!」

 

「…は?」

 

笑顔で楽しそうに言う恭介に音無は驚き、呆気にとられた

 

「いや…楽しかったってお前…」

 

「ん?普通出来ない体験だろ?」

 

「そうだが…」

 

「だから楽しかった!」

 

「しかしあれはビビったな!まさか爆発するとわな!」

 

本当に楽しそうに笑う恭介に音無は質問する

 

「怒ったりしてないのか?」

 

「怒る?何でだ?」

 

逆に質問されて音無は言い淀む

 

「いや…ふ、普通爆発に巻き込んだら怒らないか?」

 

「別にこの世界じゃ死なないし怒る事でもないだろ」

 

そんな事を言う恭介に音無は苦笑を浮かべて言った

 

「その…悪かったな」

 

「気にすんな!」

 

再度笑顔で言う恭介

そして、恭介は思い出した様に音無に質問する

 

「そういえば、音無はどこに行こうとしてたんだ?」

 

「あー…ガルデモって知ってるだろ?トルネードの時の…」

 

恭介は頷く

 

「そのガルデモが空き教室で練習してるみたいだから見学に行こうかと思って…」

 

恭介は音無を見て目を輝かせて聞いた

 

「俺も行っていいか?」

 

「別に構わないけど…」

 

「いやっほぅ!」

 

声を上げて喜ぶ恭介に音無はぽかんとした表情で聞く

 

「えっと…ガルデモのファンなのか?」

 

「いや違う」

 

「でも今めっちゃ喜んでたよな?」

 

「バンドとか燃えるだろ?」

 

恭介は妙に熱がこもった声で音無に同意を求めた

 

「ああ…まぁ…」

 

その熱に押されて曖昧な返事をする音無

恭介は構わず続ける

 

「そのバンドの練習を見れるとか…」

 

恭介は一旦区切って、手を胸のところで握りながら言う

 

「最高じゃないか!」

 

恭介の熱に若干押され気味に音無は言った

 

「じゃ、じゃあ早速行こうか…」

 

「おう!」

 

笑顔で音無について行く恭介

恭介と音無はガルデモの練習している空き教室に向かった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

恭介と音無が空き教室に近づくと、中から歌声が聞こえてきた

 

「結構本格的なんだな…」

 

恭介は空き教室の中を覗こき、そう呟く

空き教室には四人の少女がバンドの練習をしていた

ボーカルの岩沢は見たことがあるが他の三人は初めて見る顔だったため、まじまじと見てしまう

そんな恭介に音無は声をかける

 

「そんなに見つめたら練習の邪魔になるんじゃないか?」

 

「おっと、そうだな」

 

音無の言葉で恭介は少し目線を外す

もちろんガルデモのメンバーは二人に気づいてはいなかったが、見ているものの配慮として直接見ることは控えたのだ

 

しばらく演奏を聞いていると右側でギターを引いている少女が声を上げた

 

「おっと!悪い、すぐ張り直す」

 

見てみるとどうやらギターの弦が一本切れたようだった

それを見て岩沢が全員に声をかける

 

「ふぅ、じゃ休憩」

 

そういいながらギターを降ろすとこちらに気がついた様だった

恭介と音無は軽く会釈をする

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

岩沢に招かれて、恭介と音無は空き教室に入っていた

岩沢は恭介を見て聞いてくる

 

「あんた…確かリトルなんとかっていう」

 

「リトルバスターズだ」

 

「そうそう、それのリーダーだったね…確か…棗だったっけ…」

 

「ああ、バンド練習見させてもらってたぜ!」

 

「ああ、それは構わないよ」

 

恭介の言葉に軽く微笑む岩沢

そして岩沢は恭介に軽くメンバーの紹介をした

 

「そういえば、メンバー紹介してなかったね」

 

「青いギターを引いていたのが、ひさ子」

 

「で、あっちのドラムが入江」

 

「最後にベースの関根だ」

 

恭介は「そうか」と軽く相槌を打ってから言った

 

「さっきの演奏凄かったぜ!すげぇ感動した!」

 

本当に楽しそうに笑う恭介に岩沢は微笑みながら言う

 

「ありがとう」

 

それからしばらく恭介達は好きなバンド、好きな曲について話し合っていた

そんな中、岩沢は音無に向かって聞いた

 

「あんた…記憶が…ないんだってね?」

 

「まぁな」

 

「そりゃ幸せだ」

 

そう自嘲気味に岩沢は微笑む

恭介が岩沢に聞く

 

「記憶が無いと幸せなのか?」

 

「ああいや…そうじゃない」

 

「辛い記憶がなくてって意味だ」

 

今度は音無が聞く

 

「あんたの記憶も…その…」

 

「誰かの記憶…聞いた?」

 

音無は少し間を置いて答える

 

「…ああ…ゆりのを…」

 

「ゆりのか…あれは最悪ね…あんたは?」

 

岩沢はそう言い、恭介を見た

 

「いや、誰のも聞いてないな」

 

「そう…私のはゆりよりは酷くない」

 

「ゆりより…?」

 

音無は岩沢に目線を向けて聞く

 

「たいした話じゃないってば」

 

そう言い岩沢は少しだけ寂しけ笑って答えた

 

「好きな歌が歌えなかった…それだけ…」

 

そう言い、岩沢はペットボトルの水を飲んだ

 

それから岩沢静かに語り出した…

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「両親はいつも喧嘩ばかりしていた…」

 

「自分の部屋もなく…その怒鳴り声の中…隅で小さく丸まって耳を塞いだ…」

 

「自分の殻に閉じこもるしかなかった…」

 

「どこにも、休まる場所は無かった…」

 

「そんな時とあるバンドに出会った…バンド名はSAD MACHINE」

「そのボーカルも私と同じ恵まれない家庭環境に居て、精神的に辛い時は…耳をイヤホンで蓋して音楽の世界に逃げ込んだと聞いた」

 

「私もそうしてみた…」

 

「全てが吹き飛んで行くようだった…ボーカルが私の代わりに叫んでくれる、訴えてくれる、常識ぶってる奴こそが間違っていて…泣いている奴こそが正しいんだと…」

 

「孤独な私達が人間らしいんだと…」

 

「理不尽を叫んで、叩きつけて、破壊してくれた…」

 

「私を……救い出してくれた…」

 

「それから…雨のゴミ捨て場でこのギターと出会った」

 

岩沢はアコースティックギターを軽く持ち上げた

 

「私は…歌い始めた…」

 

「何も無いと思っていた私の人生にも、歌があったんだ…」

 

「バイトをしてお金をため、レコード会社のオーディションを受け続ける日々…」

 

「卒業と同時に私は絶対あの家を出て、上京して…」

 

「そして…音楽で生きて行くんだ…」

 

「…そう…思った…」

 

「でも…バイト中に急に倒れたんだ…」

 

「次に目覚めた時…私は言葉を話せなかった…」

 

「頭部打撲…脳梗塞による失語症…」

 

「原因は両親の喧嘩を止めようとした時のとばっちりだった…」

 

「運命を呪ったっ…」

 

「どこにも逃げ出せなかった…」

 

「そのまま、私の人生は…終わった…」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

岩沢が話し終えると同時にひさ子が岩沢を呼んだ

 

「岩沢ー!みんな待ちくたびれてるぞー!」

 

「あっ!ひさ子!オーケー!」

 

そう言い岩沢は立ち上がった

そこに恭介が声をかける

 

「…その話を俺が聞いてよかったのか?」

 

岩沢は恭介に振り向き言った

 

「ん?ああ、なんていうか…あんた達には話してもいいって思えたんだ」

 

そう答える岩沢に恭介は少し真剣な顔で聞く

 

「そうか…ところで、お前の前世で…両親は見舞いに来たのか?」

 

そんな事を聞く恭介に岩沢は少し驚いてから言った

 

「変な事を聞くんだね…まぁいいか…」

 

岩沢は少し考える仕草をしてから答える

 

「えっと…確か…来てたよ…2人一緒に…何回か…」

 

「そうか…そいつは良かった!」

 

そう言い笑う恭介

 

「お前のおかげで両親は一緒になったんだ、だから…」

 

恭介は少し間を置いて言う

 

「どんなに辛い記憶でも…そこだけは誇りに思ってもいいと思うぞ」

 

岩沢は驚いた様に目を見開いてから、ふっと微笑んだ

 

「あんた…変な奴だね」

 

「そうか?」

 

「ああ…次のライブ、楽しみにしてな!」

 

そう言うと笑顔で岩沢は練習に戻っていった

 

そして恭介は音無に言った

 

「そろそろ、行くか」

 

音無は「ああ」とだけ呟き、恭介の後に続いた

 

空き教室を出るときに岩沢は恭介に答えをかけた

 

「棗!」

 

恭介が振り返るとペットボトルの水が投げられる

恭介がそれをキャッチするのを見てから岩沢は言う

 

「やるよ!」

 

それだけ言うと岩沢は練習に戻っていった

 

恭介は「サンキュー」と呟き、音無とともに空き教室を後にした





今回はここまで!
岩沢さんマジヤバイっ!書いてて泣きそうになりました…

え?こんな感じでキャラの過去書いたら心折れるんじゃね?
そう思い、急遽恭介に助けて頂いた次第です!


岩沢さんにも救いがあってもいいじゃない!

…いや本当、書いてて岩沢さんの人生が理不尽だった…

まぁ気落ちしてても仕方ないですね!

誤字脱字がありましたらすいません!

それと
ここまで読んでいただいた方々!また、お気に入り登録していただいた方々!
ありがとうございます!

でわでわ、また今度!

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