不死の英雄伝 〜始まりの火を継ぐもの〜   作:ACS

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深淵=コジマ粒子。

マヌス=アクアビットマン。

これから暫くマヌスのターンになります。

その為、道中はAllカットとなります。

それでは、マヌス無双をお楽しみ下さい。


不死の英雄伝 91

第九十一話 邪神マヌス

 

 

霧を越えて直ぐに、深淵歩きの大剣を抜き、俺を握りこもうとする腕を叩き斬る。

 

 

一刀両断とまではいかなかったが、浅くはない傷を与える事に成功した。

 

 

急いで崖から飛び降り、マヌスの頭に刃を突き立てる。

 

 

相手が腕に気を取られて居るうちに頭部を破壊するつもりだったが、落下中を狙われ、杖で殴り飛ばされる。

 

 

無理矢理結界の大盾を滑り込ませたお陰で、左腕と脇腹を粉砕されただけで、比較的軽傷で済んだ。

 

 

エスト瓶で骨を直し、改めて構え直す。

 

一々骨が折れた程度でエスト瓶を使いたくは無いが、片腕では戦い辛い。

 

 

彼はまた周囲に闇の塊を展開、更に闇の玉と思わしき闇術を放って来た。

 

 

放たれた闇の玉は着弾と同時に爆風と共に深淵の泥を撒き散らす。

 

 

盾で防いだは良いが、それの所為で周囲に深淵の泥が撒き散らされている。

 

 

先ほどは、この泥に足を取られてしまい挽肉となった。

 

 

蠢く泥から抜け出し、迫る五つの闇の塊を深淵歩きの大剣で斬り払う。

 

 

結果的に言うならその行為は失敗だった。

 

闇の塊は、全て深淵の泥で構成されていたようだった。

 

そのせいで、斬った塊が散弾となって俺を襲い、残りの塊に塵一つ残さず消し飛ばされる。

 

 

次の戦いでは、敢えて彼に握らせる。

 

 

地面に叩きつけられた瞬間に彼の足元に転がり込む。

 

先ほどまで俺がいた場所を彼の杖が叩き潰していた、後一瞬遅ければまた挽肉になる所だった。

 

 

その時に彼の左腕、つまりさっきの戦いで斬りつけた腕の傷がまだ治り切っていないのを発見した。

 

 

少しだけ希望が見えたような気がする。

 

 

直ぐに治らないと言うことが分かった為、振り下ろした体勢の右腕を斬り捨てる。

 

 

これで暫く闇術はお預けだな。

 

後先考えずに右腕を斬り落としに行った為、残っていた左腕で握り潰された。

 

 

三度目の戦いでは握り潰しにきた左腕を切断、そのまま飛び降りて、今度こそ刃を突き立てる。

 

 

根元まで捩込むつもりだったが、絶叫と共に彼の身体から深淵の波動が噴き出し、俺を弾き飛ばした。

 

 

地面に叩きつけられたが、もう奴にまともな攻撃手段は残されて居ないだろう。

 

 

勝ちを確信していたのだが、その見込みは甘過ぎた。

 

相手は深淵の力を宿し、邪神となった男。

 

腐っても神、若しくはそれに並ぶ力を持っている。

 

その事を失念していた。

 

 

彼の絶叫と共に放たれた深淵の波動は、周囲の泥と共鳴し、彼の元に集まって行く。

 

 

 

何をするのかは知らないが好きにはさせんよ。

 

盾を構えて、その泥の塊を突破しようと向った時にそれは起こった。

 

 

泥の塊の中から放たれた大矢が、俺の心臓を一撃で破壊する。

 

 

血の塊を吐き出しながらも、エスト瓶を飲んで絶命を避ける。

 

 

胸に刺さった矢には見覚えがある。

 

いや、つい最近見たことのあるものだ。

 

勘違いであって欲しいが…………。

 

 

 

泥の中から第二射が放たれたので、それを横に飛びのいて回避する。

 

避けた先で大矢のヘッドショットを叩き込まれた。

 

 

この精密射撃、間違い無さそうだな。

 

またエスト瓶で命を繋ぎ止めながら大盾を構える。

 

順番に泥は四つの塊を形成して行く。

 

うち一つの中からある男が現れた。

 

 

全身を深淵の泥で構成された、鷹の目のゴー。

 

彼を筆頭に残り三つの泥からもそれぞれが現れる。

 

王の刃キアラン。

 

深淵歩きアルトリウス。

 

竜狩りのオーンスタイン。

 

肝心のマヌスも両腕が再生している。

 

更に、彼の影で隠れていた所為で気が付かなかったが、もう一つ泥の塊があったみたいだ。

 

その中から、黒竜カラミットが現れる。

 

 

 

フッフフ、フハハッ、アッハハハハハッ。

 

 

何だよこれは、どういう事だ?

 

王の四騎士が勢揃いじゃないか。

 

ああ、そうか、マヌスは深淵の王だったな、それではあながち間違いでは無いな。

 

オールスター戦か、嬉しくて涙が溢れてくるぞ。

 

絶望を通り越して笑いしか出てこない。

 

鷹の目よ、喜べ、君の墜としたカラミットは再び天を舞っているぞ。

 

何より恐ろしいのがアルトリウスだ。

 

 

俺が討った彼は満身創痍、且つ利き腕が潰され、盾もなかった。

 

だが、目の前の偽アルトリウスは左手に大剣を持ち、右手に大盾を握っている。

 

武器も防具もヒビ一つない完全な状態。

 

上空にはカラミットが飛び回っている。

 

 

状況確認をしているうちに、竜狩りの槍で貫かれていた。

 

 

光速で迫る彼は、嘗てのアノール・ロンドでの王の試練を彷彿とさせる。

 

雷で消し炭にされながら、現実逃避のような事を考えていた。




あはははー。 か て る か ‼︎


過去最長のボス戦になりますねー(遠い目)

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