不死の英雄伝 〜始まりの火を継ぐもの〜   作:ACS

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最早骸骨ごときでは主人公の進撃を止める事は出来ないね(白目)

冷静に考えれば、今の彼の実力だと当然か。


私「桜が咲くまでには完結出来そうだな」

ニュース『所によっては桜が満開で〜』

私「 」

川津桜なんて卑怯だ。


不死の英雄伝 117

第百十七話 聖騎士

 

 

暗闇から飛び込んできた二体の犬骸骨を盾で防ぎ、月明かりの大剣の光波で消し飛ばす。

 

知覚外からの襲撃だったが、骨の鳴る音で彼らの大凡の位置は察知出来る。

 

 

周りの音に聞き耳を立てながら、下へ向かう道を辿って行くと、背後から鎧が鳴る音が聞こえてきた。

 

 

斧槍を持った黒騎士、彼が盾を構えながら一直線に向かってくる。

 

その勢いを利用して放たれる刺突、それをパリィしガラ空きとなった胴にアルトリウスの大剣を叩きつける。

 

黒騎士の身体がくの字に曲がり、頭の位置が下がった所で、今度はその頭部に目掛けて剣を振り下ろす。

 

黒騎士の頭に振り下ろした剣は彼を薙ぎ倒し、地面に背を付けさせる。

 

起き上がろうとしている彼の肩を踏み、トドメの一撃を振り下ろして絶命させる。

 

 

黒騎士を仕留めた後は、死の瘴気が濃い場所を目指しながら壁伝いに歩いて行く。

 

 

そうして行く内に、瘴気の発生源と思しき場所の前まで到着する。

 

周囲は異様に明るく、目の前にはポッカリと空いた横穴、この先に墓王ニトが居るのだろうか?

 

 

 

その中に足を踏み入れようとした時に何時もの不快感に襲われる。

 

 

周囲を見渡して見ると、視界の端に闇霊が現れる姿が映る。

 

 

それは鉄の塊とも呼べる大鎚と僅かながらも神聖を感じる盾を持った聖騎士然とした男だった。

 

 

墓王ニトの前に敗れ、亡者となったか。

 

 

彼は俺の顔を確認すると、一気に俺にまで突っ込んできた。

 

真っ直ぐに俺にまで走って来ているので、ソウルの槍を彼に向かって放ち、それが撃ち終わると同時に一気に彼へと一息に踏み込んだ。

 

 

ソウルの槍を囮とした混沌の刃による居合い抜き、並みの敵ならばコレで終わりだ。

 

 

しかし、聖騎士は盾の裏からタリスマンを取り出し奇跡を放つ。

 

 

構えはフォース、だが何かが違う気がする。

 

彼のタリスマンに収束するソウルの質が、さっきの闇霊の物とは違っているように思えたのだ。

 

その僅かな違和感を警戒して、踏み込んだ状態から飛び退き、彼との距離を離す。

 

結果的にはそれは正解だった。

 

 

フォースと似た奇跡、しかしそれは攻撃性を持っているようで、ソウルの槍を跡形無く掻き消した。

聖女レアの遺品に神の怒りという奇跡が有ったが、恐らく其奴だろう。

 

彼は俺が引いたのを見るや否や、その大鎚を振り下ろす。

 

唯の大振りの一撃、亡者化している為か直線になったそれをパリィする。

 

そのまま彼の心臓を貫くつもりだったが、今度は大鎚にソウルが収束し始めた。

 

何かしらを発動させるつもりなのだろう、今の状態を考えると俺の体勢を崩す事が狙いか、若しくは一撃で塵にする事が出来る代物か、どちらにせよ発動させてやるつもりは無い。

 

 

パリィによって開いた彼の胴を狙わず、その大鎚を狙って居合い抜きを放つ。

 

 

持ち手部分を斬り落とされた為、彼の大鎚はそれ以上のソウルを収束する事が出来ず、力を解放する事が出来なくなった。

 

 

彼の直接的な攻撃手段を潰したので、今度は彼がさり気なく握り込んでいたタリスマンを蹴り飛ばす。

 

痛烈なハイキックが見事に決まり、彼のタリスマンは遥か後ろまで蹴り飛ばされる。

 

勿論コレだけでは終わらせない、返す刀に彼の頭部に踵落としを喰らわせ、その身体をよろめかせる。

 

その隙に水面蹴りを放ち、彼の身体を転倒させ、無防備となった所で首を刎ね飛ばす。

 

 

彼が消えて行くのを見届けた後、改めて墓王の居場所へと向かう。

 

 

骸骨共を蹴散らしながら進んで行くと、最奥に霧を発見する。

 

 

その手前には三人羽織が五体、幸いまだ此方には気が付いていないようだ。

 

 

 

ゴーの大弓を取り出し、その内の一体に照準を合わせて行く。

 

手前の三人羽織の父の仮面を撃ち抜いたが、絶叫を上げてはいる、しかし絶命までは届かなかったようだ。

 

 

 

仮面が三つと言うことは頭も三つあると言う事か。

 

 

 

第二射の為に、ハルバードを矢に見立てて装填する、向こうも俺の存在に気が付いているだろうが、構やしない。

 

彼らから魔術が放たれる前に先ほど仕留め損ねた三人羽織の仮面達の中心点にハルバードが放たれる。

 

三つの仮面の中心にハルバードが突き刺さり、彼らの身体を爆散させる。

 

 

 

それと同時に飛来した四つの雷の玉を盾で防ぎながら、今度は水場に居る者に向けて竜狩りの槍を射出する。

 

かなり雑に放った為、狙いが逸れてしまったが、刀身が水に触れたので良しとする。

 

 

 

オーンスタインの性質を帯びた槍は常に帯電しているため、水場に撃ち込めば周囲の者を感電させられる。

 

それによって水場に居た三人羽織が感電死する。

 

残るは三体、盾に身を隠しながら雷を突破して行き、それぞれを混沌の刃で斬り裂き彼らを全滅させた。

 

 

 

後はこの先の墓王を残すだけか。

 

道程も其処までの物では無かったな。

 

だが、勝って兜の緒を締めよとも言う、気は抜かないでおこう。

 





加速して行く攻略。

今晩、若しくは明日にはイザリスですね。

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