不死の英雄伝 〜始まりの火を継ぐもの〜   作:ACS

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ニトも直ぐ終わらせて、早くイザリスへ行こう(白目)


それと以前、途中まで行ってますので巨人墓場までの道中はかなりカットさせて頂きます、何卒御理解をm(_ _)m

あの男、再び。




不死の英雄伝 115

第百十五話 攻略準備

 

 

身体の熱が引き、何とか動けるようになった為、巨人墓場攻略の準備に取り掛かる。

 

 

準備、と言っても道具の点検と、照らす光を記憶するだけなのだが。

 

装備の修繕を終え、アルトリウスの大盾の裏へナイフと火炎壺を貼り付けて行く。

 

骸骨相手には一見無意味に思える道具だが、火炎壺は爆風で彼らを吹き飛ばせるし、投げナイフだって使いようによっては意外な働きをするだろう、要は使いようと言う奴だ。

 

こう言った投擲物は決定力が無い、しかしその分特殊な動作無しで使えるため、俺は非常に重宝している。

 

 

 

一通りの準備を終え、巨人墓地へと足を向けた俺の目に、一人の男が目に映った。

 

木製の大盾と、返しの付いた槍を立てかけながら、地面に様々な品を並べたスキンヘッドの男。

 

向こうは俺の顔を見て顔を青くしているが、はて? 誰だったか……、思い出せんな。

 

 

俺が腕を組みながら彼を思い出そうとしている間に、彼は何やら後ろの道具袋から取り出し、手を揉みながら俺に近付いてきた。

 

 

ーへっへへ、だ、旦那ァ、ご無沙汰しておりやすー

 

ーアレから俺っちも心を入れ替えて真っ当に生きてやすー

 

ーいや〜、あの時の居合い抜きは見事でございやした、よっ世界一‼︎よっ男前‼︎ー

 

ーそれとコレははほんのお詫びの品、もといお近づきの品って奴でやすー

 

ーでっ、ですから、そ、そのような、か、か、感情の欠片も感じない顔で睨み付けるのは……ー

 

ーそ、その品の説明がまだでやんしたね、そいつは女神の祝福と申しましてー

 

彼から手渡された品、それは王女グウィネヴィアの祝福の掛かった聖水らしい、あらゆる傷、あらゆる病、あらゆる疲労、あらゆる呪い、兎に角何でも直せる奇跡の一品らしいが………、本当に誰なんだ。

 

俺の機嫌を取るかのように口をよく回しているが、その話に耳を傾ける事は無く、彼の零した単語に意識を持って行く。

 

居合い抜き?

 

混沌の刃を作る前に出会っていたのだろうか?

 

少なくとも作った後では彼と出会った覚えは無いのだがな。

 

取り敢えず、混沌の刃を抜いて彼と見比べてみる、何か思い出すかもしれない。

 

もし、彼と何かしら関係が合った場合、思い出さないと失礼にあたるだろう。

俺が刃を抜いた瞬間、彼は目にも留まらぬ早さで土下座する。

 

 

ーひぃぃぃぃい、申し訳ありませんでしたぁ‼︎ー

 

ーな、何かお気に触るような事を俺っちが申したでしょうか?ー

 

ーだ、旦那の前に二度と姿を見せないと言う約束でしょうか?ー

 

ーでででで、でしたら此処から直ぐ消えますんでー

 

 

 

彼はガタガタと額を地面に擦り付けながら哀れになるほど震えている、俺はそこまでの事をしたのだろうか?

 

完全に記憶から消えているのか、いくら頭を捻っても思い出せない。

 

そうして居る内に、いい加減に先へ行きたくなったので彼に退くように言う。

 

 

ー済まないが、道を開けー

 

 

ーへ、へい、直ぐ退きやす‼︎ー

 

ー何卒、何卒命だけは‼︎ー

 

 

道端のゴミを手で払いながら道を開ける彼、複雑だが今は巨人墓場に行くことが目的だ、構うことは無いか。

 

 

彼を素通りしながら地下墓地へと向かって行く、後ろから盛大な溜め息が聞こえる、どれだけ怖がられているんだ。

 

 

起き上がる骸骨達を薙ぎ払いながら、地下墓地へ足を踏み入れる。

 

以前来た時は戦いらしい戦いをした覚えは無かったが、骸骨達の強さから考えるに、大した事は無いようだ。

 

 

骸骨達を蹴散らしながら、記憶を辿りつつ下へと降りてゆく。

 

 

一番下まで到達し、車輪に絡まった骸骨達を仕留めた後、バモスの元へと顔を出しに行く。

 

 

何時も頼りにさせて貰っているハルバードの礼をしたいと前々から思っていたから丁度良かった。

 

 

 

その道すがら、大斧を持った黒騎士が上空から奇襲を仕掛けてきたが、半身を逸らして大斧を回避し、混沌の刃で首を落とす。

 

改めて敵が居ない事を確認し、バモスの鍛治場に足を踏み入れる。

 

 

彼に炎のハルバードの礼と使い心地の賛美を贈ったのだが、気難しい性格らしく、鼻で笑うだけだった。

 

 

言いたい事も言えたので、早々に立ち去ろうとすると、彼は唐突にイザリスにある種火の事を話しだした。

大きな炎の種火と混沌の種火、それがあれば更に強い炎の武器を作れるらしい。

 

 

どうにもその声色から察するに、使ってみたいのだろう。

 

 

彼のその情報に、覚えておくよ、と返し巨人墓場に足を向けて行くのだった。





取り敢えず何もない道中でしたが、次からは巨人墓場に入ります。

それと、こっから苦戦は殆ど無くなります。

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