もたついてると、マジで誰も主人公に勝てなくなる(震え声)
もしそうなったら某龍玉レベルのインフレががががが(白目)
第百十二話 闇に飲まれた小王
深淵の泥を纏ったダークレイス、いい加減鬱陶しくなって来た。
深淵の力と死の瘴気の力で、彼らの左手にある結界の力が聖剣の刃を受け止められるようになってしまっているので、一人を処理するのに時間が掛かってしまう。
左手のアルトリウスの大剣で目の前のダークレイスの身体を無理やり貫き、集まってきた他の連中を光波で弾き飛ばす。
三体のダークレイスは、爆風を回避する為に大きく飛び退いている。
真ん中のダークレイスの胸に目掛けてアルトリウスの大剣で突進を放つ。
相手の回避を予測した上の行動だ、回避出来るものでは無い。
彼の胸を貫くと同時にその場で一回転、貫いたダークレイスの身体を左側に居るダークレイスへ目掛けて投げ飛ばす。
斬りかかって来た右のダークレイスの身体を月明かりの大剣で斬り上げる。
無論タダでは斬らせてくれなかったが、月明かりの大剣の光波を叩き込み、強引に彼の結界を捲り上げる。
そうして開いた彼の胴体を一閃、彼の身体を斬り捨てる。
ずり落ちる彼の身体と入れ替わりに、奥の泥の塊から巨大な槍が放たれる。
相手の装備を削り取るような形をしたそれを掴み取り、全く同じ軌道で投げ返す。
次弾の装填をしていた所に叩き込まれた為、二発目が放たれる事はなかった。
アレの脅威が無くなったので、背後から斬りかかって来た彼の剣を白羽取りにし、腕を捻り上げて剣を奪う。
徒手空拳となった彼は、左手を光らせながら俺へと突き出しで来る。
長い溜めが有ったので、その腕に奪った剣を捩じ込み、彼の首を斬り落とす。
泥の塊が蠢き出し、突き刺さっていた槍を抜こうとしている。
その動きに合わせ、月明かりの大剣に結晶魔法の武器を施しながら、槍を発射しようと口を開いた泥の塊に光波を叩き込む。
一撃では彼を浄化する事は出来なかったが、二度三度と重ねて光波を放つ事で、彼を跡形も無く消し飛ばす。
ウーラシールよりは大分マシだが、それでも大概だな。
深淵との因縁もここまで来ると運命のような物を感じるよ。
一息ついてから辺りを見渡し、討ち漏らしが無い事を確認してから先に向かう。
盛大に暴れたお陰か、周囲全てに居たダークレイスが隊列を作りながら俺に向かってきた。
流石に数が多過ぎる為、月明かりの大剣に魔力を込めながら、昇降機前まで戻って、物陰に身を隠しつつ如何したものかと考える。
此処までで一体全体、何人のダークレイスを斬ったのやら。
次から次へと溢れるように出現する彼らの相手はするだけ無駄か………。
幸い、近い場所に霧は見えているのだ、わざわざ正攻法で攻略する必要は無いか。
そうと決まれば話は早い。
ソウルからハルバードを取り出し、骨の山に石突を突き立て刃を足場として、高台を登る。
刃に触れたお陰で鎧の具足が燃え上がったが、地面に足を擦り付けて炎を消化する。
彼らの姿が見えた頃には俺は高台を登りきっていた。
彼らを振り切れたが、コレだけではまだ霧まで届かない、霧の手前まではまだ一段高い。
足場にしようと思っても、ハルバードや竜狩りの槍では高さが足りない。
だが目の前の壁は石で出来ているのだ、以前ならば出来なかっただろうが、深淵によって変質したハルバードならば何とか出来る。
石レンガの壁に切っ先を突き立てて壁を爆破して行き、霧の前まで登る道を作り出す。
傷口から爆破すると言う性質のお陰で、ちょうど良い具合に石レンガが抉れ見事に登り切る事が出来た。
やはりハルバードは万能だな、派生強化して良かったよ。
ダークレイスの連中が俺に追いつく前に霧を潜り、目の前に見える大穴に飛び降りる。
深淵の底よりも暗く深い奈落の底、見渡す限りの漆黒、天を見上げれば、先ほど飛び降りて来た場所が闇に塞がれて行く様子が目に映った。
月明かりすら届かない場所を只管落下して行き、長い長い時間を掛けて遂に到達する。
並び立つ四人の公王。
その身体は異形となり、深淵の力を溢れさせている。
その姿を見て、今理解した。
此処は彼らの世界、完全に闇の世界なのだと。
嘗てマヌスの征伐に向かった深淵の底は、この場所の前身だったのだろう。
敵は四人の公王だけでは無い、か。
この闇の世界、此処では世界その物が敵なのだろうな。
不利な戦は常だ、今更臆しはしないさ。
ー小ロンドの公王達よ‼︎ー
ーその首、貰い受ける‼︎ー
ハルバード「足場扱い⁉︎ そんな、もうしない筈じゃあ⁈」
主人公「残念だったな、トリックだよ」
やっぱり我慢出来なかったね(白目)