不死の英雄伝 〜始まりの火を継ぐもの〜   作:ACS

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現在の主人公のステータスをfate風に纏めて見ました。

筋力 C / 魔力 A / 耐久 C / 敏捷 B / 幸運 E /宝具 A+

宝具

月明かりの大剣 ランクA+ 対人宝具 レンジ1〜99 最大補足人数 5人

竜狩りの槍 ランク A 対人宝具 レンジ1〜2 最大補足人数1人

ゴーの大弓 ランク A 対人宝具 レンジ1〜2 最大補足人数1人

黄金の残光 ランク A 対人宝具 レンジ1〜2 最大補足人数1人

暗銀の残滅 ランク A 対人宝具 レンジ1〜2 最大補足人数1人

固有スキル

戦闘続行 A

仕切り直し C

魔術 A

心眼 (真) A

透過 B+

投擲 A


クラス

セイバー 、ランサー 、アーチャー 、キャスター、アサシン、セイヴァー

こんな所でしょうか? 固有スキルがやたら多い反面、ステータスが対人特化となっていて集団戦に向かないと言う、ある意味主人公らしいステと思いますが。

宝具に関しても、其々のクラスに呼応した物+月光と言った感じでしょうか。




不死の英雄伝 102

第百二話 語られぬ英雄

 

マヌスを斬った後、どうやら俺は気を失って居たらしい。

 

 

地面に倒れ込み、疲労感から来る微睡みに身を預けて居た俺の意識を覚醒させたのは、シフが俺の顔を舐めるのと同時に聞こえてきた寝息だった。

 

 

聖剣を杖代わりに立ち上がり、その人物にまで近付いて行く。

 

 

ウーラシールの宵闇。

 

エリザベスとか言ったキノコに半ば脅迫気味に救出を頼まれた人物。

 

 

彼女は幸せそうな顔で、子供のように涎を垂らしながら寝言を言っていた。

 

 

蹴り起こしてやろうかと思ったが、その寝顔に毒気を抜かれ、起こす気も失せた。

 

 

シフの背中に彼女を乗せ、側に出現した篝火で共に転送する。

 

他者と共に転送するのは初めてだったが、俺が彼らに接触していれば問題無く転送できるようだった。

 

 

マヌスを倒したおかげで王の器も正常に反応している、元の時代の篝火は祭祀場以外反応していないが、どうにか戻れそうだな。

 

 

先ずは霊廟へと向かい、眠り姫をエリザベスに渡す。

 

 

最後まで子供のような寝言を言っていた為、別れの言葉すら交わすことは無かったが、代わりにエリザベスから秘薬を幾つか受け取った。

 

 

強力な回復効果の見込める秘薬で、万病に効き、如何なる重傷であろうと疲労であろうと、たちまち回復してしまう代物らしい。

 

貧乏性と言う訳では無いが、数も其処まで多くは無い、適切な時に使わせて貰おう。

 

 

 

最後に向かったのはキアランの元、約束通りアルトリウスの遺品を彼女へと渡しに行く。

 

 

彼女は大切そうに、愛おしそうに彼の遺品を抱きながら、震える声で俺に礼を言い、自身の愛剣を俺に渡した。

 

 

彼女にシフを託し、その場を離れる。

 

彼女は気丈に振舞っていたようだが、全てが終わった事を悟ったのか声を殺しながらその場で泣き崩れて居る。

 

 

啜り泣く声を背にしながら、ゴーの元に向かい、別れの挨拶を済ませる。

 

 

彼は俺を英雄と称し、褒め称えてくれたが、どうしても自分が英雄とは思えなかった。

 

 

俺の胸裏に刻まれた英雄の姿、それは死闘の末に辛うじて勝利を収めたアルトリウス。

 

泥人形として、その精神を弄ばれても尚意識を奪い返すその強靭な精神力。

 

神懸かり的な剣線、常人離れの反射神経。

 

不退転の決意を持ちながら戦う彼は正に英雄だった。

 

 

 

あの時、俺を勝利へと導いたのは一本のナイフ。

 

彼の追撃が避けられず、絶体絶命だった時だ。

 

ほとんど無意識に腕が動き、ナイフを投げていた。

 

それによって勝利を収めたが、その様は英雄と呼べるのだろうか?

 

過ぎた謙遜は嫌味になるが、俺の中の英雄はやはりアルトリウスなのだ、英雄呼ばわりに疑問を覚えるのも仕方ないさ。

 

 

市街の篝火から祭祀場までの転送を試みる。

 

割れたペンダントが微かに光り、時空に小さな穴を開ける。

 

身体が徐々にソウルとなり、祭祀場まで転移して行く。

 

 

 

背後から俺の背に投げ掛けられた遠吠え、そちらを向くと、キアランが白磁仮面を外し、その美しい素顔を俺に晒し深々と頭を下げている、シフは別れを惜しみ悲しげに鳴いている。

 

 

 

俺は割れたペンダントを投げ渡し、彼らに別れを告げる。

 

このペンダントには、未来と過去を繋げる力が有る、だがそれ以上の事は結局分からなかった。

 

しかし、これを置いて行くと言う事は、もうこの時代に戻る事は無いと言う意思表示だ。

 

 

彼らに向き直りハンドサインを残して行く。

 

 

ー幸運をー

 

 

それと同時に視界が暗転し身体が転送された。

 

 

 

 

俺の意識を覚醒させたのはフラムトのいびきだった。

 

感傷を吹き飛ばしてくれたのは有り難かったが、少々空気を読んで欲しかったな。

 

 

苦笑いをこぼしながら、小道具の調達に向かう。

 

黒い火炎壺、投げナイフ、各種苔などを各地で購入した後、アンドレイの元でハルバードを修理して貰う。

 

 

そのついでに、ヒドラを倒した証として宵闇の指冠を示す。

 

 

彼の条件を見事に熟した俺に、彼はアルトリウスの紋章をハルバードと共に渡す。

 

 

ー気を付けろよ、彼処は侵入者に対して容赦はしないぜ?ー

 

 

彼はそう忠告した後鍛治仕事に戻ろうとし、思い出したかのように最後にもう一つ付け足した。

 

 

ー言い忘れるとこだったが、あんたのハルバードなぁー

 

ー何と戦ったのかしらねぇが、切っ先が少し変質しちまってるぜ?ー

 

ー特に何も言わずに切っ先を俺に渡したから、そのままくっ付けたが、不味かったか?ー

 

 

恐らく深淵に触れた所為だろうが、握っていても問題は無さそうだった。

 

 

俺は首を振って、このままで良いと返答をし、黒い森の庭へと向かうのだった。

 




なのはフラグが二本立ちましたね。


ハルバードの切っ先の炎が黒炎になりました。


さあ、ハルバード君‼︎

休暇は終わりだ、24時間バリバリ働いて貰うぞ‼︎

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