とある天然の絶対回避《イヴェレイション》   作:駄文書き

6 / 52
第5話

 死体運び終了、ついでにチップの受け渡しも終了。

これにて本堂の任務は今日はおしまいである。

だが、少し遅れた理由を聞かされたので

 

「ちぃとうるさいのがいた、それだけだ」

 

と答えた。

本堂は本当に彼女らの考えがわからないでいた、なぜわざわざ身を投じてまでクローンごときを助けようとするのかを、あれか?自分のせいで作られたから助けなきゃという悲劇のヒロイン気取りなのだろうか、むしろその作られたクローンを有効活用しているというのに。といった考えを持っていた本堂には理解することなどできないだろう。

 

そんな質問を依頼人に話してみた、すると依頼人は冷めた表情で

 

「君にはわからないだろう」

 

と答えた。本堂限定ということは本堂が痛みを知らないからであるからか、

そのせいで本堂の考えが一般とかけ離れているのだろうか、

だが気にはしていない、それが本堂の道だ。

 

俺は整備された綺麗でまっすぐな道をただ歩いているだけ、

奴らの道はボロボロで曲がりくねっている、

ならば正しいのは俺だろう。

だから自分の進む道に疑問など持たない。

だからこそ俺を別の道へと引きずり込もうとする奴には容赦などいらない、

まあ、できないけどなだろうが、というのが本堂の考えであった。

 

「あ、そうだそろそろ弾の補給しておかねーとな」

 

実はこの銃と弾は特注品、反動を少なく、一発で仕留めるように改良を加えているため結構お高い。そう考えると第3位に撃ったのは少し勿体無かった。

そんなことを考えながら本堂は只今帰宅中である。

 

後で服も買い換えなくては、今日の夕飯はどうしようか、そんな一般学生のような考えをした本堂は傍から見たら運び屋だなんて思われない、腰にハンドガンをつけているだなんて思われない。

ちょっと気取ってる程度の黒い髪をした健康的な学生だ。

だが彼がLEVEL5だと知っている人は結構いる。

 

なぜなら普通に顔写真を登録しているからだ。そこからデータが流出したらしく狙われているLEVEL5は3人、

 

第一位、一方通行(アクセラレーター)

ベクトル変換により全ての運動の向きを自在に操る誰もがそう呼ぶ学園都市最強、髪が白くてアルビノ。なんで目が紅いかは知らない。

カラーコンタクトだろうか?

 

第七位、絶対回避(イヴェレイション)

天然の能力者でどういった現象が起きているかは分からないが攻撃、いわばダメージに反応して対処する学園都市の運び屋。

 

第八位、削板軍覇

なんかいきなり煙出たり遠くへの攻撃を可能にしたりよく分からない能力、戦闘能力においては学園都市でも上位らしいが馬鹿。

学問的な馬鹿ではないらしいが馬鹿らしい。

なんでも自身の能力の技の一つを念堂砲弾(アタックラッシュ)と読んでいるらしいが合わないので載せはしない。

 

上記二名は能力名が付いているが(一つは命名)第八位、あいつの能力は本当にわからないと本堂は思う。

何が条件かすらわからないため本堂より下位に属している。

ついでに言えば本堂は第八位が嫌いである。

 

あいつの能力を探るため標的として本堂は実験に参加してみたのだがいかんせん暑いタイプは苦手らしい。

第八位も俺の能力が避け専門なので少し嫌っているらしく、曰く

 

「よけずに立ち向かって来い!!」

 

無理である。

そんな事をいちいち言われては本堂は気がたつ、だが無言で蹴りを入れても銃弾を当てようともピンピンしている削板に少々引いた記憶は懐かしいもので最近は会う機会もない。

別に、会いたいとかいうわけでもないのだが。

 

そんな考え事をしているとふと体が揺らいだ、どうやらまた馬鹿が裏路地に入った本堂に攻撃を仕掛けたらしい。本堂はその馬鹿の腹に一撃、蹴りをおみまいすると気にすることなくそのまま裏路地を進む。その馬鹿は後ろで別の追いはぎなどに遭っているのだが知ったことではない。襲う相手は見極めることが大切である。

 




11月3日、修正。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。