とある天然の絶対回避《イヴェレイション》   作:駄文書き

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アンケートを活動報告(ここ重要)で取りたいと思います。
どんなアンケートかといえばここからのルートを選ぶものです。
選択肢のみここに書いておきます、ちなみにその詳細な内容は活動報告で、

1.もっと深くの暗部ルート

2.学園都市から逃亡ルート

3.変わらず運び屋ルート

※説明が足りなく不快な思いをさせて済みません。アンケートは活動報告にて回答をお願いします。


第33話

「だ、第一位...?」

 

「そいつがどうしたよォ」

 

「・・・・・・・・・ッ!(勝てるわけがないあんな化物!)」

 

第一位にして学園都市最強、それはその肩書きに相応しい程の能力を持つ一方通行(アクセラレータ)に授けられたものであった。

能力はベクトル変換、11次元に干渉する空間系能力も全てを貫くといわれる超電磁砲(レールガン)も全て彼の前では意味をなさないただの有象無象になってしまうほど強大な能力(チカラ)。そんな彼を前にした結標淡希はこのままでは死ぬという"絶対的結論"を前にしてもそれを消し去ろうと必死で頭の思考回路を操作した。

 

確かに第一位は最強だった...だがそれは昔の話、今は違う。

第一位はつい最近演算能力を失った、それは能力者にとって一番手痛いダメージ、

演算が失われれば能力(チカラ)の発現はしない、

だから勝てる!

 

そんな風に震える自分の体をなんとか押さえつけながら結標淡希は吠えた、大声にして自分で納得するように。

 

「知っているわ!貴方は演算能力をほぼ失っていることを!莫大な計算で成り立つはずのベクトルの操作なんてできない...第一位の能力(チカラ)なんて今はもうどこにも残っていないのよ!」

 

「・・・」

 

その言葉に一方通行(アクセラレータ)は無言で立っていた、否定なんてしなかった。ただ呆れ返ったかのような声で紙の城壁を崩し始めた。

 

「哀れだなぁ...」

 

「っ!黙れ!!」

 

「確かに今じゃ俺も演算は外部に任せちゃいるし勿論完全に復活ってわけじゃねェが...」

 

「黙れ黙れ!」

 

「てめェが俺よりも強くなるってわけじゃァ...ねぇだろ」

 

その瞬間一方通行(アクセラレータ)は右足を少し強く地面についた、そしていきなり何の予備動作もなく結標淡希の周りのビルの窓が割れた。なんてことはない足の衝撃のベクトルを操って割ったのだ。問題はそれを何の躊躇もなく発動した彼の人間性だ。結標淡希がこれを避けるのを見越してのことなのだろうがよけなければガラスアートの完成になってしまう。すくなくともまともな感性をもっている人間はしないだろう。

 

とあるif世界では結標淡希という人間は人間の方に躊躇なくコルク抜きを転移した。この世で一番厄介なのは理性を持つ化物ではない、知性を持った化物なのだ。理性などどうでもいいそれが強者達の世界、Level4の段階で手に負えなくなるのだからそれをLevel5...ましてや第一位がしたらどうなるか。惨劇以外の何物でもない。

 

勿論結標淡希はガラスが散っていなく転移しやすい空中へと転移した。そこには狭い場所などに移動して足が壁に埋まりそのまま引き抜いた瞬間に見えた肉丸出しの己の足を見たことによるトラウマを少しでも耐えるため、というのもあるがそれでも抑えきれなかったらしく胃から上がるものを吐きかける。この時点で既に銃はない、逃げ切る際に落としていたのだ。

 

結標淡希は空中に逃げひとまず状況を把握しようと顔を上げた瞬間に見えた小さい渦を4本生やして飛んでいる一方通行(アクセラレータ)を見て咄嗟に右手に持っていたキャリーケースを防御に使った。無論そんなものに恐れる一方通行(アクセラレータ)ではなくそのまま右手の拳を握る。一方通行(アクセラレータ)が空を飛ぶ際に利用した大気を操った翼も相まってその姿は魔王と呼んでもよかっただろう。いや最凶の方がよかったかもしれない。

そうしてそのまま拳はキャリーケースを貫通...することはなくそのまま結標淡希の顔面へと入り結標淡希はビルにまで飛ばされて気を失い花からは鼻血が出ていた。

 

「あァ・・・・・・・・・?」

 

一方通行(アクセラレータ)は悩んでいるわけではない、キャリーケースに触れられなかった理由はわかっているためだ。触れようとした瞬間、素早く割り込んだ何かがキャリーケースを奪い去ったのだ。そうしてその何かはもう目でようやく見える程度にまで遠のいている。それを見て一方通行(アクセラレータ)は...笑った。

 

「クケッ」

 

 

 

 

「(全速力だ急げ!!)」

 

「(勿論です!)」

 

そんなことを言わずに伝え合う本堂と灰理は高速で夜のほとんど人がであるていない街中を飛び抜けていた。本堂が焦る理由は言うまでもない、一方通行(アクセラレータ)の登場だ。いくら本堂が無傷で済むとはいえ荷物が破壊されたら元も子もない。今は少しの減速も惜しかった。無論、こんなので一方通行(アクセラレータ)を引き離せるとは思っていない、その気になればマッハを出せる奴だ、だから今できるのは少しでも距離を離す事でも逃げ切ることではない。一方通行(アクセラレータ)をその気にさせること。本堂はある程度は一方通行(アクセラレータ)の性格を理解していた。

 

「おいおいおい、追いかけっこの始まりですかァ!?」

 

「(もう追いついてきやがったか、だが乗ってくれた)降ろせ」

 

「(了解!ご健闘を)」

 

「あぁン?」

 

本堂は相変わらずのフル装備のまま灰理にキャリーケースを託して降りた。人一人分軽くなった灰理は更に素早さを増し消え去った。そして本堂は転移を発動し音もなく地面に着地する、その様子を見ていた一方通行(アクセラレータ)はどうやらフル装備で姿が見えない人物を大体わかったらしい。

 

「久しぶりだな第一位」

 

「てめェかよ七位、ンだァ?その馬鹿げた服装はよォ」

 

 

「年がら年中不健康そうなお前に言われたくないな、まぁちょいと

 

殴り合おうぜ?」

 

そう言った瞬間一方通行(アクセラレータ)は飛んできた、勿論攻撃は当たらないが本堂も攻撃の体制が取れない、どうやら小耳に挟んだ能力(チカラ)の低下はそこまで起きていないらしい。だがそれに賭けた訳ではない、科学の最強と戦うのだ、非科学的な能力(チカラ)なら勝てるかもしれない、ならばその非科学的な能力(チカラ)よりも更に非科学的なあの能力(チカラ)を使えるとしたら...使わない手段はない。そう自分で結論をつけるとポケットに仕舞っておいた十字架を壊した。

 

正確に言えば外しただ、気づいたのは十字架をよく確認した時だ。十字架は上下で組み外しが出来るタイプのものだった。それは一度外れるまで気がつかないほど精巧な作りで本当に露天で売っていたものなのか怪しんだくらいである。そうして確認した、外した瞬間あの不思議な現象が起きたことを。

 

一方通行(アクセラレータ)はその行動の意味がわかっていないようだが気にせず攻撃を仕掛けるあたり流石最強である。だからこそ、この新しい能力(チカラ)が生きてくる。

 

一方通行(アクセラレータ)の腕は本堂の体をすり抜け、

 

本堂はその腕をしっかりと"掴んだ"。

 

「わりぃな、殴り合うって言っても一方的だ」


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