※感想のおかげでどっちがいいかわかりました皆さん本当に感謝です。
その後も事件の関係者として浮かびあがっきていた、何度も指名手配されかけたりした人物でもあったがそこは手馴れていて決定的な証拠はなかった。家宅捜査なんて権利はなく何度もイラついた覚えだってある、次に大きく関わってきたのはテロリストがこの街を襲撃したことだろうか、関わるといっても黒子が関わったのは本堂と関係が深そうな少女(黒子よりは年上であろうが)、灰理である。この人物は調べれば調べるほど面白いほどに情報が出てきた、
曰く、
第七位を妄信的にまで崇拝しているだとか、
誰がなんと言おうと、どんなに不便だろうと翼を消さないだとか、
その事件の少し前に特別クラス配属になったとか、
これほどにまで怪しいと思える程の人物はいないと黒子は思った。そんな灰理を取り敢えず公務を妨害したとして留置、保護者として何故か本堂拓斗が呼ばれてついこの場で仕留めようとしていつの間にか記憶が飛んでいたのはいい思い出である。留置の基本としての住所などの記載は確かに灰理優木の学生寮であったがその後調べてみれば全く別の人物がいたわけだが。
とにかく、本堂拓斗と灰理優木という人物は黒子が追ってきた者達なのである。そして今回、"妙な事件"の詳細を聞いて黒子は興味を持った。報告内容こそは普通のものとさほど変わりはしなかった、暴行を受けた人物はひどく慌てていて終始「殺される」なんて呟いたりしていたがそれは暴行を受けたせいだと受け取られそのまま嫌がる男を抑えて病院へと送られた、故に重要になった監視カメラの映像を見たのだがそこには病院へ送られた男と二人、本堂拓斗と灰理優木がうつっていたのだ。もし奪われたとされているキャリーケースを先に風紀委員が確保することができれば本堂拓斗は奪わなくてはいけないだろう、つまりそれは駆け引きに使える、と風紀委員にあるまじき?考えを持った黒子はすぐに監視カメラの情報を使いキャリーケースを運んでいた人物達の元へと急行したのである。
現場付近に着くとキャリーケースを乱暴に揺らしながらこちらへと走ってくる男がいたのでとりあえず声をかけて止める意思がないのを確認した後、取り押さえようとしたところどうやら能力者だったらしくいきなり背後へと転移して飛びかかってきたのだ。その時疑問に思ったのは男の顔が少し乱れていたことである。そのまま投げ飛ばすのも良かったが気がつけばキャリーケースを盾にしていたのでそれをまともに受ければ少し大変なので転移を使い避ける、すると男はそのまま曲がり角へと突っ込んでいった。この時、キャリーケースを男が手放したのでしっかりと確保、男がそのまま地面や壁に激突すると危ないので近くにあった生ゴミを入れたゴミ箱を着地点に転移、酷いとは思うがこのまま激突して後遺症が残るよりはましだろうと判断したのである。その男が丁度ゴミ箱へと突っ込んでいった瞬間、曲がり角から本堂拓斗が現れたのだ。
「何の、おつもりで...?」
突如空へと弾丸を放った本堂に疑問の言葉を黒子は投げつけた。当然空に注意したが何も起きず、ただただ空白を作るだけであった。その言葉を聞いた本堂は乾いた笑いをこぼした後、言葉を出す。
「俺はな、結構小さい頃からこいつを握ってたんだ」
どうやら今回は監視カメラを気にしていないようで簡単に銃をちらつけて本堂は話す、いや後で分かったことなのだが丁度、今黒子たちがいる路地裏の監視カメラはエラーを起こしていてここまでの黒子を案内していた初春は本部であたふたしていたらしい。
「最初こそは結構ぶれてたんだがなぁ...今じゃかなり精密なコントロールが可能なんだよ。ま、銃の性能のおかげもあるが」
その時気づいた、上から微妙にだが金属音がする。急いで上へと顔を向けるとそこには先程は何も変わっていなかった空中資材置き場(空という余った空間を有効活用しようプロジェクトの産物らしい)がうめき声を上げて今にも落ちそうになっていた。
「ありぁ欠陥品と言われててな、他はかなり頑丈なんだがある部分だけ、ある部品の一つだけが弱いんだよ...それこそ銃弾がかすっただけで緩んじまうぐらい」
「・・・・・・・・・まさか」
聞いたことはある、確か明日か明後日辺り回収することになるなんて会話を耳に挟んだ事を今思い出した黒子はその欠陥の事を思い出す。
そう...3mm程のネジにかかる負荷が強く少しの衝撃で記載の積載量がグンと下がることことを、つまり今目の前にいたこの男はその3mmに満たないネジに当てたのだ、その結論が出てきてすぐにとった行動とは、降り注いできた鉄骨を上空へと転移して身体に当たることを防ぐことだった。
煙が上がった、下の様子は見えなくなっていてこのまま降りるにはかなり不安を残す、今本堂がいると思われる場所を予測して追いたいものだがと考えたところでふと違和感を感じた、
「(上に光を遮るものは何もなかったはず...まさか?!)」
気づいた時には既に遅く体全体に負荷がかかった、そして状況を理解する前に黒子は地面へと急接近し本の一瞬だけ減速して叩きつけられた、肺から空気が漏れ出る。減速のおかげでアバラを何本か折ってしまっただけですんだがもし減速がなかったらと思うとゾッとした。とにかく動かねば、そう思っても体が動かず意識が遠のく、それに必死で抗っている間に煙が晴れていくとそこには先程まで戦っていた本堂拓斗ともう一人、見覚えのない女性がいた。