とある天然の絶対回避《イヴェレイション》   作:駄文書き

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超電磁砲にしか出てきてないと思ったら15巻にいたよ普通に。
まぁ場面少なかったけど。やっぱ原作は違うな~とか思いながら読みすすめてます。
...さて、今回からは座標転移《ムーブポイント》編です、結構楽しみにしたところですよ。


座標転移《ムーブポイント》編
第26話


 

 シェリー・クロムウェルとの協力依頼からほぼ一週間後、本堂達はとあるキャリーケースを運んでいた。場所は第23学区、ここから歩いて3時間掛かるかかからないほどの場所である。第23学区は学園都市の重要なものが揃っている場所といってもいいほどの機密系学区、故にきな臭い話は多く本堂も何度も足を運んでいる場所である。銀色のキャリーケースはなんでも銃弾さえも防ぐほどの硬さと衝撃吸収を持っているらしい。そこまで貴重なものなのかと思うが相変わらず本堂は気にしていないようでガタガタと音を立てながらキャリーケースを引きずっている。

その横を灰理が一段と大きさを増した翼を器用に使い低空飛行をしている...のは先程本堂に止められスタスタと歩く本堂に遅れまいと軽口を叩きながら本堂の影を追う形で歩いている。ここ最近の灰理は少し機嫌が良い、それは本堂からの言葉をもらってからでうざったらしかった行動が更に本堂がうざいと感じる程にまで悪化していた。

 

うざいと言っても傍から見れば押しかけ女房のような光景でありもし本堂に上条のような友達でもいたら血涙を流していただろう、まあもとより本堂に友達などいないのだが。

 

「・・・灰理」

 

「...!わかりました!」

 

本堂がT字の路地裏で足を止めるとぶつかりかけた灰理、本堂の言葉から察した灰理はすぐさま皮膚を硬質化し始めた、戦闘準備である。灰理は拳を握るとそこを硬質化させて鈍器を作り上げた、ほかにも可動部以外の皮膚を変質させる。これによって灰理は多少の武器なら傷つかない体を手に入れるとことができる。変質する時の代償は少し伸びた髪と女子の敵である脂肪である。この程度で足りるのだからLevel4の無駄をそぎ落とす演算能力は高いといえよう。本堂もキャリーケースから手を離し右手に拳銃を手にする。

前方と後方、そして横からもスキルアウトとおぼしき軍団が見えていた。

本堂、灰理は相変わらず余裕の表情であったがそこに一人、怯えているものがいた。

 

「こんな数...無理に決まってる」

 

それは今回、本堂達と同行することとなった一人の運び屋であった。そもそも今回はたまたま本堂に連絡が着いたのである、そのためもともと契約していた運び屋と一緒に行動する羽目になった。ちなみにプロらしいが何十人と居る相手に既に敗戦ムードを漂わせている。これは使い物にならないと判断して舌打ちをした本堂はキャリーケースを守らせて双方向から来ているスキルアウト達を迎撃し始めた。

 

新型の拳銃を一回打てば2.3人は貫く、それだけで相手は動きが鈍る。そこにドロップキックをくらわせたり回し蹴りを浴びせた。そもそも狭い(回し蹴りができるほどの幅はあるが)路地裏で数で攻めてもしょうがない、それが分からいなとほど相手が馬鹿であることはよくわかる。その内灰理の方の敵が少なかったらしく本堂の手伝いに来て数分ほどでスキルアウトたちは全滅した、皆骨折、気絶や腕を貫かれたりしていてうめき声などが聞こえる。それの処理はどうせ誰もせず自分たちでどうにかするので放っておく、終わったぞと本堂が運び屋に声をかけようとしたところ、本堂は顔を歪ませた。

 

「どこにいった...?」

 

「いつのまに・・・・・・・・・」

 

運び屋が姿を消していた、敵を通した覚えはないし可能性としては運び屋が恐れをなして逃げ出したところだろうか。全く手間のかかるやつだ、見つけ次第撃ち殺してやろうかなどと考えてとりあえず本堂達は運び屋を探すことにしたのである。

 

 

 

 

見つけ出したのはそれから間もなくのところだった、だが見つけた時にはキャリーケースは消えていてかおなどが腫れている運び屋が路上に倒れていた。既に誰かが通報してくれたために風紀委員(ジャッジメント)が進入禁止のイエローテープを張って事情聴取を始めようとしていた、どうやら倒れているが意識はあるらしい。その輪に加わり誰が持ってったか聞きたいところだったが生憎本堂に正しい情報がもらえるとは思えない、指名手配こそされていないが要注意人物としてマークされているのだ。

ここで関わればキャリーケースを証拠として調べるなんてされかねない。情報屋を利用するしかないかと本堂はその旨を灰理に伝えてその場をあとにした。その時の本堂の表情を一言であらわすのなら"怒り"であったと後に灰理は語る。

 

 

 

 

歩けば人がどき目を向ければ顔をそらす、それほどにまでの雰囲気を纏いながら本堂は移動していた。よくよく考えてみれば取った者なぞよっぽどの特徴でもなければ断定など不可能だと考え直した本堂は路地裏をしらみつぶしに歩いていた。殆どが何もされずに済んだが本堂の気に触れたり邪魔をしたものはアスファルトを舐めることとなった。そんな風に暴力を振るってもブツの情報は手に入らず余計に苛立ちが増すのである。いつもであったら「ちょ、待ってください本堂さん」とか「翼でお運びしましょう!」などいう言葉を口にしているだろうが蛇に睨まれたカエルのように声をかられないでいた。

 


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