少し読みづらいかな?
その日、本堂はその爆風によって吹き飛ばされたあと
任務失敗
その言葉は初めて本堂が体感するものであった、今までの成功に比べれば塵ほどの数だ、だが0が1に変わった、それは大きな意味を持っていた。あれから統括理事長からの電話はない、正直本堂もここまで間を置かれると逆に不安になってくるものである。とその時、電源を入れてあったタブレットが音を上げた。本堂はしばし戸惑ったあと通話ボタンをおして耳に当てた。
「...こちら運び屋」
『本堂拓斗様でよろしいでしょうか?』
「...あ?」
本堂はなんとも間抜けな声を漏らした、電話の相手は女性のようでやけに礼儀正しい、いやかたぐるしいという方が正しいのかもしれないような声だ。
『こちら
「...何の用だ?悪いが今忙しいんだ」
『灰理優木様をご存知でしょうか?』
確かあのアホ鳥には
「知っているが?」
『では言いにくいようなのですが引取りに来てもらえませんか?』
「・・・・・・・・・は?!」
本日の本堂は少しばかりいろんなことに巻き込まれて疲れ気味であった。
そういえば、もう脱出したから目立たなくてもいいと連絡を入れるのを忘れていたような気がする、つまりずっと邪魔をしていた=捕まえるか、成程。そう歩きながら結論を出した本堂はほんの少しスピードをはやめる、少しといってもまず普通が一般人の早歩きレベルになっている本堂なのでまるで瞬間的にテレポートでもしているのか思われるほどのスピードで学生だらけの町並みを通っていく。よっぽど誰かが変な動きをしない限り本堂は簡単に人ごみの中を突っ切れる、それは能力の方ではなく単純に目がいいからである。
そもそも視力2.0の本堂は見ることにも力を入れており動体視力など敵を仕留めるため技術をかじったりもする。...まぁ本人はそこまで本気でもなく少しだけかじって捨てたような技術が多いのもまた事実なのだが(サバットや第六感など)
電話の場所からきっちり5分、本堂は風紀委員第177支部にたどり着いた。
三桁にものぼるような量産施設の割にはなかなか綺麗な外観である。
本堂は入口で同じ制服の少女と喋っていた腕に風紀委員の腕章をつけている少女に話しかけた。ただそのあと目についたモノに少し笑いがこみ上げてしまう。
「灰理優木って言う人引き取りにきたんだが...クク」
「へ?あ、はいはいってなんで笑ってるんですか?!」
花飾り、綺麗な花を一輪だけ指しているのなら微笑ましいものなのだろうが本堂が見たものは何輪もの花がまるで少女の頭を苗床に育っているような花飾りでつい笑ってしまったのだ。
「いや気にするな、とっととあのアホ鳥よんで来い」
「あ~そのですね、その事なんですが」
「?」
「本人確認とかできるものを」
「あー、こいつでいいか?」
そう言って本堂はいつもポケットに入れっぱなしであった
「ああはい大丈夫ですえっと、長点上機学園2年eクラスLevel5本堂拓斗」
「え?」
読み終わると同時に黒髪と花飾りの少女は揃って声を上げた。確かに生徒手帳には書いてあるが何もそこまで読まなくもと思う本堂である。
「確認した?とっとと手続きすまして夕飯作りたいんだが」
「あ、ああはいはいただいま連絡してきます!」
そう言って髪飾りの少女は建物の中へと消えた。そして黒髪の少女と本堂のみがそこに取り残される。黒髪の少女はどうやらLevel5ということに少し興味を持っているのか横目でちらちらこちらを見てくる。それでも話しかけてこないのは異性ということと単に知らない人だからであろう。と、考えていた本堂に黒髪の少女が戸惑いながらも声をかけた、好奇心は猫も殺すという言葉を思い浮かべながらすることもないので反応する。
「あ、あの」
「何だ?」
「Level5とかになる秘訣とかってあったり...なかったりします?」
最後はボケに走ったがどうやらLevelについて気にしているようだ。だが本堂が返せる返事といえば
「さぁな、おれは最初からLevel5だったから」
この言葉に黒髪の少女はスキャンを受けたときからと解釈したがそれは違う、ただしく最初からなのだ本堂は。その言葉にがっくりとした黒髪の少女、みれば影が漂っているようにも感じる。そんな少女を見ても別段罪悪感はわかないので本堂はほうっておいた、気がつくと建物の入口から灰理が先ほどの少女とは違う風紀委員と一緒に出てきた、顔には大分汗が見える、冷や汗だろうか。
「それではよろしくお願いします」
「ああ、行くぞアホ鳥」
「...はい」
いつもなら元気にいっぱいに返事している灰理であったが今回はそのような気力がないようだ。本堂は慰めたりするわけでもなく家へとの帰路を進んだ。
ちなみに、この時建物の中から今にも飛びたしそうな勢いで本堂に飛び込みかけたりしている
本堂が買ったマンションの部屋の一室、そこは学生寮などではなく学園都市にしては珍しいタイプの物件で学生ではないものが住むのをイメージして作られたものだ。そのためかなりお高い、が本堂は一括払い...というのはさすがに行かなくて2年払いで既に完済ずみである。セキリティも並ではなくまず入口に警備員(こちらは真面目にけいびいん)が配置、ドアはオートロックと声、指紋、眼で認証し死角がないように監視カメラを配備、配達業者ですら部屋に来ることはできないほどの徹底ぶり...のはずだったのだが、ドアの前にダンボールがひと箱、ポツンと置かれている。怪しすぎる、そう考えた本堂は未だ落ち込んだままの灰理に避難を促しダンボール箱を開ける。
中にはA4ほどの紙一枚とともにメモ用紙が一枚、A4の方はかなり古びれている。なのでまずはメモ用紙に目を通す。内容はこうだった
---残念だよ拓斗君、だが頑張ってくれたから使い方は教えないがそれを送るとする。有効活用してくれたまえ---
読み終わるとともにメモ用紙は二つに裂けて空へとまった、2分もしないうちにお掃除ロボット(マンション用)に掃除されるだろう。そんなことよりだ、と古びた紙の方を見る。だが、
「読めん」
まず何語だこれはと本堂は紙をぴらぴらと動かす。英語、仏語、独語なら読めたりかけたりはするのだがこれは読めない。とりあえず本堂は灰理を家へと入れて夕飯の準備を始める。風呂は既にタブレットの方から操作して準備は終わっている。とりあえず入ってこいと相変わらず返事が小さい灰理は風呂場へと移動していった。その時に本堂がこのままではこちらの気が滅入ると気まぐれに「ありがとな」と声をかけた。
本堂は適当にレシピを選んで調理を始めた、段々だが本堂の生活は人間らしくなってきていることに本堂は気づいていないようだった。
ちなみに、この後灰理が持ち前のポジティブさと先ほどのつぶやきで復活しこれなら気まぐれなぞ起こさきゃよかったと後悔する本堂であった。
フレ/ンダちゃんかわいい。
登場させたいけど超電磁砲読んでないんだよなぁ。