とある天然の絶対回避《イヴェレイション》   作:駄文書き

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自動保存があってよかったと思う今日このごろ。
最近コラボとか見ませんねぇ、そう言ったらお前が作れとか言われますけどコラボる相手がいない...ボッチです。


第20話

 本堂はすぐさま別の作戦を考えそれを実行に移す、幸いにも人質扱いをしてくれるのかトカゲのしっぽのように残された土人形の頭に拘束されたままの本堂の近くにシェリーはいた。土人形は頭を一度切り離すと周りにあった自動販売機などを吸収して再生していた。そんな奴が警備員(アンチスキル)相手に大暴れしているためちょっとやそっとの声ではあちらには聞こえない。

 

「これで協力だな」

 

「...あんたなんなの?」

 

「運び屋だよ、今回の任務はあんたを無事外へ運ぶ手伝いをすることだ、そろそろ信じろ」

 

そんな本堂の変わらぬ言葉にシェリーはため息をついたあと、警備員(アンチスキル)の方を見てつぶやいた。その声に本堂もまた口角を釣り上げる。

 

「おとなしくしてなさい、人質」

 

「それでいいんだよ、外の人間」

 

ここに、魔術師(作り物)Lvel5(天然物)の交差が起きた。

 

 

 

 

「んもぅ~どうして入れないんですか!?大事な人がまだ中にいるんですよ!」

 

「今は立ち入り禁止だ、避難が住んでいない人は風紀委員(ジャッジメント)が対処しているから!無理やりはいろうとしないで!」

 

灰理は地下街への入口で警備員(アンチスキル)に止められている。

どうやら中にテロリストがいるようなのでいくら急加速して突入しようとしても中に侵入することができないでいる。ここで腕を変質させて強力な爪でも作れたらいいのだが灰理にそんな余裕はない。

焦る、ただでさえ普段は必要などと言われていなかった灰理はこの時を逃がしてなるものかと必死の形相で通せんぼをしている人に投げかける。だがしかしこちらも教師、生徒をみすみす危険な場所へとおくるほどちゃちな正義感は持っていない。意地でもとめる。

そんな時、背後から灰理を止める声が聞こえた。

 

「人を思う気持ちはわかりますがそれ以上邪魔をすると対処せざる負えなくなるのでできればやめていただきたいのですが?」

 

「おお、避難は終わったか?」

 

灰理を止めていた人も背後を見ると安心したような表情で後ろに話しかけている。

灰理はそれを気になり力を一旦抜き向きを変える、そこには風紀委員(ジッジメント)の校章をつけている灰理より歳が低そうなツインテールの少女がいた。

 

「くぅ~!いいからここ通してください!先輩はまだこの中にいるんですから!」

 

大きな翼をバサバサと動かしながら灰理はツインテールの少女に抗議する。今にも天高く昇りそうな勢いで翼を動かしている、その光景にツイテンールの少女は翼が飾りでなかったことに少々驚きながらも灰理を落ち着かせるために落ち着いた声で尋ねる。

 

「その先輩という方の特徴を教えてくだされば探しますが?」

 

「(探されても迷惑ですよね)それは教えません!」

 

「ではどうしろと...」

 

「だからこの中に入れさせてくださいと言っているんですよ!」

 

「それはできませんよ、今この中にはテロリストがいるのです」

 

これでは平衡線だと灰理は翼を羽ばたかせ空高く飛び上がり別の場所から入る方法を探そうとした瞬間、それを感じ取ったツインテールの少女は灰理の腕を掴む。だが動きを止めることができずにそのまま二人共空高く飛んでいってしまった。

 

「っな!何を!」

 

「それはこっちのセリフです!バランス崩しちゃうじゃないですかってわわ!」

 

「お願いしますから滑空してください!そうしたら私の能力(チカラ)で何とかしますから」

 

フラフラと、空をハエのように上がったり下がったりして二人ともヘロヘロになったあと、なんとかツインテールの少女が演算を完成させ近くのビルの屋上に着地した。灰理はそこにヘタリこむ。ツインテールの少女はどうやら通信が来てたようで通信機を耳に当てながら話している。灰理は少しでも情報を手に入れようと伸びてきた髪と爪、羽を何枚か使い有毛細胞を生み出し聴力を上げる。これの効率を上げるために少し耳の形が変わってしまったがそれで情報が手にはいのなら安いものだと気にせず会話を聞き取る。

 

「人質...ですか、」

 

『 え、高校生ほど 男性が一人、 少戦闘を行 たあと ロリスト つかまりました  性は転 系らしかったようですが... 真送りま 』

 

「どれどれ...これは!」

 

通信を終えたかと思うとタブレットを開いたツインテールの少女はは驚きの声を出す。それが気になった灰理はなんとか立ち上がりこっそりと少女のタブレットを真上から覗く、そこには灰理が憧れとしている青年、本堂拓斗とそれと向き合っている土の化物、金色の髪がぼさついているゴスロリファッションの女性が写っていた。それを見た瞬間思わず灰理も声を上げてしまう。

 

「本堂さん!」

 

「ッ!?あなた何を見て...知っているんですか?」

 

「はい!...しまった」

 

反射的に返事をしてしまった灰理は空中で頭を抱える。そんな灰理を見ながらツインテールの少女は何故あの第七位があの場面にいたのか、何故第七位が捕まっていたのかを考えるのであった。


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