個人的な事情もあったので投稿するのがすっかり遅くなってしまいました。(←言い訳)
今回は、番外編、的な感じです。
色々思うところはあると思いますが気長にどうぞよろしくお願いします!
では、どうぞ!
ウェンディとシャルルがフェアリーテイルに来てまたしばらく経ったある日、俺はミラさんから仕事の依頼を受けた。
「町の孤児院への訪問に依頼ですか?」
「ええそうなの。マグノリアの郊外にある小さな孤児院。」
「なんでまた僕が?子供ウケなら俺じゃなくてナツやグレイ達の方が適任じゃないですか?」
「そうなんだけど、ほら、ナツとかだったら建物を壊しちゃうかもしれないじゃない?」
「あ、なるほど。」
ナツ達だったらほぼ確実に物を壊す。グレイとかが一緒だったらなおさらだ。
「ここからは定期的に依頼が来るのよ。いつもは私と一緒にレビィやエルフマンとかが行くんだけど、今はみんな仕事に行っててあと何日かしないと帰ってこないの。だから、聖弥を誘ったってわけなの。」
「いつから行きますか?」
「今日の午後に行くと連絡してるわ。」
「はい、今日の午後ならOKです。行けますよ。」
「なら決定ね!よろしく!」
という感じで、俺は午後から町の孤児院に行くことになった。
それで俺は今、ミラさんと二人で町を歩いている。
その孤児院に向かっているんだ。
「町に孤児院があったなんて知りませんでした。何人くらいいるんですか?」
「え~と確か・・・7人だったと思うわ。ときどき人数が増えるけどすぐに里親さんが見つかるのよ。」
「へえ~~。あ!あそこですか?」
「そう、あそこよ。多分来ることは秘密にしてるからみんな飛び出してくるわね。」
「どんな子達なんだろな~~」
そこは、ちょっと大きめな木造の家だった。
俺とミラさんが家に近づいていくと、庭で寝ていた少年が俺達に気づき、
「おーい!みんなー!ミラさん達がきたぞー!!」
と、家の中に呼びかけた。すると・・・
ドタタタタッ!!!
中の方から騒がしい音が聞こえ、バタン!!と家の玄関が開いた。
「わあ!!ホントだ!!ミラさーん!!」
「久しぶりーー!!来るなら行ってよーー!!」
「・・・・・」
中から、ピンク色のショートヘアーをした女の子と、茶色い髪を二つにまとめた女の子、水色の髪をした女の子が出てきた。前の二人はミラさんに抱きつき、後の女の子は少し後ろであきれていた。
「みんな元気そうね!!あ、今日はいつもと違う人を連れてきたのよ!ほら、聖弥。」
「川原聖弥です。みんなよろしくね!」
「「よろしく!」」
「よろしく・・・」
「あら?キリト君はそこで寝てるけど、リーファちゃんとクライン君、アスナちゃんとエギルさんは?」
「ああ、リーファはもうすぐ来ると思うわ。クラインならアスナと出かけてるわ。エギルなら中にいるわ。」
ピンク色の髪の女の子がそう言うと、
「あ!ミラさーん!!」
中から金髪の女の子が出てきた。
「もう!皆さん待ってくれたっていいじゃないですか!」
「あんたが起きるのが遅いからいけないのよ。」
「あれ?その人は?」
「ああ、ごめん。川原聖弥です。よろしくね!」
「はい!よろしくお願いします!私はリーファです。それで、あそこで寝てるのは兄のキリトです。」
「うん、よろしく!」
俺が子供達が話してると、一人の大柄な男の人が出てきた。
「おお!すまねえな!ミラちゃん!」
「あ、エギルさん。お久しぶりです。」
「そこにいるのは言っていた子か?」
「ええ、そうです。川原聖弥君です。」
「よろしくな、聖弥。俺はここにいるガキ達を世話してるエギルってもんだ。まあ、立ち話もなんだ。中に入ってくれ。」
俺とミラさんは中に案内された。
中は結構広々とした感じだった。
ミラさんは子供達の相手をしていた。
その間、俺はエギルさんと二人で椅子に座って話をしていた。
その時にエギルさんから聞いたんだけどここにいる皆はやっぱり色々事情があってここにいるみたいだ。
「それにしても、子供を一人で世話をするなんてするなんてかなり大変なことじゃないですか?」
「まあな。俺も最初はここで酒場をやろうとここを買ったんだが、知り合いから身寄りの無いガキを二人を預かったらそれが連鎖してどんどん子供達が集まっちまってな。俺もなんだか子供達を世話するのが楽しくなっちまったというわけだ。」
「だから今は孤児院をしている、そんな感じですか?」
「大体そんな感じだ。今は孤児院というよりあいつらの固定の家みたいなもんだけどな!」
「え?それってどういう意味ですか?」
「あいつらはここをすっかり気に入っちまってな。里親が名乗り出ても嫌がってここを離れなくなっちまってな。今じゃ身の周りのことはほとんど自分達でやるから俺は今は楽させてもらってる。それに、うちには俺の他に優秀なシェフがいるからな!」
エギルがそう言うと、玄関の方から、
「今帰ったぞー!」
「ただいま~!!」
と、男性の声と女性の声が聞こえてきた。
「お、クライン、アスナ。おかえり。」
「「「おかえりなさーい!」」」
「おかえり。」
そこには、赤髪にバンダナを巻いた青年と茶色い髪を女の子が荷物を抱えて帰ってきたところだった。
「あの茶色い髪をしたのがアスナだ。あいつが今言ったうちのシェフだ。料理なら俺よりもうあいつの方がはるかにうまい。」
「へえ~。」
俺が話していると二人がこっちへ来た。
「今帰ったぞエギル。ん?そこにいるのはミラちゃんの連れか?」
「はい、そうです。川原聖弥です。」
「俺はクラインだ。それと、敬語じゃなくていいぞ。堅苦しいのは苦手でな。」
「私はアスナよ。よろしくね!」
「アスナ!クライン!あんた達もこっちきなさいよー!」
「おりい、俺たちは向こうに行ってくら。」
「ゆっくりしていってね!」
「今のがうちのシェフと、稼ぎ頭だ。」
「稼ぎ頭?」
「クラインは俺が最初に預かったガキでな。いまじゃここの年長者だ。そんであいつは今は仕事をうけてうちの家計を助けてくれてるわけだ。なんせうちには俺を合わせて9人もいるからな。」
「9人?確かミラさんは子供は7人って?ここにいるのはエギルさん入れて8人ですよね?あと一人は・・・」
「ああ・・・あと一人は上で寝てる。そいつは病気がちでな。大体は上で寝てる。そいつは最近うちに来たんだ。」
「会いに行ってみていいですか?」
「まあ、移るような病気はもってないからいいぞ。でも、寝てたらそっとしておいてやれ。」
「はい。」
俺は二階へ上がった。
1つだけ扉が閉まっていた部屋があったから俺はそこに入ってみた。
そこには誰かがベッドで寝ているみたいだ。
「寝てる・・・よね?」
俺はそっとベッドに近づく。すると・・・
「・・・・・起きてるよ!」
急にベッドから寝ていた(と思っていた)子がガバッと勢いよく起きた。もちろん俺は驚く。
「わ!!びっくりした~!」
「えへへ。ごめんね誰かが上がってくる音がしたから脅かしてみたんだ。外から皆が騒いでる音が下から聞こえてきたからフェアリーテイルの人達がきたと思ったんだけど、あたりみたいだね。あ、ごめん。暗いね。カーテン開けるよ。」
その子は、ベッドの近くにあったカーテンを大きく開けた。
すると、部屋に陽の光が入ってきて明るくなる。
そして、その子の顔がはっきりと見えた。
そこには紫色の髪をした子がいた。
「これでいいね。改めて、僕はユウキだよ!君の名前は?」
「俺の名前は川原聖弥だよ。よろしくね、ユウキ!」
「うんよろしく!」
俺たちは握手をする。
ユウキの手は細く、今にでも折れそうな腕だった。でも、どこか力強さを感じさせる手だった。
「僕、下の皆以外男の子の友達があんまりいなかったんだ!あえて嬉しいよ。聖弥!」
「女友達ならいるの?」
「う~ん・・・そうでもないな~。僕、寝てばっかだからあんまり外でないんだ~。ごめんね、一緒に遊んであげられなくて。」
「いいよいいよ。それよりも、ユウキは早く病気を治さないと!」
「うん。そだね・・・。」
俺とユウキが話していると・・・
「あ!ここにいたの?!」
「あ、アスナ。どしたの?」
「どしたの?じゃなくて!急にいなくなったから探してたのよ。」
「ごめんね。アスナ。僕と話してたから。」
「あ、そうなの。あ、ユウキ。もうすぐ夕食だから着替えて下に下りてきてね!」
「うん、分かったよ。じゃ・・・」
ユウキはゆっくりとベッドから降りるとクローゼットの方へ向かった。
「さ、聖弥は先に下りてて。」
「え?なんで?俺もユウキと一緒に降りるよ。」
「だ~め。ユウキの着替えタイムだから、“男の子”は立ち入り禁止でーす。」
「え?男の子って?ユウキもじゃないの?」
「え?!何言ってるのよ!ユウキはれっきとした“女の子”よ!」
「へ~~ユウキって女の子だったんだ~~。・・・・・・・・・・えええーー!!!!」
「あはは、ごめんね聖弥。先に言ってたらよかったね。僕って髪もあんまり長くないからよく男の子に間違われちゃうんだ。」
「そうなんだ。でも、俺の方こそごめんね。先に気付いてたらよかったよ。」
「ま、ユウキの見た目なら間違われても仕方ないな♪」
「もう!キリト君!そんなこと言わないの!」
「はいはい、冗談だよ・・・。」
「あはは・・・。」
俺達は今、みんなで夕食を食べてる。ちなみにメニューはアスナとミラさんが作ったカレーだ。
エギルさんが褒めるだけあっておいしい。
昼ごはんを食べてても分かるんだけど、ここにいる皆は本当に仲が良く、とても楽しそうだ。
でも、そんな皆にも色々事情があるようだ・・・。
俺はさっきエギルさんと話してたときにその話を大まかに聞いていた。
まず、キリトとリーファは従兄弟だけど、本当の兄弟のように仲がいいみたいだ。ちなみに二人とも本当の兄弟じゃないってことは知ってるらしい。
二人の親は、二年前に闇ギルドが起こした事件に巻き込まれて亡くなって、ここに引き取られたらしい。
アスナは、元々資産家の令嬢で、幸せな日々を送っていたんだけど、住んでいた街に山賊の襲撃があってアスナはその混乱で両親と生き別れ、住んでいた街も襲撃により焼き払われ、アスナの家も焼けて跡形も無くなっていた。
アスナは一人で 各町を周り、両親や街の人達の行方を探していたが見つからなかった。
そして、マグノリアに辿り着き、行き倒れていたところをキリトに見つけられ、キリトの願いもあり、一時的にエギルのところへ預かられた。でも、後日、エギルが調べて分かった。アスナの両親が亡くなっていることが・・・。
それを知ったアスナは、泣き崩れ、三日三晩部屋に篭って泣いていたらしい。
そして、アスナは両親の死に嘆き、ナイフを首に突きつけ、自らの命を絶とうとした。でも、アスナが心配で部屋で待っていたキリトにより阻止された。
そのときのキリトの言葉でアスナは思いとどまり、そして、未来へと生きていく決心がついた
という話をエギルさんから聞いた。
そのときキリトが何を言ったかエギルさんや皆が聞いたけど、二人は教えてくれなかったようだけど。
リズも親を事故で亡くしてここに引き取られたらしい。
シリカは、幼い頃に母親も亡くしていて、唯一一緒だった父親も仕事中に行方不明になり、途方に暮れていたところをエギルが見つけてここに来たらしい。
リズとシリカはここに来た時期が大体同じこともありすぐに仲が良くなったようだ。
今じゃすっかりホントの姉妹みたいになっているみたいだ。
シノンは・・・小さい頃から親から嫌われ捨てられたそうだ・・・
それで、その親からのつてでエギルさんところへ引き取られたみたいだ。
ここに来たばかりのシノンは以前のこともあり、皆と距離を置いていたが、ここの明るい雰囲気を見て最近、段々と馴染んできたってエギルさんが言ってた。
皆、それぞれの事情があり、ここにいる。
でも、皆はそれを乗り越えて今いる。お互いにお互いが支えあい、助け合って生きているんだ。
俺は、ここの皆を見ていると向こうの世界の皆を思い出す・・・・・
フェイトやはやて、ヴォルケンリッター達も過去に色々あった。
でも、皆それを乗り越えて生きている。
そんなところがそっくりだ。
俺とミラさんは夕食を食べた後、孤児院を出た。
それで、今は帰りの道を歩いてる。
「なんか、いいとこだったな。」
俺はミラさんと並びながら歩いていながらふと呟いた。
「でしょ。みんな過去を乗り越えて、今を必死で生きてるの。」
「ミラさん。・・・そうですね。なんだかここの皆を見てると俺も頑張らないと!っておもいます。」
「そうね。聖弥も頑張ってもっともっと強くなってS級にならないとね!」
「え、S級?」
S級・・・・・
俺がこれから関わる事になる単語を始めて聞いた瞬間だった。
一部の皆様なんだかすいませんでした!
この話は、次話をどうしようか妄そ・・・いやいや!考えていたときにふうと思いついた話です。
ちなみにキリト達の再登場なんですが、それは皆様からの反応やアイデアが思いつき次第書こうと思っています。
ですが!これだけは言っておきます!
ユウキは出します!ていうかまだ、構想の段階ですが“次章”にも出そうと思っています!
それでは、感想、誤字・脱字のご指摘等お待ちしています。
では、また次回・・・・・