「それじゃあ、レアアイテムを渡してくれないかしら?」
アジトに戻る最中、道を歩いているとロザリアが話しかけてきた。正直渡してもろくな事にならないのだが。さっさと監獄エリアにぶち込んでおくか。
「……分かった」
プネウマの花を実体化させロザリアに近づいた、と同時に銃をロザリアに突きつけ、他の奴らの見える位置に立つ。
「なっ?!アンタ一体何を」
「……騙して悪いが、はじめからこれが目的だ」
片手でアイテム欄から回廊結晶を取り出し、ロザリアの部下に話しかける。
「……今からこいつを殺す。それが嫌ならさっさと監獄エリアに行ってもらう」
回廊結晶を使ってゲートを開くと少ししてロザリアの部下がおとなしく入っていった。
「……お前もだ、頭でも冷やしてるんだな」
なにか言いたげな表情のロザリアを無視してゲートを閉じた。
「……あとは返すだけだがどのタイミンクでいけばいいんだ?」
シリカからの印象は底辺まで落ちているだろう。これで会いに行っても逃げられるだけだ、それにまたあの黒い剣士が護衛をしてるかもしれない。
「……アルゴにでも頼むか」
アルゴに事情を説明し渡すようメッセージで頼んだ。しばらくして返信を見ると47層にいるから来いととのことだった。早速47層に転移しアルゴに言われた待ち合わせのNPCが経営しているレストランに入るとアルゴとシリカや黒い剣士、更には服装からの判断だが血盟騎士団のメンバーらしき者までいた。
「……なんでこいつらがいるんだ?」
「レン坊はキー坊達にレアアイテム返したいんだロ?なら直接渡したほうが早いと思ったんだヨ」
「……ならそう言えばいいだろ」
「言ったらレン坊逃げるでショ?」
「…………………………」
「そんな訳だから自分で返しなヨ」
背中を押されてシリカの前まで連れて行かれたが、さっきから剣士と血盟騎士団の女がこちらを睨んでいる。
「……なんだ?」
「やっぱりアンタがアルゴの言ってた奴か」
「……アルゴ?」
「い、言ってないゾ?!教えたのは名前と見た目だけダ!」
「……ならいいが」
と言うか、眠いからさっさと帰って寝たいのたが。さっさとトレードして帰るか。
「……シリカ、申請したぞ」
「あっ、本当だ。それじゃあ……」
軽い音と共にトレードが終わった。
「用も済んだし帰らせてもらうぞ。」
「待ちなさい、あなたどこかのギルドに所属してるの?」
「……名前も言わずいきなり他人のことを聞くとは、マナーも知らないのか?」
「レン坊それは言いすぎだゾ」
「……知らん、俺は仲良くなんてする気はないからな。帰らせてもらう」
そのまま適当な宿に泊まり、部屋に入るとさっさと寝てしまった。寝るときに誰かが叫んでいた気がするが気のせいだろう。