水面に踊る君と地で歌う僕   作:Allenfort

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Allenfortです。3作目として艦これの小説を書くことにしました!

スカイクロラとのクロスオーバーはキャラクターのみとなります。

あらすじにある通り、白髪になりたい系男子さんの『白刃煌めく海上に』との連動要素がありますので、そちらもよろしくお願いします!

それでは本編をどうぞ!

9/19、書き直しました


Prologue 幹部学校

「さて、諸君らも知っている通り、2011年12月8日、突如として現れた深海棲艦と呼ばれる怪物により、シーレーンは制圧され、原油などの資源の輸送経路は完全に遮断された。また、深海棲艦は航空機を保有しており、空路も遮断。また、深海棲艦の亜種と思われる歩兵、陸上棲兵により、陸路も遮断されてしまった。これにより、資源のない国は内乱が発生、他にも食料不足などにより、次々と滅びていった。」

 

横須賀にある幹部学校。ここでは、佐官に昇任したばかりの者たちが指揮幕僚課程という教育を受けている。

 

「当時、軍事大国であったアメリカも苦戦した。理由は……黒坂、答えてみろ。」

 

教官はボンヤリと窓の外を眺めていた1人の士官、黒坂(くろさか)零士(れいじ)に問う。

 

「深海棲艦は人間の女性が武装したような姿であり、なおかつ戦艦に匹敵する火力を持っていました。よって、当時米軍の所持していた軍艦のミサイルでは深海棲艦を捕捉出来ず、装甲も薄かったため、次々と圧倒されました。我が国の海上自衛隊……現在の海軍の前身も例外ではありません。」

 

「なんだ、ちゃんと聞いていたのか。その通りだ。陸上棲兵は人類の歩兵でも十分対抗出来たが、いかんせん深海棲艦には手も足も出ず、陸の孤島へと追いやられた。そんな中、2013年4月23日、我が国日本は深海棲艦に対抗しうる"艦娘"の開発に成功した。これにより、日本は反抗作戦を開始した。開戦から約4年。今は北方は押し返され、南はニューギニアで攻防の真っ最中だ。」

 

その時、チャイムが鳴り響いた。

 

「おっと、今日はこれまで!」

 

ーーーーー

 

課業が終わり、黒坂は外で風に当たっていた。課業の後に学校内の自動販売機でコーラを買い、青空を見上げながら飲む。それが日課になっていた。

 

「やあ、ここにいたのか。」

 

堤防に腰掛けていた黒坂の背後から声。振り向くと、白髪の男性が立っていた。それを見た黒坂は立ち上がって敬礼する。

 

「こんにちは、高原中将。僕に何か御用ですか?」

 

「ああ。さっき教官から話を聞いてきたが、中々優秀な成績のようだな。流石、元陸戦隊と言ったところか。」

 

「いえ、それほどでもありません。」

 

「それほどだ。さて、ちょっと急な話なんだが、佐世保鎮守府の物集(もずめ)少将が軍法会議送りになってな。というわけでその後釜に君を指名したいのだ。」

 

黒坂は元々は防衛大学校卒で、幹部養成課程を経て陸戦隊に2年在籍。少尉だった。とある理由によって陸戦隊をやめた後、退役する予定であったが、彼をこのまま野に下らせる惜しんだ高原中将が少佐に昇進させ、指揮幕僚課程を受けさせた。それが3ヶ月前だ。

 

「今は教育期間中です。」

 

「今週で終わりだろう。それに、君自身もここで燻っているよりも前線に近いところへ行きたいだろう?」

 

「……分かりました。」

 

「黒坂零士。指揮幕僚課程を修了次第、佐世保鎮守府提督とする。しっかりやってくれよ。」

 

「ええ。吹雪はいますか?」

 

「もちろんだ。彼女とは積もる話もあるだろう。向こうに行ってからゆっくり話せばいいさ。」

 

黒坂は思い出していた。キスカ島、自分が陸戦隊をやめることになった原因を。

 

そして、物集との因縁を。

 

ーーーーー

 

その後、黒坂は指揮幕僚課程を終え、幹部学校の近くに借りていたアパートを引き払うことにした。特にかさばる荷物もないので、すぐに荷造りは済んだ。

 

明日から新しい生活が始まる。

 

東京の大本営で辞令を受け、そこから九州までは電車でかなりの時間がかかる。その為、暇つぶしの本やお菓子を酒保で買い込み、鞄に詰めていった。

 

そして、荷物を粗方詰め終わり、畳に横たわる。明日から始まる新たな生活への期待と不安を抱えながら。




プロローグはここまでです。ここまでで登場したスカイクロラのキャラを紹介します。

物集(モズメ)遠近(トホチカ)
ゲーム、スカイクロラ イノセン・テイセスに登場。悪役。

後々キャラは増えていきます。それでは、次回もよろしくお願いします!

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