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転生モノは初めてですので意見がありましたらどうぞ。
プロローグ~終わりと始まり~
ふと気がつくと、私は水の中に漂っていた。
水槽の中とかポッドの中ではなく、例えるなら海。
確かFate/EXTRAの最後で主人公がムーンセルに分解される場面がこんな感じだったなと考えていると、
『気がつきましたか?』
目の前に女の人がいた。ええと、こういう状態で登場するということは。
「あ、はい。あの、貴女は神様ですか?」
『――はい。私―わたくし―は一般的に神と呼ばれています。名は、――――と言います』
やはり。それに私も知っている名前であった。ということは。
「私、死んだんですね」
現状を受け入れた今なら、思い出せる。私は死んだんだ。ただし、小説とかでよくある交通事故とかではなく病気で。それでも私の家系って女性は長生きだから、天寿なんだろうけど。
『はい。貴女は寿命を全うしてあの世―此処―に来ました。ですが………』
ん?なんか私悪いことしたっけ?心当たりは…………なくはないけど。まだ親元にいた頃は結構反抗していたし。
『とある世界で摂理に反することが行われようとされているのでそれをどうにか止めなければならなくなったのです。それで……』
「私が選ばれた、ということですか」
なるほどね。私は若い頃そういった小説をよく読んでいたから何となく察しはついた。でもなぁ、そういう小説の原作リリカルなのは系が多かった。何故かそういうのに限って転生者も結構多かったから、変に絡まれるのいやだなぁ……でもまぁ、神様のお願いだし、引き受けますか。
「分かりました。それで、どの世界に行くんでしょうか?」
『はい。アメストリスという国がある世界で、ホムンクルスという者達の陰謀を止めて欲しいのです』
アメストリス、ホムンクルス………って“鋼の錬金術師”か!!私も好きで読んでいたが、ヒューズ中佐が死ぬ回だけはどうしても見れなかったし、その後の回も見れなかった。話の展開はファンブックとかクロニクルで補ったけど。
ハガレンの世界なら転生者とかあんまりいないだろうね。うん、それならうまくやっていけるかも。
『あちらの世界に行っても不自由の無いよう、特典もお付けします。ご自由に意見を申して下さい』
ふむ。特典ね……メリットデメリットあるからよく考えないと………。
まず“無限の剣製”と“王の財宝”は外しておこう。
理由?
無限の剣製は投影魔術を極め、尊い夢‐正義の味方‐を目指したエミヤの心を現わしたものだから、私のようなやつが安易に使ってはいけないと思っている。
王の財宝は担い手ではないから真名解放は出来ても使いこなすことは出来ない。宝具を射出しても、あの大総統に掴まれたら終わりだ。
だとすると、とりあえずベターに“魔術師としての資質と才能と知識”だね。錬金術師相手に戦うことも前提に考えて。あの遠坂時臣も、凡才というハンデを並以上の努力で研鑽したというのだから、私も積み重ねなくては。
そういえばアルが物を食べれないのが可哀相だったな……“蒼崎橙子の人形作製に関するスキル”もお願いしようか。あの世界だから封印指定とかは無いはずだし。
今まで出て来たのが型月の特典だから他の作品のも………あ、これはどうだろう。“Dies irae”のベアトリス・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼンと櫻井螢の聖遺物、戦雷の聖剣と緋々色金。二人の創造がかっこよくて好きになったのだが、これを扱うには強い渇望が必要だ。ベアトリスの場合は「戦場を照らす光になりたい」、螢の場合は「情熱を永遠に燃やし続けていたい」というものだ。どっちもかっこいいのだが、炎系なら焔の錬金術師、増田ひd……じゃなかった、ロイ・マスタングがいるから雷を選ぼう。それに、
(あの世界で生きる人達に、光を届けたい)
イシュヴァールでの戦い。そこでの彼等の眼に映っていたは絶望。そんな彼等に道を失わないように導きたい。きっと、“彼女”もそう思うから。
特典を決めた私は神様に伝えた。一応、戦雷の聖剣について聞いてみると、『永劫破壊は限定的に魔力でも運用出来ます』と言われた。こういうの神様修正って言うのかな。まぁ、仕事人もどきのことやって燃料貯めるしかないか。成長してからね。
『それではお気をつけて』
神様の言葉を聞き終わらぬ内に意識が霞んで行く。これから転生するのだろう。
意識が消え行くまでの間、これからの生を考える。
私はどのようにあの世界に生を受けるのだろう。
どのような環境で生きるのだろう。
どのように原作キャラと関わるのだろう。
いろいろ考えるが、ケースバイケースだろう。
ただ、一つだけ小さな願いがあった。
兄弟である。
私自身末っ子で育ったから、少なからず上の兄姉というものに憧れている。
……好きなキャラクターにお姉ちゃんって呼ばれたいなぁ……
好きなキャラ―マース・ヒューズのことを浮かべながらそう思った。叶わぬことだと分かっていたけれど。
――――――――その想い、承りました。
―――――神様こと、■■■■は彼女の思いを聞き届けた。
―――――――――――――――――――――――――――
暗い―――
暗いし狭いけど、温かい。
まるで、母親の、子宮の中にいるような…………
と。
不意に私を覆っているナニカが狭くなりはじめた。
私は苦しくて身じろぐ……が、何がおかしい。まるで、私以外に何かいるような………。
っと、出口っぽいのが見えた。まずはあそこを抜け……ってせまっ!
ーーーーーーー!ーーーーーーーーーー!
ーーーーー!ーーーーーーー!!
誰かの声がするような気がするけど、気にしていられない。ともかく、外に出て―――――!
すぽん!
「ぉぎゃぁぁああああ!!(よぉぉおおしでたぁぁああ!!)」
「良かった……女の子です!」
やっと出られた!私は助産師の手によって取り出された。…………が、何かがおかしい。私が出て来たというのにまだ慌ただしく動いている。が、他の助産師の言葉で理解した。
「ヒューズさん、大丈夫ですよ!もう一人、もうすぐ出て来ますから!」
そう、私が子宮の中で感じた違和感………何かがいたようなしたのは、双子だったからか……。ん?今ヒューズって言ってたような…………
「ほぎゃぁぁああああ!」
「生まれました!男の子です!!」
出て来たのは男の子。その頭には既に黒い髪が生えている。
黒髪、男の子、そしてヒューズという姓。
ああ。私は全てを理解した。
私は間際に思った願い通り、姉となったのだ。
マース・ヒューズの双子の姉として。
文字通り、難産でした……!
タイトルの答えはヒューズ中佐でした!!はい、私がヒューズ中佐が好きなので。
神様の名前は一応伏せておきますが、分かった方は感想の方に書いてみてください。ヒント:日本です。
ヒューズ中佐の姉として転生した彼女は特典を使ってどう関わっていくのか。
因みに、アホタルは嫌いじゃありません。技の相性?を考えて外しました。