予定だと6000文字くらいだったのですが、色々付け加え過ぎたかもしれません。
宇宙世紀0061、宇宙はまだまだ平和です。
去年はルナツーが軍事基地化されたし、来年はジオン国防隊が国軍に昇格予定と軍事関係のイベントが続くが、まだまだ平和なのだ。
シーゲルさんと初めての打合せから半年、僕達の計画は既に動き出している。
まずは拠点としてL2、サイド3とは反対側の軌道上にスペースコロニーを5基建造している。
勿論、転生特典で建造したスペースコロニーだ。
5基ともシリンダー型コロニー(開放型)で、3碁は一般的な住居用コロニー、1碁は農業用コロニー、残り1碁が工業用コロニーとなっている。
この5碁は既存のコロニーよりも大型になっており、一般的なシリンダー型コロニーが直径約6.5km、長さ30~40kmなのに対して直径13km、長さ80kmと二回り以上大きくしている。
別に大型化する必要性は無かったのだが、イゼルローン要塞の召喚が先送りさせた代償行為である事は否定しない。
ちなみに使用ポイントだが、1碁あたり1000万、計5000万ポイント使用している。
これで使用したポイントは50,005,000になり、残ポイントは9,999,949,994,999になる。
・・・初期ポイント、多すぎだよ神様。
本当にありがとうございます!
まあ、建造したスペースコロニーは、内部の施設を最低限の状態で建造しているからコストカットしている部分もあるんだけどね。
特に工業用コロニーの半分は森林公園になっており、土地の半分しか工場が建っていない名ばかりのコロニーでしかない。
・・・将来的にはMS製造工場を始め、軍事工場を建設する予定のスペースコロニーなのだが、現在は軍事技術研究所のみが稼働している状態だ。
ちなみに住居型コロニーには最大1000万、農業用コロニーと工業用コロニーは20万の人口を想定して建造している。
また、スペースコロニー建造は第5次建造まで計画されており、同規模のスペースコロニーを最終的に計95碁建造する計画だ。
勿論入れ物だけ建造しても意味が無いので、住民も召喚している。
基本はオリジナルキャラクターの召喚(創造?)しており、現在3000万人を召喚している。
男女比率は半々で、30代を中心に幅広い年代を召喚している。
60代以上のシニア世代も召喚しており、豊富な知識、熟練した技術、濃密な経験をカスタマイズ機能で与えた優秀な人材を、高齢というバットステータスを与える事でコストを抑えたコスパに優れた世代なのだ。
それでも召喚した数が数なので、計90,000,000,000のポイントを使用している。
・・・一人当たりの使用ポイント平均が3,000なのには深い意味は無いのだが、それなりに優秀な人材を召喚した結果である。
その昔、武田信玄が「人は城、人は石垣、人は堀」と言ったそうだが、900億も使用してしまったので残りポイントは9,909,949,994,999となった。
ここからさらにアニメキャラやオリキャラの召喚を行い、100億程ポイントを使用している。
まず召喚したのが、NARUTOの忍を500人程召喚している。
忍同士の戦闘は考慮していないので、大半は一コマ程度しか登場していないキャラを中心に召喚している。
召喚した中で有名なキャラクターと言えば、青や香燐、山中フーなど感知タイプを中心に、原作では重要度の低いメンバーを召喚している。
香燐については悩んだが、回復能力が魅力だったので両親とセットで召喚してみた。
召喚した忍者達は情報機関NINJAのメンバーとして働いてもらっている。
編成としては防諜に200人、諜報に200人、要人警護に100人となっており、香燐には要人警護として僕の傍にいてもらっている。
「危ないですよ、キシリア様!」
「大丈夫! 木登り得意だから」
まだまだ幼児な僕の傍にいる以上、香燐には能力をそのままに幼女化してもらった。
記憶も幼女化した際に初期化しているので忍者としての経験を失っているが、その分使用ポイントが減っているのが救いだ。
どうやらこの能力をくれた神様にとっては、幼女化はご褒美では無いようだ。
変態という名の紳士ではないようで、少しだけ安心したのは僕だけの秘密だ。
ただの幼女になってしまった香燐だが、回復能力は保有しているのでザビ家の使用人として屋敷で働いている夫婦の子供として、僕達の遊び相手になってもらっている。
ちなみに、この夫婦も忍者で香燐とセットで召喚した香燐の実の両親である。
「あゎあゎあぁ」
実の両親の元、忍者修行をしている幼女香燐(4歳)
そんな彼女が慌てている姿は大変愛らしく、召喚して良かったと心の底から思える。
…彼女を慌てさせている原因が、僕の姉であるのは大変心苦しいのだが。
「ほら、登れたでしょ!」
自分が遊び仲間を慌てさせているとは知らず、家の庭に植えられている植木のてっ辺で誇らしげに香燐を見下ろす姉。
ネコさんパンツが丸見えなのは秘密である。
しかし、我が姉ながらお転婆な子だ。
ザビ家の教育はどうなっているのだろうか?
いや、24歳の女性がヘルメットとマスクでも気にしない家なのだ、子供のお転婆など気にもしないのかもしれない。
「香燐にだって登れるんだもん、私だって登れるもん」
「わかったから、早く下りてきなよ」
「もう! リヒトにはお姉ちゃんを敬う気持ちは無いの!」
「わー、そんな難しい言葉知ってるなんて、姉さんは凄いなー」
「全然心がこもってない!」
我が姉ながら、子供はめんどくさい。
今日はサイド8の代表としてシーゲルさんがザビ家に訪問するから、色々と準備したいのに。
ちなみにサイド8とは、僕が召喚したコロニー群の事だ。
召喚された物(者)に疑問を抱かせない特典の利点や忍者の力で、地球連邦に8番目のサイドとして認知されている。
サイド7は建設すら始まっていないのだが、建造計画は既にあるようで我がコロニー群はサイド8となっている。
サイド7はガンダム建造にグリプスと重要な場所なので、もしかしたら歴史の修正力かもしれない。
ちなみに、サイド8承認までの忍者達の活躍も語っておこう。
活躍と言ってもNARUTO世界のような活躍はなく、地道な情報収集(地球連邦政府高官や議員の弱みを探る)やハニートラップ(幻術での絶世の美女との魅惑の一夜)により書類にサインさせたのだった。
・・・最終手段として[心転身の術]で無理矢理既成事実を手に入れる方法もあったのだが、今回は最終手段を使う前にサイド8は承認されている。
ちなみに、サイド8の承認と同時に自治権も得ている。
サイド3と同様に月の裏側にあり、既に自治権を主張しているジオン共和国がお隣さんなので、地球連邦軍の常駐、連邦政府への上納金を条件にして認めてもらった。
まあ、世間的にサイド8は何処かの大富豪達が自費で建設したコロニーなので、地球連邦政府としてもコロニー公社が建設した他サイドと違って、私有地なサイド8に対して権利を主張出来なかったという理由もある。
宇宙は地球連邦の領土?という法律もないので、扱いとしてはシーランド公国に近いかもしれない。。。
[心転身の術]を使えば簡単に独立出来るとも考えたのだが、この術は対象の精神を一時的に乗っ取る術だ。術が解けた後は自由に動けるし、乗っ取る対象は個人に限定される。
アースノイドとスペースノイドの対立が解消される分けではないので、この方法での独立は禁じ手として封印した。
今回は説得(脅迫)については、建造されていたスペースコロニーを、サイド8として地球連邦に組み込むという連邦側にメリットがあった事だから反対者も少なく、快く説得(脅迫)にも応じてくれたのだ。
これが独立であったらなら必ず反対者が現れただろう。
もしここで独立を許せば、次はサイド3で独立運動が過熱する。
サイド3以外のサイドでも独立機運が高まる可能性もあるし、最悪地球でも独立を叫ぶ勢力が台頭する可能性もある。
そんな地球連邦政府を分解させるかもしれない引き金を無理矢理引かせてもらえる程、地球連邦政府は小さな組織では無い。
「今日はクライン首相が来られるんだから、遊びも程々にしないと怒られるよ」
「そうです! 早くしないとウチまで怒られてしまいます!」
「香燐は大丈夫だよ。悪いのは姉さんだからね、僕が怒られないように言っておくよ」
「ホントですか! ウチもう正拳突き一万回なんて嫌ですよ!」
香燐が嫌う、僕の最近のマイブームは正拳突き一万回モドキだ。
特典のカスタマイズ機能は自身へも適用出来るので、死ににくいように念能力とチャクラの力を獲得している。
どちらも護身目的なので最強は目指さず、念能力はズシ程度、チャクラは木ノ葉丸程度の才能だ。
チャクラ方面はチート忍術、影分身を真っ先に習得した。
最大2体までしか分身出来ないが、これで当分は十分だ。
一体は忍術の修行、もう一体は勉強をしており、本体は念能力の修行という役割分担にしている。
習得レベルは修行を開始して半年、忍術も念能力も入門レベルを卒業出来そうなレベルにはなっていると思う。
…ちなみに勉強の成果だが、センター試験5教科7科目理系型で500点後半レベルとだけ言っておこう。
元社会人3年生、ようやく三角関数や指数関数、対数関数を思い出したよ。
と、シーゲルさんに組織の運営を任せ、僕は召喚した忍者を護衛に年齢相応の生活をズムシティにあるザビ家で過ごしている。
普通の子供は忍術や念能力の修行なんてしない、とツッコミがありそうではあるが、本当に年相応の修行しかしていないのだ。
普通の転生系主人公なら猛特訓をして最強キャラになったり、特典に胡坐をかいて踏み台キャラになったりするのがお約束なのだが、他力本願が好きな言葉ベスト5に入る僕はそこそこの努力しかしていない。
香燐は正拳突き一万回を嫌がっているが、あんな面倒な修行は僕も嫌だ。ノリで一回だけやってみたが、二度とやるつもりもない。
大抵、1000回程度の正拳突きで終わってしまう。それじゃ正拳突き千回だという指摘もあるだろうが、だからこそ正拳突き一万回『モドキ』なのだ。
殆ど運動していない人間からすると千回でも十分努力していると思うし、最強キャラが必要なら呼べば良いのである。
・・・ちなみに香燐は僕がモドキをやっている事を知らず、ただ愚直に正拳突き一万回をやっている。
忍者なのに黙れている香燐は残念ではあるのだが、将来の懐刀の愚直な努力に頼もしさも感じている今日この頃です。
将来の懐刀の努力に安心はしているが、普通に死ぬのは嫌なので最低限の力は欲しい。
特に念能力は老化が遅くなる効果もあるので修行しているが、最終目標は堅の10分保持だ。
キャスバル少年みたいに謎の騎士甲冑(暗殺者)に襲われる可能性も否定出来ないので、念能力と忍術を保険として習得してはいる。
しかし、あくまでも保険なので、襲撃者に対する本命は召喚した忍者を筆頭としたガードマンなのである。
そもそも、この世界はガンダムの世界なので、肉体的な能力よりも本命は科学技術でのチートである。
こちらは召喚したコロニー内に秘密研究所を設け、MSや艦船を始めとした兵器の研究を開始している。
研究している技術は宇宙世紀0096年、機動戦士ガンダムUCまでの技術を中核に、別シリーズのガンダム世界の技術、マクロスなどのロボットアニメに登場した技術を研究している。
「それと、クライン首相から伝言です。今日の夜に進捗状況の報告と、今後の対応を確認したいと」
香燐が耳元でシーゲルさんからの伝言を伝えてくれる。
ちなみにシーゲルさんの肩書は、承認されたサイド8政府の首相となっている。
「了解、報告資料はそれまでに確認しておく。と、シーゲルさんに伝えておいて」
「承知致しました」
兵器の研究方法は実物を召喚し、技術者と軍人のチームが解析、研究を行う体制を整えている。
研究チームは4つに分かれており、艦船の研究・開発をするチーム、MSの研究・開発をするチーム、支援兵器及び情報技術の研究・開発をするチーム、多世界の技術を研究・開発をするチームとなっている。
各チームは僕が召喚した現物、資料や生産ラインの解析、研究をしてもらっている。
艦船はグワメル、グワレイ、サザダーンなどのグワジン級とその後継艦からマイナーな艦を召喚。
量産されたザンジバル級機動巡洋艦、チベ級重巡洋艦、ムサイ級軽巡洋艦、パプア級補給艦、ドロス級空母、ソドン巡航船、HLVを一隻ずつ召喚している。
ジオン系の艦船だけではなく、連邦系の艦船も召喚して研究対象としている。
こちらは量産された艦を中心にカイラム級戦艦、アイリッシュ級戦艦、マゼラン級戦艦、大型宇宙輸送艦、コロンブス改級補給艦、サラミス改級巡洋艦を一隻ずつ召喚した。
この他、宇宙用艦船としてはシーゲルさんの推薦があったので、他作品からナスカ級、ローレシア級、ゴンドワナ級も一隻ずつ召喚している。
また、とりあえず召喚はしているが未研究、未解析の艦船として、大気圏内で活用する艦船も召喚している。
ガウ攻撃空母、ミデア級輸送機、ガルダ級輸送機、ビッグトレー、U型潜水艦、ピートリー級、レセップス級、ボズゴロフ級を研究資料として召喚、現在は研究所内の倉庫に死蔵中だ。
一応、地球降下作戦も念頭に置いてはいるが、サイド8の本拠地は宇宙なので優先順位を低く設定した為だ。
まあ、将来的には火星テラフォーミング計画に必要になるので、宇宙用艦船の研究後に大気圏内用の艦船を研究するよう指示を出している。
MSについてはザク1、ザク2を中心に、ヅダ、グフ、イフリート、ドム、ゴッグ、アッガイ、ズゴック、ズゴックE、ハイゴッグ、リックドム、ギャン、ゲルググ、ギラ・ドーガを研究している。
勿論、連邦系のMSについても研究しておりジム、ジム2、ジム3、リック・ディアス、ネモ、マラサイ、ジェガン、ジェスタを鋭意分析、研究中だ。
・・・御神体は崇める物なので、あえて召喚していない。水陸両用MSは十分召喚しているので、あの前後両方前の機体は不要なのである。
また、研究しているMSに結構偏りがあるが、これは一年戦争時代の量産機と1.5世代~2世代のMSを中心にしているからで、将来的に製造する主力汎用量産型MSはポストジェガンを狙っている。
第三世代の機動力、第四世代の攻撃力と性能が良い事は認めよう。
だが、機能を詰め込みすぎている分コストが高いし、整備性は低くなる。
はっきり言って、少数精鋭部隊が運用するならともかく、軍として量産・運用するには不向きだ。
PCで言えば、数十万するハイエンドゲーミングPCで毎日テキストオンリーサイトをネットサーフィンしているような物だ。
ネットサーフィンをするだけなら、もっと安い性能の低いPCで十分なのと同じ理屈である。
「それと、ザク2とジムの試作機が完成したそうです」
「へえ、結構早かったね」
僕の後ろから出来る秘書のように香燐は報告してくれる。
彼女も忍者なので、アワアワ幼女は仮の姿、本当はクールビューティーな秘書としての顔も持っているのだ。
ただ、アワアワ幼女が本当の姿で、クールビューティーな秘書が仮の姿に見えてしまう時があるのは本人には内緒だ。
どちらが本当の姿なのかは、本人と両親しか知らないトップシークレットなのだった。
「召喚してもらった生産ラインを稼働させただけなので誇れる事じゃない、とアマルフィ所長からの言伝を頂いています」
「それでも、十分に評価に値する成果だと思うけどね」
「元々MSの開発をされていた方ですから、出来て当たり前の通過点としか思われていないのでは?」
「かもね。それより、防諜体制は問題無し?」
折角MSを製造しても、それを奪われては意味が無い。
また、対策を立てられるのも不味いので、本当の意味で秘密兵器である事が望ましい。
これは地球連邦に対しても、サイド3に対してもだ。
「駐留している連邦軍も、政府関係者も完全に監視下に置いています。また、研究所の警備も万全です」
「駐留している連邦軍にも召喚した人物を紛れ込ませているからね」
召喚システムのチートな部分の一つは、召喚した物や人を自然と他者に受け入れさせる事だ。
人を召喚しても、自然と戸籍などが出来上がっているチートっぷりだ。
このチートを利用し、地球連邦軍士官のステータスを持ったオリキャラを召喚し、裏から手を回してサイド8駐留軍に紛れ込ませている。
このチートも人の記憶という壁はある。
例えば記録では○○学校○年卒とあるが実際の卒業生の記憶には残っていない、などだ。
この問題も、一定数以上のオリキャラを紛れ込ませる事で、お互いを同期の知り合い、○○で世話になった先輩、などの関係を演出する事でカバーしている。
まあ、臨時に組織されたサイド8駐留軍だからこその荒業ではある。
これがサイド3駐留軍であれば、転属という形で少数しか紛れ込ませられなかっただろう。
少数しかいない異端者は非常に目立った事だろうが、大量にいればそれは異端者では無くなる。
これも、サイド8という地球から遠く離れた、データのやり取りしか無い辺境だからこそ出来た手なのだ。
勿論、サイド8駐留軍にも一般人はいる。
が、そのような人物は少数派であり、忍者達の監視対象になっている。
それに軍人は良くも悪くも上の命令は絶対だ。命令されていない調査は実施しないだろう。
「それと、例のプロジェクトの進捗状況は?」
「当初の予定より10%遅延しています。大半のタスクに遅延が見込まれていますので、スケジュールの見直しが必要かと」
「最初のマイルストーンに到達前にここまで遅延するなんて、イゼルローン要塞は遠い」
艦船の研究には銀英伝に登場する戦艦が大好き、特に銀河帝国のケーニヒス・ティーゲル、だったので召喚して研究対象としていた。
・・・ただ、サイズ的な問題、グワジン級、ゴンドワナ級と大型艦を多数召喚しているので研究所内にある秘密格納庫のキャパをオーバーしていたのでケーニヒス・ティーゲルは召喚出来なかったが・・・
なにしろ、ケーニヒス・ティーゲルは全長815m、全幅152m、全高222mとガンダム世界では大型艦の中でも上位に入るデカさだ。
そんな問題もあり、標準巡航艦(それでも全長576mあるが)を召喚して研究対象とした。
そして、研究1日目である問題が浮上した。
艦の操作方法はおろか、主砲の撃ち方、製造技術が解析不能だったのだ。
簡単に言ってしまえば、技術がブレイクスルーされ過ぎていて、過去の人類には理解出来なかったという事だ。
銀河英雄伝説は宇宙歴796年、西暦2801年が宇宙歴1年なので、西暦に直せば3597年になり、今は宇宙世紀0061なので西暦2106年になる。
つまり、銀河英雄伝説の世界は1491年後の世界になるのだ。
前世を例にするならば現代が銀河英雄伝説の世界、聖徳太子も生まれてない昔の時代がガンダム世界となる。
そりゃ、未来人の技術を過去の人類に理解しろと言う方が無茶だ。
銀河英雄伝説の技術を持った人間を召喚する方法もあったのだが、二兎を追う者は一兎をも得ず、人的リソースやオフィススペースも限られているので現在は召喚出来ていない。
まだまだサイド8は規模が小さいので、何でもかんでも手を広げる事が出来ないのだ。
それでも折角召喚したのだし、このままではイゼルローン要塞の運用が出来ないと判明しているので、空き工数を利用して研究は続けている。
特にイゼルローン要塞は銀英伝の世界で建造されているので、ミノフスキー粒子に対する備えやMS用のドックなども必要になる。
その為の改修案も鋭意作成中なのだが、まだミノフスキー粒子もMSも黎明期なので進捗はゼロに等しい。
4つある研究チームのうち、2つのチームに触れたので残りのチームにも触れたいと思う。
支援兵器及び情報技術の研究・開発をするチームは、ルッグンやバロールなどの偵察機や観測機を始め、TIN COD、デプ・ロック、ドン・エスカルゴ、ファンファンなどの大気圏内の戦闘機、61式戦車やマゼラアタック、ホバートラック、装甲車、MS輸送用トレーラーなどの車両、細かい所では歩兵用のアサルトライフルや軍用レーションの研究をしている。
情報技術分野では暗号解読や新型暗号、世界一のスーパーコンピューター開発、MS用のOS開発などを担当している。
多世界の技術を研究・開発をするチームは、マクロス世界から召喚したマクロス船団間を航行するシャトル(フォールド技術)や、機動戦艦ナデシコの相転移エンジンとIFS、ガンダムOOの太陽炉と量子コンピューター、アクセルワールドのニューロリンカー、ガールズ&パンツァーの車体内部を保護している謎のカーボン装甲などを研究している。
銀河英雄伝説の例があるので、未来過ぎる世界や魔法などの謎すぎる技術は研究対象とはしていない。
現在の研究対象にも謎技術はあるのだが、実用化された際のメリットが大きいので研究対象としている。
基本は惑星間航行に必要な技術や永久機関、民間にも転用しやすい情報技術や素材に関わる技術で、ガンダム世界でも量産できる技術を選択したつもりだ。
この条件に合致しなかった為に研究対象外とした技術は幾つかある。
例えばYF-29デュランダルが大好きだったので、VF-29デュランダルとして正式採用機にしたかったのだが、超高純度の「フォールド・クォーツ」を用いた「フォールドウェーブシステム」を製造する必要があるので断念している。
謎の宇宙生物バジュラが体内で精製する希少鉱石がフォールド・クォーツである。ガンダム世界に自然に存在しているとは思えないので、召喚でしか手に入らない鉱石を用いる技術をワンオフ機なら兎も角、量産するつもりにはならなかった。
フォールド・クォーツの鉱脈がある資源衛星でも召喚しようと試してみたのだが、あまりの使用ポイントの多さにフォールド・クォーツの研究は諦めているのが実情だ。
勿論、それが絶対に必要な技術、素材なら話は別なのだが、フォールド・クォーツは召喚ポイントを消費してまで必要ではない、と判断しただけの話だ。
ただ、VFシリーズについては汎用量産型MSの配備が進んだ後、第三世代MS開発の参考にするつもりだ。
技術的なロードマップを言えば、汎用量産型MSの配備とMSを速やかに運べる母艦の開発を第一目標にしている。
そして防衛力を整備した後、フォールド航法や相転移エンジンなどの技術を背景に火星圏に進出する。火星圏への進出を前提にしているので、サイド8のスペースコロニーは移動可能なコロニーとして召喚されているし、地球から最も遠い、裏を返せば地球圏外に最も近い場所にコロニーを召喚しているのだ。
もっとも、本格的な進出はスペースノイドの権利を獲得し、アースノイドとの関係に区切りをつけた後になるだろが。
その頃にはイゼルローン要塞も召喚出来ているだろう。
その為に研究を続けているのだし、将来的には地球-火星間に召喚するのが夢だ。
そう、計画は既に始まっているのだ!
「要塞も良いですが、スペースノイドの事も忘れないでくださいね」
「…心を読むなよ、忍者」
「主様には召喚した3000万人に対する責任があるのです。無くても問題ない玩具の事より、もっと考えるべき課題があります」
「召喚されて、この世界で生きて良かったと思わせて見せるさ。香燐も、君の両親も含めてね」
正直、最初は軽い気持ちで召喚していた事は否定しない。
だが、話をして、一緒にご飯を食べて、課題を解決しようと一緒に頭を悩ませているなかで、彼らも生きている人間だという事に気が付いた。
そして怖くなった。
前世では若手の会社員だったので部下はいなかったが、後輩はいた。
本当に正しいのか、色々と指導や指示を出すのに緊張した事を覚えている。
それでも、ただの平会社員だった僕は後輩の人生に責任を持っている訳では無かった。
それが今では自分の都合で3000万人を生み出した、ある意味では王様になっている。
判断ミスで彼らが死ぬ事も、不幸に陥る事もあるだろう。
それが怖かった。生きていれば、人は必ず死ぬ。ケガもするし、病気にもなる。
スペースノイドとして生活しているので、経済的な負担もあるし、不公平感を感じる事もあるだろう。
それでも、生きて良かったと、幸せで良かったと少しでも多くの人に思わせて見せる。
この覚悟が無ければ、これから3億人とジオン公国に匹敵する人口を生み出す事は出来ないし、生み出してはいけないと思う。
この覚悟が無ければ、人を便利な道具としか見られない、ブラック企業の経営者と同じになってしまう。
前世で散々批判し、嫌っていた連中と同じになるのは絶対にゴメンだ。
「…ネットで批判とは、小さいですね」
「心を読むなよ、忍者。あいつ等は変に力を持っているし、一社会人にどうしろって言うんだ。大体あいつ等は奴隷が余計な事を考えないよう無意味に重労働を強いてくるんだ、面と向かて批判する時間なんて無いんだよ」
なんだろう、今ならスペースノイドの権利獲得を病的なまでに求めるジオン・ズム・ダイクンに共感出来る気がする。
沸々と湧き上がってくる怒り。長時間残業を強制させていたのに、まったく支払われない残業代。
前世では無理矢理納得させられ余計にブラック企業への怒りを強めたコレが、コレこそがスペースノイドの怒りなのだ!
今まで他人毎ではあったが、気が付いてみれば他人事とは思えない、身近な問題だったのか。
だからと言って、原作のようにコロニー落としによる大量殺戮には反対だ。
ブラック企業で利益を得ているのは経営層だけだし、一見ホワイト企業に勤める人も結局は同じ働きアリなのだ。
同じ働きアリを殺戮しても意味は無いし、経営層も立場が変われば働きアリに都落ちするリスクもある。
つまり、悪いのは人ではなく、必要以上に働きアリを搾取する企業を黙認してしまう社会が悪いんだ。
革新するべきなのは人ではなく、社会こそが革新されるべきなのだ!
「…貴方は何処の中二病患者ですか」
可愛い部下(四歳児)が冷たい目で見てくるのも、社会が悪いに違いない。
僕は悪く無い、社会が悪いんだ!(笑)
さて、このサイトのガルパン小説を読んで、ガルパンとガンダムビルドファイターズのクロスオーバーを書きたくなった今日この頃。
ガルパンの世界を中心に、ガンプラバトルが世界的にプロリーグが開催されている世界。
メイジンのライバルで、世界トップランカーの主人公とヒロインが支え合いながら戦車道とガンプラバトルをするストーリー。
主人公がボコミュージアムにベアッカイ・ボコ仕様を寄贈する小ネタまで妄想しましたが、時間も無いのでお蔵入りです。
ちなみにヒロインは、まおお姉ちゃん、みぽりん、ゆかりんの三人まで絞りましたが、決められずに終わりました