Neverwinter Nights - Deekin in Halkeginia   作:ローレンシウ

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第百三十八話 Electric Angel

「バードって、あちこちに変わった知り合いがいるものなのねえ……」

 

 キュルケはグラスを片手にステージ上の歌い手をぼんやりと眺めながら、そんな感想を漏らした。

 

 ここニューカッスル城で、レコン・キスタと、いや、それを誑かし操っていたデヴィルたちとの決戦があった日から、既にかなりの日数が過ぎていた。

 まあ、学院長の許可を得たうえで教師の同伴付きで来ているのだから、早く帰らなくてはならないという焦りなどはないが。

 

 戦いが終わっても、アルビオンの人々は連日、忙しそうに働いていた。

 ホーキンス将軍の率いるレコン・キスタ軍がどのように意見をまとめて降伏してきたか、ジェームズ王ら王党派の指導者たちがどのような条件を出してそれを受け入れたのか……。

 そういったやり取りは余所者であるキュルケらの直接関与するところではなかったし、きっとうんざりするようなあれやこれやの駆け引きや約束事があったのであろうが、詳しいことは何も知らない。

 とにかく、ディーキンやウィルブレースらの事前の説得もあって、王族と王党派の兵士たちは降伏してきた万を超える元レコン・キスタの兵士たちを平和裏に、厳しい扱いをすることもなく快く迎え入れたのである。

 彼らはそのまま王党派に帰属することとなったが、このニューカッスル城は小城であり、それだけの兵を長期間留め置けるだけの場所も食料もない。

 今は彼らが侵攻時に築いた野営地にそのまま留まってもらっているが、近いうちに新たな拠点に場所を移す必要があった。

 

 そんなわけで、今宵は戦勝祝いとニューカッスル城との別れを兼ねて、この城での最後の宴が催されているというわけだ。

 

 

 

 澄んだきれいな歌声が、パーティ会場となったホールに響いている。

 素直になれない少女が、想いを寄せる男の子を自分だけの王子さまだといい、お姫さまとして扱ってほしいと訴えるその歌に、聴衆はみんなうっとりと聞き入っている。

 

 歌い手は変わった色合いの長髪をツインテールにした美少女で、外見からすると、年のころはルイズと同じくらいだろうか。

 なんでも「『カガク』の限界を超えてやってきました」だとかよくわからないことを言っていたが……。

 とにかく、ウィルブレースが以前にどこぞの異世界で知り合った子だそうで、彼女がここに連れてきたのである。

 たびたびエキゾチックな衣装への早着替えを披露したり、ステージに幻想的な灯りや背景などを作り出したりしているところからすると、おそらく彼女もまた、未知の魔法の使い手なのであろう。

 

 どうやら腕利きのバードの間では知る人ぞ知る有名人らしく、ディーキンなどは彼女の名前を聞くやきらきらと目を輝かせて、ぜひとも自分の本にサインをしてくれと頼み込んだ。

 おまけにそれを、「すごいの! ミクさんの直筆サイン入りのディーキンの新作本だよ! オークションなら軽く『ヒャクマンドル』以上はつくよ! 絶対売らないけど!」……などと、興奮の極みでわけのわからないことを言いながらルイズだのタバサだのに見せつけるものだから、さすがの彼女らもちょっとだけ引いていた。

 

「今夜は、あなたは歌われないのかしら?」

 

 キュルケは先程から気になっていたことを、傍にいるウィルブレースに尋ねてみた。

 

 こんな絶好の舞台なのに、戦の前に素晴らしい歌や物語を披露して大盛況を博した彼女は、いまだにステージに上がっていない。

 それどころか、つい今しがたどこからともなくふらりと現れるまでは、会場に顔も見せなかった。

 

「レコン・キスタの野営地のほうへ慰問に行ってるのは、知っていますけど。こっちには出なくてもいいの?」

 

 歌は素敵だし、十分に賑やかで楽しいパーティではあるものの、ディーキンやルイズ、タバサもそちらのほうに出掛けてしまったので、キュルケはいつもの面子がいなくて少しばかり物足りない思いをしていた。

 会場内の男たちを物色しようにも、今はみんなステージの歌のほうに夢中だし。

 シエスタとギーシュは残っていたが、彼女らも二人してステージの歌を楽しんでいるようだ。

 

「ええ。向こうの方で、十分に歌っていますから」

 

 ウィルブレースはスターレーズン……レンバスなどと同じく古来よりエルフの間に伝わっている、口に含むとたちまち瑞々しさを取り戻す携行食であり御馳走でもある希少な乾果……をつまみながら、にっこりと微笑んだ。

 

 ここではなく野営地で歌うことを選択したのは、宴の最中とはいえいつまたデヴィルが手を出してくるかわからぬので、目を光らせるためというのもあるが……。

 なによりもバードとして、投降してきた元レコン・キスタ兵の慰問と精神のケアに努めたいと思っているからである。

 なにしろ彼らは、それまで自分たちは神軍であると信じ、天使の加護を受けていると信じ切っていたのだ。

 それが突然すべて間違いだった、自分たちは悪魔に騙されていたのだと知ったのだから、ショックを受けている者は多いことだろう。

 ホーキンス将軍が生き残りのデヴィルどもを自分たちの手で掃討し、王党派へ投降すると命令を下したときに、レコン・キスタ軍の中に残っていた『不死の兵』たちはデヴィル側について戦ったのだという。

 本当に生き返ったのだと信じていた戦友が、何の躊躇もなく自分たちに刃を向けてくるのを見たときに、そしてそんな戦友の姿をした傀儡を自らの手で討ち取らねばならなくなったときに、兵士たちがどれほど悲痛な思いをしたかは察するに余りある。

 

 そんな彼らの心痛を、自分たちの歌や物語でいくらかなりとも慰めたい。

 王党派の兵士たちも、自分たちセレスチャルも、彼らのことを少しも悪く思ってなどいないのだと伝えたいのである。

 

「ですから、今日はこちらの方は彼女に任せます。私やディーキンの歌は、今宵でなくとも、いずれまたお聞かせする機会もあることでしょう」

 

 とはいえ、こちらの会場の方にもデヴィルが手を出してくるかもしれないので、彼らの存在を見抜き得る誰かが定期的に目を配っておく必要はある。

 そんなわけで、ウィルブレースは自分の手が空いた折に、少しの間見回りに戻ってきたのだった。

 

「なるほどねえ……」

 

 キュルケは、自分も向こうに行けばよかったかな、とちょっと思った。

 こっちのほうがいい男を物色できるだろうと思ったのだが、慰問を通してムードを作るというのも悪くない。

 あちらは兵士たちの数も多いことだし……。

 

「……でも、あの子はさっきから交代もなしでずっと歌いどおしよ。疲れちゃわないかしら。レパートリーだって、限りがあるんじゃない?」

 

「心配はいりません。彼女は決して疲れませんし、レパートリーは……、正確には知りませんが、数十万曲はあるのではないかと」

 

 それに、必要であれば仲間たちを呼ぶこともできるはずだ。

 金色の髪の幼げな少年少女とか、桃色の髪の彼女よりも大人びた女性の歌い手とか。

 

「数十万!? ……いや、まさか。大げさに言ってるんでしょう?」

 

 そんなにたくさんの曲を、一人の人間が覚えておけるとはキュルケには思えなかった。

 まして、自分たちと大差ない程度の年齢の少女では、それだけの曲を頭に入れるだけの時間もあろうはずがない。

 

「いえいえ。彼女はたとえ何百万曲、何千万曲でも覚えておいて、いつでも歌いこなすことができるし、何億という場所に同時に存在して歌うこともできるのです。私も詳しくは知りませんが、そういうものだそうですよ」

 

「へえ……、すごい人なのねえ」

 

「ええ。バードとしての対抗意識はないわけではありませんが、彼女と注目を争う気はありませんよ。向こうの会場のことがなければ、私もここで最後まで聞いていきたい」

 

 そんなキュルケらの会話などとは関係なく、ステージの上の彼女はまた新しい歌に取り掛かっていた。

 今度は、自分が歌うことが好きなのは、あなたが喜んでくれるからだ、あなたが愛を教えてくれたからだ……と歌っている。

 

「じゃあやっぱり、あの子もあなたたちと同じ天使の仲間なのかしら。見た目どおりの年じゃないってこと?」

 

「いえ、そうではないのですが。何者なのかと言われると……」

 

 ウィルブレースは少しの間、困ったように眉根を寄せて考え込んでいた。

 

「……そうですね。元々は、何者でもありません。彼女は、実体を持たない想像の産物だったそうです」

 

「へっ?」

 

 キュルケがきょとんとする。

 それから、ステージの上で歌っている少女の姿を見た。

 

「……よくわからないわ。実体がないとか、想像の産物とか。だって、そこにいるじゃないの」

 

 活き活きとした表情、澄んだ弾むような歌声。

 歌いながら、くるくると踊る姿。

 間違いなく、生きて動いている。

 

 ディーキンやルイズが魔法で真に迫った幻覚を作り出せることも知ってはいるが、彼女がそのような虚像だとはとても思えなかった。

 

「ええ、今の彼女は確かに実在しています。生きて動いていますね。……でも、最初からそうだったわけではない」

 

 ウィルブレースは、キュルケにわかりやすいように言葉を選んで、彼女自身の理解している範囲で説明していった。

 

「この多元宇宙のさまざまな世界には、たくさんの神々がいます。そして神になるには、信望者たちから崇拝され、その想いの力……信仰エネルギーを一定の臨界量以上集めることが必要になります。そうして神になった者の中には、元々はただの人間だった者はもちろんこと、最初は存在してすらいなかった者もいるのです……」

 

 例えば、木の枝で編んだ人形に名前を付け、崇拝する部族がどこかの地にあったとする。

 部族が勢力を伸ばし、その神の偶像を崇める者が増え、やがて信仰エネルギーが臨界量に達したならば、彼らの崇める神は多元宇宙の中のどこかの次元界にそれを注ぎ込まれて実在化するのである。

 

「彼女は、元々はある世界において『カガク』という技術体系を用いて作られた、歌を歌わせるための一種のプログラムを擬人化した想像上の存在だったと聞きます。しかし、その歌声に魅了される者が増えていき、彼らの想いの力が集まることで、やがて多元宇宙の片隅に『電子の歌姫』と呼ばれる存在として実体化し、あらゆる場所に偏在できるようになったのですよ」

 

 それを聞いて、キュルケはさすがに驚いたようで、目を丸くしていた。

 

「じゃ、じゃあ。あの子って、……神さまなの?」

 

 確かに、何千万曲も記憶しておけるとか、何億の場所に同時に偏在できるとか、そんなすごい能力があるのなら、それは神の領域だと言えるかもしれないが。

 

「いえ、違います。彼女に向けられる人々の想いは、神に対する崇拝とはまた少し違ってはいますから。ですが、その熱心な想いの力が彼女を実体化させたという点で、原理としては同じですね」

 

 元々は実体のない、強いて言えばそのベースになるのは人格を持たない人造の一種だったらしいが、現在の実体化した彼女は分類としてはセレスチャルやフィーンドと同じ来訪者の一種だと言えるだろう。

 実際、数の上から言えば、彼女には既に神格になれてもおかしくないくらいにたくさんの熱心なファンがあちこちにいるはずだ。

 何百万……、いや何千万か、それ以上かもしれない。

 

「はあー……」

 

 キュルケは、あまりスケールの大きな話に、ほうっと溜息を吐いた。

 ディーキンやウィルブレースも、ハルケギニアのどんな宮廷の詩人たちでも到底及ばないくらいに素晴らしい歌い手だと思ったが、上には上がいるということか。

 

 

 

 このマジカルな世界での初ステージで、アルビオンの新たなミライを願って尽きることなく活き活きと歌い続ける少女の姿を見つめながら、ウィルブレースは頭の中で今のキュルケと話した内容を思い返していた。

 

(そう……、信仰エネルギーだ)

 

 それが、デヴィルどもの狙いなのかもしれない。

 

 そもそも、この世界の人々から発せられた想い、信仰のエネルギーは、一体どこへ行くのだろうか?

 

 ウィルブレースが見た限りでは、それはどこにも行っていないように思えた。

 この地では、六千年もの間、始祖ブリミルという人物がメイジを中心に多くの人々からの信仰を集めているという。

 先日の戦の折にルイズが作り出したブリミルの幻影を見たときの人々の反応からすれば、その信仰は決して浅いものではないようだ。

 だというのに、どうしてブリミルは真の神格にならないのか?

 本来ならばとうの昔に、本人の魂であれ、信者たちの作り出した偶像であれ、いずこかに人々の信仰の力が注がれて、ブリミルという名の神格が顕現していてもいいはずだろう。

 

 彼に限らず、この世界には神格が不在だ。

 神格から授けられる信仰呪文の使い手がまったくいないことから、それは明らかである。

 おそらく、この世界には神格の介入や信仰エネルギーの出入りを妨げる、何らかの障壁のようなものがあるのだろう。

 どのような意図で誰が築いたものかはまだわからないが、明らかにこの物質界を他の次元界の影響を受けずに独立させておくためのものだ。

 

 しかし、その崇拝の対象が世界の壁の内側に現れたなら。

 あるいは、信仰エネルギーが通過できる、恒久的なゲートを築くことができたなら……。

 それまではどこにも注がれることのなかった信仰エネルギーを、世界ひとつ分、すべて独占することができるだろう。

 

(デヴィルどもは、この世界におけるブリミルの信仰を歪めようとしていた)

 

 この世界に姿を現したデヴィルは、バートルの第二階層ディスの支配者、アークデヴィル・ディスパテル大公に仕えているようだ。

 そのディスには、『神の道』と呼ばれる場所がある。

 崇拝者たちから発せられた信仰エネルギーが集まり、新たな秩序にして悪の神格が生まれる地だ。

 誕生したばかりの神々、引退したかつての神々、そして神にならんと志す者たちが軒を連ねているところでもある。

 

(では、ディスパテルは自分に都合のいい存在になるよう歪めた教義で新たな邪神として神の道にブリミルを顕現させ、それと同盟するつもりか?)

 

 しかし、いかに生みの親であるとしても、秩序にして悪の神格が大人しくいつまでもデヴィルと同盟を結び続けるだろうか。

 それにぽっと出の同盟者などを、偏執狂的なあのアークデヴィルがどこまで信頼するだろうか。

 

 あるいは……。

 あの地獄の業火を使うゴーレムの姿が、明らかにディスパテル本人を模していたことからすれば……。

 

(自らがその信仰エネルギーの受け手となり、アークデヴィルとしての自分とディスパテルの名を捨てて、新たな神ブリミルとして神位を得ようというのか?)

 

 アークデヴィルは神に最も近い存在のひとつであるが、神そのものではない。

 同僚を出し抜いて神位に到達することができれば、対等の立場での権力争いは終わり、圧倒的に優位な立場に立つことができるだろう。

 

 神となってアスモデウスに挑戦し、バートルの王の座を奪い取る。

 あるいは、他のデヴィルらとは袂を分かち、自分を頂点にする神としての権力体制を新たに築き上げる……。

 

(その方が、可能性は高そうに思える)

 

 だとすれば、アルビオンにおけるデヴィルの目論見は、前回の敗戦で大きく挫かれたはずだ。

 兵力は大幅に減り、その主張の正当性も疑わしくなった。

 将来的に信仰エネルギーを注いでくれるであろう対象は、少なくともこのアルビオンでは激減したのだ。

 

(それでも、まだ油断はできない)

 

 ディーキンの考えが正しいとすれば、デヴィルの背後にはまだ、ガリアという大国が控えているかもしれない。

 それに、兵力を大きく減らしたとはいえ、レコン・キスタがこれまでの戦いで支配下においたアルビオンの多くの街や都市がまだ解放されないまま残っている。

 デヴィルはそれらの土地の住人たちの間に堕落を広めたり、麻薬や退廃的な娯楽を提供したりして、それによって魂を売ることに同意させたり、偽りの教義を浸透させようとしたりしているかもしれないのだ。

 

(だから少しでも早く、デヴィルどもを完全な撤退に追い込まなくては)

 

 ウィルブレースはそう決意を固めながら、人々から望まれるままに、ただひたすらに歌い踊り続ける少女に目を向けた。

 

(新たな神は、彼女のように人々に望まれて生まれるべきだ。人々を騙すことで生まれ、信徒たちに圧制を強いる神など、決して増えてはならない)

 

 それは混沌と善の来訪者であるエラドリンとしての、またバードとしての、彼女の信念であった。

 

 

 

「……それでは、これで失礼します」

 

 ややあって、ウィルブレースはそう言って席を立った。

 が、去り際にふと思い出したように、悪戯っぽく笑って付け加える。

 

「キュルケ、あなたは素敵な人を物色しているのですか?」

 

「え? ……ええ、わかるかしら。でも、今はみんな、彼女の歌に夢中みたいだものねえ……」

 

 キュルケは、そう言って肩を竦めた。

 もちろん彼女自身も楽しんでいるのだが、ちょっとあてが外れたような気はしている。

 

 ウィルブレースは小さく頷くと、急にがらりと口調を変えて、キュルケに提案した。

 

「なら、私と賭けをしないかしら? 今夜の宴の終わりまでに、どちらがより素敵な人を捕まえられるかというのはどう?」

 

「へっ……?」

 

 それまでは礼儀正しい、行儀のいい女性と思っていたウィルブレースからそんなことを言われるとは思っていなかったキュルケは、一瞬きょとんとする。

 しかし、すぐに気を取り直して、挑戦的な笑みを浮かべた。

 

「……あら、お忙しいんじゃなかったのかしら。それに、天使さまがそんなことをしてもいいの?」

 

「そのくらいの時間は取れるわ。それに、私は天使ではないの。自由を愛する、楽しいことが大好きなエラドリン」

 

 もちろんデヴィルとの戦いはまだまだ終わっていない、気は抜けない。

 でも、だからといって、ずっとしかめ面をしていなくてはならないということはないはずだ。

 楽しめる時には楽しんで、英気を養うことも大切である。

 

 それに、キュルケがちょっと刺激が足りなさそうな顔をしていたので、彼女を楽しませたいという思いもあった。

 そんなわけで、彼女が嬉しそうににやりと笑みを深めたのを見て、ウィルブレースは満足を覚えた。

 

「あはは、あなたって、思ってたよりもずっと面白いじゃないの! もちろん、受けて立つわよ? ……あ、ディー君とかいうのは無しね」

 

「決まりね。ええ、もちろん。じゃあ、また後で会いましょう」

 

 

 

 キュルケらのやり取りをよそに、ステージで少女は一心に歌う。

 神さまなんかにはもうなれなくてもいい、ただ自分が歌い人が喜んでくれる、それがすべてだ……と歌う少女の背からは、その歌詞に反していつの間にか輝く白い翼が生えている。

 まるで、神か天使のように。

 

 観客たちの大きなどよめきと歓声が、ホールに響いた。

 


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