東方狸囃子   作:ほりごたつ

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第八十八話 似て緋なる者

 おいでましませこっくりさんと呼び出されお帰り下さいと願われた、願い通りに帰って来て今は我が家で一服中。煙ふかして微睡んでいると煙管の詰まりが気になった、そう言えば昨年の暮れにした大掃除以来手入れをしていなかったと気づく。

 今日は天気もいいしやることも相変わらずない、誰かと会う予定も誰かが来る予定もないが何かをやろうとした時に限って誰かと会ったりすることが多い。邪魔が入る前に手早く済まそうと竈で火を起こして湯を沸かし始めた。

 

 妖術で火は起こせるが湯は出せない、霧なら霧らしく温かな湯気でも出せれば早いと考える事もあるが、温かな湯気と聞くと蒸気が連鎖的に思い浮かんでいつかの動力実験を思い出してしまう。

 筒に詰められ回されて、この幻想郷で幻想になるんじゃないかと思えるくらいに色々された神様の実験。実験中に見えたのは河童とともに笑う神様、実際は笑っていたのではなく実験を眺め何かを語っていただけだと思うが、回されブレる視界からは笑っているようにしか見えなかった。

 

 あの時あたしを眺めながら何を話していたのか気にはなるが、本当に笑っていただけだったとしたらあの神様を嫌ってしまいそうで中々に聞きにくい。普段の姿で会えば構ってくれるよい御方だし嫁神様は慕う御方だ、出来ることなら嫌いたくはないし嫌われたくもない。

 なんとも自分勝手で女々しい思いだと我ながら感じるが仕方がない。何事にも合う様に都合よく形を変えられるのが霧やら煙なのだから、そこから成ったはずの自分が都合が良くても仕方がないと少しだけ開き直った。

 

 一人でいると余計なことを考えてしまう事が増えたなと感じる、少し前までは一人の時間にも小さな変化を見つけてはそれを楽しんだりしたものだが、最近は答えの出ない思考に耽る事が多いように思える。

 必要のない無駄な足掻き、それも性分にしてしまいなさいと言ってきたのは橋姫だったか、言われてからコレもそうなのかと考える事が増えてしまい変な気分になる事があるが、そういう時は頭を振って気分を切り替える事にしていた。

 

 振ると聞こえる鎖の音、人に呆れ地上を去った者につけられたあたしの枷。つながってない枷だとあの鬼は言っていたが、動くたびに聞こえる音が霧散し掻き消えてしまわないよう繋ぎ止めてくれる枷になっている気がして、付けられてから然程時間は経っていないが何故か安心出来て落ち着くには良い物になっていた。

 偶に浮かぶモヤモヤを払った頃に鉄瓶がカタカタとなっているのに気づく、掃除用にぬるま湯程度にするつもりが完全に沸いてしまった。沸いてしまったものは仕方がないと一人分のお茶を淹れて残った湯に水を足し、そのまま煙管の置かれた洗い桶に注いだ。

 

 しばらく浸してすっかりふやけたヤニを掃除し、綺麗になった煙管を咥える。細い管部分にはまだ湿気が残っているような気がしたが、二、三度強めに振ってから咥えて火種を筒先へと落とした。

 愛用の煙管を燻らせているこの時間、何も考えずまったりぼんやりするには良い時間で、これがなければ今頃退屈に殺されていたかもしれない。退屈は人を殺すらしいが妖怪も殺す、寧ろ妖怪のほうが退屈に弱い。心から生まれた妖怪なのだ、心が弱れば身も弱る。

 

 外の世界で一度体験したことだ、百聞は一見に如かずというが百見も一度の体験には及ばないだろう。酒が怖いなんて言ったことがあるが、あたしが本当に恐れ怖がっているのは退屈かもしれない。 

 一服済ませて恐れている退屈が近寄ってきたのがわかる頃、その退屈を散らしてくれる様に普段は来ることがない人が羽衣をフワフワさせて家に入ってきた。

 住まいに入る挨拶もなく微笑んだままに踏み入ってきた相手、顔を合わせる度に思うがもう少しどうにかならないのかね。空気を読んで煙管の掃除が終わってから来たのだろうが、どうせなら挨拶くらいはして欲しい。唐突な来訪に少し驚いていると挨拶は飛ばしていきなり本題を話す少女。

 

そろそろ何か起こりますよ、ご注意を。静かな我が家でまったりとしている時に唐突に現れた相手から唐突な物言いをされる、穏やかな笑みを浮かべて注意喚起をしてくれてはいるが、喚起するだけでソレ以上はお好きにどうぞと顔に書いたままでこう話す不法侵入者。

 今更我が家に不法侵入者が増えた所で驚くことではない、常日頃から誰かしら勝手に入っては勝手に寛ぎ勝手に帰っているからその辺りは気にならないが、このお人はその勝手なやつらの内におらずわざわざ来ることはない。来る時は大概何かを持ってくる、中々に厄介な人。

 

 踏み入ってきた来訪者を座ったままに出迎える、一言二言会話してとりあえず掛けたらと促すと卓の対面に座る彼女。両足を横に出して座る女性らしい座り方、スカートなのに片膝立てて座るあたしとは正反対な振る舞い。

 恥ずかしさはあまりないが淑やかに座る相手に合わせて立てた足を戻し同じように横に揃えた、そんな仕草を見て小さな笑い声を聞かせてくれる天界住まいの天女様。自分の方がエロい格好だろうに笑うことはないだろう。 

 

 エロいと言ったその格好、永遠亭の小間使いもぱっつんぱっつんの衣装でエロいんですなんて言っていたが確かに色気を感じる。細身でありながら出るところは出ていて括れるべきところは括れているし、それを強調するようなぱっつんぱっつんのブラウスとロングスカート。

 穏やかな態度に淑やかな姿、落ち着き払った雰囲気だが表情は優しいものでそれがぱっつんぱっつんの衣装をより強調させているように見える。大人の女性といった佇まいなのに衣装はフリルが多く使われていて可愛らしい様相だ。

 

 可愛らしさと大人の色気両方を持ちあわせていながらそれを鼻にもかけずにいる態度、常に落ち着いていてさも私はわかっておりますという知性的な姿、才色兼備で妬ましい。天は二物を与えないらしいがこのお人は二物どころかいっぱい持っていてズルいと思える。

 天に住まう龍神様の御使いで、どちらかと言えば与える側だからいっぱい持っていても仕方ないのかもしれないが、それもズルいな妬ましいと感じられた。ジロジロと念入りに舐める様に見ていると、胸元を羽衣で隠す仕草をする美しき緋の衣。

 見られたくないならそんな体のラインが出る格好をしなければいいのに、思っただけのつもりが口に出ていたらしく淑やかな笑みを崩さぬまま口が開き、丁寧なお叱りを受けた。

 

「あまりジロジロと見ないでほしいですね、貴女も大差ない格好でしょうに」

「隣の芝生は青いわ衣玖さん、それになんだか誘われている気がして・・こう、今しかないと電流が奔る感じ?」

 

「静電気なら取ってあげますが・・貴女の場合は取らずに放っておいたほうが良さそうですね」

「なにそれ、天界ジョーク?普段高いところにいるせいかしら、発想も斜め上でよくわからないわ」

 

 持ちうる能力故に、その場の雰囲気や流れをすぐに理解出来る衣玖さんがよくわからない冗談を言うのは珍しい、あたしの言った電流にかけて静電気とといた、謎かけ問答といった物だろうがこの心はなんだろうか。

 それともあれか、謎かけ問答や冗談ではなくてスリット入りのロングスカートに、絞られて体にフィットした長袖シャツという、見た目に大差ない格好のあたしも静電気のせいで衣玖さんのようにぱっつんぱっつんになればいいという、遠回しな嫌味だろうか。

 

 それはそれで皮肉の利いた冗談で好みだが衣玖さんらしくはないな、空気を読んであたしの雰囲気に合わせたと言えなくもないがこの線はないだろう、あたしと違って人を小馬鹿にする冗談は言わないお人だ。

 無駄な推測をしなくてもいいか、ほんの少し答えが欲しいという雰囲気を見せれば空気を読んで解説するなりヒントをくれるなりするだろう。 

 

「静電気でも火は起きますし、火が起きれば?」

「煙が立つと・・なるほど素直なジョークね。結構好きよ」

 

 思った通りヒントをくれた、本当に便利な能力だな『空気を読む程度の能力』ってのは、その気になれば自分の存在を消したり全ての攻撃も受け流したり出来るらしいが、それが本当ならまるであたしの上位互換だ。

 格好以外でも能力も似ているが人となりはあたしと真逆、天上人らしい清廉潔白な感じがしてちぐはぐで面白い。今も気に入ってもらえたなら何よりと帽子についた長い触覚を優雅に揺らして笑う竜宮の使い、永江衣玖。

 

 

 しかし今日はなんだろうか、まったりしているところにいきなり来てそろそろ何かありますよ、ご注意を、なんて言われても何が来てどう注意したいいのやら。主語がない注意喚起なんて意味がないように思えるのだが、あたしなら主語がなくても問題なく通じるだろうという判断から端折っただけなのだろうか。

 確かに言葉は通じるが意味がわからない、何が来てどう注意したらいいのか?正直それだけ言いに来たのなら言われないのと変わらない気がする・・本当にこれだけなのか、何か裏があったら面白いのだが。世間話でもしていればもう少しなにか聞けるかね。

 

「それで、楽しくお喋りでもしに来たの?それなら歓迎するけれど」

「最初に言った通り。注意するようにと伝えに来ただけでしたが、歓迎してもらえるならお喋りもいいですね」

 

「ならきちんと歓迎するわ、まずはよく見ないとね。偶にしか見ない人、どう歓待したらいいかわからないもの」

「そう言って胸元やお尻ばかり見て・・セクハラって言うらしいですよ、それ」

 

 

「嫌よ嫌よも好きのうちって言うし、問題ないわ」

「その言葉、この場合では私が言って意味があるんですが・・何を言っても意味がなさそうですね」

 

「そんな事ないわよ、頂いたご忠告はありがたいし目の保養も出来ている。いい事付く目で困ってしまうわ」

「とりあえずソコから離れませんか?」

 

 やれやれといった雰囲気で小さく微笑んでくれているがどうやらそれほど困ってはいないようだ、性的嫌がらせなんて辛辣な事を言ってくれたが言うほど気にしていないのはわかる。

 そもそも目の保養というのもそう悪い言葉ではないと思うのだが、どこか下心の見える淫靡な言葉ではあると思うがそう思わせる格好なのが悪いのだ、あたしは悪くない・・きっと異性なら理解してくれるはずだ。

 

 足を横に揃えて座り顔には穏やかな笑みを浮かばせて話題を切り替えたい天女様、そんな彼女をニヤニヤと下卑た笑いを浮かべて見つめるあたし。卓を挟んでいなければ少しそのぱっつんぱっつんを突付いてみたいものだが・・そんな空気になれば突かせてくれるかね。

 ピンク色の空気を纏い少しずつ体を寄せようとしたが、あたしの動きに合わせて動いた空気を読んだのか、笑みを崩さぬままで苦言を呈されてしまった。

 

「楽しくお喋り、とは言えない空気なんですが?」

「ほら、小説なんかでよくあるじゃない。体は正直だなってセリフ」

 

「体に聞くと?・・・これほどしつこいとは、貴女を読み違えていましたかね?」

「冗談よ冗談。控えめに微笑んでる顔しか見せてくれないし、どうにかと思ったけどダメだったわ」

 

「言ってくれれば表情くらい、でもそれじゃダメなんですね?」

「ダメね、言って作られた顔を見ても面白くない。どうしたら崩せるかしら?」

 

 さっきまでと同じように舐めるように見つめるが今は心情が違う、どうしたらこの態度を崩せるか真剣に考えている。表情を変えたつもりはないが察する事ができるのだろう、変なことに躍起にならないで下さいと、やはり微笑んだままに言われてしまった。

 色のある話でもダメで真剣に考えてもダメなら次はどうしたもんかね、この美しき竜宮の使いを崩す綻び。なにかしらはありそうだが剥がす為のささくれが見つからず、卓に立てた片手の親指で顎を支え人指し指を噛みながら考えているとまたも苦言を呈される。

 

「真剣に下らない事を考えて、せっかくの頭が勿体無いですよ?」

「下らないなんて事はないわよ?崩せない物をいかにして崩すか、難しければ難しいほど面白いものだと思わない?」

 

「言わんとすることはわかりますが、何分私の事となるとなんと言ったらいいか」

「それよそれ、その何を言われても受け流す感じ。それを崩したいのよ、どうしたらいいの?」

 

「本人に聞かないで下さい、それに意外と簡単に崩れますよ?」

「そうなの?ってそうか、あの天人崩れを連れてくればいいのね。今どこにいるの?」

 

「さぁ?常にお側にいるわけではないですし、最近はおとなしくなりましたので天界にいらっしゃると思いますが」

 

 本来は我儘天人のお目付け役でもないのに、すっかり尻拭いやら挨拶回りやらが板に付いてしまった龍神様の御使い。話の引き合いに出せば多少はと思ったが、それでも変わらない辺りはさすがである。

 けれど変わらない物の中にちょっとした変化が見えた、受け流す為に嘘をついてくれた気がする。常にお側にいるわけではないってのは本当だろう、一緒にいることは多いだろうが竜宮の使いとしての御役目があればそちらを優先するはずだ。

 実際今日は御役目をこなすために一人で来ているわけだし、忠告しに来てくれた相手に酷いことをするようでほんの少しだけ気が引けるが、ここは空気を読んで付け入るべきだとあたしの何かが流れを読んでくれた。

 

「あの跳ねっ返りが大人しくなるなんて事ないでしょうに、嘘つくなんて珍しいわ」

「あながち嘘とも言い切れませんよ?あの異変で妖怪の賢者にやられて以来おとなしくて、ありがたいですね」

 

「美しく残酷に往ね!だったかしら、紫さんを怒らせるんだから大したもんよね」

「この大地から往ね!です。変な感心の仕方をしないでもらいたいですね、聞かれでもしたらまた調子に乗りますし」

 

「調子に乗ると衣玖さんの手間が増えるものね、振り回されて大変ね」

「振り回されるなんて事は・・・ないとは言い切れませんね、もう少し天人らしくなって下されば私の苦労も減るのですが」

 

「本当に苦労してるのね、でもそのおかげでやっと崩せたから後でお礼を言わないと」

 

 ずっと通して微笑んでいたけれど最後で苦笑してくれた、変化といっていいほど笑みは変わってはいないが、零した小さな溜息がそれが苦笑だと教えてくれる。迷惑しか寄越さない天人のお陰で見られた顔、あれに感謝することなどないと思っていたが少し考えを改めないとならないな。

 小さな物だがその変化に満足し屈託の無い笑顔を浮かべていると、苦笑したまま何か言いたそうに見つめてくる空気を読む妖怪。お陰様で気分がいい、今ならなんでも聞き流せるからいくらでもどうぞ。

 

「何もしていないのにお礼なんて言われたら、総領娘様は益々調子に乗りますね」

「衣玖さんには災難だけど、あたしとしてはまた何かやらかしてくれそうでそっちのほうがいいわね」

 

「そうなったらお裾分けしますので、一緒に近くで見てもらいましょうか」

「それもいいわね、暴れる天子に謝る衣玖さん。あたしは何をしたらいいのかしら?」

 

「尻拭いを。そして出来れば総領娘様と一緒に退治されてくれると、私の手間が少なくて助かります」

「どちらかと言えば衣玖さんと一緒の方がいいわ、あれの硬い体より衣玖さんの方が触り心地が良さそうだもの」

 

「紛らわせようと話を戻してもダメですよ、それよりそろそろ本題に入っても?」

「本題?ご忠告はもらったし、まだ何かあるのかしら?」

 

「その忠告ですが、この幻想郷で新しい何かが起こると龍神様が仰っております。何時や何がとは伺っておりませんので、聞かれても言えませんが」

「そこは空気を読んで聞かれるまで待って欲しかったけど、まぁいいわ。気にはしておく」

 

 新しいことね、何が起きると言うのか?龍神様のお告げとして託される事なら結構な大事か?この幻想郷で大事となると異変くらいしか思い当たらないが、また誰かが異変でも起こすのかね・・それも結構な規模の異変でも。

 普段なら異変に関知しない龍神様が使いを出して知らせる、余程の大事だろう。けれどそれなら何故あたしのところに?注意喚起ならあたしよりも、あのおめでたい巫女にでも話した方が解決も早く済むと思うのだが。

 その辺りの事は聞けば答えてもらえるのだろうか、先んじて言ってこないということは聞いてもいいか、聞かれてもわからないってところだと思うが、聞かぬよりはマシだろう。

 

「それで、なんでそれをあたしに?異変を起こす気はないわよ?」

「そこはなんとなく、総領娘様の時も否応なく巻き込まれておりましたし」

 

「神社で埋まる事になるとは思わなかったわ・・また厄介事に巻き込まれると?」

「わかりませんが、別にそれを止めに来たわけではないので」

 

「なら本当に何しに来たの?」

「似た者同士、少しのお節介をと思いまして。どうせ巻き込まれるなら知っていたほうが後の面倒が少ないかなと」

 

「他人事だと思って・・・色々と言いたい事はあるけれど、まぁいいわ。言っても意味がないし」

「そうですよ、何事もなるようにしかなりませんし・・気にしても仕方がないなら気にしないのが一番です」

 

 笑みを崩さず笑えない話を言ってくれるエロいぱっつんぱっつん、他人事だと思って気楽に言ってくれるが結構酷い言われようなんじゃなかろうか、これは。

 異変が起きます、貴女は巻き込まれます、私は助けませんがそれじゃ頑張ってと知らないほうが良かった事を言われてぶん投げられた感覚。良かれと思って来てくれたのだろうが、正直知らずにいたほうが良かった気がしてならない。

 

 

 それでも聞いてしまったわけだし今更忘れようとしても無理な話なわけで・・他人の迷惑顧みず唐突に問題を吹っ掛けてくるとか、困った相手だと思うと同時に気がついてしまった。

 他人から見た以前のあたしはこうだったんじゃないかと、誰が何をしていようと気にせずに自分のやりたい事だけやって笑って帰る、その結果嫌な顔をされようがどう思われようが気にしない・・うん、まんまあたしでこれは笑えない。

 

 気がついていてしまうと余計に感じる妙な感じ。いや、衣玖さんからは悪意が感じられない分まだマシなのだがあたしの場合悪意たっぷりの時もあった。コレに輪をかけてか・・面倒臭いだとか厄介者だとか言われても仕方がなかったな。

 人のふり見て我がふり直せ、そんな言葉が思い浮かぶがそうする気にはならなかった。あたしから見てこう感じるという事は逆に考えれば、他人から見ればあたしはこう見えるわけだ。

 

 なら悪くないじゃないか、常に落ち着いていて薄く笑みを浮かべる淑やかな姿。さすがにぱっつんぱっつんの衣装まで同じとはいかないが、その辺はスリットから見える足などの露出でどうにかカバーしよう。

 どうせなららしさも真似しようと、脳裏に焼き付けるために全身を隅々まで見つめる、すると視線が胸元辺りに移った頃にまた羽衣を使い隠す仕草をする美しき緋の衣。 

 微笑んだまま懲りないですねと言い、言葉と共に胸元を隠す羽衣を螺旋状に変えていく・・全部が全部似てるわけじゃないないらしい、これくらいならあたしは怒らない。

 回転し帯電する羽衣で脅してくる自分に似た竜宮の使い、その違う所に気づいたと同時に電撃が放たれた。

 




ぱっつんぱっつんの衣玖さん、緋想天とDSくらいにしか出てませんがなんだか好きです。
VSチルノ戦後のセリフとか好きですね、大人の女性っぽくて格好いい。


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