東方狸囃子   作:ほりごたつ

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六日目昼間?→六日目深夜


第百二十八話 気分高揚

 二枚舌をあしらった後は春めいて華々しいお山を望み気持よく一服、とはいかず暗い穴蔵に押し込まれて両手は縛られすっかり囚人姿。これで猿轡(さるぐつわ)と目隠しでもされて自由がなければ、そういった趣味の者に売られる妄想に興じられるのだが、両手だけ中途半端に縛されて狭い牢屋に押し込まれていた。

 真面目な白狼天狗に縄を引かれて押し込まれたのはいいのだが、お天道さまも見えない牢屋では時間もわからずやることもなく、暇潰しに足だけ禅を組んでいる。組んだ所で空になどなれず偶に足で牢を蹴ったりもするが誰も来ないし、握ったままの打ち出の小槌で壁を打っても誰も来ない。最初のうちは音に惹かれて若い狼が覗きに来てくれたけれど、狼らしく襲うこともせずチラリと見てはすぐに帰っていった。

 

 よくあるような封印術式の縄で縛られているわけでもなく、ただの荷造り用の紐で括られているだけで縛とはいってもいつでも解けるものだ。飽きたら解いて穴でも掘って出て行けばいいだけだが、一度捕まりお山のお白州に連れて行かれるのも面白いかと少し期待して待っている、けれど同心のお迎えは来ず放置プレイで焦らされている。

 そろそろ一服したいなと思っても両手が塞がっている(てい)なのだとその度に思い出し、仕方がないなと煙管の代わりに親指吸って我慢している。煙管の代わりに吸うのなら柔肌の方が良い、そんな事を考えていると暫く振りに誰かの気配がして、親指しゃぶったまま牢の入り口を見つめると嗄れた声で話す誰かが牢の正面に腰掛けた。

 

 他の雄天狗よりも幾分小さいが召し物のせいで大きく見える体躯に長い白髪、肩から腰まで白いボンボンをくっつけた偉そうな格好をして、いかにも儂がお偉いさんだと見た目と雰囲気で教えてくれる手合。昔はお山の大将に食って掛かって殴り飛ばされていたのに、何時の間にやらヨレヨレの爺になって年老いた姿に見える誰か、その誰かの見た目のせいであたしの年令も自覚させられた気がして少しだけ腹が立った。

 不機嫌を瞳に込めて指を咥えてじっと見ると、呆れを込めた瞳で見返されてしまうが相手の思慮には気がつかない事として、あたしの希望を押し付けた。

 

「飽きたわ」

「ならば出て行けば良かろう? お主自身を引き止める理由などないわ」

 

「偉そうな天狗奉行のお裁きは? これより侵入者について吟味を致す、なんてのはないの?」

「人に毒され過ぎておるのぅ、馬鹿にしおって」

 

 ドスの利いた嗄れ声で返答をくれる爺天狗、美しく逞しかった翼にも白い羽が混じって見えて体の衰えを教えてくれる。お山に引き篭もって人間を驚かさず食わずにいればこうもなるのか、当時は火遊びしてもいいかと思っていた腕はやせ細り頬も痩けて無残な姿に見える。

 見る人が変われば老獪で威厳ある姿に見えるのだろうが、あたしからすれば体型維持をサボった爺にしか見えず、昔の切れのある肢体や冬場の澄んだ空のような瞳はもう見られないのかと、深く掘られた目尻の皺を見て思った。

 

「飽きたわ」

「既に伝えた、止めはせぬ‥‥が、ソレは置いていけ」

 

「ソレじゃわからないわね、気でも置いていく? そんなに好いてくれていたかしら? 仲良しだった覚えがないんだけど」

「それは忘れずに持ち帰れ、古狸……代わりに小槌は置いていけ、儂らで上手く使ってやろう」

 

 イヤと言って小槌の柄を牢の隙間から差し出してみる、ゆるりと手を伸ばして来るがほんの少しだけ逸れてしまい柄は握れず牢を握るクソジジイ。

 度々お山に入ってはその度に何かしら逸らしているのだ、それを知らないわけではないだろうし昔の喧嘩も見ているはずだ、素直に手を伸ばしたのはちょっとした遊び心か。見た目は好ましくなくなったが、心持ちは昔のままで茶目っ気のある烏なのが小指の先ほどだけだが嬉しかった。

 差し出した小槌を戻し一枚だけ充てがわれた毛布の上へと放り投げ、これを使って何がしたいのか、少しだけ聞いてみた。 

 

「上手く使う、ね。天狗の繁栄を願って振るのかしら?」

「安寧を願うだけよ、これ以上の繁栄など求めておらんわ、お山が無事ならそれで良い。その為に儂らで譲り受ける‥不服そうな顔をするが何が気に入らん?」

 

「口調もそうだけど見た目以上に中身も年寄りになったな、と。昔は幼さを残す可愛い少年姿だったのに、誘ってくれればお姉さんが跨ってあげてもいいくらいの」

「抜かせ、お主の貧相な体よりも星熊様や仙人様のような御方が好みじゃと知っておろうに」

 

「姐さんは兎も角もう一人とは大差ないわ、むしろあの人よりくびれてるわよ? 姐さんに宴会でひん剥かれて泣いていたのをあやしてあげたのは誰だったのか、忘れてしまったのね」

「女は細さよりも触り心地じゃろうて、変わらず食えない(おうな)じゃのう……素直に手放してはくれんか? 古狸相手にただで寄越せとは言えん。山で好きに‥‥」

 

「見た目だけ爺な奴に年寄り呼ばわりされたくないわ。それと…好きに、なんて軽々しく言うものではないわね。壁にも格子にも隙間があるわ」

 

 自意識過剰と言われたばかりで見られているとは思わないが、記者とわんこに見られるよりもあっちの胡散臭い覗き魔の方が心配だ、小槌を渡して変に巻き込まれて厄介事や面倒事に首を突っ込みたくはない。余所のお家騒動に巻き込まれるなどたまったもんではないし、そういうのは身持ちの堅い天狗と大家だけでやって欲しい、ただでさえ何かと騒動に巻き込まれているのだから本当に勘弁願いたい。

 小槌を使って安寧を、なんてのたまうのはいいが、幻想郷のパワーバランスをになう一角が便利アイテムを持つなどと、歪な天秤がさらに偏ってしまって大家さんとしては面白くないはずだ。

 本当に安寧を求めて使うのかもしれないがこの地で安寧などと‥安寧から乱れた結果生まれた妖怪のくせに何を言うのか、昔なら‥やめておこう、回顧するなど柄でもない。

 しかしどうやり込めるか、老獪ぶったクソジジイを諦めさせるなど無理な話だ。折るには硬いしそれこそ面倒くさい…いいや、折ろう、もとよりそのつもりだったわけだし。

 

 毛布の上でコロンと転がる打ち出の小槌と、手に入れたいのに手に入らない爺を見比べて瞳が合った瞬間に、咥えていた親指と人差指を擦り合わせて一気呵成に術で燃やした。ゴウっと音を立てて毛布と共に燃え広がる元打ち出の小槌を爺の方に蹴りやると、炎が渦を撒いて一瞬で掻き消えた。

 欲しがった物に対する弔い……とは思えない呆気無い消し方だ、さてはこうするつもりだったな。

 体型は兎も角媼やら安寧やらと口走り煽ってくれて眼前で壊すように仕向けられたか、なんとも食えない爺さんになったものだ。

 

「年を取ると口が上手くなるのね」

「口だけではない。あっちも現役よ、暫くぶりにお前様を見たが相変わらず食指の動かん体じゃ」

 

「黙って聞いていれば貧相だの食指が動かんだの言ってくれて、姐さんにしろお前にしろ基準がおかしいのよ。帰りにエロ爺だと言い触らす事にするわ」

「周知の事実よ、最近の天狗は肉付き悪い者が多くてのう、あるのかないのかわからず偶に触れるがその度に睨まれておる。お陰様で未だ疎まれてこの世にはばかっておるわ」

 

 白羽混じりの翼に威厳を隠して悪戯に笑む、ほんの少しだけ大昔の悪戯小僧の片鱗を見せる天狗の頭目、愛らしかったあの頃のままの姿で今の言葉を吐いたなら雷鼓に内緒でつまみ食いしてもいいくらいだったのだが…時の流れとは残酷なものだ。

 風の渦で悪戯して回りあたしの着物の裾を払ってみたり一本角のスカートを捲ってみたり、一番酷かったのは現役ヤンキーだったあの人のスカート捲って完全に丸出しにさせた時か、あれは面白かった。何処かで落っことしてきた今はない右腕でとっ捕まえて叱っていた時に後ろ側だけ捲ってみたりと、見習うべき悪戯心を発揮して可愛い顔して謝る姿、あれを今の形でもやっているならそりゃ疎まれるな。

 周知の事実と自称して開き直っているのに一度も新聞のネタに上がらない、という事はあの二人も犠牲者だろうな。後でほじくり返してやろう、誰から聞いたか問われたら本人からだと言っておけば黙らせるのも容易いはずだ。

 あの大天狗にも謝らないといけないな、風上はこのエロ爺だとあたしとこころに向かって吐いたのだ。外に漏らさず隠し通しているから本性はバレないと思っていたのだろうが、これを風上に置いて動くというのならあの伊達男もこういう思考なのだろう。

 聞けば否定するかもしれないがそんな事は耳に届かない。

 風の拳を振るう能力『手腕を振るう程度の能力』というものらしいが、どういう意味でその手腕を振るうのかにっこり笑って聞いてやろう…どれほど嫌悪してくれるのか、随分と楽しみだ。

 

 下品な妄想に囚われていると両手の縄を風で切られて封が解かれた、小槌が壊れたのを確認できたからもう用済みって事だろう。遠回しに煽らずともはなから壊せと言えば手間がないのに、そうも言えないのはお偉いさんになったからなのか。

 意図が組めずに目尻の皺を少し睨むと、お偉いさんの顔に戻って建前と本音どちらなのかわからないことを嘴から漏らし始めた。

 

「大天狗を落とせる程の妖器『打ち出の小槌』そんな物があると広まれば我らの威厳は地に落ちるが、手元に残して隙間と揉めるのを儂は望まん。かと言って目の届かん所にも置いておけん、故に在るべき忘却の中へと還してもらった」

「それなら白日の下に壊し晒すべきだったと思うけど、協力者である河童は兎も角として他の木っ端妖怪も見ているはずよ」

 

「その気はないと隙間に知られれば其れで良い、半端な者共に儂らに逆らう気概などなかろうて‥小槌を持っているかも知れない物騒な天狗衆に手を出す痴れ者などそうはおらん」

「ふむ、天狗と河童以外…お山の妖怪全てを化かす、それは面白そうね」

 

「だが問題があってのう、万一バレそうになった場合に儂は動けん、立場というものがあってのう。そこで代わりに火消しをしてくれる者がおらんかと探しておる、儂らよりもその手の事に長けた者がおればいいが」

「素直にお願い、とは言えないのよね。面倒な立場になったものね、昔のよしみでノッてあげてもいいけれど、条件くらい出させてもらうわ」

 

「お山の警護手伝いと小槌の礼におもちゃをくれてやるというのに、まだ何かあったかのう」

「他の天狗衆には内緒、河童にも話してはダメよ。おもちゃは多いほうが面白いし、障害は多いほうが燃えるわ」

 

 そうしたいのならそれで構わんとカラカラ嗤う大昔のエロジジイ、これに負けないくらいにニタニタと頬を歪めるとそういう顔をするから好かんのじゃとのたまった。

 勇儀姐さんのような我儘な体躯が好みと公言し続けているが、本当のところはこいつは体よりも表情が目当てなのかもしれない。

 あたしと体型差のないあっちの人にも手を出して叱られて喜んでいたし、こいつはあれだ、多分物理的にいじめられる方が好みなのだと思う。

 それならあたしは悪くない、悪いのはこいつの性癖だ。

 

 下品な爺は捨て置いて天辺公認の脱走を図ると外はすっかり薄暗い、お縄にかかる前はまだお天道さまが見えたと思うが何時の間にやら暗い天狗の集落。

 お勤め明けに伸びをして出所待ちでもいないかと周囲を見やると待っていたのは白狼天狗、捕まえた責任でも感じていたのか仕事終わりから待っていたらしい。

 御役目通りにしただけで気にする事など何もないのだが、待つような理由があるだろうか?…少しカマをかけてみようと思い、得意の千里眼に何が映っていたのか問うと真っ直ぐに見つめ返されて何も見ていないと言い返された。

 それならいいと柔らかな態度で接してみると少しだけホッとしたような安堵を浮かべる忠犬椛、あれの趣味は知っていたから心配などされなくとも何も起こらないが、気にかけてくれているのはありがたい。

 手を振り感謝と今日の別れを告げると本当に何もなかったのかと再度問われた、散らしてないから大丈夫と伝えると不思議な顔をされてしまった。

 この子は爺の正体を知らないらしい、木の葉天狗にはバレてないのか‥記者二人よりも膨らみのある胸を盗み見て、この子が強く出ればあの爺さんを尻に敷けるのかもしれないと、出所後の一服をしながら小さく頷いた。

 空を目指して禅を組んでいたあたしに邪な遊びを持ちかけてきた天狗の頭目、名の通り悟りを開こうとする手合を堕とすとは中々に面白い爺さんになったものだ。

 

 爺を長く見ていたせいかまぶたを閉じると目尻に皺が寄ってしまう気がする、若々しい狼さんで目の保養が少し出来たがもう少し取り戻しておきたい。直接的に若さを取り戻せる相手は床に臥せっているし代わりに見るなら何がいいか、少し悩んで移動した。

 

~少女移動中~

 

 土臭い穴蔵の匂いを記憶の彼方へ消し去るために芳しい香りで満たしたい、日が落ちたためか門の守護者はおらず誰にも声を掛けずに屋敷内へと踏み入ると、いつもの様に突然従者が現れた。

 本日はどのような? 瀟洒な態度で来訪理由を問われて良い香りの紅茶が飲みたいと真っ正直に話してみると、それならば御嬢様方とご一緒に、そう促されて応接間へと通された。

 血の色のような床と壁に囲まれた落ち着かない応接間で少し待つと、白い皮膜を広げて歩く赤いお屋敷の小さな主が姿を見せる。あたしの腰掛けるソファーの横に同じように腰掛けて、従者の淹れてくれる素晴らしいお茶を二人で待った。

 姿から待つといっては見たが時を止めてすぐに用意される華やかなティーセット。

 銀のカトラリーと揃いになったケーキスタンドから良い香りのする焼き菓子を摘み待っていると、ソファーの高さに合わせられた小さなテーブルに二つカップが配膳されて、小さく湯気をたたえ始めた。いつも出される琥珀や橙色のお茶ではなく、白く白濁したミルク入りの紅茶が注がれて目の前に配膳される。香りを楽しむなら何も入れずにと言っていたような気がするが、リクエストしてこれが出たのだ、何か意図があるのだろう。

 ソーサーとカップの立てるカチャリという音を聞きながら鼻と口内で楽しむと、リクエスト通りに濃い目に淹れられた芳しい茶葉とミルクがちょうど良く、喉を過ぎた後でほのかに香る鉄の匂いで満たされて、無言で二口ほど楽しんでから小さく笑むと味はどうかと問いかけられた。

 

「時間も遅い為ナイトキャップにミルクティーをご用意致しましたが、お口に合いましたでしょうか?」

「今日は悪戯はないんだな、いつもこうなら完璧なのだが」

 

「完璧なんてつまらないわよ? 確かに要求通り芳しいモノだわ、初物?」

「お客様にお出しする物に悪戯は致しませんわお嬢様、秋物ですがお気に召しませんでしたか?」

 

 味は上々、その反応でわかるから大丈夫と意地悪く笑むと隣のお嬢様も同じような顔で微笑んだ。返答と笑みに対して小さく会釈しそのまま消えた初々しいメイド長を見送り、隣の主と紅茶を楽しんでいるとあまりからかうなと窘められる。

 主は楽しく笑んでもいいのか、問いかけてみると私の物だから構わないといつもの我儘を言ってみせた、見た目通り幼女らしい我儘さを見られてやはり来てよかったと頷いていると、最近の流行りについて話の筋が操られていった。

 

「新聞は読んだ、山で嗤ったそうじゃないか、捕まえないのは何か理由が?」

「書くのも読むのも早いわね。特に理由はないわ、遊びは長く出来れば皆で。まだ遊んでいない者もいるでしょ?」

 

 半分ほど残った紅茶を煽り一息で飲み干して、唇に残る雫も舌で舐めとる。

 普段であれば何も言わずにおかわりを注ぎに現れるのだが、今日は主に止められているのか姿を見せない瀟洒な従者。

 いないのならば都合もいい、もう少し我儘な御嬢様を相手にして若さを吸わせてもらおう。

 

「そうやって最後まで日和見か、らしいと言えばいいのか底意地が悪いと言えばいいのか」

「両方でいいわ、新聞が出回ったのなら隠す意味もなくなったし、紅茶の御礼に少しヒントをあげましょうか?」

 

「ヒント? 楽しみが早まるが構わないのか?」

「まだ手札があるみたいだし、そろそろ疲れた顔が見たいのよ。ヒントというか助言かしらね、もし遊びに出すなら遅刻させたほうがいいわ」

 

「そろそろ腰の重い奴らも動くだろうに、遅刻していけという裏が聞きたいな」

 

 同じく飲み干してこちらに体ごと向く幼い主、両足をあたしの腿に乗せて両指を組み怪しく嗤う幼女様。鋭い八重歯を見せてくれて愛くるしいとは真逆の状態だが、傲慢な吸血鬼らしい素振りは中々に素敵で様になる。

 怪しく嗤う表情を鏡で写したように真似て、遠回りしながら聞きたいという裏を教えてあげた。

 

「まだまだ元気な素振りだったし手札があると言ったわね、それが減って疲弊した頃に遊んだほうが怪我がないわ。お互いにね」

「なるほど、体を気遣うなど随分と気に入ってくれたな」

 

「可愛いんだもの、背伸びして主の期待に答えようとする初物少女が」

「はっきりと口にするな、聞かれて捌かれても責任とらないわよ」

 

「なら言い換えるわ、普段から貧血気味なんだから気をつけなさい。血を流されたら味わえなくなる」

 

 カップを顔の上に持ち上げて底に残る一滴を垂らすように傾ける、一滴零れたそれを舌で迎えて味わっているとはしたないと従者に窘められた。

 何も言われず三枚に降ろされて冬場の襟巻きにでもされるかと思ったが、淑やかな態度のまま二杯目を注いですぐに下がる吸血鬼の愛くるしい従者殿。

 あたしのカップにだけ二杯目が注がれて私の分はと追加要求をする主殿。

 もうすぐお休みの時間、粗相をされては困りますと頭を垂れて下がっていく紅魔館のメイド長。

 するのかと瞳を開いて嗤ってやるとするわけないだろと癇癪を起こすお嬢ちゃん、腿の上で足をバタつかせて否定する様が面白く、暫くからかうと『うー』と鳴いた。

 姉蝙蝠の泣き声を初めて聞いた、楽しい夜だった。




天狗の長には別名があります、そっちからそれらしく
メガテンプレイヤーならわかりやすいかもしれません
ナイトキャップ、寝付く前に飲むお酒やカフェイン薄めの茶をこう言います

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