遊戯王GX お隣さんに縁がある   作:深山 雅

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遅くなりました……が、例によってデュエル描写にあまり自信が持てないです。ご指摘ありましたらよろしくお願いします。


第8話 機光竜と魔導王

 「【エンディミオン】の効果のコストとして墓地に送った【代償の宝札】の効果。デッキから2枚ドロー」

 

 今回のデュエルでは2度目の使用の【代償の宝札】。そのありがたい効果の恩恵を受けながら、俺はふと、今日の夕飯のおかずを蟹クリームコロッケにしようと決めた。色んな意味で感謝を込めて頂こう。

 

 「そして【熟練の黒魔術師】を通常召喚」

 

【熟練の黒魔術師】

効果モンスター

星4 闇属性 魔法使い族 攻撃力1900/守備力1700

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大3つまで)。

また、魔力カウンターが3つ乗っているこのカードをリリースして発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。

 

 『…………』

 

 エンディミオンとは対照的に、黙してフィールドへと降り立つ黒魔術師。彼は無言のまま携えたランスを構えた。

 俺は熟練の黒・白・青、全種の魔法使いを持ってはいるが、それぞれの特殊召喚先である【ブラマジ】、【バスター・ブレイダー】、【暗黒騎士ガイア】はどれも1枚も持っていない。なのでコイツを召喚したのは特殊召喚のためではなく、アタッカーとするためである。

 それはそれとして。

 

 「攻撃力の合計が4000を超えた!」

 

 ギャラリーのお言葉通り、この攻撃が通ればライフを削りきれるわけだが……相手のフィールドは空なんだ、ここで攻め込まないでどうする。

 

 「バトル。【エンディミオン】と【黒魔術師】でダイレクトアタック」

 

 これで行けるならそれに越したことは無い!

 

 「手札の【速攻のかかし】の効果発動!」

 

 だが俺の指示によってカイザーに向かった2体の魔法使いは、突如として現れたボロボロのかかしに阻まれてその動きを止める。

 

【速攻のかかし】

効果モンスター

星1 地属性 機械族 攻撃力 0/守備力 0

相手モンスターの直接攻撃宣言時にこのカードを手札から捨てて発動できる。その攻撃を無効にし、その後バトルフェイズを終了する。

 

 って、【かかし】? 何で【かかし】? サイバー系のカードじゃ……あ、でも【かかし】機械族だ。最後の手札がソレとか……行けそうだっただけに凄く悔しい。

 だが、それならそれで思考を切り替えて行かねば。

 

 「ターンエンドだ」

 

優 LP4000 手札3枚

  モンスター (攻撃)【神聖魔導王エンディミオン】 

         (攻撃)【熟練の黒魔術師】 カウンター0

  魔法・罠  (フィールド)【魔法都市エンディミオン】 カウンター5

         伏せ1枚

 

 「俺のターン! ドロー!」

 

カイザー LP4000 手札1枚

  モンスター 無し

  魔法・罠  無し

 

 ドローカードをチラ見し、そのまま発動させるカイザー。

 

 「【強欲な壺】を発動! デッキから2枚ドロー!」

 

 ……おい。

 フィールド0、手札0の状況でそのカードをドローするか!?

 

 「相手のフィールドにのみモンスターが存在する時、このモンスターは手札から特殊召喚出来る」

 

 しかも、何だか凄く心当たりのある特殊召喚条件が聞こえてきた。これは間違いなく……。

 

 「【サイバー・ドラゴン】を特殊召喚!」

 

 やっぱり来た!

 

 『キシャー!』

 

 堂々とその姿を現す機械竜。だが、その攻撃力はエンディミオンには及ばない。なのに攻撃表示での特殊召喚となると、もう1枚の手札で何かしらのコンボが打てるのだろう。

 

 「そして【命削りの宝札】を発動!」

 

 「……は?」

 

 一瞬、何を言われたのか解らなかった。

 

【命削りの宝札】

通常魔法

手札を5枚になるようにドローする。

5ターン後すべての手札を墓地に置く。

 

 OCGには存在しなかったドローソースが使われることは、今更珍しくも何ともない。特に原作効果の宝札シリーズはぶっ壊れ性能の物も少なくないから、それに比例して採用率も高い。俺だって前に【天よりの宝札】を使ったし、今回は【代償の宝札】を既に2度も使った。

 でもさ、手札0の状態で【強欲な壺】を引いて、【強欲な壺】の効果でドローした2枚が【サイバー・ドラゴン】と【命削りの宝札】って……なぁにこれぇ?

 

 「俺の手札は0。よって5枚ドローする!」

 

 【命削りの宝札】は【天よりの宝札】とは違い、相手にもドローさせる効果は無い。なので俺は、カイザーの手札が補充されていくのをただ見てるしかなかった。

 勿論、【命削りの宝札】にだってデメリットはある。5ターン後に手札をすべて捨てる……だが、そのデメリットはあって無いようなものである。実際にデュエルしていると、5ターン後なんて訪れないこともザラなのだから。

 にしても、マジかよ……すぐに立て直されるだろうとは思ってたけど、こうもあっさり……。

 

 「……でも、魔法カードの使用によって俺のフィールドのカードにカウンターが乗る」

 

 わざわざ口にする必要は無いのだが、せめて今は何かを言いたい気分だった。

 

魔力カウンター:【魔法都市エンディミオン】 5→7

          【熟練の黒魔術師】 0→2

 

 俺のそんなちょっとしたあがきはさておき、今度はカイザーが不動性を駆使してくる番だった。

 

 「【サイバー・リペア・プラント】を発動!」

 

【サイバー・リペア・プラント】

通常魔法

自分の墓地に「サイバー・ドラゴン」が存在する場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。

自分の墓地に「サイバー・ドラゴン」が3体以上存在する場合、両方を選択できる。

「サイバー・リペア・プラント」は1ターンに1枚しか発動できない。

●デッキから機械族・光属性モンスター1体を手札に加える。

●自分の墓地の機械族・光属性モンスター1体を選択してデッキに戻す。

 

 「このカードは、俺の墓地にいる【サイバー・ドラゴン】の数によって発動できる効果の数が変わる。俺の墓地にいるのは、【サイバー・ドラゴン】が1体と墓地でサイバー・ドラゴンとして扱う【サイバー・ドラゴン・ドライ】の2体。よって発動できる効果は1つだ。俺はデッキから機械族・光属性のモンスター1体を手札に加える効果を選ぶ! デッキの【サイバー・ドラゴン・コア】を手札に加え、そのまま召喚!」

 

 先ほどはフィールドに現れることが無かった【サイバー・ドラゴン・コア】。竜というよりも奇妙な蛇のように見えるそのモンスターは、フィールドで小さく体をくねらせた。

 

 「【サイバー・ドラゴン・コア】の効果発動! このカードが召喚に成功した時、デッキからサイバーまたはサイバネティックと名の付いた魔法・罠を1枚を手札に加える! 俺が選ぶのは【サイバネティック・フュージョン・サポート】!」

 

 おいおい、ひょっとして……来るか?

 

 「手札より【魔力倹約術】を発動! その効果によって、魔法カードの発動に必要なライフコストを払う必要が無くなる! 【融合】を発動! それにチェーンして、速攻魔法【サイバネティック・フュージョン・サポート】! 俺はこのターン、機械族の融合モンスターを融合召喚するのに墓地のモンスターも素材とすることが出来る!」

 

【魔力倹約術】

永続魔法

魔法カードを発動するために払うライフポイントが必要なくなる。

 

【サイバネティック・フュージョン・サポート】

速攻魔法

ライフポイントを半分払って発動できる。

このターン、自分が機械族の融合モンスターを融合召喚する場合に1度だけ、その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを自分の手札・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外し、これらを融合素材にできる。

「サイバネティック・フュージョン・サポート」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

 「【サイバー・ドラゴン・コア】と【サイバー・ドラゴン・ドライ】はフィールドと墓地では【サイバー・ドラゴン】として扱う! 墓地の【サイバー・ドラゴン】、【サイバー・ドラゴン・ドライ】、フィールドの【サイバー・ドラゴン・コア】を融合! 出でよ、【サイバー・エンド・ドラゴン】!」

 

 遂に現れた【サイバー・エンド】。その威圧感はやはり相当なものだった。

 

 『キシャー!!!』

 

【サイバー・エンド・ドラゴン】

融合・効果モンスター

星10 光属性 機械族 攻撃力4000/守備力2800

「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」

このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。

このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 攻撃力だけを見れば、さっきの【サイバー・ツイン】の方が高い。けれど三つ首の機械竜が上げた嘶きは、この場の空気をビリビリと震わせるほどの力強さを持っていた。

 

 「バトル! 【サイバー・エンド・ドラゴン】で【神聖魔導王エンディミオン】に攻撃! 《エターナル・エヴォリューション・バースト》!」

 

 『くっ……!』

 

 【サイバー・エンド】の攻撃に僅かに対抗したエンディミオンだったが、攻撃力の差は歴然。破壊されてしまう……が。

 

 「トラップ発動、【ガード・ブロック】。その攻撃によるダメージを0にし、デッキから1枚ドローする」

 

 形成された薄いバリアによって俺は守られ、ライフにダメージは無い。しかも、良いカードをドロー出来た。

 

 「防いだか。だが、まだ【サイバー・ドラゴン】の攻撃が残っている! 【サイバー・ドラゴン】で【熟練の黒魔術師】に攻撃! 《エヴォリューション・バースト》!」

 

 これは防げない。もうリバースカードも無いし。

 

 「く……」

 

優 LP4000→3800

 

 あっさりと破壊された【黒魔術師】だが、彼もまた置き土産を残して行ってくれた。

 

 「だが【黒魔術師】が破壊されたことで、【黒魔術師】に乗っていたカウンターは【魔法都市】に留め置かれる」

 

魔力カウンター:【魔法都市エンディミオン】 7→14

 

 「リバースカードを2枚セット! ターンエンドだ!」

 

カイザー LP4000 手札0枚

  モンスター (攻撃)【サイバー・エンド・ドラゴン】

         (攻撃)【サイバー・ドラゴン】

  魔法・罠  (永続魔法)【魔力倹約術】

         伏せ2枚

 

 「俺のターン。ドロー」

 

優 LP3800 手札5枚

  モンスター 無し

  魔法・罠  (フィールド)【魔法都市エンディミオン】 カウンター14

 

 見事に1ターンで引っくり返っちまったな。

 前の俺のターンが終わった時にはカイザーはフィールドも手札も0だったのに、今は【サイバー・エンド】と【サイバー・ドラゴン】。リバースカードもある。

 対する俺は、モンスターがいなくなったしダメージも受けた。何だこれ。

 まぁ、それはそれとして、だ。

 

 (さて、どうするか)

 

 ポツリと呟き、手札を見る。

 【魔法都市】にカウンターは充分に溜まっているから、またエンディミオンを呼ぶことは出来る。出来るが……それはもう相手も知ってることだ。あの伏せカードが気になる。凄く気になる。でも今の俺の手札に除去カードは無い。

 ……仕方が無い、行くか。カウンターは14個溜まってるんだ。伏せカードがアレでない限りは何とかなる。

 

 「墓地の【エンディミオン】の効果発動。【魔法都市】のカウンターを6つ取り除くことで特殊召喚する」

 

 『フン、我は滅びぬ! 何度でも蘇る!』

 

 【魔法都市】に溜められた魔力を用いて再び作られた光の門の中からエンディミオンがどこぞのラピュタ王のようなセリフを吐きながら堂々と現れ。

 

 「読んでいた。トラップ発動、【奈落の落とし穴】! 攻撃力1500以上のモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、そのモンスターを破壊して除外する! 【神聖魔導王エンディミオン】を破壊して除外!」

 

 「げ!?」

 

 『ふざけるなァァァァァァァァ!!』

 

 速攻で消えた。

 な、何でよりにもよってソレ……ソレ以外なら【神警】でも【神宣】でも問題無かったのに!

 

【奈落の落とし穴】

通常罠

相手が攻撃力1500以上のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。

その攻撃力1500以上のモンスターを破壊し除外する。

 

 ……起こったことは仕方が無いか。俺の読みが甘かったんだ。

 

 『主よ、我が除外されたというのにやけにあっさりと受け入れるのだな』

 

 (いや、だって、手は残されているし)

 

 お前はちょっと黙ってろ。

 

 「【奈落の落とし穴】は、特殊召喚自体を無効にはしない。【エンディミオン】の効果。墓地の魔法カードを1枚サルベージする。【代償の宝札】を手札に」

 

 手札を墓地に送る機会は、何もエンディミオンの効果のコストだけじゃない。【代償の宝札】は手札に握っておいて損は無いカードだ。

 だがこうなってくると、このターンは攻勢には回れない。凌ぐしかないか。

 

 「【魔力掌握】を発動。【魔法都市】にカウンターを乗せるけど、デッキにもう【魔力掌握】は無いからサーチは出来ない。そして【一時休戦】。互いにカードを1枚ドローし、次の相手ターンが終わるまで、互いのダメージは0となる……【天使の施し】を発動。3枚ドローして2枚捨てる。【代償の宝札】の効果でさらに2枚ドロー」

 

 いくらサイバー流が大火力を生み出すデッキでも、ビートダウンデッキである以上はダメージを与えられなきゃどうにもならない。なので【一時休戦】を引けたのはありがたく、その効果でドローしたカードが【天使の施し】であったのはさらに僥倖だった。おかげで【代償の宝札】を使えたから。

 

 「【見習い魔術師】を召喚。その効果で【魔法都市】にカウンターを乗せる。リバースカードを3枚セットしてターンエンド」

 

 いつもなら守備表示で召喚する【見習い魔術師】だが、今回の場合は【一時休戦】の効果で戦闘ダメージを受けない。ならばどちらでも同じだと、珍しく攻撃表示で召喚した。普段だとあまり無い状態に、フィールドに現れた当の【見習い魔術師】も不思議そうな顔をしていた。

 

優 LP3800 手札3枚

  モンスター (攻撃)【見習い魔術師】

  魔法・罠  (フィールド)【魔法都市エンディミオン】 カウンター14→8→13

         伏せ3枚

 

 「俺のターン! ドロー!」

 

カイザー LP4000 手札1枚

  モンスター (攻撃)【サイバー・エンド・ドラゴン】

         (攻撃)【サイバー・ドラゴン】

  魔法・罠  (永続魔法)【魔力倹約術】

         伏せ1枚

 

 デッキからドローしたカイザーは少し考えているようだったが、今回は特に大きな行動は起こさなかった。

 

 「【サイバー・エンド・ドラゴン】は貫通能力を持っているが、【一時休戦】の効果でこのターンの全てのダメージは0となっている。それでも戦闘破壊は出来るが……リクルーターか」

 

 そう、【見習い魔術師】はリクルーター。デッキから持って引っ張れるモンスターはレベル2以下の魔法使い族、しかも裏側守備でなければならないと制約は多いが、当の【見習い魔術師】自身のレベルが2である。

 

 「俺はモンスターをセット! ターンエンドだ!」

 

カイザー LP4000 手札0枚

  モンスター (攻撃)【サイバー・エンド・ドラゴン】

         (攻撃)【サイバー・ドラゴン】

         セットモンスター

  魔法・罠  (永続魔法)【魔力倹約術】

         伏せ1枚

 

  俺のフィールドにモンスターを残したままターンを譲るのだから、あちらとしては面白くないことだろう。でも、攻撃しても意味が無いのも事実。そんなことをしてもリクルーターからリクルーターを呼んで場を繋がれ、デッキ圧縮を手伝うだけだ。

 

 「俺のターン。ドロー」

 

優 LP3800 手札4枚

  モンスター (攻撃)【見習い魔術師】

  魔法・罠  (フィールド)【魔法都市エンディミオン】 カウンター13

         伏せ3枚

 

 いいカードをドロー出来た。だが、その前に。

 

 「【見習い魔術師】を生贄に捧げ、【ブリザード・プリンセス】を召喚する」

 

 フィールドに元気よく現れる姫……その様子を恨みがましい目で見ている王が俺の隣に1人いるが、見なかったことにしよう。

 【ブリザード・プリンセス】が召喚されても、カイザーの動きは無かった。どうやらあの伏せカードは【神警】や【神宣】では無いらしい。

 よし。これでこのターン、あの伏せカードを警戒する必要は無くなった。

 

 「【ブリザード・プリンセス】は、フィールド上の魔法使い族モンスター1体を生贄として召喚することが出来る。さらに【ブリザード・プリンセス】の召喚に成功したターン、相手は魔法・トラップを発動することが出来ない」

 

 「何!?」

 

 前回の月1テストで三沢相手に召喚した時は既にロックが出来上がっていたので、この効果はあまり意味が無かった。だが、今回は大きなアドバンテージである。

 姫の一睨みで、カイザーの伏せカードが凍りついた。

 

 「伏せていた【リビングデッドの呼び声】を発動。墓地から【マジカル・コンダクター】を攻撃表示で特殊召喚。【マジカル・コンダクター】の効果発動。【魔法都市】に乗っているカウンターを代用し、4つ取り除くことで墓地のレベル4魔法使い族モンスター、【熟練の黒魔術師】を特殊召喚する。更に手札から永続魔法、【一族の結束】。俺の墓地には魔法使い族モンスターしかいないため、攻撃力が800上がる。そして装備魔法、【ワンダー・ワンド】を【ブリザード・プリンセス】に装備。攻撃力は更に500上がる。魔法カードの使用により、フィールドのカードにカウンターが溜まる」

 

魔力カウンター:【魔法都市エンディミオン】 13→9→11

          【マジカル・コンダクター】 0→4

          【熟練の黒魔術師】 0→2

 

【ブリザード・プリンセス】 攻撃力2800→4100

【マジカル・コンダクター】 攻撃力1700→2500

【熟練の黒魔術師】 攻撃力1900→2700

 

 「攻撃力が4000を超えた!?」

 

 背後で翔の心底驚いている声が聞こえた。けれどそう、【ブリザード・プリンセス】の今の攻撃力は4100。【サイバー・エンド】を殴り潰せる値だ。それを知ってか知らずか、姫君は照準を3つ首の機械竜に合わせ、不敵な笑みを浮かべている。

 

 「バトル。【ブリザード・プリンセス】で【サイバー・エンド・ドラゴン】を攻撃」

 

 伏せカードも使えないこの状況、唯一懸念されるとしたらオネストだが、カイザーの手札は0なのでそれも無い。つまりは、この攻撃を防ぐ術は無い。

 

 『てぇい!!』

 

 『キシャー!!』

 

 ノリノリの姫の氷球によってスクラップにされた【サイバー・エンド】が悲痛な声を上げた。その破壊によって大きな爆風が発生し、フィールドは一瞬だけそれに包まれる。煙が晴れた時、そこにはもう【サイバー・エンド】はいなかった。

 

 「続いて【熟練の黒魔術師 】で【サイバー・ドラゴン】に攻撃」

 

 こちらの場に戻ってきた姫と入れ違いになってフィールドを掛ける騎士。そのまま剣を一閃し、【サイバー・ドラゴン】が破壊される。

 

カイザー LP4000→3900→3300

 

 残るはあのセットモンスターだが……何故セットされているのか。守備表示召喚じゃダメだったのだろうか……あれ、何かが頭に引っ掛かるような……?

 だが、次のターンがある以上は放置しておいても意味は無い。【マジカル・コンダクター】の現在の攻撃力は2500、レベル4以下のモンスターの守備力なら大抵は突破できるし……行くか。

 

 「【マジカル・コンダクター】でセットモンスターに攻撃」

 

 【マジカル・コンダクター】はその手に魔力を集めて相手に放ったが、それによって露わになったセットモンスターはサイバー流のモンスターでは無く、俺はそれを悟ると同時に自身の読みの甘さを痛感した。

 

 「ッ!」

 

 「【メタモルポット】のリバース効果! 互いのプレイヤーは手札を全て捨て、デッキからカードを5枚ドローする!」

 

【メタモルポット】

効果モンスター

星2 地属性 岩石族 攻撃力 700/守備力 600

リバース:お互いの手札を全て捨てる。その後、お互いはそれぞれ自分のデッキからカードを5枚ドローする。

 

 よくよく考えれば、十分にあり得ることだった。確かに【メタモルポット】はサイバー流でも機械族でも無いが、汎用性の高い手札入れ替えカードである。俺のように【一族の結束】でも入れているのならともかく、そうでないなら入ってる可能性はあったのだ。

 しかも今回の場合、カイザーの手札は0。【命削りの宝札】と同等のドローソースとして扱える。

 それより問題なのは俺の方だ。これは……マズイ。

 

 「互いに手札を全て捨てる! そして5枚のカードをドロー!」

 

 互いに新たに5枚をドローする効果。ハンドアドバンテージは同等となったが、俺にとっての問題はドローカードではなく捨てた手札にあった。

 

【ブリザード・プリンセス】 攻撃力4100→3300

【マジカル・コンダクター】 攻撃力2500→1700

【熟練の黒魔術師】 攻撃力2700→1900

 

 俺の場のモンスターたちの攻撃力が下がったことに、カイザーは少し意外そうな顔をした。彼としては思わぬ副産物であったことだろう。

 

 「手札に魔法使い族以外のモンスターがいたか」

 

 「ええ。悪魔族の【バトルフェーダ-】が」

 

 そう、俺が握っていた最後の1枚の手札は我が相棒、フェーダーだったのだ。それによって墓地の種族が単一でなくなったことにより、【一族の結束】の効果が切れてしまう。

 黙ってデュエルを見守ってくれていたフェーダーが、『ガーン!!』とショックを受けた顔をしている。『ゴメンね、ゴメンね』と言わんばかりにオロオロしている様子を見ると、何だか可哀そうになってきた。落ち着いてくれ、お前のせいじゃない。読み切れなかった俺が悪いんだ。何かあるとは思ってたのに……尤も、読めていたとしても対処出来る手は無かったのだが。

 だが、過ぎたことを悔いてもどうにもならない。

 落ち着いて考えろ。現在、俺の場の魔法・トラップソーンは埋まってしまっている……仕方が無い。

 

 「【ワンダー・ワンド】の効果。このカードと装備モンスターを墓地に送り、2枚ドローする」

 

 残念そうにフィールドから消えていく姫君。申し訳ないとは思うが、これで空きが出来た。

 【ワンダー・ワンド】の効果によって7枚になった手札を見る。ふむ……。

 

 「リバースカードを1枚セット。ターンエンド」

 

優 LP3800 手札6枚

  モンスター (攻撃)【マジカル・コンダクター】 カウンター4

         (攻撃)【熟練の黒魔術師】 カウンター2

  魔法・罠  (フィールド)【魔法都市エンディミオン】 カウンター11

         (永続魔法)【一族の結束】

         (永続罠【マジカル・コンダクター】)【リビングデッドの呼び声】

         伏せ3枚

 

 「俺のターン! ドロー!」

 

カイザー LP3300 手札6枚

  モンスター 無し

  魔法・罠  (永続魔法)【魔力倹約術】

         伏せ1枚

 

 「相手フィールド上にのみモンスターがいる時、【サイバー・ドラゴン】は特殊召喚出来る! 来い、【サイバー・ドラゴン】!」

 

 現れる3体目の【サイバー・ドラゴン】……うん、そりゃ来てるよね。もうそれぐらいじゃ驚かない。

 

 「そして【次元融合】を発動!」

 

 「な!?」

 

 いや、でもそれは驚くよ!?

 

【次元融合】

通常魔法

2000ライフポイントを払う。

お互いに除外されたモンスターをそれぞれのフィールド上に可能な限り特殊召喚する。

 

 【次元融合】といえば、その高いライフコストに見合う効果を持つカード。 今回は【魔力倹約術】を発動しているからライフコスト払わずに済んでるが。

 OCGでは禁止カードだが、こちらは現役だ。ちなみに【異次元からの帰還】も現役だったりする……って、そんなことは今はどうでもいい!

 今、除外されているカイザーのモンスターといえば……ダメだ!

 

 「それは通せない! カウンタートラップ、【魔宮の賄賂】! 【次元融合】を無効にする!」

 

【魔宮の賄賂】

カウンター罠

相手の魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。

相手はデッキからカードを1枚ドローする。

 

 【次元融合】の効果が通れば、除外されているエンディミオンも帰還する。けれど除外されているカードを呼び戻すということは、既に手札に融合系のカードがある可能性が高い。

 しかし【次元融合】は防いだものの、カイザーはすぐさま手札の別のカードをそのまま発動させた。

 

 「【運命の宝札】を発動!」

 

 どういう……ことだ……。

 

【運命の宝札】

通常魔法

サイコロを1回振る。

出た目の数だけデッキからカードをドローする。

その後、同じ数だけデッキの1番上からカードをゲームから除外する。

 

 「サイコロを振り、その目の数だけドローし、同じ数だけデッキから上のカードをドローする!」

 

 その宣言と共にソリッドビジョンのダイスが現れ、勢いよく回転する。やがて出た目は。

 

 「出た目は5! 5枚ドローして5枚除外する!」

 

 くそ、こっちを止めるべきだった! 焦っちまった!

 それにしても、何でそんなにあっさりと5なんて出るんだ? ねぇ、俺が可笑しいの? それに疑問を覚える俺が可笑しいの? 6じゃなくて良かったってホッとすべき場面なのか、ここ。

 

 「そしてリバースカードオープン! 【異次元からの帰還】!」

 

 「…………」

 

 しかも、【次元融合】だけじゃなくて【異次元からの帰還】も現役なんだぜって考えてたらその【異次元からの帰還】が出て来たでござる。あれ、これフラグ?

 

【異次元からの帰還】

通常罠

ライフポイントを半分払って発動できる。

ゲームから除外されている自分のモンスターを可能な限り自分フィールド上に特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時にゲームから除外される。

 

カイザー LP3300→1650

 

 「ライフを半分払い、除外されている【サイバー・ドラゴン】、【サイバー・ドラゴン・コア】、【サイバー・ドラゴン・ドライ】・【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】を特殊召喚する!」

 

 除外されていた4体のモンスターがカイザーのフィールドへと戻った。しかも【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】って、今の【運命の宝札】で除外された中にいたのか?

 

【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】

効果モンスター

星4 光属性 機械族 攻撃力1500/守備力1000

このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップの間、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

1ターンに1度、手札の魔法カード1枚を相手に見せて発動できる。このカードのカード名はエンドフェイズ時まで「サイバー・ドラゴン」として扱う。

また、このカードのカード名は、墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。

 

 だが、カイザーの勢いはまだまだ止まらなかった。

 

 「【大嵐】を発動!」

 

 それも手札にあったのか。それを止める術は無い……だが!

 

 「ならチェーンして【威嚇する咆哮】を発動する! さらに、カウンターを1つ取り除くことで【魔法都市】の破壊を免れる!」

 

【威嚇する咆哮】

通常罠

このターン相手は攻撃宣言をする事ができない。

 

  【魔法都市】だけは自身の破壊耐性で残り、フリーチェーンの【威嚇する咆哮】も発動は出来た。

 だが【リビデ】が破壊されたことで【マジカル・コンダクター】も破壊されてしまう。

 俺の場で他に破壊されたのは、伏せていた【ミラフォ】と効果を失っていた【一族の結束】。【ミラフォ】は仕事をしないってジンクスは本当だったのか。こうなってくると、【メタモルポット】の効果で【威嚇する咆哮】が来ていたのは不幸中の幸いだったのかもしれない。

 一方でカイザーの場で破壊されたカードは、【魔力倹約術】だけ……損害らしい損害が無いじゃん、これ。

 

 「【マジカル・コンダクター】が破壊されたことで、彼女に乗っていたカウンターが【魔法都市】に留め置かれる!」

 

魔力カウンター:【魔法都市エンディミオン】 11→12→11→18

          【熟練の黒魔術師】 2→3

 

 【異次元からの帰還】で呼び戻した以上、まず間違いなくカイザーはこのターンでそのモンスターを使い切る手立てを持っているはず。

 

 「そして【パワー・ボンド】を発動!」

 

 やっぱりあったぞ、融合系カード! しかも【パワー・ボンド】!

 

 「【サイバー・ドラゴン】、【サイバー・ドラゴン・コア】、【サイバー・ドラゴン・ドライ】を融合し、【サイバー・エンド・ドラゴン】を召喚! そして【パワー・ボンド】の効果により、その攻撃力は倍となる!」

 

【サイバー・エンド・ドラゴン】 攻撃力4000→8000

 

 本当に出たよ、攻撃力8000の【サイバー・エンド】!

 

 「手札のマジックカード、【融合】を見せることで場の【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】を【サイバー・ドラゴン】として扱う! そして【融合】を発動! 【サイバー・ドラゴン】と【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】を融合! 現れよ、【サイバー・ツイン・ドラゴン】!」

 

 しかも2枚も持ってたのかよ、融合系カード。

 

 「このターン、【威嚇する咆哮】の効果によって俺は攻撃宣言が行えない。【サイバー・ジラフ】を召喚し、生贄に捧げることで効果発動。カードを4枚伏せて、ターンエンドだ!」

 

カイザー LP1650 手札2枚

  モンスター (攻撃)【サイバー・エンド・ドラゴン】 攻撃力8000

         (攻撃)【サイバー・ツイン・ドラゴン】

  魔法・罠  伏せ4枚

 

 「俺のターン。ドロー」

 

優 LP3800 手札7枚

  モンスター (攻撃)【熟練の黒魔術師】 カウンター2→3

  魔法・罠  (フィールド)【魔法都市エンディミオン】 カウンター18→20

 

 手札を見、まず1枚を手に取る。

 

 「【強欲な壺】を発動。デッキから2枚ドロー」

 

 実を言えば【メタモルポット】で来ていたが、発動してしまうとターン終了時に手札が6枚をオーバーしてしまう可能性もあったためにこのターンまで持ち越していた。

 そしてこのタイミングで2枚目のエンディミオンが来た。カウンターも溜まっているし、特殊召喚は出来る。手札のカードを使えば【サイバー・エンド】はともかく、【サイバー・ツイン】を倒して1650のライフを削りきれるまでに攻撃力を上げることも出来る……ただしそれは、相手の場に伏せカードが無ければの話である。

 俺にはリバースカードは無く、手札に相手の効果発動を止められるような速攻魔法も無い。運の悪いことに【サイクロン】や【大嵐】も来ていない。

 ならば……賭けに出る!

 

 「カードを5枚伏せる! ターンエンド!」

 

優 LP3800 手札3枚

  モンスター (攻撃)【熟練の黒魔術師】 カウンター3

  魔法・罠  (フィールド)【魔法都市エンディミオン】 カウンター20→21

         伏せ5枚

 

 ガン伏せである。幸いにもカイザーはもう【大嵐】を発動させた後だし、全てが破壊されるようなことはまずあるまい。

 

 「俺のターン! ドロー!」

 

カイザー LP1650 手札3枚

  モンスター (攻撃)【サイバー・エンド・ドラゴン】 攻撃力8000

         (攻撃)【サイバー・ツイン・ドラゴン】

  魔法・罠  伏せ4枚

 

 「魔法・トラップゾーンを埋めるほどのリバースカードか。賭けに出たな。いよいよ大詰めか」

 

 「あぁ、そんな所かな?」

 

 実際、そろそろ決めないと本気でヤバい。俺の手札・リバースの内容を鑑みても、次のターンで俺が勝つか、或いはこのターン若しくはそのまた次のカイザーのターンでカイザーが勝つかだろう。

 鬼が出るか蛇が出るかと相手のターンに意識を集中させると、何とも汎用性の高い魔法カードが発動された。

 

 「手札より【死者蘇生】を発動!」

 

 【死者蘇生】……伏せカードで止められるが……まだ使い時では無い。もう焦ってはいけない。

 

 「甦れ、【サイバー・エンド・ドラゴン】!」

 

 フィールドに2体目の【サイバー・エンド】が降り立った。

 場には2体の【サイバー・エンド】、内1体は攻撃力8000。それに連続攻撃が可能な【サイバー・ツイン】。3体の総攻撃力は17600。これまでに見てきた中でも破格だよ、これ。決めにかかってきていると思っていいだろう。全ての攻撃がまともに入ればオーバーキルもいいとこだ。

 

 「バトル! 【サイバー・エンド・ドラゴン】で【熟練の黒魔術師】を攻撃! 《エターナル・エヴォリューション・バースト》!」

 

 仕掛けてきたのは攻撃力8000の方の【サイバー・エンド】だった。それが通れば俺の負けだが……そうはさせない。

 

 「リバースカードオープン! 【魂のリレー】!」

 

 「【魂のリレー】だと!?」

 

 「手札からモンスターを特殊召喚する! そしてそのモンスターが表側表示でいる限り、俺への全てのダメージは0となる……ただし、その特殊召喚したモンスターがフィールドを離れた時、俺の敗北が決定する!」

 

【魂のリレー】

通常罠

手札からモンスター1体を特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターが自分フィールドに表側表示で存在する限り、自分が受ける全てのダメージは0になる。

そのモンスターがフィールドから離れた時に相手はデュエルに勝利する。

 

 俺が特殊召喚するのは勿論。

 

 「来い、【エンディミオン】!」

 

 『ふ……やはり我か』

 

 ってかそもそも、手札にお前しかモンスターいなかったし。

 

 「2枚目の【エンディミオン】か……だがそれならば、攻撃対象を変更するまで! 【サイバー・エンド・ドラゴン】! 《エターナル・エヴォリューション・バースト》!」

 

 フィールドのモンスター数が変動したことで、攻撃の巻き戻しが起こる。

 攻撃対象をエンディミオンに変更するのは当然だろう。今や、カイザーの勝利条件は相手のライフを0にすることでは無い。エンディミオンをフィールドから離すことである。

 だが、攻撃力で劣ることを知りつつエンディミオンを特殊召喚したのだ。勿論手はある。

 

 「トラップ発動! 【ブラック・イリュージョン】!」

 

【ブラック・イリュージョン】

通常罠

自分フィールドの攻撃力2000以上の魔法使い族・闇属性モンスターは、ターン終了時まで、戦闘では破壊されず、効果は無効化され、相手の効果を受けない。

 

 これが通ればこのターン、エンディミオンには無敵に近い耐性が付くと言っていい。

 だが。

 

 「カウンタートラップ、【魔宮の賄賂】! 【ブラック・イリュージョン】の発動を無効とする!」

 

 やはり止めに来た。

 【魂のリレー】にチェーンして【魔宮の賄賂】を発動させるという手もあっただろうが、カイザーの場には攻撃力8000の【サイバー・エンド】がいた。にも拘わらず手札のモンスターを特殊召喚するということはつまり、他の伏せカードが防御カードであると言ってるに等しい。

 だが、ガン伏せは伊達では無い。

 

 「チェーンして【盗賊の七つ道具】を発動! ライフを1000払ってその発動を無効にする!」

 

 「く……!」

 

優 LP3800→2800

 

 逆順処理によって無効化されたのは【魔宮の賄賂】となったため、表面に『BM』と刻まれた盾がエンディミオンを守るように現れた。

 

 「これで俺の場の攻撃力2000以上の闇属性・魔法使い族モンスターはこのターン、戦闘では破壊されず、相手の効果を受けない!」

 

 ただし効果が無効となるのだが……どうせエンディミオンには相手ターンに発動できるような効果は無いし、ちょっと省略させてもらう。

 それはそれとして。これでこのターン、エンディミオンには相当強力な耐性が付いたこととなる。事実、【サイバー・エンド】の攻撃は盾に阻まれてエンディミオンにまで届かない。

 

 「ならば【熟練の黒魔術師】に攻撃! 《エターナル・エヴォリューション・バースト》!」

 

 だが、【熟練の黒魔術師】は【ブラック・イリュージョン】の対象外。攻撃力4000の方の【サイバー・エンド】の攻撃を受け、あっさり破壊される。同時に、彼に乗っていたカウンターが【魔法都市】へと移った。

 

 「カードを1枚伏せる! ターンエンドだ!」

 

カイザー LP1650 手札1枚

  モンスター (攻撃)【サイバー・エンド・ドラゴン】 攻撃力8000

         (攻撃)【サイバー・ツイン・ドラゴン】

         (攻撃)【サイバー・エンド・ドラゴン】

  魔法・罠  伏せ4枚

 

 やはり、流石のカイザーもこのターンにエンディミオンの除去は難しかったか。だがそれももう終わった。

 だが俺のターンに移る前に。

 

 「そのエンドフェイズにトラップ発動! 【心鎮壷】!」

 

 「何!?」

 

【心鎮壷 (シン・ツェン・フー)】

永続罠

フィールド上にセットされた魔法・罠カードを2枚選択して発動する。

このカードがフィールド上に存在する限り、選択された魔法・罠カードは発動できない。

 

 「対象はさっき伏せたカードとその隣のカード!」

 

 選んだカードは半分以上勘だが、悩んだ所で伏せカードの正体が解るわけも無いのだし、直感で決めた。

 そして現れた細い鎖が2枚の伏せカードを地に縫い付け、起き上がれないように拘束する。

 これであの2枚の伏せカードはほぼ封じた。残る2枚が【サイクロン】のような除去カードなら話は別だが、もしそうならば【心鎮壺】の発動時にチェーンしてる可能性が高いし、取りあえずは大丈夫だと思おう。

 

 「俺のターン! ドロー!」

 

優 LP2800 手札3枚

  モンスター (攻撃)【神聖魔導王エンディミオン】 

  魔法・罠  (フィールド)【魔法都市エンディミオン】 カウンター21→25

         (永続罠)【心鎮壺】

         伏せ1枚

 

 引いたカードを見て、正直驚く。このカードがここで手札に来るか、と。何とも皮肉で面白い。

 だが、今大事なのはそれでは無い。

 

 「【死者蘇生】を発動! 墓地の【ブリザード・プリンセス】を特殊召喚する!」

 

 再び現れる姫……だけどゴメン、今回は墓地にとんぼ返りしてもらうことになる。

 

 「そして【受け継がれる力】! 【ブリザード・プリンセス】を墓地に送り、その攻撃力を【エンディミオン】に加算する!」

 

【受け継がれる力】

通常魔法

自分フィールド上のモンスター1体を墓地に送る。

自分フィールド上のモンスター1体を選択する。

選択したモンスター1体の攻撃力は、発動ターンのエンドフェイズまで墓地に送ったモンスターカードの攻撃力分アップする。

 

【神聖魔導王エンディミオン】 攻撃力2700→5500

 

 攻撃力5500。【サイバー・ツイン】を攻撃すればライフを削りきれる数値となった。

 ならば仕掛ける! このターンで決められれば俺の勝ち、そうでなければ次のターンで俺の負けだ。

 

 「バトル! 【神聖魔導王エンディミオン】で【サイバー・ツイン・ドラゴン】を攻撃! 《ロード・コンヴィクト》!」

 

 エンディミオンは手に持つ杖を掲げてその杖先に魔力を集める。いつもの倍以上の攻撃力を持っているからか、そのエネルギーは膨大なものだった……言っておくが、あくまでもソリッドビジョンだ。決して実体化なんてさせてないからな。

 そうして放たれた攻撃はしかし、現れたバリアによって阻まれた。

 

 「リバースカードオープン! 【聖なるバリア -ミラーフォース-】!」

 

【聖せいなるバリア -ミラーフォース-】

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

 【ミラーフォース】は全てを跳ね返すバリア。通常ならばモンスターが破壊されるだけだが今回の場合、それは俺の敗北へと直結する。

 だが、やっぱり【ミラフォ】は仕事をしないようだ。

 

 「手札より速攻魔法、【トーラの魔導書】!」

 

【トーラの魔導書】

速攻魔法

フィールド上の魔法使い族モンスター1体を選択し、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このターン、選択したモンスターはこのカード以外の魔法カードの効果を受けない。

●このターン、選択したモンスターは罠カードの効果を受けない。

 

 「このターン、指定したフィールド上の魔法使い族モンスターに魔法かトラップの耐性を付ける!  俺は魔法使い族の【神聖魔導王エンディミオン】にトラップの耐性を付ける!」

 

 『まさか我に魔導書を使うなどと……』

 

 エンディミオンは若干面白くなさそうだったけれど、つべこべ言うな。お前、これで助かったんだぞ? これを機会に少しは魔導書を認めろってんだ。

 魔導書の叡智の力を得たエンディミオンの攻撃はバリアをすり抜け、そのまま【サイバー・ツイン】に向かう。当たった、と思ったその瞬間。

 

 「速攻魔法、【リミッター解除】を発動!」

 

 今度は【リミ解】である。

 

【リミッター解除】

速攻魔法

このカードの発動時に自分フィールド上に表側表示で存在する全ての機械族モンスターは、ターン終了時まで攻撃力が倍になる。

このターンのエンドフェイズ時、この効果を受けたモンスターを全て破壊する。

 

 【リミッター解除】の効果を受けた場合、【サイバー・ツイン】の攻撃力は倍の5600。エンディミオンを100上回る。つまり戦闘破壊されるのはこちらで、俺の負けとなる。

 だがしかし。

 この【リミッター解除】がカイザーの実質的な最後のリバースカードだ。他の2枚は【心鎮壺】によってロックされている。

 だが、俺の場にはもう1枚、伏せカードがある。

 

 「リバースカードオープン! カウンタートラップ、【神の宣告】!」

 

【神の宣告】

カウンター罠

LPを半分払って以下の効果を発動できる。

●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。

●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。それを無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 「ライフを半分払い、【リミッター解除】を無効にする!」

 

優 LP2800→1400

 

 【神の宣告】に抗うことができる存在というのは、極めて少ない。【リミッター解除】とて例外じゃない。

 つまりは。

 

 『先ほどのお返しだ!』

 

 うん、さっきお前を破壊したのは【サイバー・エンド】で、それは【サイバー・ツイン】だけどな。でも構わない、今は行け! もう手札も伏せカードも無いんだ、行くしかない!

 

 『キシャー!!』

 

 エンディミオンの攻撃は【サイバー・ツイン】に直撃した。

 

カイザー LP1650→0

 

 「……勝てた」

 

 カイザーにというより、賭けに勝った。喜ぶよりもむしろホッとした。ってか久々に熱くなった。途中からギャラリーのこと完全に目に入って無かったし。

 しかし、本当に綱渡りだった。ラストのドローカードが【トーラ】じゃなかったらどうなってたか……【ミラフォ】を【宣告】で潰して、【リミ解】で戦闘破壊されて終わってたな、うん。それに【心鎮壺】でロックするカードも博打だったし。運が良かった。あれだけじゃんじゃんドローしまくってたカイザーの運も相当だけど。ほぼ毎ターン手札補充されるし……【運命の宝札】で出る目が5って何なんだよ……。

 デュエルの終了によってソリッドビジョンが消えていく中、徐々に冷静さを取り戻しながら回想をしていると、いきなり背後から衝撃が来た。

 

 「優!」

 

 「ぶふっ!?」

 

 ひ、人が一息ついてる時にコイツは……!

 

 「スッゲーな、勝っちまったぞ!?」

 

 「うん、応援ありがとう。だから背中を叩くの止めてくれないかな!?」

 

 興奮している十代にバシバシと叩かれながら抗議する。地味に痛い。最初の一撃は息が詰まったし。

 

 「そんな……まさか……」

 

 一方で翔が愕然としていた。だから、何でお前がそんな顔するんだよ。

 

 「これは夢……いや、幻覚? あり得ないッス……」

 

 「よし解った、その喧嘩買おう」

 

 一瞬、【メガトン魔導キャノン】をぶっ放してやりたくなった。温厚な俺でも流石に怒る。そんなに俺が勝つのが可笑しいか。

 俺だってなぁ、キャリアは結構あるんだぞ!? 前世でもやってて、今生でもちびっ子の頃から時に命懸けで! だから勝てるってわけじゃないけど、負けるなんて決めつけなくたっていいじゃないか!

 だが、俺よりも先に翔の発言を否定する人がいた。

 

 「夢でも幻覚でも無い」

 

 カイザーである。

 

 「互いに全力でぶつかった結果だ」

 

 「そう言ってもらえるとありがたいんですけど、正直、運が良かった気がします……後学のために、【心鎮壺】でロックしたカードが何だったのか、教えてもらえませんか?」

 

 「あぁ、それはこれだ」

 

 ディスクから抜き取ったカードは、【マジック・ジャマー】と【亜空間物質転送装置】だった。おいおい。

 カードの位置からして、カイザーのラストターンに伏せたのが【マジック・ジャマー】、その前のターンに伏せられたのが【亜空間物質転送装置】だったらしい。

 本当に上手いこと勘が働いたみたいだ。【マジック・ジャマー】なんて発動されてたら【死者蘇生】か【受け継がれる力】を防がれてた。伏せてあった【宣告】で止めたにしても、そうしたら他のリバースカードが止められなかったし。エンドサイクの如く伏せられたカードをそのターンに封じただけだったのだが、それが【マジック・ジャマー】とは。

 完全に勘で選んだ【亜空間物質転送装置】でも同じである。もしもそれで【サイバー・ツイン】に逃げられてたらカイザーの場にいたのは2体の【サイバー・エンド】。攻撃力4000の方【サイバー・エンド】なら戦闘破壊は出来たが、ライフを削りきることは出来なかった。結果、次のターンにやられる。というか、【亜空間物質転送装置】と【リミッター解除】が一緒に伏せられてたって……怖っ!

 もしも【心鎮壺】を発動した時に勘で選んだ1枚が【ミラフォ】だったら、防ぎきれなかったわけだ。

 終わったデュエルの『もしも』を言っても仕方が無いのは解ってるが、そう考えるとちょっとゾッとする。

 

 「本当に運と勘が良かったな、俺」

 

 思わずしみじみとした声が出てしまう。

 

 「運や勘も実力の内だ……お前のラストターン、ドローカードは【トーラの魔導書】だったのだろう?」

 

 見せてくれていた2枚のカードをデッキに戻しつつ聞かれたカイザーの質問に、俺は頷いた。どうやらちゃんと見ていたようだ。

 

 「ならばその前のターン、【エンディミオン】を特殊召喚し、効果と手札の魔法カードで【サイバー・エンド】と【サイバー・ツイン】を破壊するという道もあった。なのにそうはしなかったな」

 

 あ~、そりゃあねぇ。

 

 「手札に【魂のリレー】と【ブラック・イリュージョン】が来ていたのもありますけど……4枚もリバースカードがある中、そんな無謀なことは出来ませんって。実際、やってたら負けてたみたいですし。あのコンボもあれはあれで博打でしたけどね」

 

 苦笑しながら答えると、カイザーはフと笑みを溢した。

 

 「相手に敬意を持ち、その立場となって考える。そして互いの持てる力を出しぶつかり合う」

 

 ああ、それってリスペクトデュエル? 何となく覚えがあるような気がする。

 

 「俺もお前のデュエルに敬意を表する。いいデュエルだった」

 

 「こちらこそ。ありがとうございました」

 

 互いに握手を交わしてその場を後にする……とは行かなかった。

 

 「なぁ、カイザー! 俺ともデュエルしてくれよ!」

 

 ちょっと忘れかけていたけど、十代も準備万端整えて来てたんだった。

 

 「フ……いいだろう」

 

 十代に興味があるのかそれとも気紛れか、あっさり了承したカイザー……って、いいの!? 俺はちゃんと順番待ちしたのに! 何だよアイツ、棚ぼたか!

 

 「「デュエル!!」」

 

 仕方が無い。今度は俺がアイツの応援をしよう。

 空気を壊さないようにコッソリとリングから降り、俺は2人のデュエルを見守ることにした。

 今日はまだまだ終わらないらしい。

 

 

 さて、その後の数日について簡潔に述べよう。

 

 

 隼人の親父さんがデュエルアカデミアに突撃してきた。留年して、それでもまだやる気を出さない隼人を連れ戻しに来たらしい。

 だが当の隼人が一念発起やる気を出し、その思いを思い切りぶつけた。デュエルで。もう1度言おう、デュエルで。

 結果、親父さんは帰って行ったとさ……という小さな騒動もあった。

 

 

 そして制裁デュエルの前日。俺の元に待ち侘びていた一報が入る。

 

 

 「そっか、タイタン見付かったんだ」

 

 正直、もの凄くホッとした。これでも少しは不安だったんだよ。

 聞くと、タイタンはまさかの童実野町に落ちていたらしい。何故そこに。あの町にはオカルト的な何かを引き寄せる引力でもあるのか?

 

 『本当はもう少し前に見付かってたんだけどな。話を聞けるようになるまでに時間が掛かったんだ』

 

 テレビ電話の向こうでモクバが嘆息する。妙に草臥れているように見えるのは気のせいだろうか。

 

 『保護した直後はよ、「闇のデュエル怖い、魔法使い怖い、闇のデュエル怖い、魔法使い怖い、魔法使い怖い、魔法使い怖い」ってのばっか繰り返してたんだぜぃ?』

 

 あれ? なんか、闇のデュエルよりも魔法使いの方をより怖がってないか?

 なお、その後正気を取り戻したタイタンは他の自称・闇のデュエリストの摘発に協力させられているらしい。蛇の道は蛇というか、結構有益な情報を持っているようだ。『言うこと聞かないと魔法使いが襲いに来るぞ』と脅しを掛けたらとても素直に協力してくれるようになったとか。

 お、俺の精霊がなまはげ扱いされてる……!

 

 「エンディミオン、お前、タイタンにどんな技を掛けたんだ?」

 

 『いや待て主。あやつが言っている魔法使いとは恐らく我のことでは無い』

 

 「? あの場にいた魔法使いはお前だけだろ? フェーダーは悪魔だし、ハネクリボーは天使じゃないか」

 

 『………………』

 

 何だよ、黙っちまって。言えないようなことをしたのか?

 

 『おーい、聞いてっか?』

 

 エンディミオンと少し事実確認をしていたが、モクバに話に引き戻された。

 なお、現在地はイエロー寮の俺の自室の為、パソコンを用いたテレビ電話に際してエンディミオンを実体化させて話に参加させている。なので、あちらにもエンディミオンは見えている。

 

 「あ、ゴメン。本当にありがとな。でも悪いけど、こっちには新しく仕入れた情報は無いんだ。ここ数日はデッキの調整しててさ。珍しくタッグデュエルなんてするもんだから、いつもより念を入れてたんだ」

 

 『制裁デュエルをするんだってな?』

 

 「あれ、知ってたんだ?」

 

 言うほどのことでも無いと思って言わなかったんだが、どうやら情報は届いていたようだ。

 

 『外部から特別に対戦相手を招くってんで、色々とな。最近はアカデミアの情報は出来るだけ俺たちの方にも来るようにしてあるんだ』

 

 「へー、外部から。俺はてっきり、教師陣の誰かとやるのかと思ってた」

 

 『ああ……見るか? 相手の資料』

 

 ふむ。敵を知り己を知れば百戦危うからずとは言うが……。

 

 「いや、いいよ。折角『特別』な相手が来るって言うんなら、楽しみに待つことにする」

 

 『そうか……楽しみに……』

 

 あれ、何だろう。モクバがもの凄く微妙な顔をしている。

 

 『まぁ……程々にな』

 

 「何だよ、それ。そこは頑張れって応援してくれてもいいんじゃないか?」

 

 『そうじゃなくてよ……あんま、やり過ぎるんじゃねぇぜ?』

 

 「? ああ」

 

 どういう意味なのかはよく解らなかったが、取りあえず頷いておいた。

 

 

 そして翌日、制裁デュエルの日。

 俺はモクバの言葉の意味を知ることとなる。

 

 




 <今日の最強カード>
 
優「なーにっかな、なーにかな? 今日はコレ!」

【魂のリレー】 【ブラック・イリュージョン】

王『って、違うであろうがァ!!』

優「何だよ怒鳴るなよ、鼓膜が破れちゃうだろうが」

王『ここは! 今日のデュエルのフィニッシャーを紹介すべきであろう!?』

優「ああ、はいはい。じゃあこれね」

【神聖魔導王エンディミオン】

優「ご存知、俺のエースカード。特殊召喚、墓地の魔法カードのサルベージ、単体除去、女王や姫に殴り殺される攻撃力を持つ王様です」

王『最後の一文に悪意を感じたのは我の気のせいか?』

優「止めろよ被害妄想。そもそも【ブラック・イリュージョン】だってお前とのコンボを前提として入れてるんだぞ?」

王『DM時代はブラック・マジシャン専用カードであったな?』

優「そう。OCG化に当たってそれ以外にも対応するようになったんだよね。今回はOCG効果。これも以前の【封印の黄金櫃】同様、これまでにエラッタされたということで納得してください」

王『そして【次元融合】や【異次元からの帰還】が現役か。この調子だと【未来融合】も現役なのか?』

優「うん。それらはGXの時代にも使われてるからね。ただ、こういった現禁止カードは原作でそれが使われた最後の時期を過ぎたら出さないつもりではあるらしい……ただし【未来融合】は除く」

王『まぁ、【未来融合】は何度も使われているからな』

優「そういうこと。他のカードも同様だよ。例えば【レスキュー・キャット】のように、明らかにシンクロだとかエクシーズだとかが原因で禁止入りしたカードもね。だって、禁止にする意味が無いから」

王『……ところで主よ。何だか結局我の紹介があまり無いような気がするのは気のせいか?』

優「気のせいじゃないよ。だってわざわざ紹介しなくても、ここまで読んできてくれているような読者方ならある程度知ってくれてるだろうし。裏話を語ろうにも、流石に多すぎて語りきれない」

王『くっ』

優「それよりも筆者としては、今回のデュエルが気になるらしい。プレミは無いか、とか。迫力が足りないんじゃないか、とか。魔力カウンター要素が少なくないか、とか。俺としても不満はあるね。どうせなら【サイバー・エンド】を破壊して勝ちたかった。でもまぁ、それはいつかに取っておくよ」

王『デュエル中に十代を始めとしたギャラリーの描写がどんどん無くなっていっていたな』

優「いや、それはわざとだって。俺が集中してるから、周りを気にする余裕が無かったんだよ」

王『それに、火力勝負をする気はあまり無いと言っていた割には最後は正面突破であったな』

優「全然ぶつかり合う気が無いとは言ってないよ。でも、俺のデッキで出せる火力はアレが限界ライン。無理をすれば、カウンターが続く限りお前と【受け継がれる力】でループさせてもっと出すことも出来るけど、流石に16000とかは無理だし」

王『それにしても、【メタモルポット】でドローしたカードはトラップばかりであったな』

優「それね。一応理由はあるんだよ。それまでのターンでドローしたのが殆どマジックかモンスターだったから、デッキにトラップばっかり残ってたっていうね」

王『ある意味事故っていたわけだな』

優「ま、そんなこともあるさ。あ、ついでに言っとくけど、タイタンの出番はこれで本当に終了だよ」

王『最後の最後でさり気なくサラッと言いおったな!?』
 
 

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