MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

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ようやく麻帆良祭も終盤に突入です。結果はまぁ……サブタイで分かりますよね?


63時間目 計画なんてなかったんや

「あ、あのー……さすがにこれは酷いと思うのダガ」

 

「ダメ」

 

「うぐ……」

 

「えっとリア……?」

 

「……いくらお兄ちゃんでもダメ」

 

超の氷を溶かしたあと、リアはどこからか用意した『わたしはわるいことをしました』と書かれた札を超にかけ、その場に正座させていた。

 

「リ、リア、何度も言てるがアレは事故ネ! 私はロリみんを殴る気なんてちっとも!」

 

「リアー、石畳……はないから氷畳乗せといて」

 

「うん」

 

「冷たいッ!? これなら石畳の方がマシヨ!? あ、ちょ、ホントこれダメっ!」

 

ふ、ロリみんと呼ばれても殴らない俺、優しい。ネギ君がなにやらわたわたしてるが気にしない。

 

「うぅ……どこで何を間違ったネ……。まさかこんな所で時間を食うとは……。それにカシオペアもさっきの氷漬けにされた時に壊れて動かないし……不幸ネ」

 

「……発言は許可してない」

 

「わ、悪かたヨ」

 

「えーと、超さん。質問良いですか?」

 

「もう好きにするネ。でも、出来れば早めにお願いするヨ。これ、ホント冷たい……」

 

気の毒になってきた気がしないでもないが、超の計画が成功しちまうとリアと離れ離れになるんだよな? 多分、フェイト達とも。それはちょっとなぁ。

 

「では教えてください! どうして突然退学届けなんかを? どうして……悪い事を?」

 

「フム、本来はネギ坊主が仲間になるか私と勝負して勝たらと言う話だたが……改めて問おう。ロリみんとリアも出来れば聞いて欲しいネ」

 

「次からロリみん言う度に氷一枚追加な」

 

「……聞くだけなら」

 

「……現実がひとつの物語だと仮定して、君達は自分が正義の味方だと思うかネ? 自分の事を悪者だと思た事は?」

 

いきなり何言ってるのこの人? ひょっとして電波系なの? 麻帆良の最強頭脳じゃなくて最狂電波なの? ……いや、もっとトチ狂ってる奴らいるな。主に俺の周りに。

 

「ごめん、意味分かんないんだけど」

 

「アハハ、ちょと難しかたカナ? ただ私が思うのは……正義だろうが悪だろうが、思いを通すはいつも力ある者のみネ……」

 

「超さん……」

 

「まぁ、今回の計画については失敗も同然ヨ。……何度も試行錯誤して念入りに周到に準備もした。なのに何故か。簡単な話ネ。唯一にして最大の失敗原因であるロリみんのせいネ」

 

「お前ホンット人の話聞いてないよな? リアー、一枚追加で」

 

「……ラジャー」

 

気の毒とは思わない。だっていつまで経っても呼び方変えないんだもの。フタミンと呼べ。

 

「ふぐぅっ!? ヌググ……フェイト・アーウェルンクス、ヴィルヘルム・ヨーゼフ・ヘルマン、アルビレオ・イマ、そしてリア、ぶっちゃけチートネチート。そんな戦力集められてどうすれば良いネ。BCTL……強制時間跳躍弾使っても勝てるかどうか……分が悪すぎるネ」

 

「バカとキチガイしかいない気がするんだけど」

 

「ふふ……そう思ってるのはロリ……フタミンだけヨ? 君は今この学園に監視されてるネ」

 

「そりゃまぁ……」

 

だって、なぁ……? 可愛い悪魔とロリコン悪魔にバカに変態だろ? そりゃ監視の一つもつくだろ。あと最近だと腐ってる子を筆頭とした5人組くらいか。あとすらいむ。あいつらホントどこいったんだか。

 

「何も思わないのカ?」

 

「別に? だってMAHORAドリンクはここでしか飲めないし」

 

「ネギ坊主、理解出来るカ?」

 

「理解したくないです」

 

即答かよネギ君。なんで一歩引いてんだよ。ネギ君もこっち側に来れば良いのに。

 

「正直、私の全てと言っても良いこの計画ダガ、どう見積もっても成功の確率は0。まだこのカシオペアが生きてたらもう少し上がったガ……そう言えばリア、プレゼントしたカシオペアはどうしたネ?」

 

「あ、ごめん。トラップ仕掛けてるかと思って潰した」

 

「ちょっ!? なんて事するネ!!」

 

「え?」

 

「カシオペアはネギ坊主に起動実験してもらうためのが一つ、試験運用を終え実用化にこじつけたけどさっきリアの魔法で壊れたのが一つ、そして最後の一つは……万が一に備えての帰る用の分ヨ!?」

 

「や、そんな大事なもんなら他人に渡すなよ」

 

金庫に入れて保管しとくとかすれば良いのに、天才なのに抜けてる奴だな。

 

「リアに渡せば邪魔になると思ってフタミンに渡すと思ったネ。で、フタミンは後で私に返そうとポケットかどこかに入れておくと思ってたヨ……」

 

「いや、フェイトに罠があるかもねって言われたから、発動する前に潰した方が良いかと思って」

 

「普通、罠が仕掛けてあるか分からないものは無闇に触らないのが鉄則ネ」

 

「俺が図書島で何回罠にかかったか教えてやろうか?」

 

軽く30回はかかってるはず。図書館島怖い。図書館島改名してトラップ島にしようぜもう……。

 

「ところで……そろそろコレを退けてはくれないカ……? 体温低下で全身の感覚が麻痺してきたヨ……」

 

「リア、氷畳退かしてやってくれ。何かしたら氷漬けにしていいから」

 

「……分かった」

 

「いや、分かられても……」

 

「超さん、今の僕には正直超さんのお話が分からないです。でも、必ず……必ず今回の超さんのお話をしっかり理解して超さんに向き合います! それが僕の先生としての責任だと思いますので」

 

おお、さすがネギ君。真面目だなぁ。俺結局何もわかんねーや。ま、要するに力がありゃ意見押し通せるって事だろ、多分。

 

「……なんだか、ネギ坊主が話し始めると空気が真面目になるネ。ギャグパートが台無しヨ?」

 

「えっと、超さん……?」

 

「いや、もう色々と諦めたらなんだかスッキリしたネ。超鈴音、この時代で生きていくヨ。元の時代に未練がないわけではないガ……こっちの時代にはフタミンもいるしネ」

 

「そこで何故に俺」

 

「ダメだ……超さんがあっち側に……!」

 

「フフ、それは勿論決まってるネ。君に興味が出てきた、と言う事ヨ。フタミンの何が人……人? うん、ヒトを惹き付けるのかがとても気になるネ」

 

え、なにこの展開。なんでこの人こんなに不気味な笑み浮かべてんの? ……待て、今思い出した。超の異名……マッドサイエンティスト……!!

 

「試しに全身改造させてくれないカ?」

 

「全力で断るわ!! ただでさえクーネルさんに魔改造とかなんとか言われて戦々恐々としてんのに!!」

 

「今なら全裸のネギ坊主がついてくるヨ?」

 

「僕ですか!? しかも全裸!?」

 

「それで喜ぶのはしおりんだけだ!!」

 

あ、違う。喜ぶじゃない、悦ぶだ。いや、そんな事はどうでもいい! それよりひょっとしてしおりんがどこぞのロリコン悪魔みたいにどこからともなく……

 

「フタミン様! 先程男性同士が全裸でくんずほぐれつすると聞き及んで文字通り飛んで参りました!!」

 

「来んな、帰れ!!」

 

「フタミン、戦闘準備完了したよ。……必要なかったみたいだけれど」

 

「フム……マスターと対峙するからどんな素晴らしい幼女かと思ったが……ただのBBAではないか」

 

「流石にこの歳でBBA呼ばわりは傷つくヨ……」

 

「フフフ、賑やかですねぇ~」

 

一気に場がカオスと化した!! しおりんがきりもみ回転しながらこっちに飛んで来たかと思ったら続いてフェイト・ヘルマン・クーネルさんが現れた。うん、一生懸命走ってくる暦や環達になんだか凄く癒されますね。……で、なんで調はバニーガールなの? 気に入ったの?

 

「あらネギ、ここにいたのね」

 

「あっ、お姉ちゃん!?」

 

「ネカネさん……助かった。お願いです、年長者としてこの場を収めて――」

 

「フタミン君と裸でくんずほぐれつするって聞いたのだけれど、それはいつなの?」

 

「お姉ちゃーんっ!!??」

 

「この人も腐っちゃてるー!?」

 

おいしおりん、無性に腹立つからそのテヘペロ止めろ。デコピンすんぞ。

 

side-超鈴音

 

「……フ、他に夢中になれるものがあればその『全て』と言うのは案外簡単に崩れ去る、カ」

 

「……チャオ?」

 

「リアか。いや、ちょっと二話前のフェイト・アーウェルンクスの言葉を思い出してたネ」

 

「……メタだ」

 

「や、私も個性を出して行かないとこのメンツ相手だと簡単に食われてしまうからネ」

 

せっかくだし色々はっちゃけてみるのも良いかも知れないナ。自らに課していたある種の枷も取り払ってもらった事ダシ。

 

「時にリア、私もドリンク研究会に入って良いカナ?」

 

「……ユエに聞かないと、分からない」

 

「そうカ……」

 

自分で言ってて物凄く後悔するような選択な気がするガ……どうせなら面白おかしく生きてみるネ!

 

「と言う訳でまず手始めに何か飲んでみようと思うのダガ、何か持ってないカ?」

 

「……んと、はい『(安心できない)絶対安心人外drink(3兆年後も腐らない)』」

 

「ありがとう。では超鈴音、イクヨー!!」

 

…………

 

………

 

……

 

 

――アレ? ここはどこネ? 目の前が真っ暗で自分がどこにいるか分からないヨ。と言うかさっきまでリアと話してたハズ……。あ、目を閉じてるのカ。なら目を開ければ良い話。そうと決まれば早速……!

 

「……? 誰もいないネ」

 

と言うより麻帆良学園ですらないネ。綺麗な花畑と川があるヨ。この光景、見た事はないが何処かで聞いた事があるようナ……。あっ、あそこに見えるは元の時代で死別した祖母ネ。え、こっち来い? うん、分かった。今から行くヨ――

 

sideout

 

「お婆ちゃん、久しぶりネ。え、こっち来いじゃなくてこっち来るな? どう言う事か説明求ム」

 

「超ー! 超、頼むから起きろぉおおおおお!!」

 

「あわわわわ、超さんが! 超さんが!!」

 

「……白目剥いて何か言ってる」

 

リアが呼ぶから何事かと思ったら、リアの言う通り白目剥いて超がブツブツと何か言っている。良く聞くと死に別れた婆ちゃんと会ってるとの事。それが指し示す事とはつまり――

 

「いや、絶対そっち行くなよ超!! ネギ君、電気ショックだ! ショックで呼び戻せ!!」

 

「は、はい! ラス・テル マ・スキル マギステル! 闇夜切り裂く一条の光、我が手に宿りて敵を喰らえ、『白き雷』!!」

 

「みゃああああああっ!!??」

 

「……ネギ君、やりすぎじゃね?」

 

超、黒コゲになってるんだけど。むしろトドメの一撃レベルなんだけど……。

 

「ああああっ!? ち、超さん! しっかりしてください超さーん!!」

 

「まったく、だから君はダメなんだよネギ君。ここは僕に任せてくれたまえ。証拠隠滅のためにキッチリ埋葬――」

 

「お前は黙ってろ!」

 

「マスター、先程クウネル氏と話していたのだが、三次ロリと二次ロリの――」

 

「どっか行け!」

 

急に割り込んできてなんだこいつは!! んな事より今は超だろうが!

 

「ネギ先生、超鈴音とはどうなりましたk」

 

「どっか行けっつったろボケナス!!」

 

「……ほう?」

 

「えっ?」

 

底冷えする声に振り向くと、そこにいたのは額に青筋を浮かべている桜咲。明らかに怒ってますね。激おこプンプンですね。俺死んだわ……言っちゃけない人に言っちゃいけない事言っちゃったわ。ごめんじいちゃん、またそっちに逝くよ。やれやれ、これじゃ俺も超の二の舞じゃないか――

 




~今回のドリンク~
・(安心できない)絶対安心人外drink(3兆年後も腐らない):今回も頂き物のドリンクです。今回は(一応)一般人である超が飲んだためにあのような事態に陥りましたが、訓練を積めば大丈夫になります。その頃には人外化しているはずですので!



ここのとこ数話は超の計画の事もありましたので超中心のお話とさせて頂いてます。ただ、超の喋り方はあれで良いのかなぁ、とか思ったり思わなかったり。これは違う。等ありましたらお願い致します。考えて書き直させて頂きますので!

さて、原作とは大きく外れて超はアッサリ計画を取りやめました。普通に考えてそんな簡単に止めるハズないですが、戦力差が激しい事やらを理由に止めております。(そりゃ本気verの裏世界最強クラス×2含む相手と戦うとかキッツイわ……)

最後に、アレ……ちみゃいなくね? と思われた方いらっしゃると思いますが。ちゃんといます。あのコは常にフタミンに張り付いて彼のどこかを常に齧っております。ただ、今回は見えない場所にいただけなのです。


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