MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

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大変お待たせいたしました!


62時間目 超鈴音、大ピンチ

「ガジガジガジガジ」

 

「ねぇ、こいついつまで俺の手かじってんの?」

 

「……ちみゃ、めっ」

 

「ちみゃ?」

 

リアの言葉を無視して俺の手をかじり続けるちみゃ。ホント止めてくれないかな? 通り過ぎる人達が変な目で見てくるから。

 

「それにしてもその生き物は興味深いね。一度じっくり観察してみた――」

 

「ガブッ」

 

フェイトが少し手を出すと、俺の時のようなガジガジではなくガブッといった。あれあかんやつや。

 

「フ、フェイト様ー!?」

 

「……どうやら僕は嫌われているようだ」

 

「そんな残念がるなよ」

 

「残念? 何を言っているんだい? たかが小動物一匹に噛まれたくらいで…………フタミン、懐かれる秘訣を教えて欲しい」

 

とても残念だったらしい。とは言え秘訣……いや、俺何もしてねーな。いきなり噛まれて以来ずっとこんな調子だし

 

「やはり才能……いや、ひょっとするとこの生き物も生物学的には幼女と言う事なのか……?」

 

「待てや」

 

「……お兄ちゃん、お腹減った」

 

なにこのカオス。フェイトは大真面目な顔で俺とロリの関係性について考察し始めたし、後ろでしおりんが俺とフェイトのどっちが受けとか気持ち悪い事言ってるし、ちみゃはまた俺の頭に戻ってきて噛んでるし、リアはもう諦めたのか俺の手を引っ張って飯アピールしてきてるし……。

 

「はぁ……」

 

「……?」

 

「いや、父親ってこんな感じなのかなって」

 

「……お父さん……パパ?」

 

「すまん、もう1回頼む。携帯使って録音するから――って俺携帯ないんだった畜生!!」

 

今のパパ呼ばわりはグッと来たよ! 確かに悪魔だね! 悪魔級の可愛さだよ!

 

「……大丈夫?」

 

「おう。ごめんな、ちょっとリアが可愛くてなー」

 

「……えへへ」

 

「はい、照れ顔いただきましたー!」

 

「……君は何をやっているんだい?」

 

「言うな」

 

そしてお前にだけは言われたくねーわ。

 

「……肉まん食べたい」

 

「超のとこのか? お前、すっかりお気に入りだなー」

 

「……うん。大好き」

 

「フタミンと比べると?」

 

「お兄ちゃんは別格」

 

「良かったねフタミン」

 

「肉まんと比べられてどう喜べと?」

 

こいつは何がしたかったのだろうか? それはさておき、超の屋台か。この辺にあったっけ……?

 

「そう言えば肉まんで思い出したんだけれど、超鈴音の話を君はどう思う?」

 

「ん? あの世界に魔法をバラす、ってやつ?」

 

「ああ。是非君の回答を聞いてみたいと思ってね」

 

「さぁ……どうなるんだろうねぇ。魔法に触れて日が浅いし、正直何とも言えないけど」

 

そう、あーだこーだ言われても俺はまだ魔法の事ほとんど知らないのだ。それなのに世界にバラしたらどうなるだのなんだのと……分かるわけないっての。まぁ、強いて言うなら混乱するんじゃね? くらいか。

 

「ふむ、まぁまず言えることはリア君とは離れ離れになるだろうね」

 

「よし、超の計画ブッ潰そう」

 

「そう来ると思ったよ。では早速行動に移そうか」

 

「おうとも! あ、もしかしてこの時計も何かの罠か……!?」

 

あの野郎……! リアに罠を仕掛けるとはとんでもねぇ野郎だ! こんなもの! こんなもの!

 

「……お兄ちゃん?」

 

「リア、超は俺達を引き離そうとしている」

 

「……氷漬け決定」

 

「すぅー……ヘルマーン! クーネルさーん!」

 

この際誰でもいい、使えるものは使ってしまおう!

 

「呼んだかねマスター」

 

「何かご用ですか?」

 

「超の計画ブッ潰したいんだけど、何か良い手ない?」

 

「いきなり言われても困るが……そうだね、普通すぎる回答になるが、その超と言う子を行動不能にしてはどうだろうか?」

 

「ヘルマン氏の言う通りですね。計画の要がいないと如何ともし難いと思いますが?」

 

まぁ、2人の言う事は最もだよな。でも、それじゃダメな気がするんだよなぁ……。

 

「正攻法は正直オススメ出来ないね。彼女は時間移動と言う破格の技術を持っている。もしこれが他人も移動させる事が出来るのなら……例えば遠距離から放てる銃弾にでもその技術を応用されたら打つ手なしだろうね。完全に回避するくらいしか」

 

「ただの銃弾なら悪魔パンチで問題ないのだが……うぅむ、時間移動となると些か問題があるようだね」

 

「ネギ君に聞いてみては如何でしょうか? 彼女は確か彼の生徒でしょう?」

 

「あ、そう言えば……」

 

「フフ、ではネギ君の元までお連れしましょう」

 

「……私も、行く」

 

「ちみゃ~」

 

っしゃ、ネギ君にもこの話ししてやらんとな! そうと決まれば早速行くぜ! それとちみゃさん、いい加減俺の頭噛むのやめろマジで。

 

「それでは頼みましたよ? 私達は戦闘準備を整えておきますので」

 

「ヘルマン、僕と君の石化で完全停止させるのはどうだろうか?」

 

「ふむ、良い案だがそうすると治癒出来なくなるのではないかね?」

 

「それもそうか……ふーむ……」

 

自分で提案しておいてアレだけど、この人らがまともに戦うんなら俺ガチでいらなくね? 完全に足手まとい以外の何者でもないよね?

 

「……ま、いっか。んじゃクーネルさんよろしくー」

 

「……よろしく」

 

「ええ。では転移魔法を使いますよ」

 

俺とリアの足元にそれぞれ魔法陣が出現し、ネギ君のとこまで一気に転移させてもらう。いやー、マジでこれ便利だわー。俺もこの魔法だけでも使いたいなぁ。転移魔法あればギリギリまで寝てられるし。

 

「よっし転移OKだな!」

 

「えっ!? ふたみんさん!?」

 

「ナヌ、ロリみん!?」

 

「え、超さんなんで拳構えてはぶるぼぁっ!!??」

 

あ、ありのままに今起こったことを話すぜ……!! ネギ君のとこに転移したと思ったら真後ろで超が電撃付きの拳構えていきなり殴りかかってきたんだぜ……! な、何を言ってるか分からねーと思うが、俺も何が起きてるか分からない。十数メートル吹っ飛ばされて全身がどうにかなりそうだった。全身打撲とかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…………。

 

side-リア

 

「ふたみんさん!? ふたみんさーん!!??」

 

「……チャオ、お祈りは済ませた?」

 

「ヒッ!? で、でもいくらリアでも擬似時間停止を使える私に敵う道理ハ……!」

 

「……『こおるせかい』」

 

「ナヌ!? む、無詠唱で上位古代語なんてはんそk――」

 

……お兄ちゃんを虐めちゃ、ダメ。しばらく氷の中で、反省。

 

「超さーん!? ど、どどどどうしよう!? ふたみんさんはへんじがないただのしかばねのようだし、超さんは氷漬け……」

 

「……ネギ、落ち着いて。深呼吸」

 

「ハ、ハイ! すぅー……はぁー……す、少し落ち着きました」

 

「……ん」

 

「……どうしましょう?」

 

お兄ちゃん、看病しなきゃ。大変。

 

「……ちみゃ、治せる?」

 

「ちみゃー……」

 

「あのー……リアさん? その生物は一体……」

 

「……ザジからもらった。可愛い」

 

「ちみゃー」

 

そんな事より、お兄ちゃんが……。あ、コノカなら治せる……かも。

 

「……ネギ、コノカならお兄ちゃん治せる……?」

 

「え? えーっと……どうでしょうか。ご本人に聞いてみないと……」

 

「そう……。お兄ちゃん……」

 

「あの、ふたみんさんも勿論なんですが、超さんも……」

 

「チャオは、ダメ。私とお兄ちゃんを離れ離れにしようとした……だからお仕置き」

 

残念がってもらうために、学祭が終わるまでは氷漬け。これ絶対。

 

「は、はぁ……。で、でも僕も超さんからお話を聞かないと――」

 

「……むぅ」

 

「そう言われましても……」

 

でも、まずはお兄ちゃん。話はそれから。チャオは、後回しでいい。

 

「あ、あのー。思ったんですが、ふたみんさんならあのドリンクで復活するんじゃ……?」

 

「その手があった……! ネギ、ナイス」

 

「でもリアさん持ってるんですか?」

 

「大丈夫。食後に飲もうと思って、買ってある」

 

お兄ちゃん、マジックポーション・エリクサースムージー(ドリアン卵納豆珈琲味)飲んで元気出して……?

 

「うっ……!? く、臭いっ!? あの、本当に大丈夫なんですか? 自分で言っておいてかなり不安になってきたんですが」

 

「……お兄ちゃん……!」

 

「んぐ、んぐ……ぶっほぇええええええっ!!?? おげぇええええまっずぅううううう!!!!」

 

sideout

 

「水っ! 水ぅうううううう!! 口の中が変! つーか何これマジ気持ち悪いんですけどショックでゲロォオオオオ!!!」

 

ナニコレナニコレナニコレ!!?? ゲロマズとかレベル超えてるんですけど!? 誰だこんなもん飲ませた奴は!?

 

「……お兄ちゃん、ドリンク飲んで元気になった」

 

「これ元気なんですか……? のたうちまわってるんですが……」

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃんが飲んだのは、MAHORAドリンク……だよ?」

 

「なんだとMAHORAドリンク? それを早く言えよ~。超面白い味だな!」

 

「えー……あの、えー……」

 

ん? どうしたと言うんだネギ君? 目からハイライトが消えているぞ? 俺が超にいきなり殴られて死んだはずのじいちゃんに会いに行ってる間に何があったんだろうか?

 

「なんだろう、さっき殴られたはずなのに全然痛くねぇや! 良く分からんがラッキーだな!」

 

「やっぱりふたみんさんって人間じゃないんじゃ……」

 

「失礼だなネギ君や。ところで超は?」

 

「えーと……超さんならあそこに」

 

「ん? ……ネギ君、いつから氷のオブジェを超と呼ぶようになったんだい?」

 

見えない見えない。氷漬けにされてる超なんて俺見えないよ。

 

「その、リアさんが……」

 

「……ごめんなさい。お兄ちゃんがチャオに虐められたから……」

 

「はは、俺の為を思ってくれたんだな。リア、ありがとうな」

 

「……うん」

 

リアの頭をなでると、ネギ君の前だと恥ずかしいのかそのまま俺に顔を埋めるような形で抱きついてくる。可愛すぎて困る。

 

「んー……とりあえず助けるか」

 

「あはは……ですね」

 

「リア、超の氷溶かしてもらっていいか?」

 

「……お兄ちゃんが、そう言うなら」

 

よし、リアに氷溶かしてもらったし、ネギ君交えてちゃんとした話し合いをしないとなー。




~今回のドリンク~
・マジックポーション・エリクサースムージー(ドリアン卵納豆珈琲味):名前の通り魔力も体力も完全回復しちゃう南国フルーツと和の発酵食品とコーヒーを組み合わせた不思議なモノ。
数日間飲み続けると全ステータスが微量ながら底上げし続ける。
但し臭い。チョー臭い。開けた途端の悪臭具合が半端ない。勿論味も(ry

説明文はいただきました内容をコピペさせていただいております。ただ、今回は普通に完全回復のためだけに使わせていただきました。


はい、タイトル通り超さん大ピンチです。あのキ○ガイ軍団敵に回りました(笑) さて、ここからどう動かしていこうかな……

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