「あ、あああのっ! い、今二見さんはその……」
「……うん。まさかこんな形になるとは思わなかったけど……俺は、綾瀬の事が好きだ」
「カモ君! 私ガチな告白シーンとか初めて見るよ!」
「フ、若いって良いねぇ」
オメェらもう永遠に黙ってろよ。
「あ、あのその、お気持ちは大変嬉しいのですがっ! わ、私のようなチビで貧乳なロリ体型に気に入られる要素なんてっ!」
「や、ロリみんだからむしろそれでOKっしょ」
「黙ってろ。別に、見た目だけじゃねーよ。その……今までは友達で十分だったけど、3年になってから色々あったじゃん? それで段々意識し始めて……気づいたら本気で好きになってました」
「あぅ……えと…………ご、ごめんなさいですぅ~~~~~~っ!!」
ごめんなさい、そうハッキリと言って綾瀬は走って逃げてしまった。え、これフラレたの? 俺、死んでいいっすか?
「あ、ちょっと夕映!? もー、何がごめんなさいだっての! どうせ初の告白にテンパりまくって何をどうしたら良いのか分からずに逃げた、ってとこでしょーけどさ!」
「それならせめてごめんなさいの意味を聞くまでは逃がしてたまるかぁああああっ!!」
諦めが悪いって? パルも言ってたじゃん、テンパってて逃げたって。それが本当なら綾瀬の奴を捕まえてちゃんと話聞かなきゃな!!
side-夕映
「はぁっ! はぁっ!」
……あれ? 何故私はあの場から走って逃げたのでしょうか? 二見さんは真面目に私を好きだと言った。そこにからかい等は一切無く、ただ好意を伝えてきた。私は彼の事が嫌いだと言う訳ではありません。むしろ他の男性よりも好意的な感情を抱いています。ですが……これが友愛的なものなのか恋愛的なものなのかが告白されたのにも関わらず自分の中で定まっていないのです……。これはおそらく、今ののどかとネギ先生の関係に似ています。この場合、私はどのような答えを返したら良いのでしょう……? 先日ネギ先生に提案したように、保留にすべきなのでしょうか? ぬぐぐぐ……こう言う時、スパッと決めれる判断力が私に備わっていれば……!
「待てやコラァアアアアアッッ!!!」
「ひっ!? な、なんで追いかけて来るですかーっ!?」
「お前が逃げるからに決まってんだろー!!」
言われてみればその通りです。ですが、どうしたら良いのですか!? 今直接相対して何を言えと? まだ分からないから待って欲しい? この歳になってそんな理屈が通るのでしょうか? いえ、通るとか通らない以前にまずはいきなり逃げ出した非礼を謝罪してそれから……あー、もうこんがらがって来たですー!!
「お、お願いですから追いかけてこないでくださいです~~~!!」
「だが断る!! 応援部隊!!」
「よっしゃ。夕映ー! 絶対とっ捕まえて吐かせてやるからね~!」
「なーなー、何があったん~?」
「えっと、夕映さんを追いかけるんですか?」
「ゆ、ゆえー?」
「ハルナにこのかさん、のどかとネギ先生まで!?」
既に肉薄して来ている二見さんのみならずあの4人……! ハルナ、このかさん、のどかは大丈夫でしょうが、ネギ先生にはまず間違いなく捕まってしまいます!? ……あ、そう言えばのどかのアーティファクトは心が読める物……なら、私が今すべき事が分かるのでは……?
「あの、のどかにお願いが――」
「うぉおおおおおっ!!?? 急に止まられるとこっち止まれな――」
「ちょっとふたみん!? そっち落下コースになってるよ!! 曲がるか何かしなきゃ!!」
「えっ? あ、ちょ、う、うわぁああああぁぁぁぁぁ…………――――」
「二見さーん!!??」
「あわわわ、お、落ちっ、落ちちゃいましたよ!!??」
二見さんは走った勢いを止めきれずそのまま落下……まぁ、下が水辺なので大丈夫だとは思いたいですが……。
「あぶぶぶ、は、早く探しに行った方が……!」
「ふたみんなら別に平気な気がするのウチだけかな~?」
「ま、まぁ旦那は石化を一時的に無効化するような人だからな……生身で」
「そう言われてみれば……」
全員で納得したように頷く。確かに、二見さんなら別にあれくらい平気でしょうね。と、なると私が今するべき事はただ一つです……! かなり緊張しますが……。
「の、のどか、折り入ってお願いがあるのですが……」
「?」
「そういやさっき何か言いかけてたよね。あのインパクトで忘れちゃったけど」
「ええ、まぁ……まずはハルナ、先程逃げ出したのはおそらく考えている通り、自分でも訳が分からなくなって気がついたら飛び出していました」
「ま、そんな事だろうと思ってたよん」
「そしてこのかさんとのどかとネギ先生にはまだお話ししていませんでしたが……その、実はさっき二見さんに……告白、されまして」
「「「えええええっ!!??」」」
やはり……慣れないものですね。恥ずかしすぎます。のどかは本当に勇気があって素晴らしい女性だと思うです……。
「あの……私は分からないのです。二見さんには確かに好意的な感情を抱いていますがこれが友達としてなのか、それとも異性としてなのか……。二見さんは私の事を本気で好きだと言ってくれました。なのに、当の私がこんなあやふやなまま返事をしていいものかどうか……」
「ほぉ、それは分かったけどよゆえっち。嬢ちゃんにお願いたぁどう言う事でい?」
「はい。私は理屈屋で、すぐ頭でどうこう考えてしまいます。なので……のどかのアーティファクトで私の心を読んでもらい、今の現状をどうしたいか、それを探って欲しいのです」
「え、で、でもゆえー……」
「ええの?」
「お願いします! どんな辱めも受ける覚悟は出来ています!」
「いや、心を見るだけで辱めてアンタ」
「いやぁ、分からねぇぜ~? 旦那の事が大好き! 今すぐ抱きついてキスしたい! とか出たらゆえっちからしたら発狂もんだぜ?」
間違いなく発狂します。
「あ、じゃあ僕はその間にふたみんさんを捜索してきます!」
「うん、お願いねネギ君。こっからは乙女の秘密ゾーンだ・か・ら♪ ほら、カモ君も行った行った」
「ちぇっ。あ、待ってくださいよ兄貴ぃ~!!」
「よっし、行ったわね。それじゃ、夕映の本音暴露大会行ってみよ~!」
「おーっ♪」
「そんなにノリノリになられても困るのですが!?」
貴女達は人の心をなんだと思っているのですか!?
「じ、じゃあ行くよゆえ」
「お、お願いします」
「来れ『いどのえにっき』。えっと……うわぁ……」
「ど、どうしたののどか? 今まで見た事ない顔になってるんだけど」
「えと、ゆえは見ない方が良いと思うよー……?」
「え、何故ですか!?」
一体何が書かれていると言うのですかあのアーティファクトに!!
「う、うん。やっぱり自分で考えなきゃ、だよ。うん、絶対。去れ」
「のどかー!?」
「ほんまに何が書いてたんやろ……?」
「さ、さぁ……? 悪い事じゃないのよね?」
「それは大丈夫だけど……ゆえ、頑張ってね」
「何をですか!? 何がですか!?」
何をどうすればのどかがこんなに変わってしまうと言うのですか!! 一体私の深層心理はどうなっていたのですか!?
主人公(ロリコン)、転落。場所的には原作で夕映がパル様達から逃げた先のあの場所です。