MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

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前回からかなり日が空いてしまい申し訳ありませんでした。


57時間目 いきなりは驚きます

「……がおー」

 

「「お持ち帰りで」」

 

「ちょっとちょっと2人共ー!?」

 

いやだって、リアがデフォルメされた白熊の着ぐるみ着てがおーって。可愛すぎるわ!

 

「リア、是非ともその姿を写真に……って俺携帯捨てたの忘れてたァーッ!!」

 

「安心してください。二見さんが携帯を購入した後に私がメールで送りますので!」

 

「その手があったか!」

 

「……お兄ちゃん、似合う?」

 

「お前がナンバーワンだ」

 

「……えへへ」

 

何その照れ笑いぃいいいい!! 綾瀬、その調子でシャッターを切りまくるんだ!!

 

「……ふぅ、佐々木さんありがとうございました」

 

「なにが!?」

 

「お化け屋敷、最高だったよ」

 

「2人共お化け屋敷と関係ない所で楽しんでたよね!?」

 

それを言ったらリアの格好だってお化けと何ら関係ないよね? 可愛かったから良いけど。

 

「発見! そして確保ぉ!!」

 

「「えっ!?」」

 

お化け屋敷から出た直後、パルが出てきて俺と綾瀬は近衛さんと宮崎さんにそれぞれ拘束される。

 

「な、なんなのですかハルナ!!」

 

「ふっふっふ、あんた達には聞きたい事があるのよねぇ~?」

 

「ご、ごめんな~、2人共。……うちらも脅されてて」

 

「どうしよう、面子的に嫌な予感しかしねぇ」

 

「……奇遇ですね、私も同じ事思ってるです」

 

どうせ魔法がバレたとかそんなだろ? だって、今ここにいるメンバーで魔法知らないのパルだけだし。パルがこんな話を捨て置くわけがないしなー。

 

「ま、要するに魔法の事知ったんだろ? 遅かれ早かれって感じだったけど」

 

「あっはは! さすがロリみん話が分かるね~!」

 

「ロリみん止めろ。そろそろ否定出来無いから」

 

「それは最初からでは?」

 

綾瀬の一言にみんなが頷く。うん、まぁそんな反応されると思ってましたけどね。

 

「この際俺がロリコンかどうかはどうでもいいよ。で、どこまで知ってんの?」

 

「んー、魔法があるって事くらいかなー。詳しい話は全員から聞こうと思ってたし。ただ……こんな大事な事を親友に黙っているなんて万死に値するよねー? そこの3人?」

 

「いや、お前みたいな人間拡散器においそれと話せる内容じゃないっつーの」

 

こいつにバレたら2秒後には学園の裏側まで広がるだろうし。

 

「ちょ、それ酷くない!?」

 

「……あながち間違いでもないような」

 

「ですね……」

 

「う、うんー……」

 

「ちょっとちょっとぉ!?」

 

「ほら、親友達にも言われてんぞ?」

 

だってパルだもの。噂とか超大好きな人種なんだもの。ネギ君がオコジョにされる危機なんだもの。

 

「ぬぐぐぐ……ま、まぁとりあえず知ってる事洗いざらい教えてよ。それで今回の件はチャラって事で!」

 

「わ、分かりましたです。ではどこか人気のない所で……」

 

「オッケー」

 

そうして俺達は場所を変えた後、パルに知ってる限りの事を話す事に。パルはやはりと言うか、もう予想通りと言って良い程に目を輝かせて俺達の話を聞いていた。

 

「「プラクテ・ビギナル『火よ灯れ』!」」

 

「おおっ! ホントに出た!!」

 

「『火よ灯れ』! 出ろ! 出ろ!! 出ろォオオオオオオオッ!!!!」

 

「……ああ、うん。その、ごめんねふたみん」

 

「うるせーよ!!」

 

俺だって、俺だってなぁ……アーティファクト使えば出来るようになるんだよ! でもなんか怖くて使えないんだよ!!

 

「あ、あはは~、ふたみんはともかく、ゆえスゴイ! ウチも相当練習しとるんよ?」

 

「ともかくって言うの止めてくんない!? 結構傷つくから!」

 

「ええと……」

 

「ま、まぁ気を取り直して! さっき言ってた魔法の道具ってのは?」

 

パルにまで同情されちまったよ……。誰か普通に魔法が使えるまで鍛えてくれないかなー……。

 

「二見さん、二見さんは出さなくて良いですか? アーティファクト」

 

「ん? 出して根掘り葉掘り聞かれるの嫌だし。ネギ君とホモ疑惑立ったら俺死にたくなるし?」

 

「……いえ、その、中々アリかと」

 

「ねぇよ!? お前腐ってんの!?」

 

俺お前の事好きなんだぞ! と言いたいのをグッと堪える。……ん? 堪える必要あんの? あれ、むしろ言った方が楽になれるような気がするんだけど。

 

「そういや2人は仮契約ってのしてないの?」

 

「私はしてないですよ。のどかの事もありますし」

 

「お、俺もし、しししししてないぞ?」

 

「……ふたみん、まさかネギ君と……?」

 

「ちげぇよ!! エヴァに無理矢理されただけ……あっ」

 

しまった、と言うには遅すぎた。パルの楽しそうな顔にあーあ、とでも言いたげな綾瀬達。俺……バカだ。

 

「ほーぅ? そこんとこ、詳しく教えてくれるよねぇ~?」

 

「絶対に嫌だ!!」

 

「あれあれぇ~? そんな事言っていいのかなー? 夕映にあの事、バラしても良いのー?」

 

「鬼かお前!?」

 

「?」

 

パルの野郎……! や、バラされても困らないんだけど、こう言う事は自分の口で直接言いたいんだよ。結局告白は未遂で終わってるし。

 

「……学祭終わったらな」

 

「んー……ま、それで勘弁してあげますか! それにしても、私もそのアイテム欲しいっ!」

 

「「「「言うと思った……」」」」

 

「で、その仮契約ってどうやんの? あんたらがそれぞれネギ君とエヴァちゃんとやったってのは分かったけどさ」

 

おや? これ、俺死んだんじゃね?

 

「あ、それはなー、キスしたらええんよ?」

 

「キス!? のどかとこのかはネギ君とね~。そっかそっか~。で、そこのロリコンはエヴァちゃんとね~」

 

「だからアレは俺の意思じゃないんだってばよ! エヴァの奴が無理矢理してきたんだって! いきなり過ぎて何の反応も出来なかったんだって!」

 

「ま、ロリコンは今に始まった事じゃないし夕映も気にしてないみたいだから良いけどねー。それにしてもそっかそっかー、キスねー」

 

「あ、皆さんこんな所にいたんですね! ふたみんさんも一緒だったんですか」

 

「それにしても、ここの蔵書は中々に凄いものだね」

 

そこにやって来たのはネギ君とフェイト。そして目の色が変わるパル。コイツ、まさかとは思うが……大丈夫だよな? さすがにそこまで見境なくはないよな?

 

「いらっしゃいネギ君! さぁそこに立って! そうそう良い感じ♪」

 

「は、はぁ……?」

 

「それじゃ、いただきます!」

 

「やっぱりか! お前らパルを止め――」

 

「ふむぐぅっ!?」

 

俺が声をかけるより早く、パルはカード欲しさに10歳の少年の唇を奪った。どんだけだよ。ネギ君にトラウマ出来たらどうすんだよ!

 

「「「!?」」」

 

「おや」

 

「な、ななななな!?」

 

「あれ? カード出ないや。舌絡ませなきゃダメかなへぶっ!?」

 

「な、何をしているですか貴女は!?」

 

「お前、少しは落ち着けよ!?」

 

暴走するパルを綾瀬と2人で置いてある本で殴って止める。それ以上したらガチでトラウマ出来るっつーの!

 

「あ、ゴメンっ!! 私とした事が物欲に目が眩んでつい我忘れてヤっちゃった♪」

 

「ヤっちゃった♪ じゃねぇよ!!」

 

「我忘れてなかったよー!」

 

「ふむ、どうやら彼女にも魔法の事がバレたみたいだね」

 

「あ、なるほど……でもハルナさんはみんなの友達ですし、いつかはって覚悟はしてました」

 

さすがネギ君、人間が出来てる。それに比べて物欲に目が眩んだ奴ときたら……。

 

「あははっ、さすが話が分かるね~! 話は夕映達から全部聞いたよー! お姉さん感動しちゃったし、私も協力するよネギ君!」

 

「あ、フェイトなんかドリンクない?」

 

「ん? ああ、『濃厚デミグラスドリアン』ならあるよ。アヤセユエもどうだい?」

 

「頂きます」

 

パルがまたどうでも良い事を言い出しそうだったのでドリンクの話を持ち出したのだが、その瞬間全員から距離を取られた。何故だ。

 

「そう言えばさー、夕映は仮契約してないのー? 例えば、ふたみんとかと」

 

「え゛っ」

 

「ん゛なっ!?」

 

ここで爆弾落としてくるかコイツ!! まぁ、来るとは薄々思ってたけども!!

 

「へへ、旦那は何と言ってもゆえっちがあべしっ!?」

 

「お前、ホンット懲りねぇよな? 鍋で煮込むぞコラ」

 

「そうだよー、ゆえもしといた方がいいよー。ふたみんさんと」

 

「のどかまで何を言ってるですか!? それにふたみんさんみたいなショボイ魔法使いと仮契約した所で……」

 

「ショボイ言うな!!」

 

「魔力容量たったの5……」

 

「お前は黙れ!!」

 

何これ、何で俺こんなに滅多打ちなのさ? ショボイだの魔力容量たったの5だの……。や、事実だけどさ……現に初級魔法すら成功しねぇし。

 

「もうおフザケは終わりです! 探検大会が始まりますので行きますよ!!」

 

「あ、ちょっと待ってよ夕映!」

 

「ちぃっ! あと少しだったのによぉ!」

 

「もー、カモ君? あまりそう言う事は言っちゃダメだよ」

 

「フェイト、念話でリア呼んどいて」

 

「分かった」

 

フェイトにリアを呼んでもらい、ついでに来たしおりん達も一緒に探検大会に参加する事に。

 

「ふわぁ~、物凄い本の数ですわ」

 

「め、目が回るですぅ~」

 

「壮観……」

 

「これは中々貴重な本ですね……良くこんな所に……」

 

「字が読めない……」

 

「あんまはしゃぎ過ぎてはぐれるなよー」

 

俺の一声にしおりん達が反応したのを確認してのんびりと歩みを進める。

 

「しっかし、のどかとネギ君もどうなる事かと思ったけど良い感じじゃん♪」

 

「確かに。昨日のデートでキスもしたみたいだしなー」

 

「ですね」

 

「え、マジ!?」

 

「ホンマなん!?」

 

「おう、兄貴の口からしっかりと聞いたぜ?」

 

まぁ、唯一の問題と言えばネギ君がまだ人を好きになるって事が良く分かってない点か。10歳だし仕方ないけどな。

 

「へー、そっかそっかぁ! となると、後はもう一組だけだねぇ? さ、ふたみんちょっとあっち行こうか」

 

「……はい」

 

行かなきゃバラす。こいつはそう言う奴だ。今後こいつには絶対に何も言わねぇ!

 

「ウチらも行くえー?」

 

「では私も」

 

「あ、良いよ良いよ。ふたみんとかるーく作戦会議するだけだからさ」

 

「「?」」

 

「へっ、そう言う事か。なら俺っちもいくぜい」

 

俺とパル、そしてカモは2人から離れて話を聞かれないような場所へ。……あれ? そういやフェイトはどこ行ったんだ? 別にいなくても困らないから良いけど……後で探しておこう。

 

「で、どうするつもり?」

 

「……何の事やら」

 

「何のって、そんなもん夕映に告白するのかどうかって事でしょー?」

 

「旦那のゆえっちを見る目は完全に異性として意識してる目だもんなー」

 

「そ、そりゃまぁ……追々?」

 

そう答えた瞬間、パルが本投げてきやがった。

 

「危ねぇ!?」

 

「ったく、男なんだから堂々と告れっての。このヘタレが!」

 

「え、それ言うために本投げたの!? て言うか投げる意味なくね!?」

 

「そんなこたぁどうでもいいのよ! あんた夕映の事好きなんでしょ? "放送禁止用語"や"自主規制"して"小説削除の危険性"したいんでしょ!」

 

「お前少しは発言に気を配れ!!」

 

なんでそんな恥ずかしい単語をポンポン言えるわけ? 頭おかしいんじゃねぇの!?

 

「で、そこんとこどうなのよ? 本気なんでしょ?」

 

「……まぁな。だからこそ、キチンと段階を踏んでだな」

 

「あまーい!! 少しはのどかを見習いなさいな! あの子告った上にキスしてんのよ!? さすがにこのパル様もびっくりだわ!」

 

「ああ、うん……それについては是非宮崎さんに話を聞きたいとは思ってるけど……。と言うかさ? 一度は告白しようとしたんだよ?」

 

「……え、マジ?」

 

「マジかよ旦那ぁ!」

 

アレさえなければ……アレさえなければぁあああああっ!!!

 

「マジだ。ほら、昨日のあの園内放送覚えてるか?」

 

「え? あ、うん。ロリコンが園内に広まった伝説の放送ね」

 

「あの放送の直前にさ、告ろうとしてたんだよ……。でもあの放送のせいで台無しに……」

 

「へぇ~? ちなみにどんな風に? ちょっと実演して見せてよ。お姉さんが判定してあげるからさっ」

 

「同じ学年だろうがよ。まぁ……話の流れで今好きな人はいるかって流れになってな? んでまぁそこで言おうと決めたわけだよ」

 

「うんうん、それで?」

 

「結果的には言えなかったけど、こう言おうとしたんだよ。俺が好きなのは……綾瀬なんだ。って――」

 

そこまで言った瞬間、後ろから足音が聞こえた。うん、ものすごーく嫌な予感がするよ? 振り返ってみますね? せー、の!

 

「あ、あああああの……そ、その……はぅ」

 

「あ、あはは……まぁ、そう言うわけです、ハイ」

 

振り返った先にいたのは顔を真っ赤にして動揺しまくってる綾瀬でした。そりゃそうだよね。俺達探しに来たであろう所でいきなり告白されたら誰だって驚くよね。とりあえず、パルてめぇぶっ飛ばす!!





ついに告白ですよ告白!(付き合うとは言ってない)

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