MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

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大変遅くなりまして申し訳ありません……。ドリンク方面への軌道修正をしつつの執筆になっていますので中々難しく……。


47時間目 絶賛色ボケ!

教室に行ってクラスの連中にはリアが、と言う話をしたらあっさり許してもらえた。まぁ、それは置いといて、さっきの熱が未だ冷めないんだけど……うぐぅ……。

 

「ふぅ……」

 

「二見、そんなに俺の授業は退屈か?」

 

「え? うげっ!? グラヒゲ先生!?」

 

「廊下に立っていろ馬鹿者」

 

「……うっす」

 

あー……何やってんだろ俺。目を閉じていると浮かんでくるのはあいつの顔……

 

「がぁあああああっ!!」

 

「……お前、壁に頭を打ち付けて何をしている?」

 

「い、いえ、ちょっと邪念を振り払おうと」

 

「さっさと保健室に行ってその血塗れの頭をどうにかしてこい。アーウェルンクス、付いて行ってやれ。1人にすると何をしでかすか分からん」

 

「分かったよ。さ、行くよフタミン」

 

「お、おう」

 

誰かに話したら、スッキリするんだろうか? このモヤモヤと言うか何と言うか……。

 

「それにしても、一体どうしたんだい? ずっと上の空だった気がするけれど」

 

「……多分、言っても分からねーと思うぞ?」

 

「ふむ?」

 

「実は……恋って奴をしちまったみたいでね」

 

「なるほど、アヤセユエにだね」

 

「お前エスパーかよ!!」

 

即バレしちゃったよ! こいつ鋭いな!? そう言う事とは縁遠いかと思ったんだけど!

 

「いや、普段の君達を見ていたら誰でも分かると思うけれど?」

 

「なん、だと……?」

 

「恋という物が理解出来ない僕にでも分かるんだ。大概が分かると思うけど?」

 

「ぬ、ぐ……」

 

「まぁ、それは良いとして、面倒だから壁に頭を打ち付けるなどという愚かな行為はこれっきりにしてくれないか?」

 

愚かとまで言うかフェイトめ! なんならお前も恋してみやがれ!!

 

「い、いやだってそうでもしないと気恥かしさで変になりそうなんだよ!」

 

「変なのは元々――いや、忘れてくれ」

 

「ハッキリ言ってるからな!? 失礼にも程があんだろ!」

 

「否定はしないんだね」

 

「慣れてるからな」

 

事あるごとに変人だのロリコンだの言われてたらそりゃ慣れるわ! 悲しい事にな!!

 

「ふむ……。だが、僕は君のそう言う所は嫌いではないよ」

 

「そらどーも」

 

「ひょっとしてそれが人外にのみ好かれる原因……か?」

 

「真面目な顔して、普通の人には好かれないみたいな言い方止めてくれませんかね!?」

 

「あまり怒ると体に毒だよ? さっきから頭の出血も止まらないじゃないか」

 

「誰のせいだ誰の!! それにこんなもんドリンク飲んどきゃ治る!」

 

買っておいた『オレンジクリームコーラ生茶風味』を一気に飲み干す。うん、いつもながら面白い味だ!

 

「治っていないね」

 

「う、うるさいな! ……お前怪我治す魔法とか使えないの?」

 

「残念だけどそっち方面には疎くてね。そもそも怪我自体滅多な事ではしないし」

 

「ちぇ。しゃーない、んじゃ保健室に行きますかー」

 

「そうだね」

 

そんな事より初恋の方をどうにかしたいぜ……。まぁ、誰に言っても告れ告れって話になるんだろうけどさ。いや、分かってますよ? こんな悶々とするくらいならしますよさせて頂きますよ? でも何事もタイミングと言うものがあってだね!

 

「そう言えば今朝はリア君と何か食べてきたのかい? ズルいじゃないか」

 

「俺を置いていったお前には言われたくない。ま、人気の屋台にな。夜もやってるから帰りにしおりん達も呼んで食べに行くか?」

 

「それは良い考えだね、是非ともそうしようじゃないか」

 

「……お前そんなキャラだったっけ? 確か最初は出会い頭に石化魔法された記憶が……」

 

「フ、あの時君に貰ったドリンクに感銘を受けたのがまず一つ。もう一つは……学園生活と言う物を楽しんでいる自分がいる、と言う事さ。その点では君に多大な感謝と恩を感じているんだ。それこそ『計画』がどうでも良くなるくらいにはね」

 

「何度か聞いたけど、その計画って何?」

 

「……いずれ君には話そう。その前に知ってしまうかも知れないけれどね。とりあえず麻帆良祭が終わった後に時間をくれるかい?」

 

「良く分からんけど分かった!」

 

計画とやらも気になるけど、とりあえず今日の夜は屋台だな!

 

…………

 

………

 

……

 

 

「初めまして。フェイト様の従者の栞と申します。で、こちらが」

 

「環」

 

「暦です!」

 

「調と言います」

 

「私は焔――」

 

「ほむほむですわ」

 

「その呼び方はよせ!!」

 

「あははっ、よろしくね!」

 

「よろしくな~」

 

「よろしくお願いします」

 

フェイトに呼んでもらい、揃った栞達は神楽坂達に自己紹介をしている。

 

「……ウマい」

 

「だろー? この小龍包とか最高だよなー!」

 

「……美味しい」

 

「フタミン、良い物を教えてくれて感謝するよ」

 

「喜んでもらえて何より」

 

「おや、二見さんも来ていたですか」

 

「ブッホァ!!??」

 

最も聞きたくて最も聞きたくなかった声が突如後ろから聞こえ、思わず食べていた小龍包を吹き出す。目の前のフェイトに。

 

「汚いじゃないか」

 

「えほっ、げほっ、げほっ!! あ、ああああ綾瀬!?」

 

「? 何をそんなに驚いているですか。あ、隣失礼してよろしいですか?」

 

「お、おおおおおう!」

 

「……ノドカは?」

 

「ふふ、別にいつも一緒にいるわけではないですよ? 私は小腹が空いたので軽く食べに来ただけです」

 

こ、こいつは……! まさかここで奇襲をかけてくるとは何てやつだ……! ああもう、何か可愛く見えるなこんちくしょう!!

 

「……」

 

「二見さん、さっきからどうかしたですか?」

 

「あ、いや、その……ちょっと目がイカれて来たから潰そうかなって」

 

「物騒にも程がありますよ!?」

 

うっせーよ! お前が可愛いのが悪いんだろうが!! と、口に出して言えるハズもなく。心臓がずっとドキドキ言ってて正直苦しいんですけど! とりあえず何か適当に話そう。でないといくらリア達がいるとは言え心臓がもたねーよ!

 

「……そうそう。リアから聞いてると思うけど、引越ししたんだよ俺」

 

「話の転換が急ですが……ええまぁ、聞きましたよ。何でも、フェイトさんのご親戚も来たとかで」

 

「そうだね。今あそこでカグラザカアスナ達と話している5人の女の子達だ。左から環君・暦君・調さん・しおりん君・ほむほむ君だ」

 

「あの、後半二名のお名前は……」

 

「栞と焔だからしおりんとほむほむ」

 

「なるほど。では私も挨拶してくるです」

 

「おう。……ぷっはぁあああああ!! あー、緊張したぁ!」

 

大体、何であいつはあんなに普通なんだよ! ……あ、意識してないからか! 何か悔しいな。

 

「全く。まさか恋愛如きでこうも情けなくなってしまうとは」

 

「うるさいよ! つーか何だよあいつ、あんなに可愛かったっけ?」

 

「……ユエは、元々可愛い」

 

「いやまぁ、それは分かっちゃいたんだけどな? ふぅ……とりあえず、俺はどうしたらいい?」

 

「告白だろうね」

 

「……告白」

 

予想通り過ぎて涙が出るわ。いや、最終的にはした方が良いんだろうけどさ? 何度も言う様だけどタイミングってもんがありましてですね!?

 

「とは言っても、学祭の準備で忙しくて少なくても当日以降になるけどな」

 

「おや、する気ではいたんだね?」

 

「そりゃまぁ……」

 

「……お兄ちゃん、頑張って」

 

その前に女装を頑張らねばいけないわけですが……。知ってるか? 俺の衣装……露出の高い『チャイナドレス』だったんだぜ……? あれ見せられた時はマジでエスケープしようかと思ったわ。何とか制裁と言う名の交渉で露出の少ない物にさせたけど、アレはないわ……。

 

「あ、ふたみんさん、リアさん、フェイト……こんばんは!」

 

「お? ちっす、ネギ君」

 

「……ちっす」

 

「やぁネギ君」

 

「もうすぐ麻帆良祭ですね~! 楽しみだなぁ……!」

 

「かなり規模のデカい祭りだからなぁー。麻帆良夏の陣とでも言っておこうか」

 

これでうちの出し物が女装喫茶じゃなければなぁー……。準備も7割くらい終わってるから今更どうこう出来ないんだけどさ? 

 

「夏の陣……! す、凄いです!」

 

「そういや、ネギ君は姉ちゃんとか呼ばないのか? せっかくだし招待してみたら良いのに」

 

「え、あ……そうですね、お姉ちゃんに聞いてみます! 久しぶりに会いたいですし!」

 

「うんうん、良きかな良きかな。当日は先生としても大変だろうけど、頑張ってな」

 

「ハイッ! ふたみんさんも夕映さんへの告白頑張ってくださいね!」

 

「ええい、ここでそれを言うんじゃない! 本人に聞こえたらどうすんだ!!」

 

こういうのはな、フラグって言うんだフラグって! どうせすぐに本人が顔を出して来るに決まって……

 

「? 私を呼びましたですか?」

 

「ほらねー!! ネギ君のせいだー!」

 

「えうぇっ!?」

 

「何の事だか分かりませんがあまり虐めてはいけませんよ?」

 

「んな事しねーよ!」

 

「それならば良いのですが。あ、これを道中で見つけたのでどうぞ『マンゴーたい焼きグレープ』です」

 

「あ、サンキュ……」

 

幸い今のネギ君との会話は聞かれてなかったみたいだけど……とりあえず今はこの場から離脱する方法を考えなくては!

 

「……お兄ちゃん、お腹いっぱい」

 

「! そうかそうか! なら、今日はもう帰って寝ないとなー! すまんみんな、俺リアと帰るから!」

 

「何故そんなに嬉しそうなのですか……?」

 

「やれやれ……ヘタレ、だね」

 

「うるせぇ! ま、本当に今日はこの辺で帰るよ。……またな」

 

「ええ、ではまた」

 

ふぅ……なんとか離脱は出来たけど、次顔合わせるまでに普通に話が出来るくらいには平常心を取り戻さなくては!

 

「……お兄ちゃん、おんぶ」

 

「ん? ほれ」

 

「……ありがとう。一つ……良い?」

 

「なんだー?」

 

「……お兄ちゃんは、ユエとどうなりたいの……?」

 

「んー、お前に言って分かるかなー。まぁ、出来る事なら恋人にはなりたいかなー」

 

相手がリアだから、からかったりはしない……ハズだからこうして素直に本心を打ち明けられる。

 

「……なるほど。もし、ユエがお兄ちゃんとコイビトになったら……ユエがお姉ちゃん……?」

 

「あっはは! ま、そう呼ぶ分には自由なんじゃねーの? 多分あいつも喜ぶさ」

 

「……おお。私、協力……する」

 

「ありがとな。でもま、大丈夫だよ。何とかしてみせるから。……きっと、多分、何とかなると、いいなぁ……」

 

何とかなる……よな? いやまぁ、何とか出来るように頑張るわけですが。世界樹伝説? そんなもんに頼りたくないわ!

 

 




~今回の出来事~
・主人公、学祭前に色ボケ中
・そして主人公はチャイナドレス
・ネギ姉登場フラグ


恋愛沙汰を書くのは難しいですね……。心理的描写と言うか何と言うか……。でもまぁ、それは一旦置いといていい加減話を進めたいと思います。

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