MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

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予想より早めに仕上がりました。

今回はある意味決定的な事が発表されます


46時間目 衝撃の事実

「ぬがぁああああ!! 寝坊した!!」

 

「……良く寝た」

 

「む? 寝坊と言っても全然間に合う時間だけれど? せいぜい準備に間に合わないくらいで」

 

「バカ! それで調子こいたあいつらが何を仕掛けてくるか……想像しただけでも恐ろしいわ!」

 

クソ! 走っても間に合うかこれ!?

 

「ああ、そう言う事か。それなら僕は少し本気で走らせてもらうとしよう」

 

「え、何ソレ――って早ぇっ!? また魔法かあの野郎ォオオオオ!!!」

 

「……お兄ちゃん、ファイト」

 

「いや、お前も急がなきゃダメだろ」

 

「……そうだった」

 

何この子マイペース過ぎる……。そういや、家は大丈夫かな……。一応鍵かけて来たけど、またしおりんが鼻血出して汚したりしてなきゃいいんだけどなぁ……。

 

「あー、クソッ。それにしても腹減ったな……」

 

「……お腹、空いた」

 

「もう準備は諦めて……飯にすっかなぁ」

 

あいつらにはリアがお腹空かしてたって言って許してもらおうそうしよう。

 

「……ご飯」

 

「任せろ。学祭準備期間中の名物店があるんだよ」

 

「……名物?」

 

「おう。あー、そうと決めたら楽しみになって来たなぁ!」

 

そうして俺達が向かった先は、とある屋台だった。麻帆良で知らない奴なんていないだろ? ってレベルの店だ。

 

「……ちょう、つつみ……? お兄ちゃん、あれなんて読むの……?」

 

「ありゃ超包子ってんだよ。超は知ってるか? お前のクラスにいただろ?」

 

「……うん。チャオに貰った肉まん、美味しかった……」

 

「ここはその屋台だよ。ほら、さっちゃんにも見覚えあるよな?」

 

「……ある。サツキ……凄い」

 

「ははっ。まぁそう言う訳だから今日の朝飯はここだ! とりあえず空いてるとこ座ろうぜ」

 

にしても相変わらず繁盛してんなー。これ席空いてんのか……っておや? あそこにいるのは……

 

「おーい、ネーギくーん!」

 

「え? あ、ふたみんさん! リアさんも、おはようございます!」

 

「2人共おはよ~」

 

「あや? フェート君はどないしたん?」

 

「そう言えば見えませんね……」

 

「あの裏切り者なんぞ知らん!」

 

あんにゃろ、教室行ったら覚えとけよマジで! ここで美味い物食ったって言って羨ましがらせてやる!

 

「フ、フェイトがどうかしたんですか……?」

 

「聞いてくれるかネギ君!」

 

「わ」

 

「……ご飯食べたい」

 

「あ、先にそっちからにすっか。おーい、注文頼むー!」

 

「お、ロリみん来たアルか。何にするアル?」

 

「おのれ……小龍包8個入りで」

 

くそう、店でゴチャゴチャ言えないからってあのふざけた呼び名使いおって……!

 

「あ、私達も良い?」

 

「良いアルよ~」

 

「……楽しみ」

 

「あの、フタミンさん。フェイトが裏切ったっていうのは一体……? まさか!?」

 

「ああ、そうだ……あいつは、俺達を置いて自分だけさっさと学校行きやがったんだ!! 引っ越したから時間間違えてヤバイからってそれは酷くね!?」

 

「え、あ……そう言う事ですか。……ってふたみんさん達引っ越したんですか!?」

 

ありゃ、リアはその事言ってなかったのかな?

 

「そうなんだよー。フェイトの親戚って言う女の子が5人も来てさー? 何故か俺が学園長に話をしに行く事になって、流れで俺達まとめて同じ家に……」

 

「そりゃまぁ、旦那の周りってチートだもんな……同じとこに居た方がジジイも安心するだろ……」

 

「そうですね……。特にフェイトさんは規格外と言っても過言ではないですし……」

 

「て言うかその女の子達って、やっぱり魔法関係の……?」

 

「そうみたいだぞ? 猫みたいな喋り方するのとほむほむと物静かな子と年上っぽい人と……鼻血」

 

「「「「鼻血……?」」」」

 

「……昨日の夜、話してたら急に鼻血出して倒れた」

 

あれには本当ビックリした。噴出した本人はやたら幸せそうな顔してるし……。

 

「ちょ、その子大丈夫なの?」

 

「一体何が……?」

 

「俺にも分からん。でも、幸せそうな顔してたし大丈夫なんじゃね?」

 

「鼻血出してんのに幸せそうなん?」

 

「おう。こちとら床は勿論、壁にも飛び散った鼻血拭き取って綺麗にすんのに数時間かかったけどな……。ドリンク飲んで寝た奴らの介抱もしてたし」

 

「アレ、飲んじゃったんだ……ご愁傷様」

 

神楽坂よ、そいつは一体どう言う意味かな?

 

「ハイ、お待ちどうアルー」

 

「ありがとな~。――それにしても、鼻血はともかくその子達一辺会ってみたいなぁ~」

 

「一応こっちに編入する予定だよ? 学園長の話だと麻帆良祭終わってからって事みたいだけど」

 

「あー、麻帆良祭の出し物決めないとねー……」

 

「はうっ! そ、そうでした……」

 

「綾瀬とリアから聞いたけど、そっちは大変そうだなぁー」

 

「……大変」

 

てかもう後1週間程なんだけど、マジで大丈夫なのか……? 俺達も人の事言えないけどね。出し物的に。

 

「あ、そうそう! ゆえと言えば、ふたみんは学祭ゆえと回るんやろー?」

 

「あの、さも当たり前の様に言うの止めてくれませんか……?」

 

「えー、あんだけ仲良いんだから付き合っちゃえば良いのに。ネギもそう思うでしょ?」

 

「あ、ハイ! 2人共お似合いだと思います!」

 

「おい、待て。それはアレか? 俺がロリコン呼ばわりされてるからか? そうなんだな? よし、お仕置きしてやる!」

 

ついにネギ君まで俺をロリコン扱いか……。泣けてくるぜ……。

 

「うひゃい!?」

 

「違うって。何て言うかさ、そう言う雰囲気みたいな? 夕映ちゃんも満更じゃないみたいだし」

 

「あれは多分ふたみんの事好きや思うなー♪」

 

「お願いだから止めてくれませんかね!? これ以上そんな話聞いたら顔合わせづらいよ!」

 

大体恋愛の好きって言うのはこうやって今みたいに相手の事考えると胸がドキドキしたりとかするアレだろ!? ……んん? 今何か違和感を感じたような……? なんだろ?

 

「?」

 

「いきなりどうしたのですか?」

 

「いや、その……お前達に聞きたいんだけど、恋してる人挙手」

 

「「「「アスナ((さん))」」」」

 

「ちょっとぉ!? なんで即バラすのよ!!」

 

「よし、神楽坂、お前に聞きたい。恋をすると言うのはどう言う感覚なの?」

 

神楽坂が誰に恋してるとかそんなのはどうでもいい。恋ってのがどう言う感覚なのか知りたい。それだけだ。

 

「え、えっと……その人の事考えるだけでドキドキしたり、胸の辺りがギュッとなったり……とか。あぁああああっ!! 恥ずかしい事言わせないでよ!!」

 

「その人の事を考えるだけでドキドキして胸の辺りがギュッと……?」

 

あ、あれ……? その理屈で行くと俺……

 

「ふたみんさん?」

 

「どーしたん?」

 

「あの、その理屈で行くと俺……綾瀬に恋してるっぽい、んだけど……?」

 

「な」

 

「ん」

 

「だ」

 

「っ」

 

「……て?」

 

「う、ぉおおおおお。そう思ったら急に恥ずかしくなってきた!? なんだこれ、なんだこれ!? ふぉおおおおおっ!!??」

 

熱い熱い熱い!! 顔がやべぇくらい熱いよ!? なんぞ、これなんぞ!? これが恋って奴か、そうなのか!?

 

「耳まで真っ赤やねぇ」

 

「旦那……まさか初恋じゃ」

 

「えっ」

 

「そうですけど何か!? けどどうすりゃいいの? 何すりゃいいの? うぅぅ、おっかさぁああああん!!!」

 

「落ち着けー!! ……でもま、それだったら告白すれば良いんじゃないの?」

 

「アスナが言うても説得力ないけどなー」

 

「う、うるさいわねっ!!」

 

告白……アレか。好きです、付き合ってください! って奴か……。

 

「よし、無かった事にしよう。俺には荷が重い問題だ」

 

「あっさり逃げた!?」

 

「おいおい旦那ァ、待ってるだけじゃいつまで経っても彼女なんて出来やしないんだぜぇ?」

 

「あ、この話本人にしたり、話そうとしたりしたらお前ら石像もしくは氷像な。リア、こいつら監視しといて」

 

「……任せて」

 

「「「「!?」」」」

 

これで綾瀬本人にバレる心配はない。が、俺これからどうやって綾瀬と接すれば良いの? 考えただけで顔熱くなってくるのに本人目の前にしたら卒倒する自信あるよ!?

 

「ほ、ほな最後に一つだけ! ゆえのどこ好きになったん? ゆえの親友として気になるんよー」

 

「どこと言われても……え、どこだろう……? 全部?」

 

「疑問形だらけなのに男らしいですね……」

 

「おし、分かったえ! うちらはこの事は絶対に言わへん! 特にハルナにバレたらえらい目に……」

 

「想像するまでもないから絶対に秘密で」

 

「流石にパルにはね……可哀想とかそんなレベルじゃ済まなくなる結果になるだろうし……」

 

「だ、大丈夫ですよ! いくらハルナさんでも……多分」

 

担任にもその辺は信用されてないんだな、パルは……。

 

「クク、こんな特上ネタ俺っちが放っておくわけねーって。早速ゆえっちに話をぶげらっ!?」

 

「永久に黙らせてやろうか? ん?」

 

「い、今何したの……? 全然動き見えなかったんだけど……」

 

「早い話が超高速の正拳ですね。……気も魔法も使えないふたみんさんに出せる速度ではありませんでしたが」

 

「……カモ、生きてる? でも、約束破ったら……容赦しないよ? ネギのペットでも」

 

「ぐ、ごはっ!? あ、諦めないぜ俺っちは……! せめて朝倉の姉さんにだけでも……!!」

 

「カモ君、流石にそれはダメだと思うよ。ふたみんさんは真剣なんだから」

 

「あ、兄貴ぃ……っ!」

 

ネギ君のおかげで、窮地を脱する事が出来た。しかし、恋かぁ……今まで自分が恋するとこなんて想像すらしなかったけど……気がついたらしてたって訳ね。恥ずかしくて死にそう。

 

「さて、んじゃ俺はそろそろ教室行くわ。リアの事とさっきの事、くれぐれも頼んだからな?」

 

「ん、おっけーや!」

 

「任せといて!」

 

「口は固いですから、安心してください」

 

「カモ君は僕がちゃんと見てますので!」

 

「……何かしたらすぐに氷漬けにするね」

 

綾瀬、ちょっと会いたいな…………う゛ぉおおい!! 俺、今何考えた!? ナニを考えた!? 恋……おそるべし!!

 

 




~今回の出来事~
・超包子へようこそ
・ロリみん!
・ルート確定?

と言う訳で今回は主人公・ふたみんの気持ちを自覚させる回となりました。朝から何やってるんでしょうねこの人達。それに自覚したと言っても漸く芽が出た、と言った所でしょうか? 今後の夕映に対する行動等、生温かく見守って頂けると幸いです。


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