MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

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大変遅くなりまして……。内容? 最近良くあるグダグダ迷走回ですね


45時間目 掛け算は色々大変です

「今夜は歓迎会って事で全員分買わなきゃな」

 

「……頑張って探す」

 

「フタミン、君には礼を言わなくてはいけないね」

 

「あん?」

 

「彼女達の事さ。……彼女達は戦災孤児。戦争で親兄弟を亡くしているんだ。今まで拾った57人は学校に送ったけど、彼女達だけは付いて来てしまってね」

 

「お前も凄いけど、魔法使いってのも大変なんだなぁ……」

 

「そうだね。でも、君は彼女達には普通に接してもらいたい。同情されるのは嫌だろうからね」

 

なるほど、まぁ確かに良く知らないのに同情とかで接されるのは嫌だよな。多分。

 

「分かった。じゃ今聞いた事は忘れる。これで良いな?」

 

「ああ。……やはり君は……」

 

「ん?」

 

「いや、何でもない。それよりドリンクだが」

 

「……こんなの見つけた。『汗と涙と青春味「フェニックスの手羽先スープ」』……美味しそう」

 

「よーし、その調子でドリンク収集+あいつら用に買いますか!」

 

side-フェイトガールズ

 

「へくちっ!」

 

「あの子……一瞬で私達5人を凍らせるとは……」

 

「あ、焔。狭いので寄ってくれません? でも熱いから離れてもらえる?」

 

「そりゃ5人で入ったら狭いに決まってるだろ! 誰か出ろ!」

 

「寒いから嫌だニャ」

 

ふたみん達が家から出て数十分後。ようやく氷が溶けた彼女達だったが、体が芯まで冷えていたので衣服を脱ぎ、全員仲良くお風呂に入っていた。なお、お湯は氷のおかげで完全に水になっていた為魔法で再度沸かしたものだ。

 

「それにしても……フェイト様は一体どうされたのだ」

 

「でも私は今のフェイト様の方が……」

 

「な……調、お前何を!」

 

「でも……確かに今のフェイト様はこう、温かい感じがしたような」

 

「分かる。そしてその原因は……」

 

その時全員の頭の中には、フェイトの隣にいた少年の顔が浮かんできていた。

 

「フタミン、とか言ったか……一体何者なんだあいつは」

 

「ただのバカ……で済ませるにはいきませんね。何しろフェイト様が認めている方、と言うか自らご友人だと、そして師だとも仰っていましたし」

 

「一体どう言う経緯でそんな事に……?」

 

「友人、師……あの、一つ良いですか?」

 

「なんだ栞?」

 

「フタミン様がフェイト様の友人であり師となると……フェイト様が受け、なのでしょうか? そしてフタミン様が攻め。いつもは無表情を崩さないフェイト様ですが、2人きりの時は弱気な表情を浮かべフタミン様にされるがままに……ブハッ!!」

 

いきなり腐った発言をしたかと思うと鼻血を噴出して湯船に沈んだ栞。だがその表情はどこか幸せそうであった。

 

「し、栞っ!?」

 

「どうしたんだニャ!?」

 

「とりあえず服を着せて寝かせましょうか……。あとお風呂場の掃除も……」

 

「血塗れ……」

 

sideout

 

「たっだいま~。……ってあれ? 栞は寝てるの?」

 

「いや、その……」

 

「ふむ……まぁ寝ているのなら仕方がない。まだそんなに遅い時間でもないし、起きるまで待つとしよう」

 

「……私、お風呂入ってくる」

 

「あ、まだお湯沸かしてる最中です! お湯はあったのですがちょっと色々ありまして掃除しましたので……」

 

「……残念」

 

色々ってなんだ? 何故か全員気まずそうな顔してるんだけど。

 

「あははは……」

 

「ま、それなら風呂は少し待つとして……ここで一つ大きな問題がある。これは俺達の命にも関わる重要な問題だ」

 

「何……?」

 

「命に関わる……!?」

 

「……お兄ちゃんは、死なせない」

 

「まぁ、話を聞け。お前ら……飯作れんの?」

 

「「「「「あ」」」」」

 

今この場にいる全員が揃って声を出す。そう、寮なら食堂があったから良かったのだ。でも、今は普通の家。つまり、家事は全て自分達で行わなければならない。ちなみに俺は掃除くらいしか出来ないぜ!

 

「確かに……食事は命に関わるね。君達は何か作れないのかい?」

 

「え、えと、簡単なものならなんとか作れますフェイト様!」

 

「丸焼きなら任せてください!」

 

「……そんなもの料理じゃない」

 

「何だと!? じゃあお前は作れるのか!?」

 

「……私まだ10歳」

 

「10歳じゃ仕方ないよな」

 

「そうだね、仕方ないね」

 

まぁ、リアは癒し担当って事でここは一つ。

 

「二人共甘すぎです!?」

 

「ならこうしよう。料理は当番制! 順番はジャンケンで決めて、作る料理は食えれば何でもOK!」

 

「……カップラーメンでも?」

 

「勿論だ! 外食の提案もOK。で、悪いけど俺が面倒を見ると言う関係上、財布は俺が握らせてもらう。ほむほむ達の分のお金とかは学園長と交渉してなんとかする」

 

「おい待て、ほむほむとはなんだ!? もしかして私の事か!?」

 

「うん。焔だからとあるキャラと被せてほむほむで良いかなって」

 

せっかくだし全員あだ名で読んでやろうか。その方が馴染みやすいだろうしな。

 

「ほむほむ、可愛い」

 

「環!?」

 

「落ち着くニャほむほむ」

 

「では今日から焔君はほむほむ君で良いね」

 

「フェイト様まで!?」

 

「……お兄ちゃん、センス良い」

 

「だろー?」

 

その後もなんだかんだと決める事を決めたりしていると栞が起きたので栞も交えて今後の生活について話し合う。カップリングがどうのとか言ってたけど……果てしなく嫌な予感しかしなかったので深くは聞かなかった。

 

「えー、食事は2人組で当番制。洗濯は女の子もいるから女の子が。掃除は3人組で当番制。と、こんなもんでいい?」

 

「とりあえずはそんな所だろう。今は僕たちも忙しいしね」

 

「そうだな。あ、そうそう。ほむほむ達はまだ学校に行かなくて良いからな。あの後学園長から電話があって麻帆良祭中は忙しいから終わってから手続きをするそうだ」

 

「でしたら私達はどうすれば?」

 

「ま、少なくとも当日は麻帆良祭をゆっくり見物しててくれて良いよ。かなり……いや、とてつもなく大きい祭りだから楽しめると思う」

 

見てよし食ってよし遊んでよしだからなぁ。

 

「そ、そんなに……?」

 

「おう。ここ来る時に見ただろ? どこもかしこも準備してるの」

 

「そう言えば……」

 

「あの変な着ぐるみやあちこちにあった物も全部か!?」

 

「いえっす。この学園都市全てが祭り一色に染まるんだよ」

 

そういや、麻帆良学園って全体で何人いるんだろ? 中等部だけでも大体一学年14クラス程度の30人前後で男子女子合わせて…………と、とにかく沢山いるって事だな!

 

「凄い……」

 

「想像がつかないです……」

 

「僕も初めてだから少し楽しみだよ。学祭限定のドリンクとかは特に、ね」

 

「ドリンク? フェイト様、そのドリンクと言うのは……?」

 

「ん? ああ、それじゃ説明がてらみんなの歓迎会始めっか! 今日は適当にお惣菜買ってきたし!」

 

「私達の……」

 

「歓迎会……?」

 

え、何その予想外でしたって顔。普通歓迎するだろ。折角一緒に暮らしていく事になったんだし。

 

「みんな、これが彼と言う人間だ。……人間、だと思う」

 

「おいぃいいいい!? そこを疑問に思わないで!? 俺、人・間!」

 

「いやすまない。時折君が本当に人間か疑わしくなるんだ」

 

「ぶっ飛ばすぞテメェ!?」

 

「……お兄ちゃん、ドリンク飲みたい」

 

フェイトと口論していると、服の裾を引っ張って来るリア。その顔を見るとかなり眠そうである。そんなに遅い時間でもないと思うけど、引っ越し疲れかな?

 

「あー、それじゃフェイトにゃ色々言いたい事はあるけど、今夜は歓迎会っつー事で我慢するか。フェイト、ドリンク配ってー」

 

「分かったよ。これが君達の分だ」

 

「そ、そんなフェイト様が給仕のような真似をせずとも私達が!」

 

「いや、今日は君達が主役だ。それに、君達にはいつも世話になっているしね」

 

「フェイト様……!」

 

おお、何か良い雰囲気だなー。こうやって見ると、フェイトがほむほむ達に慕われてるってのがよーく分かる。……ネギ君みたいな奴だな。

 

「さて、それじゃ全員にドリンクが行き渡った所で――乾杯!」

 

「乾杯」

 

「……乾杯」

 

「あら、不思議な味……フタミン様、このドリンクは一体?」

 

「ん? 今日発見したMAHORAドリンクの一つ、『きの昆布汁【炎花パウダー入】』だけど?」

 

「「「「ブフォッ!!??」」」」

 

栞にドリンクの説明をしていると、ほむほむ達がいきなりドリンクを吹き出してしまった。ちょ、せっかくの新居になんてことを!! しかも寝るとはどう言う事だ!

 

「こ、暦!? 環に調、ほむほむまで! ど、どうしたの!?」

 

「おや、彼女達は寝てしまったのかい?」

 

「あ、はい……。でも、飲みかけなのに……勿体無いですわ」

 

「……勿体無い」

 

「仕方ない。また明日飲める様に冷蔵庫に入れておくか。しおりん、俺達は準備で朝早く出るから、家の事とかみんなで分担して頼むぞ?」

 

ほむほむは良いと思ったのにしおりんて、捻りがないな……。いや、あまり捻りを入れても仕方ないんだけどさ?

 

「お任せ下さいフタミン様。フェイト様、明日からお気を付けて」

 

「ああ。心遣い感謝するよしおりん君」

 

「……お兄ちゃん、寝よ?」

 

「こらこら、ちゃんと風呂に入らなきゃダメだろ?」

 

「……分かった」

 

「あの……もしかしてフタミン様とリアさんって……」

 

「あれ、言ってなかったっけ? リアがまだ一人で寝るのは寂しいって言うからさ、一緒に寝てんの」

 

「そうでしたの……とても良いお兄様ですわね」

 

初めてリアとの関係を肯定されたその言葉に、俺の涙腺が崩壊する。

 

「う、うぅっ……! しおりん、お前って奴は……!」

 

「え、ええぇっ!?」

 

「……お兄ちゃん、泣いてるの?」

 

「おそらく、初めてリア君との関係をロリコン以外で表されたからじゃないかい? ロリコン以外の何者でもないと思うけれど」

 

「パンチ!」

 

「危ないじゃないか」

 

人をロリコン呼ばわりした不届き者に鉄拳制裁を加えようとしたが、寸での所で俺の拳が止まる。これだから魔法使いって奴は……!

 

「障壁とか卑怯だぞこの野郎……!」

 

「そんな事言われてもね。僕のはオートガードだから」

 

「もっと卑怯だ!?」

 

「や、やはりフタミン様が攻めでフェイト様が受け……ブハッ!!」

 

「うおおっ!?」

 

「え」

 

「……鼻血出した」

 

何この大惨事……しおりんはいきなり鼻血噴出してブッ倒れ、暦達はドリンクを口から垂れ流したまま寝てる……。これ、マジでどうすんの?

 

「うわ、汚ぇナ……」

 

「ちょっと寝てる間に大惨事デスネ……」

 

「ま、私達には関係ない話デスガ」

 

「いや、関係あるよ大アリだよ!? お前らもここで暮らすんだろうが!」

 

何で無視決め込もうとするのこの子ら!?

 

「すらいむデスシ」

 

「答えになってねーし! ああ、もう! フェイト、お前だけが頼りだ。キッチリ掃除するぞ!」

 

「やれやれ、仕方ないね……」

 

「……私も手伝う」

 

「リアは明日も早いんだからもう寝てなさい」

 

「……むぅ……分かった。でも、お兄ちゃんも、早く来てね……?」

 

「ああ、片付け終わって風呂入ったらな」

 

「……待ってる」

 

それから、さっきの話し合いの時に決めたそれぞれの部屋に全員を運び込み(部屋数多くて驚いた)、床に付着した鼻血を拭き取ったり壁に飛び散った鼻血を拭き取ったりしていると、あっと言う間に日付が変わってしまった。

 

「やっと終わったぜ……」

 

「やれやれ……しおりん君やほむほむ君達にも困ったものだ」

 

「全くだ。さて、風呂入ってとっとと寝るか……」

 




~今回の出来事~
・作者、初めての三人称に挑戦
・栞は全力でキャラ崩壊
・ほむほむ!


今回のお話は、結構日が空いたりしながら書いていたので中々グダグダしています。いや、最近ずっとですよね、ごめんなさい。
そして、いい加減に時間軸を進めないとですね……いつになったら麻帆良祭始まる事やら……。
焔=ほむほむ、はやりたかったネタの一つでもあります(笑)



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