MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

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また日が空きまして申し訳ありません……。


36時間目 過酷な修業?

「え、ネギ君が?」

 

「……うん、最近やつれてる」

 

「ほう? エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルの修行は余程過酷なようだね」

 

「エヴァ……エヴァなぁ……」

 

あの仮契約の一件以降エヴァとは会ってないけど……ぶっちゃけ会いたくない。なんかスゲェボロクソ言われそうだもん。

 

「……奴は、敵」

 

「そう言えば先日の南の島で何かあったみたいだけれど……どうしたんだい?」

 

「お前は……口が固いか? 誰にも言わないって約束出来るか?」

 

「? まぁフタミンがそれを望むのなら約束しよう」

 

「よし、なら話すが……俺、エヴァにキスされた」

 

「……正確に言うと、無理やり仮契約させられた。許すまじ……」

 

そういやカードがどうのこうのとかカモ君言ってたな……今度会ったら聞いてみるか。

 

「なるほど……だがいくらサウザンドマスターの呪いにより封じ込められているとは言え、彼女程の魔法使いの従者になった恩恵はかなり大きいと思うよ?」

 

「うーん……そう言うもんかねぇ……」

 

「……そこだけは、認めるしかない」

 

「リアまで……まぁ、じゃあラッキーとでも思っておけば良いのかな?」

 

「そうだね。で、話を戻すけれど、ネギ君はそんなに過酷な修業をしているのかい?」

 

「……多分。昨日も今日もフラフラだった」

 

あのネギ君がフラフラになるまで修業を……。一体どんな修業をしてるんだ?

 

「なら明日ちょっと見に行ってみっか!」

 

「フ、君ならそう言うと思っていたよ」

 

「……尾行は任せて。見つけたらすぐに連絡する」

 

「おう、頼んだぜリア!」

 

なんでネギ君がそこまでして頑張るのかも気になるしなー。エヴァの事はまぁ……もう気にしない事にした! リアがじゃれて来るのと同じレベルだと思えば全然! リアはキスなんてしないけどな!

 

「と、言う訳で俺達も同行するぜ!」

 

「そう言う事だね」

 

「ちょ、また増えた!?」

 

「二見さん……素直にエヴァンジェリンさんの所に行きたいと言えばよろしいのでは?」

 

「え、何で? てか綾瀬……何か機嫌悪くない?」

 

「いえ? 別に私は至って普通ですが?」

 

いや、そんな事ないと思う。明らかに睨まれてるもん俺。……俺、何かしたっけ?

 

「はいはい、痴話喧嘩してないで行くよー」

 

「なぁ綾瀬……」

 

「しっ、行きますよ」

 

「……お兄ちゃん達、喧嘩?」

 

「心当たりが全くないんだが……」

 

side-夕映

 

「はぁ……」

 

全く……自分のアホさ加減が嫌になるです。何故だか二見さんの顔を見るとあの南の島でエヴァンジェリンさんとキスしたあの光景が浮かんできて……どうしようもなくイラっとします。しかし、それはあくまで私の問題であってそれを二見さんにぶつけるのはお門違いというもの。あのキスは仮契約の物ですし、そもそもあれは二見さんの意思ではなくエヴァンジェリンさんの……詳しくは分かりませんが意趣返しによるもののようでしたし。……あとでキチンと謝っておかねばなりませんね。

 

「……しかし」

 

しかし、何故ここまでイラっとするのでしょうか……。あの時感じたのはまず戸惑いと驚愕が第一。その次にこの苛立ち。と言うか、友人のキス見て苛立つとか訳が分からないです。これではまるで嫉妬ではないですか! 私と二見さんはあくまで友人、部活仲間です。特段顔が良かったり背が高かったりするわけでもなく……いえ私は人の事を言える程発育が良いわけではないので外側で人を決める等と言う事はしませんが……。ま、まぁこの際それは置いておくとして……結局、私は二見さんの事をどう思っているのでしょう? 憎からず思っているのは確かです。ですがそれが友人に向ける類のものなのか、それとも――男性として意識しているか……あうぅ。

 

「ゆ、ゆえー? 顔真っ赤だけど、大丈夫?」

 

「ひぅっ!? の、のどか、だ、大丈夫ですよ! さ、行きましょう!」

 

言えません……いくら親友ののどかでも、同じ部活の男性を好きかどうかで悩んでいるなどと……! と言うか、物凄く恥ずかしい事考えてませんか私!?

 

sideout

 

とりあえず綾瀬の事は後で何とかするとして、俺は目の前の2人に意識を集中する事にした。

 

「あ、エヴァんち入ってく」

 

「うひゃっ!? 雨降ってきたなー」

 

「雨降ってるから室内で修業アルか?」

 

「えー、あんな狭い場所で? まさかー」

 

「……いけば、分かる」

 

確かにリアの言う通りだな。それに雨も降ってるから雨宿りもさせてもらうとしよう。

 

「って、誰もいないじゃん!」

 

「あれ、確かに入っていったんだけどなー」

 

「探してみましょう」

 

「……こう言う時は、地下が基本」

 

「ふむ、おそらく『アレ』を使っているんだろうね」

 

アレって何だろう? リアとフェイトの後ろについていくと、地下室にポツンとボトルシップのようなものが鎮座していた。

 

「おや、リアさん達も来たですか」

 

「……うん。やっぱり、あった」

 

「大体予想通りだね」

 

「あれー……?」

 

「のどか? どうかしたですか?」

 

「あの、今ネギ先生がこの中に見えたような……」

 

え、ネギ君がこの中に? ……ガリバー○ンネルでも使ったのかな? でないとこの中に入るなんて無理だぞどう見ても。

 

「なるほど……とりあえず皆さんを呼びましょう。フェイトさん達は心当たりがあるようですし」

 

「じゃ、じゃあ私呼んでくるねー」

 

それから数分で来ていたメンバーが全員集まった。

 

「全員集まったみたいだね。では簡単に説明しよう。これは、魔法使いが使う別荘だよ」

 

「別荘?」

 

「ああ。例えば集中して修業したい時などに使われているね。中は通常とは別の空間になっているから」

 

「へー、そんなもんもあるのね」

 

「魔法使いって凄いアルなー」

 

「でも、これどうやって入る――んだ?」

 

次の瞬間、目の前の景色が変わってエヴァのログハウスから一転、見た事のない場所にいた。

 

「え、なにここ。つーか俺1人!? 他のみんなは!? リアもフェイトもいねぇ!?」

 

何が起こったのさこれ! 誰か! 誰か説明求む!

 

「しかもここめっちゃ高いし……」

 

「およ?」

 

「ほぇ?」

 

「あっ……?」

 

「あや?」

 

「っ!」

 

「あ、みんな来た! 良かった……俺1人でこんな所に放り出されたのかと思った……」

 

あといないのはリアとフェイトと神楽坂か……まぁ、フェイトがいりゃなんとかなるだろ。

 

「ふたみん、ここどこよ?」

 

「いや、分かんね。でも、なーんか見た事あるような気はする」

 

「そう言えばそやね~」

 

「では二手に分かれましょう。まずネギ先生達を探すグループ、ここでまだ来てない方を待つグループ」

 

「俺はリア達待つよ。来た時俺がいなかったら心配だしな」

 

「では私も残りますか。状況説明できる人間が必要でしょうし」

 

……あれ? 俺遠回しに馬鹿にされてない? 気のせい? あ、でも綾瀬も残ってくれるなら、さっきの事ちょっと聞いてみよう。

 

「おっけー! じゃ、探しに行きますかー!」

 

「見つけたら呼ぶアルよ!」

 

「はい。お任せしました。――で、二見さん」

 

「あ、うん?」

 

「……先程はすみませんでした。何故だか急に苛立ちを覚え、変な態度を取ってしまいました」

 

「えっと……その苛立ちってのは俺に何か原因とかある?」

 

だったら謝るなりなんなりで原因取り除こうとは思うんだけど……。

 

「い、いえ別に二見さんがどうと言う訳ではなく単に私の気持ちの問題と言うだけでして、でもしかし全く二見さんが悪くないかと言うとそうでもないような、って私は何を言ってるですか!?」

 

「俺が聞きたいわ! お前どうした!?」

 

「ハッ……! し、失礼、忘れてください……。自分でもどう処理したらいいか分からない感情に些か我を見失っていたようです……」

 

「そ、そう?」

 

「え、ええ。と、とにかくですね。先程の件ついては私に非がある事ですので二見さんが気にする事はないですよ」

 

「ま、まぁそう言う事なら良かった……俺知らないうちに何かしたのかと……」

 

あれ、でも何で俺こんなに綾瀬との仲が悪くなる事気にしてんだ? そりゃ仲悪くなりたいとか思ってるわけじゃないけどさ。

 

「い、いえ。直接的に何かしたわけではないのでどうかお気になさらず。それより……アスナさん達遅いですね」

 

「確かに……ひょっとして他の場所とか?」

 

「考えられなくはないですが、我々がここから来た以上、おそらくここが出入口なのでしょう。となるとやはりここで待っているのが賢明かと」

 

「なるほどなぁ。あ、これ飲む? 途中で買ってきたんだけど」

 

「おや、『いちごーラ~ぶどう味オレンジ風味~』ですか。いただきます」

 

「おう」

 

渡そうとしたその時、思わず手が触れ合い慌てて引っ込める。あ、あれおかしいな? 今までこんな事なかったぞ? なんだこのムズムズする感覚は!

 

「わ、悪ぃ!」

 

「い、いえこちらこそっ!」

 

「えーっと……」

 

「あぅ……」

 

少し二人して黙りこくってしまうが、やがて綾瀬が笑みを浮かべた。

 

「……ふふ、止めにしませんか? 今更私達の間で遠慮など無用でしょう? 私としてもその方が気が楽です」

 

「ははっ、確かに! ……んじゃま気を取り直して……ここどこだろうな?」

 

「……気づいてなかったですか?」

 

え、なにその可哀想な子を見る目! 俺そんな変な事言ったか!?

 

「み、見た事ある場所だなーと思ってました!」

 

「はぁ……フェイトさんが言っていたでしょう? ここは『別荘』だと。つまり、ここはあのミニチュアの中なのですよ。どうやって入ったのかとかは魔法と言う事で解決するのでしょうが……」

 

「へぇ……」

 

「あまり興味なさそうですね」

 

「いや、ここまで来たらそこまで驚く事もないかなって。色々ありすぎて逆にね」

 

「ああ……それは分かる気がします。ですが、私はここ最近の非日常な出来事には心躍る思いですよ?」

 

「それは同感。まぁ、具体的に何がどう出来るってわけでもないけどな」

 

やっぱりまずは一刻も早く魔法を覚えたいな! ……その為の勉強をしなきゃってのがネックではあるんだけど……まぁ、なんとかなるだろ!

 

「……お待たせ」

 

「君達からすると15分くらいかな?」

 

「お、2人とも来たか。となると後は神楽坂だけ?」

 

「そうなるね。まぁ、もうすぐ来るとは思うけど」

 

「ではもう少し待ちますか」

 

それから少しすると、フェイトの言う通り神楽坂がやってきたので、みんなが行った方向へと進んでいく。

 

「おーい、こっちこっちー!」

 

「この下から声がしたみたいアルよ!」

 

「十中八九ネギ先生達ですね」

 

「だな!」

 

だが、そこで繰り広げられていた会話の内容は……

 

『も、もう限界ですっ!』

 

『ふふ、ぼーやはまだ若いんだ。すぐに回復するだろう?』

 

『ダ、ダメですよエヴァンジェリんさん……!』

 

『私の事は師匠と呼べと言ったろう?』

 

「「「「!!??」」」」

 

「……お兄ちゃん、聞こえない」

 

「お、お前にはまだ早い!」

 

「ふむ……」

 

ネ、ネギ君とエヴァさんや! お、おお前ら一体ナニやってんの!!??

 

 

 




~今回の出来事~
・結構無理やり感がある
・ネギ君とエヴァにゃんがナニしてる
・最近原作に絡みすぎ


今回は本当はネギ君の過去編まで突入する予定だったのですが……どうしてこうなった(白目
その上ドリンク成分も少なめ……次こそは!

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