MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

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そりゃ2人もお持ち帰りしていつもの日常とはいきませんよね。


28時間目 でもやっぱりいつもと違います

「なーなー、ふたみん、フェイトきゅんは俺達のクラスに来るんだろ? って事はすっごく頭良いんだよな?」

 

「まぁ、そうなるな」

 

登校途中、いつもなら遅刻寸前まで寝てるのに珍しく起きて一緒に来た武村がそんな事を言い出した。

 

「じゃあ! ルームメイトの俺達は勉強を教えてもらえる……! あの鷲崎と俺はついにバカコンビから脱出する事が出来るのだっっ!!」

 

「お前どうせ勉強してる最中に寝るから無駄だろ。期末前の勉強会を思い出せ」

 

「あ、あれは中林君が眠たくなるような事ばかり言うからであって!」

 

「……そうか。なら今後一切武村君には勉強を教えない事にしよう」

 

「……え?」

 

「お、中林君おはよう」

 

いやぁ、こうしてみんなと会ったりすると、帰ってきたなぁ。って感じだな! やっぱり周りが女子ばっかなんて落ち着かないし!

 

「おはよう二見君、修学旅行は大変だったね」

 

「いや、それが案外楽しめてさー。子供先生にも会えたし、世話になる事になったクラスの奴らは親切だし」

 

「そうか、なら良かったよ」

 

「そうそう! 聞いてくれよ中林君! こいつ、可愛いゴスロリ美少女と白髪の少年連れて帰ってきたんだぜ!? どう思う! しかも2人ともルームメイトに!」

 

「ゴス、ロリ……?」

 

「おい」

 

みんな平常運転でなによりです。

 

「二見君、今度部屋に遊びに行かせてもらっても良いだろうか?」

 

「そこまで露骨に下心出されたの初めてだよロリ林君」

 

「なっ!? ぼ、僕は別にそう言うつもりでは……っ!」

 

「「図星だな」」

 

と言うか、やっぱりロリコンだったのか……。いや、俺も今はそんな事を言われても仕方ない状態なんだけどさ……。

 

「む、ぐ……! そ、そうさ、僕は幼女が大好きさ! 愛してると言っても過言ではない! だがそれが何か!? ロリコンの何が悪いと言うんだい!!」

 

「お、おいどーするよふたみん。ロリ林君壊れちまったぞ……」

 

「俺に言うなよ……とりあえず、教室行こう」

 

道のど真ん中でブッ壊れたロリ林君を引きずりつつ、俺達は教室へと向かう。教室に着く頃には落ち着きを取り戻したようで……。

 

「……ごめん、忘れてくれたら嬉しい」

 

「俺達こそ……ごめん。な、武村」

 

「だな……」

 

「お、久しぶりだなーふたみん! 聞いたぞ、お前ロリっ子と同せ」

 

「「「アッパーッ!!」」」

 

大惨事になる前に俺・中林君・武村の右アッパーが鷲崎の顎にクリーンヒットした。

 

「い、痛いじゃないか! 俺はただ純粋に幼女と戯れるロリみんが羨ましくてだな……!」

 

『おい聞いたか。ふたみんがロリみんだとよ』

 

『なに!? ロリみんが幼女を侍らせて○○○や×××をしてるだと!?』

 

「こいつら全員ぶん殴っていいか?」

 

「良いんじゃないかな? あと、幼女の所をもっと詳しく……」

 

「お前らいつまで騒いでいる。席に付け。今日は転入生を紹介する」

 

転入生……フェイトか。一応俺と親戚設定にはしてるみたいだけど、大丈夫なのか? ……いや、大丈夫だな。中林君以外バカだし。……中林君もバカな気がする。登校してる時の件でもそうだけど、やっぱハワイでなんかあったんじゃねぇのか!?

 

「グラヒゲ先生! それって男の子ですかそれとも男の娘ですか!?」

 

「意味が分からん事を言うな。さぁ入れ」

 

「フェイト・アーウェルンクス。フタミンの親戚だ。よろしく」

 

「アーウェルンクスは帰国子女だが日本語は問題ない。が、まだ言葉遣い等になれない部分があるだろう。席は二見の隣にしてある」

 

「分かったよ。フタミン、ここでも頼むよ」

 

「おう」

 

ところで、珍しくこのクラス静かなんだけど、一体どうした?

 

「何か質問のある奴はあるか? ないならHRはこれで終わりとする。今日は授業もないから面倒を起こす前にさっさと帰れ。あと、個人への質問は休みの日に寮とかで勝手にやれ」

 

「――で、君はどんな性癖の持ち主だ?」

 

グラヒゲ先生が出て行った直後、そんな事を聞いたのは筆頭バカの鷲崎。またクラスの全員が身を乗り出してフェイトの発言を待っている。

 

「そう言うのは僕にはないね。好きなものはコーヒー、最近最も興味があるのは不思議ドリンクさ」

 

フェイトがそう言った瞬間、一瞬でバラけて帰り支度を始める我らが3-C。おい、テメェらどう言う意味だそれは。

 

「さ、さすがふたみんの親戚……まさかそこまで同じだとは……!」

 

「知ってるか……? 部屋の冷蔵庫、あのドリンクで満たされてるんだぜ……?」

 

「……お兄ちゃん、いた。かえろ?」

 

「うげっ!? リア、お前なんで教室まで来ちゃってんの!?」

 

「「「「「銀髪蒼眼ロリ美少女……っ!!??」」」」」

 

女子中等部の制服に身を包んだリアは俺を視認すると駆け寄って来て服を掴んでくる。……ああ、これで俺も今日からロリコンの仲間入りかぁ。などと現実逃避をしていると

 

「みんな! こいつが全男子の敵、ロリみんだ!!」

 

「「「「「殺せぇっ!!!」」」」」

 

「ちょっ!? 中林君、君からも何か……」

 

「人にこんなに殺意が湧いたのは初めてだよ……!」

 

「こいつ真性ロリコンだったー!! おら、フェイトにリア! 逃げんぞ!!」

 

あいつら完全に目がイってる!! ヤバイ匂いしかしねぇ、早くこいつら抱えてこの場から逃げないとマジで死ぬ!!

 

「僕は関係ないのだけど……」

 

「……お兄ちゃんに抱っこされた……嬉しい」

 

「そう言う事言ってる場合じゃないの!!」

 

「A班は東階段を塞げ! B班は西階段を! C班はこのまま変態ロリコン野郎を追い詰める!!」

 

「お前にだけは言われたくねぇよ!! 覚えてろ武村ぁっ!!」

 

東階段、西階段は塞がれた。となると階段で降りる事が出来ない……窓から飛ぶか? ……いや、待てよ?

 

「フェイト、あの転移魔法とやらで外に出れないか!?」

 

「出れるよ? 何故そうしなかったのだろうと不思議に思っていたけど」

 

「最初に言ってくれないかな!? っしゃ、リアしっかり掴まってろよ!」

 

「……うん」

 

「「「「「ブッ潰せ!! ブッ殺せ!!!」」」」」

 

「見られると後が面倒だからあの角曲がったら転移するよ。備えて」

 

「お、おう!」

 

フェイトの言う通り、角を曲がるとそこは外……つまり転移できて外に出れたと言う訳だ。校舎内からロリみんどこいった! とか聞こえるが……無視しよう無視。

 

「あー……大変な目にあった」

 

「……迷惑、だった?」

 

「別に迷惑じゃねーけど、次からは来る時に連絡しろ?」

 

「……うん、分かった」

 

「そうだ。リア、お前どうやってここに来た? 3-Aの誰かに聞いたのか?」

 

「……ユエに聞いた。一緒にも来てくれた。ハルナも」

 

「おーい、ふったみーん!!」

 

呼ばれた方に顔を向けると、綾瀬とパルがいた。てか待ってたんだな。一言礼を言わんと。

 

「おー、リア送ってくれたみたいでサンキューな」

 

「いえ……さすがにあの顔であのような事を言われたら……」

 

「……ねぇ? 全員ついてくるとか言うし……とりあえずじゃんけんで勝った私と夕映だけが来たのよ」

 

リア、大人気である。

 

「リアの初日はどうだった?」

 

「そうですね。まぁ、既に修学旅行で挨拶は済ませてましたので特にどうこう言うのはなかったですね」

 

「強いて言えば、可愛すぎて私らが辛いってとこ? 休み時間の度にお兄ちゃんの所に行くって涙目で懇願されて……一体何人が堕ちた事か」

 

「真っ先に堕ちた貴方が何を言いますか」

 

「だってこの可愛さよ!? ネギ君と同等、いやそれ以上よ!? そりゃふたみんロリコンにもなるって! 仕方ないって!!」

 

……まぁ、リアは受け入れてもらえてるようで何より。さっきの休み時間の度に云々やロリコン呼ばわりはこの際聞かなかった事にする。

 

「それでやたらベッタリしてるって訳か……リア、そろそろ離れなさい」

 

「……むぅ、お兄ちゃんがそう言うなら」

 

「さて、僕は一足先に帰らせてもらうよ。まだ読み終わってない本があるのでね」

 

「あ、私も原稿の締切がそろそろ……じゃ、私もこの辺で! リアちゃん、また明日ね!」

 

「……また、明日」

 

「ハルナは行ったですね……二見さんにお話と見ていただきたいものがあるのです。本当はフェイトさんにも見ていただきたかったのですが……」

 

「ん?」

 

「付いてきてください」

 

良く分からないまま綾瀬についていくと、そこには宮崎さんもいた。……一体何しようってんだ?

 

「あ、ふたみんさんこんにちはー……リアちゃんもー」

 

「これを見ていただけますか」

 

「なにこれ」

 

「……地図?」

 

「ええ。コピーではありますが、ネギ先生からの依頼でここに父親の手がかりがあるとの事です」

 

「ふぅん。で、それを探すのを手伝えと?」

 

でも、英語で書かれてて俺には何がどうかなんてさっぱりなんだけど。

 

「やはりこういうのは人手が大いに越したことはありませんからね。何か用事でもありましたか?」

 

「いや、特には。じゃ、リアも手伝ってくれ。俺英語読めねぇ」

 

「ただの暗号ですよこれ。まぁギリシャ文字で書かれてるので逐一解読しつつになりますが」

 

「もっと読めるか!!」

 

「……まぁ、何かそれっぽいものを見つけたらで良いのでお願いします。翻訳の本もお渡ししますので。私とのどかは7枚目までをもう一度探しますので、二見さんとリアさんは8枚目以降をお願いするです」

 

「了解」

 

「……おー」

 

でもこの地図、良く見たら麻帆良の地下じゃね? 辛うじて麻帆良学園って書いてあるのが読めるし。……何で麻帆良の地下にネギ君のお父さんの手がかりがあんの?

 

「……ま、いっか。んじゃ、一枚ずつ探すか」

 

「……うん。じゃあ、私が文字を読んでいく、ね……?」

 

「おう助かる……あ、いやちょっと待て。なぁこれ……『オレノテガカリ』って書いてある気がするのは気のせいか?」

 

似顔絵(ドヤ顔)付きでオレノテガカリって書いてあるんだけど……。

 

「……おお。ギリシャ文字ばっかりだったから見逃した。……やっぱりお兄ちゃんはスゴイ」

 

「何と言うか……俺にも読める文字ないかなーと探した結果だからそこまで凄いというもんでも……ま、いいや。おーい、綾瀬ー! 多分見つけたー!」

 

「なんですと!? 一体どこに……」

 

「す、すごいですー……!」

 

「ここに……」

 

そう言って先程見つけた似顔絵を指差す。……その上に書いてある絵はなんだろう? 動物か何かかな……DANGERって書いてあるけど……これ危険って事だよな?

 

「「……オレノテガカリ……?」」

 

「どう思うよこれ?」

 

「……いやいや、流石にこれはもう見つけてあるでしょう」

 

「わ、私もそう思いますー……」

 

「だよなぁ?」

 

「……でも、暗号に集中しすぎて抜けた可能性も、あると思う……」

 

「「「……」」」

 

リアの言葉に思わず黙る俺達。……あの真面目なネギ君だもんなぁ。きっと手がかりは暗号の中にあるハズ! とか思ってそうだなぁ……。いや、普通はそう思うか。

 

「ま、まぁとりあえず後日ネギ先生に聞いてみるです。私達は他にも手がかりがないか探してみます」

 

「おう。で、俺達はどうすりゃいい?」

 

「そうですね……後は私達で何とかしますので二見さんとリアさんはドリンクをお願いするです」

 

「OK。んじゃ、リア行くぞ」

 

「……うん」

 

「ではまたネギ先生に説明する時にお呼びしますね」

 

「さよならですー」

 

「おう、待ってるぞー」

 

でも、その時に俺必要なの? 俺が見つけた、って言うくらいしか出来る事ないと思うんだけど。

 

「……あ、見つけた。『コンソメよ~ぐると(フルーツミックス味』」

 

「ほう。早速買うとしよう。ほれ、リアの分」

 

「……ありがとう」

 

ふむふむ……まず最初にコンソメの旨味、次にヨーグルトの酸味、さらに様々なフルーツの甘味が来て全てが絶妙に調和せず何とも言えない奇妙な味に仕上がっている……これは面白い味だ!

 

「何とも面白い味だな!」

 

「……うん、美味しい」

 

あ、そういや修学旅行で買った分とかまとめて学園長に渡さないといけないな。賞味期限は全然大丈夫だったからまた持っていくとしよう。

 




~今回~
・フェイト君、段々俗っぽくなってきてる……?
・リアちゃん年上キラー
・ふたみん→ロリみんへ
・学園長、天国へのカウントダウン

注:地図の文字ですが、原作がギリシャ文字で暗号化されてるのかは知りません。原作読み返しても凄く難しい暗号としかなくて……文字の形からそう判断しています。違ってたらごめんなさい。


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