MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

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ここからはしばらく原作沿いにストーリーが進みます。が、オリ主が特に魔法等に絡む事はありません。しばらくは。どこまで一般人を貫けるか……


13時間目 慌ててる時こそ慎重に

「よ、よし! なんとか電車には乗ったぞ! これで後は新幹線の駅に着くまで安心だ……」

 

っと、いかん。そう思った急に眠気が…………ま、誰か気付いて起こしてくれるだろ。寝よ寝よ……。

 

…………

 

………

 

……

 

 

「んむ……今何時だ?」

 

電車が揺れる音で目が覚めた。――って結局誰も起こしに来てくれなかったのかよ。みんな冷たいな……。

 

「えーっと……もうこんな時間か? 結構寝てたなぁ」

 

『次は――東京駅、東京駅です。お降りの方はお忘れ物の無いように――』

 

「ん? 東京駅? ……ま、とりあえず降りるか」

 

……みんなで一緒に行くから。とか思ってたから新幹線のどの路線とか全然覚えてないぞ……。

 

「ま、まぁ何とかなる……よな?」

 

こーゆー時は人に聞いてみるか。

 

「すんませーん。空港行きの新幹線はどれですか?」

 

「空港行き? ああ、それならそこの新幹線――」

 

「なるほど! ありがとうございました!」

 

「――の一つ向こう側……っていない……」

 

親切なおじさんに教えてもらい、空港行きの新幹線に乗れた。うんうん、やっぱり何とかなるもんだな。

 

「さーって、後は空港までのんびりするだけだぁ」

 

武村達は発車してから探そう。

 

それからだいたい10分もしたら新幹線が動き始めた。

 

「うっし、探しに行くか!」

 

何両目に乗ってるんだ? て言うかここ自体何両目だろう?

 

「んー……とりあえず前に行くか」

 

荷物も持って行った方が良いよなー。盗まれたら困るし。

 

「まず一両目! ……違うか。よし、次!」

 

と、まぁこんな感じで探していくが……

 

「おかしいな。あいつらどころかクラスメイト一人見つかんねーぞ。一応もう一両見ておくか」

 

次で居なかったら本格的にどうしよう?

 

ドアを開けると――

 

「あら? 君は……」

 

「え、源先生?」

 

何故かそこには源先生がいた。んんん? 何でだ? 源先生は女子部の担当だったハズ。

 

「男子中等部で『京都』行きのクラスは無かったと思うのだけど……私の勘違いかしら?」

 

さらにとんでもない事が聞こえた気がするぞ?

 

「あのぉ、源先生? 一つ聞いても良いですか?」

 

「はい?」

 

「えっと、この新幹線って空港行きじゃないんですか?」

 

「違うわよ? 確か空港行きは一時間前くらいに着いてるハズだけど……」

 

「……へっ?」

 

え、え? ちょ、ちょっと待とうか!? 空港行きが一時間前!? そしてこの新幹線は京都行き……? って事は……。

 

「あらあら……時間もそうだけど、新幹線乗り間違えたのね」

 

「NO~~~~!!!???」

 

なんでだよ!!!! 遅刻とかのレベルじゃねーぞ!? 新幹線乗り間違えるとかどこの漫画だよ!!

 

「しずな先生! 何かあったんですか!? 今誰かの叫び声が……ってこの男の人は……?」

 

「あら、ネギ先生。実は……」

 

…………

 

………

 

……

 

 

「え~、と言うわけで皆さん! ちょっとした事故で今日だけ一緒になる男子中等部3-Cの二見隼人さんです!」

 

「……ども。3-Cの二見隼人です。新幹線乗り間違えたクズです……笑ってやってください」

 

源先生の計らいにより子供先生……つまりは綾瀬のいるクラスの元へと来たわけだが……。今の俺はそれどころではない。会ってみたかった子供先生が目の前にいるが……それよりも初めての海外旅行がオシャカになってしまって俺の心は大変ブルーなのだ……。いや、自業自得だけどさ? それでもこのガッカリ感は半端じゃない訳ですよ! あ、良く見たら子供先生の方にネズミが乗ってる……ペットなのか?

 

「「「「「……(わ、笑えないっ!)」」」」」

 

「アハハ、俺の事は道端に転がってる石か何かと思ってみんなは楽しんでください」

 

「せ、せっかくですから二見さんも一緒に楽しみましょうよ! その方が絶対良いですよ!」

 

「そうね。神多羅木先生には私から連絡しておくわ。非常事態だけれど向こうはもう空の上だし……」

 

うぅっ、先生方の優しさが身に沁みるっ! こうなったら……前向きに行ってやろうじゃないか! ハワイに行きやがったあいつら以上に京都楽しんでやるもんね!! それに俺も明日にゃハワイで合流できるしな!

 

「……ま、確かに終わった事をグチグチ言っても仕方ないっすね。えー……と言う訳で今日1日だけだと思うけどよろしくな!」

 

「よろしく、ふたみん!」

 

「ふたみん止めろやパル!」

 

「あれー、パル知り合い?」

 

――そっから話してて分かったが、3-Aはかなりテンションが高い。なので俺もすぐに打ち解ける事が出来た。いやー、女子の中に放り込まれるってなった時はどうなるかと思ったけど、良かった良かった。

 

「えー! それじゃあ寝坊して遅刻しかけた上に乗り間違えたの!?」

 

「笑いたきゃ笑えやちくしょう!」

 

「「「「「あははははっ!!」」」」」

 

「マジで笑うなー! 泣くぞ!? 男のマジ泣きなんて見苦しいだけだぞ!?」

 

予想以上に容赦ねえぜ3-A……。面白い奴らだ。

 

「元気ですね二見さん」

 

「おう、綾瀬か。お前は何してんだ?」

 

「これからみんなでお菓子を賭けてカードゲームをする所です」

 

「カードって……ああ、あの魔法使うやつか。そういや俺もデッキ組まされたっけ」

 

絶対面白いからってクラスの奴らに勧められた。まぁ、俺としてはそこそこってな感じだったけど。

 

「ほう? では、一勝負いくですか?」

 

「おお! ここで夕映吉とふたみんが一騎打ちか!?」

 

「いや、俺カード持ってきてねえし。つーかふたみん言うなって! いつの間にか浸透してんなおい!?」

 

浸透させてなるものか! なんかそのあだ名女子に呼ばれるのこっぱずかしくて嫌なんだよ! 男に呼ばれるのは気持ち悪いだけです。

 

「まま、落ち着いてふたみん」

 

「そーだよふたみん」

 

「デッキなら私の貸してあげるからさふたみん」

 

「おかしい、何故かふたみんが定着している」

 

早くね!? 俺、まだこいつらと出会って30分くらいしか経ってないんですけど?

 

「ちょっと、よろしいですか?」

 

「えっ?」

 

誰かに呼ばれて振り向くと、ややキツイ視線を送ってくる金髪の子がいた。

 

「ありゃ、どったのいいんちょー」

 

「ええ。少しお話をしたいのですがよろしいですか、と」

 

「え、ああ、うん。別に良いけど……何?」

 

「では。事情が事情とは言えふたみんさんはご自身が男性である事を意識して行動してください。これは差別とかそう言うものではなく、当たり前の区別です」

 

なるほどなるほど。確かに一理あるかもな。気を付けよう。でも、ふたみん止めて? さらに後ろにさん付けるのもっと止めて?

 

「分かった。気を付けるよ、いいんちょー」

 

「貴方に委員長と呼ばれる謂れはありませんが……まぁいいですわ。それでは、良い旅を」

 

ほぇ~~~、真面目な人だなぁ。周りの皆も黙っちゃったし。

 

「あ、二見さん。ここにいたんですね!」

 

「お、ネギ君。今回はありがとな」

 

「いえ、困った時はお互い様と言いますし! 今日1日になると思いますけど、僕に何でも相談してくださいね!」

 

おーおー、綾瀬の言った通りしっかりしたお子様だ。先生をやっているのも頷けるしっかりさだ。

 

「いえいえそんな! ネギ先生のお手を煩わさずとも、この雪広あやかがふたみんさんの面倒見て差し上げますわ~~~~」

 

「あれ、おかしいな。知らない人がいる」

 

「いいんちょはネギ君ラブだからね~」

 

「ネギ先生ある所いいんちょあり、だね」

 

「へ、へぇ……」

 

すげぇな……こう、色々な意味で。何て言うんだっけ? 確か……ショタコン? ロリコンと対を為すとかなんとか。

 

「あの、一応二見さんにはどこかの班に入ってもらわないといけないんですけど……状況が状況ですし」

 

「え、そうなの?」

 

「はい。えっと、どこの班が良いかなぁ……」

 

俺としてはどこでも良いんだけど。一通り全員とは話したし。

 

「じゃあふたみんウチの班に来る?」

 

「あ、パルずるいー! せっかくだしウチの班に来てよふたみん!」

 

「いやいや、ここはウチの班に」

 

「そうですね……それじゃあくじを作るのでくじ引きで決めませんか?」

 

おお、さすが子供先生。この上なく分かりやすい決着方法だ。……そろそろネギ君もふたみん呼びになりそうで怖い。

 

「よぉ~っし! この際だし、当てちゃうよ~~」

 

「ゆーな、頑張ってね!」

 

「モチ!」

 

「おもしろそー! ボクはやるよー!」

 

――そうして決まった先は……。

 

「いよっし! ふたみんゲットだぜ!」

 

「オイコラ、俺は物か」

 

「では、二見さんは5班と言う事で……明日菜さんお願いします」

 

「ん、分かったわ。えーっと、パル達とは知り合いみたいだけど私は初めてだから一応自己紹介しとくね。私は神楽坂明日菜、このかとはルームメイトでネギの保護者みたいなもんよ。よろしく」

 

「ア、アスナさぁん!」

 

ほっほう、このツインテールはネギ君の保護者かぁ。って保護者いるのか? こんなにしっかりしてたらそんなんいらないだろ。

 

「おう、よろしく。保護者みたいっつってもネギ君くらいしっかりしてたら楽だろう?」

 

「そんな事ないって。こいつこう見えても――」

 

「も、もう止めてくださいよ~~!」

 

「はっはっは! 気にするなネギ君、せっかく知り合ったんだ、仲良くしようじゃないか。ほら、ドリンク飲めよ」

 

そう言って俺はカバンから買っておいた『醤油コーラ』を取り出してネギ君に手渡す。

 

「あ、ありがとうございます……。こくっ――」

 

「あ、ちょ! ネギ君それは――」

 

「ブバァッ!?」

 

「キャ――――!!?? ネギ、どうしたの!?」

 

「「「ネギく―――ん!!??」」」

 

む? どうしたんだろう? このドリンクも面白いと思うんだけどなぁ……。ネギ君嫌いだったか? この前の金髪ちびっ子もそうだったけど、子供は嫌いなのかな?

 

「おや? それは新作ですか?」

 

「おうとも、綾瀬も一本いるか?」

 

「もちろんです」

 

実は予備でもう一本あるんだよね。

 

「え゛!? 夕映ちゃんそれ飲むの!? さっきネギが思いっきり吹いてたけど……」

 

「普通に面白いですよ?」

 

「だよな」

 

「「「「判断基準そこ!!??」」」」

 

何故だろう、俺と綾瀬を除いた全員から奇異の目で見られる。はて?

 

「び、びっくりしました……」

 

「お、ネギ君味はどうだった? 面白かったよな?」

 

「え、は、はぁ……面白いと言いますか、不思議な味でした……出来ればあまり飲みたくない類の……」

 

あれ、やっぱ子供受けは良くないみたいだなこのドリンク。

 

「まぁ仕方ないですね。それでは二見さん、私達はカードバトルに戻ります」

 

「おっとそうだった! お菓子が賭かってるんだし、負けられないよ~~!」

 

それから俺の事は落ち着いたのか、思い思いにみんな行動し始めていた。ちなみに俺は綾瀬達のカードバトル見ている。え、ネギ君? 気がついたらどっかいってた。

 

「へぇ、チーム組んでるのか」

 

「そうですよ。まき絵さんと風香さんは違いますが、私とゆーなさん。桜子さんとハルナのチームで勝負してます」

 

場を見ると、綾瀬がじわじわと相手のポイントを削って行き明石がトドメを指すと言った戦法を取っているようで……。

 

「ハイ♪ 「炎の呪文」カード。パルに5点の攻撃!」

 

「あ――ん! やられた死んだ――っ!!」

 

「あらま、残念だったなー」

 

「ふふふ、私のカード「恐怖のカエル地獄」がじわじわと効いていましたからね」

 

あー言うじわじわ系のカードって結構エグイよな。パルも対策してたらなんとかなっただろうに……。

 

「くっそ~~、にっくきカエルめ~~!」

 

「ハイハイ、罰金チョコレート5個ね♪」

 

「どうです? やりたくなったでしょう?」

 

「そうだなー。俺もデッキ持ってきてたら参加してたんだけど……」

 

ハワイの事で頭がいっぱいだったからなぁ。あと急いでたし。

 

「私のを貸しましょうか? 二見さんの戦法にもよりますが、一応万能型でデッキを構築していますよ?」

 

「あ、なら貸してもらおうかな」

 

「キャ……キャ――ッ!?」

 

そこへ突然、パルの悲鳴が車内に響いた。

 




新幹線を乗り間違える。こんなお馬鹿な奴が主人公で大丈夫なのでしょうか……(滝汗)
でもまぁ、本当の主役はドリンクです! 学外ですのでMAHORA印ではありませんが、不思議な不思議なドリンク達が多数登場(予定)!


そろそろ、生意気を言っても良い頃でしょうか? ……ご感想等頂けると嬉しく思います!

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