MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

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こう言う馬鹿な作品書いてると何か安心する自分がいます。


第一部 研究会発足の発端
0時間目 これが噂の?


ようやく酷暑が過ぎ去ったかと思いきや、残暑が厳しく未だに暑い初秋。ここ麻帆良学園で俺が中一の時、全ては始まった。――ような気がする。

 

「なぁなぁ、知ってるか? 最近、世界樹広場の自販機に変なジュースが売られてるらしいぜ?」

 

「へぇ、それって美味しいのか?」

 

ちょっと気になるな。変って、意味が分からないところが興味をそそられる。

 

「さぁ? 俺も飲んだことないし。てか、そんな怪しいもん飲みたくねえだろ」

 

「そうか? 面白そうじゃねーか」

 

俺の判断基準は全て面白いか面白くないか。ちょうどいい事に喉も渇いてるし、飲みに行ってみるか。

 

「相変わらずチャレンジャーだなぁ。お前この間、超不思議カレー食べて一週間腹痛で休んだばかりだってのに」

 

「そのギャンブルさが面白いんだよ」

 

まぁ……あのカレー(青色)はさすがにこりごりだが。食べたらカレーの味は一切しなくて、ぬるってして、ねちょっとした食感とバナナをラムネに漬けてコーラで焼いた後、リンゴジャムで煮込んだ様な味がした(実際にそんなもん食べた事ないけど)。アレは生死に関わる危険物だ。

 

「ま、飲んだら感想教えてくれよな」

 

「オーケー」

 

そうして、件のジュースがあると言う自販機へ向かう。

 

「っか~~、相変わらずここ『麻帆良学園』は広い!」

 

軽く説明すると、俺が通っている麻帆良学園という所は幼稚園から大学までが一つの学園にある巨大な学園都市なのだ。住宅街もあるので寮に入らずこっちから通う生徒も多い。外観は詳しくは知らないけどヨーロッパの街並みを参考にして作られたらしい。男子と女子では校舎の場所が別れているが、それほど離れてはいない(だからと言って簡単に行き来できるって訳ではない)。女子の方は知らないが、こちらの寮はかなり広い。それこそどこかのホテル並みの広さを持っている。そして有名所は何故か湖の真ん中にポツンと立っている浮島とそこに立っている建物。中は巨大な図書館となっているらしく、通称図書館島と呼ばれている。もう一つは俺が今向かっている世界樹広場にそびえ立っている大木、その名を世界樹。これまた詳しくは知らないがたまに光る不思議な樹だ。そして世界樹広場は結構告白の名所らしく、『世界樹広場で告白したら必ず成功する』と言ったジンクスまであるくらい。ちなみに俺はそんなものには頼らない派だ。まぁ、俺の事は置いといて……超大雑把に説明するとこんな感じかな、麻帆良学園と言うのは。……簡単かこれ? 簡単じゃない気がする。てか俺誰に説明してるの?

 

「おーおー、運動部が練習してるのかぁ」

 

夏は過ぎたけどまだまだ暑い。なのに良くやるよ……。男子も女子も元気だねぇ。

 

「にしても変なジュースかぁ……楽しみだ」

 

そうして世界樹広場に着き、自販機を探す。

 

「えーっと……あ、あった。ほほぅ、これか」

 

自販機は普通だが……そこに一つだけ、『黒酢コーラ』と書かれた物があった。

 

「これが例の不思議ジュースか」

 

ラベルにMAHORAって書いてあるし、まず間違いないだろう。

 

「……紙パックの割に高いな、おい」

 

表示されている値段に文句を言いつつも、硬貨を投入し『黒酢コーラ』のボタンを押す。

 

「あれ、これで売り切れ?」

 

ひょっとして人気商品なのか? もしくは絶対量が少ないのか……。

 

「ま、ラッキーと思っておくか」

 

「……売り、切れ……くぅ! この私としたことが何たる失態です」

 

踵を返して帰ろうとすると、背が低く広めの額が印象的な女の子が先ほど俺が買った黒酢コーラの売り切れランプを見て悔しがっていた。

 

「えーと……」

 

これ、譲ってあげるべきか? 見たところまだ初等部みたいだし……。中等部として大人なところを見せるか?

 

「え? ……ああっ! それは『黒酢コーラ』ではありませんか!」

 

「あ、ああ。俺が買ったので最後だったんだけど……いる?」

 

「いえ、そんな見ず知らずの方にもらう理由がないです」

 

最近の小学生って礼儀正しいんだなぁ。俺の時(一年前)はもっとやんちゃしてたけど。

 

「まぁ、ほら、中等部から初等部に対してのささやかなプレゼントって事で」

 

「? 誰が初等部ですか?」

 

「ん? 君、初等部の生徒だろ?」

 

どう考えても中等部ではないだろう。初等部4年くらいかな?

 

「失礼な! 確かに背が低く発育が悪い事は認めるですが、これでも中等部1年です!」

 

「えっ、マジで!?」

 

いやいや、あり得ないだろう。普通同年代の女子でももっと背が高いハズだよ。

 

「嘘だと思うならコレを見るです」

 

そう言って革のケースに入った物を見せてきた。綾瀬はあやせで分かるけど……これ下の名前なんて読むんだ? 夕映……ゆうえい? まぁいいや名前で呼ばなきゃ良いだけだし。

 

「麻帆良学園女子中等部1-A……マジだ」

 

「これで分かったですか。まったく……」

 

憮然とした顔でこちらを見てきた綾瀬。ああ、こりゃ確かに俺が悪いわ。

 

「悪かったよ。んじゃ、詫びにコレって事で」

 

黒酢コーラを彼女に差し出す。

 

「いや、ですから最初にも言った通り見ず知らずの方にジュースをもらう理由がないです。また日を改めて出向くから良いです」

 

「俺、男子中等部1-C二見隼人だ」

 

「え? あ、綾瀬夕映ですが……」

 

律儀にも返してくれた。あ、ゆえって読むのね。呼ぶ機会はないだろうけど。

 

「これで知り合いだ。で、俺が悪い事をしたと思ったからその詫びに黒酢コーラを差し出す。OK?」

 

「……貴方のような変わった人は見た事がないです」

 

「まぁ、確かに変人とは良く言われるけど」

 

一体俺のどこがヘンだと言うのか? これが俺の普通なんだが……。

 

「変人な貴方に質問があるです」

 

「お前結構失礼だな!?」

 

「先ほどのお返しです。それで、質問ですが……貴方もMAHORAドリンクのファンなのですか?」

 

お返しって……ジュースやったのにその仕打ちは如何なものか? いや、まぁ……別に良いけどさ。

 

「MAHORAドリンクってこれか。……どうだろうな? 初めて買ったし」

 

「ほほう。では、MAHORAドリンクデビューですね」

 

……デビューなんてあるんだ?

 

「綾瀬は結構飲んでるのか?」

 

「ええ。ですがまだMAHORAドリンクシリーズを制覇したわけではないですね」

 

「ふぅ……ん。俺、超不思議カレーなら食ったことあるぞ」

 

少し自慢げに言ってみる。全然自慢できるようなもんじゃないけどな。

 

「なんと! あの幻のメニューを食したですか!」

 

ある意味幻かもな……食った奴が腹壊すんだから。

 

「おう。ちょっと機会があったから食ってみたぜ」

 

「どうでしたか?」

 

「そうだなぁ。色は青色でカレーの味は一切しなくて、ぬるってして、ねちょっとした食感とバナナをラムネに漬けてコーラで焼いた後、リンゴジャムで煮込んだ様な味がしたな。んで、一週間ほど腹壊した」

 

「……」

 

うわぁ……「コイツ馬鹿なんじゃないの?」って目で見てやがるよ。

 

「嘘じゃねーぞ?」

 

「ですが、そんな話信じられないです」

 

確かに。俺も最初に聞いた時は半信半疑だったけど。

 

「よーし! そこまで言うなら今度食わしてやる!」

 

「良いでしょう。私も超不思議カレーには興味がありましたし。それではアドレスを交換するです。準備が出来たら連絡してください」

 

「OK。後で吠え面かくなよ?」

 

「望むところです」

 

あれ? そう言えば俺……女の子とアドレス交換したの初めてかも知れない。……まぁ、だからどうこうってわけじゃないけどさ。

 

「では私は部活に行くので失礼するです」

 

「おう。またな~」

 

綾瀬夕映……か。何か変な奴だったな。人の事は言えないけど。ま、何にせよ……これから面白くなりそうだな! 見た目は小学生でも一応同級生の女子とアドレス交換できたし! 

 

 

 

 

 

 

いや、さっきも言ったけど変な事するわけじゃないからな? そこ、勘違いしないように!




深夜のテンションって怖いですね!

息抜きとは言え、なんで一作目がまともに進んでないのに二作目に出してんだ私……。

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