恋姫†無双~DQNッ☆キチ○イだらけの三国志演義~   作:gtu

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今後も更新が月一ペースになると思います






第11話

 

 

 

 

「くっ、まさかここまで賊の統率が行き届いているとは…」

 

公孫賛は黄巾党の突撃を受け、その対応に追われていた

 

右翼及び左翼には救援要請をだし、崩壊した前線の建て直しをはかるべく前線から退いてきた軍を吸収して再編成を行い、いずれ本陣まで来る賊を迎え撃とうとしていた

 

しかし、状況は困難を極めていた

まず、救援要請は、伝達されて本陣に到着までにかなりの時間が必要となる

軍の吸収に至っては、前線から退いてきた兵は皆命からがら逃げてきた兵であり、集団で退いてきた者はほぼおらず、少人数ずつしか軍の再編成が出来ない

さらに、戦から逃げ出した兵も多少おり、戦況は公孫賛が圧倒的に不利であった

 

(…こうなったら後退して体勢を立て直すべきか…?)

 

「………そろそろか…」

 

公孫賛が後退するべきかを考えているなか、本陣の軍議机に腰掛けながら腕を前で組み偉そうにふんぞり返っていた長可がぽつりと呟いた

 

「なんだ?なにか策でもあるのか?」

 

長可の呟きは公孫賛の耳に入った

 

「…いや…なんでもねぇよ…」

 

そう言うと長可は机からゆっくりと腰を上げ、立て掛けていた人間無骨を手に取り、浮き足立っている兵達に立ち塞がる形で向かい合った

 

「…おい!!てめぇら!!賊どもに突っ込んで皆殺しにすんぞ!!!ごら!!!」

 

長可は戦場に響き渡るような大声で言った

 

「…………………」シーン

 

しかし、その反応は皆無だった

 

「あぁぁん!!!?はいか、了解か、わかりましたも言えねぇのか!!!」

 

「……………いい加減にしろよ…」

 

「あぁん!!!?」

 

長可の言葉に公孫賛の配下の将が呟いた

 

「……いい加減にしろよって言ったんだよ!!前線が崩壊したんだ!!一旦立て直す為に後退して体勢を立て直して機を待つべきだ!」

 

「後退してなに待つってんだ!!?相手が調子こいでバカみてぇに突っ込んで来てる今が機だろうが!!!殺すぞ糞が!!!!」ガバッ

 

長可は反論してきた将の胸ぐらを掴んだ

 

「落ち着け!!森!!こいつの言うとおりだ!一度下がって桃香と星が来るまで防御を固めるべきだと私も思うぞ!」

 

公孫賛は長可と兵の間に入り長可を諫めた

 

「あぁん!!!おめぇもバカなのか!!?引いたら連中を勢いに乗らせるだけだろうが!!!敵は質でも数でも劣ってんだぞ!!」

 

「……確かに…たが、勢いを殺すには、援軍を見せたほうが効果的なのではないか?」

 

公孫賛は長可の意見に反論した

その反論に長可は怒気を弱め、嗜めるように公孫賛の反論に答えた

 

「…んなの意味ねぇーよ…農民が反乱を起こす理由知ってっか…1つは貧困、もう1つが求人力のある指導者が反乱を起こそうとしたときだ…1つ目は減税でもすりゃ収まるが2つ目が厄介だ…なんせ信仰つー名の洗脳されて死の恐怖すら忘れてんだからな…教祖の為なら命をドブに捨てれる…連中は文字通り死すら恐れぬ無敵の軍団ってわけだよ…糞カスどもが」

 

長可の発言に公孫賛は疑問を抱いた

 

「…随分とこの反乱に詳しいようだが?」(まさか敵の間者か?)

 

「別に………経験が豊富で鬱陶しいってだけだ……あぁ…あと親父と兄貴が一揆勢に殺されたってこともあるか…まぁ、今じゃ家も継げて好き勝手出来るし、一揆様々って感じだけどな!ヒャハハハ!!」

 

「…………すまない」

 

公孫賛は自分が疑ったことで長可の心の傷を抉ってしまい、さらに長可に自虐的な言葉まで言わせてしまったと思い、謝罪したが…

 

(……なに謝ってんだ?)

 

このDQNは心に傷など存在しないし、自虐に聞こえた言葉も本心からの一言でしかない

 

「…まぁ、様々だが気に入らねぇ連中だっつーのは変わんねぇがな…俺は逆らうのは好きなんだが、逆らわれるのは、大嫌いなんだよ!」

 

「…そうか…強いのだな…」

 

公孫賛は長可の言葉に反乱に対する怒りはあれど復讐などではないと感じた

また、これ以上話を続けるのは失礼だと思い、別の話に切り替えることにした

 

「…しかし、そんな結束力の強い連中を倒すことが出来るのか?」

 

「んなのちょれーよ…忘れてんならまた覚えさせればいいんだよ…二度と忘れられない恐怖を植え付けてややあ逆らう気すら起きないだろ…」

 

「なにするつもりだ?」

 

「まぁ、見てろよ…連中の勝ち誇った面…一瞬で青く染め上げてやるよ!!!この鬼武蔵様がな!!!」

 

公孫賛はやれやれと言った具合にため息をついた

 

「…はぁ…わかった…反乱に関していえば、私はずぶの素人だしな…お前に任せる」

 

「は、見る目だけはあるじゃねぇか」

 

こうして、長可と公孫賛は黄巾党討伐に向けて動き出した

 

 


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