まあどうせボッチなんですけどね。
「しかし、ほんとすげえな...。こいつは来てよかったってもんだ。」
「ああ、こんな滝初めて見る。」
今俺たちは、絶景をみている。いやまじでこれはすごいよ。この圧倒的な水量。ナイアガラなんて目じゃないね。
「飛鳥と耀たちにもみせてやりたかったな。」
『まだ・・・まだ試練は終わってないぞ、小僧ォ!!!』
「そうだな。今度またみんなでくるか。」
『我を無視するなぁぁ!』
「「あ、すまん忘れてた。」」
あとついでになんか変な蛇を怒らせた。なぜこいつはこんな絶景を前にこんなに怒っているのか?そしてなぜ俺たちは飛鳥と耀と別行動をしているのか?
話は少しさかのぼる。
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「なあ、菫。ちょっと世界の果てに行かないか?」
俺たちが移動してると、十六夜がそんな素敵な提案をしてきた。
「お、いいねえ。行こうか。」
俺はその提案をすぐ了承した。能力的に知ってる場所は多いほうがいいし、なによりおもしろそうだからな。
「どこか行くの?」
「ああ。ちょっと世界の果てに行ってくる。黒ウサギには言うなよ?」
「わかったわ。いってらっしゃい。」
よし!行くか!っていっても黒ウサギがちょっとかわいそうだな。それに町のことも知りたいし。よし、あれ使うか。
「っ!あなたそんなこともできるの?」
「...すごい。」
まあ霊夢たちもこれ初めて見たときはびっくりしてたしな。それにしてもすごいなんて照れるな~。
「やっぱお前おもしろいな!それじゃ行こうぜ!」
「おう。」
こうして俺たちは世界の果てに向かって走って&飛んでいく。
「それにしてもお前どうやって飛んでいるんだ?」
「これはちょっとコツを覚えれば簡単だぞ。今度十六夜にも教えてやるよ。お前めちゃくちゃ霊力あるみたいだし多分割とすぐ飛べるようになるぞ~。」
「まじか!よっしゃ!霊力っつーのはよくわからんが一回空飛んでみたかったんだよな~。」
いやほんと、こいつの霊力の量は半端ない。あの霊夢よりはるかに多いしな。人間かって疑うレベルだわ。まあ霊力だから人間なんだけど。
「それに走るスピードも速いしな。」
「お前だって余裕そうじゃねーか。」
「飛ぶのと走るのじゃでるスピードが違うんだよ。」
「じゃあ飛べるようになれば、もっと速く移動できるってことか?」
「そういうことだな。ちょっと怖いわ。」
いやほんと、走って魔理沙並のスピード出せるやつが飛んだらどうなるかなるかなんて、考えただけでも恐ろしい。
そうして十六夜と雑談しながら飛んでいると、世界の果てについた。
「おお...。」
「すげえ...。」
そしてこの滝と、
『こんな所に人間が何の用だ?』
変な蛇に会った。こいつ神力感じるから神様かな?
「オイお前、空気読めよ。」
『...よくわからんがすまない。』
「許さん。」
『グオッ!?』
十六夜が跳んで一発腹をなぐる。変な蛇あえなく撃沈。お疲れさまでした。
そして話は冒頭に戻る。
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「十六夜任せた。」
「おう、任された。」
「確かこのあたりで巨大な水柱が...。ってえ!?菫さん!?なぜここにおられるんですか!?ってお二人とも!なにしてるんですか!どうやったらそんなに蛇神様を怒らせられるんですか!」
あ、黒ウサギじゃん。思ったより早く来たな。
「空気読まなかったから一発殴った。」
「そういうことだ。安心しろ。」
「全く安心できませんよ!」
『貴様らぁ...。つけあがるな人間風情が!』
蛇神の甲高い咆哮が響き、巻き上がる風が水柱を上げて立ち昇る。
何百トンもの水を吸い上げ、竜巻のように渦を巻いた水柱は人間の胴体など容赦なく引き裂くだろう。
「十六夜さん、菫さん、下がって!!」
「何言ってやがる。これは俺が売って、奴が買った喧嘩だ。一緒にいた男鹿はともかく、手を出せばお前から潰すぞ」
黒ウサギは悔しそうな顔をするが、まあしょうがないな。俺はいいっぽいけど、十六夜に任せるから参加しない。
『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様らの勝利を認めてやる』
「寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ」
お、今の決め台詞?
『フンーーーその戯言が貴様らの最期だ‼︎』
渦巻く巨大な水柱が、十六夜に容赦なく襲い掛かる。ってえ?俺のほうにも?
「ハッ、しゃらくせぇ!!!」
「あぶね。」
それを飛んで回避する俺と、腕の一振りで薙ぎ払う十六夜。...これ薙ぎ払うって、やっぱこいつ実は人の皮かぶった化け物じゃないか?勇儀並の腕力だぞ。
「ま、なかなかだったぜお前。」
十六夜が高速で接近して蹴り上げ、蛇神の巨体が水面から浮き上がる。
浮き上がった蛇神はそのまま川に落下し、その衝撃で川が氾濫する。
「くそ、今日はよく濡れる日だ。クリーニング代ぐらいは出るんだよな黒ウサギ」
信じられないという顔をする黒ウサギ。まあそうだよな。しばらく呆然としていた彼女だったが、しばらくしてパアッと顔を輝かせた。
「そうだ!ギフトを戴いておきませんか?十六夜さん達はご本人を倒されましたから、きっとすごいものを戴けますよ♪」
いや、倒したのは十六夜一人だけどな。それよりもそろそろはっきりさせた方がいいな。十六夜も同じこと考えてるっぽいし。
俺と十六夜は、蛇神の方に歩いていく黒ウサギの前に立ちふさがった。
「な、なんですかお二人とも。怖い顔をされてますが、何か気に障りましたか?」
「・・・別にぃ。勝者が敗者から得るのはギフトゲームとして真っ当なんだろうからそこに不服はねぇがーーーお前、何か決定的な事をずっと隠しているよな?」
十六夜に指摘された黒ウサギはビクッと体を震わせた。
「ナ、ナンノコトデショウカ...。黒ウサギは何も隠し事などしていませんよ?」
「あっそ、じゃあ俺お前らのコミュニティ入らねえわ。」
「な!それはやめてください!」
「じゃあ話せ。」
「... 承知しました。」
そうして黒ウサギは語り始めた。
自分達には名乗るべき名がない“ノーネーム”だということ。
テリトリーを示し、尚且つ誇りでもある“旗印”もないこと。
さらには中核を成す仲間は一人も残っておらず、黒ウサギとリーダーというジン以外はゲームに参加できない子供ばかりが百人以上ということ。
それら全てを箱庭を襲う最大の天災ーーー“魔王”と呼ばれる、ギフトゲームを断ることができない特権階級“主催者権限”ホストマスターを利用する存在に奪われたこと。
それらを取り戻してコミュニティを再建するために強大な力を持つプレイヤー・・・つまり十六夜達に力を貸して欲しいこと。
「「もう崖っぷちだな!」」
「ホントですねー♪」
十六夜と共にツッコんだら、黒ウサギはどこか吹っ切れてように笑いながら肯定した。あ、これは相当やばいな。
どうしようかと思って黙っていたら、黒ウサギが涙目に。やっぱ優曇華みたいだな。ん、十六夜がなんか言うっぽいぞ。
「いいな、それ」
「ーーー・・・は?」
「HA?じゃねぇよ。協力するって言ったんだ。もっと喜べ黒ウサギ」
「え・・・あ、あれれ?今の流れってそんな流れでございました?」
「そんな流れだったぜ。それとも俺がいらねぇのか?失礼なことを言うと本気で余所行くぞ」
「だ、駄目です駄目です‼︎ 十六夜さんは私達に必要です‼︎」
「素直でよろしい。それで、菫はどうするんだ?」
「...とりあえず保留にしておいてくれ。」
「わかりました。」
「おいおい。菫。そこは空気読めよ。」
「いや、これは結構重要だからな。まだ判断できない。」
黒ウサギは少し残念そうだが悪いな。ちょっとリーダーが心配だ。
「そうだ、とりあえずそこの蛇神がなんかくれるんだろ?貰っとこうぜ。」
「そうですね♪あ、そういえば何故菫さんはここにおられるのですか?確かに黒ウサギと一緒に外門まで...」
お、回復した。ナイス十六夜。んーなんて答えようかな
「ま、戻ればわかるさ。」
「さっきも同じようなこと言ってましたよね!?まあいいです。では蛇神様からギフトを貰ってくるので、お二人は少し待っててください。」
「「りょーかい」」
そのあと水樹の苗を貰ってテンションが高くなった黒ウサギと滝を堪能してから、俺たちは箱庭へ向かった。
菫と十六夜のどっちが喋ってんのかわかんねえ...
あと、原作では蛇神がいるところとトリトニスの大滝は違う場所ですが、同じの方が面白そうだったので同じにしました。
大滝をバックに蛇神って結構かっこよくないですか?
追記 文章を一部変えました。結構重要な部分です。