今回は説明回であんまおもしろくないです。
「あ、あり得ないのですよ。まさか話を聞いて貰うだけで小一時間も費やすとは。学級崩壊とはきっとこのような状態に違いないのデス」
あの後せっかくなので俺も参加して四人で黒ウサギをいじってたが、それも飽きたのでこうしてとりあえず話を聞くことにした。それにしてもウサ耳って気持ちいいな。
「なら俺たちが先生で黒ウサギが生徒だな。」
「なんでですか菫さん!どう考えても逆でしょう!」
「いや、暴れる問題児の黒ウサギを俺ら四人で必死に取り押さえてたんだからそうだろ(笑)」
「な!?明らかに暴れていたのは四にn「いいからさっさと始めろ。」ええい!わかりましたよ!始めればいいんでしょう!始めれば!」
十六夜にせかされ若干ふて腐れ気味の黒ウサギだったが、気を取り直した様に咳払いをした。
「それではいいますよ?ようこそ、『箱庭の世界』へ! 我々は御四人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかなと召喚いたしました!」
ギフトゲーム、ねぇ。弾幕ごっこ的なやつかな?
「ギフトゲーム?」
「そうです! 既に気づいていらっしゃるでしょうが、御四人様は皆、普通の人間ではございません! その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその恩恵を用いて競いあう為のゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大力を持つギフト所持者がオモシロオカシク生活出来る為に造られたステージなのでございますよ!」
え、この世界って造られたの?それなら世界の果てとかがあるのも納得だわ。でもこの世界幻想郷よりはるかにでかいぞ?これを造るって...。どんなチートだよ。
他の3人は悪魔や精霊、星と言った言葉に目を輝かせている。
まあ会ったことなさそうだしそりゃそうなるな。
お、飛鳥がなんか質問するっぽい。
「まず、初歩的な質問からしていい? 貴方の言う我々とは貴方を含めただれかなの?」
「YES! 異世界から呼び出されたギフト所持者は箱庭で生活するにあたって、数多とあるコミュニティに必ず属していただきます」
「「嫌だね」」
お、十六夜気が合うな。組織とかそういうの面倒なんだよね~。
「属していただきます! そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの主権者ホストが提示した賞品をゲットできるというとってもシンプルな構造となっております」
それにしても俺と十六夜がやだって言ったときめっちゃ必死な顔してたな。コミュニティがピンチなのかな?
「...主権者ホストってなに?」
次は耀か。
「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試すための試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開催するグループもございます。
特徴として、前者は自由参加が多いですが主権者ホストが修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょう。しかし、見返りは大きいです。主権者次第ですが、新たな恩恵を手にすることも夢ではありません。後者は参加のためにチップを用意する必要があります。参加者が敗退すればすべて主権者のコミュニティに寄贈されるシステムです」
「後者は結構俗物ね……チップには何を?」
「それも様々ですね。金品・土地・利権・名誉・人間……そしてギフトを賭けあうことも可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑む事も可能でしょう。ただし、ギフトを賭けた戦いに負ければ当然――ご自身の才能も失われるのであしからず」
最後ちょっと笑顔が黒かった。多分ギフトっていうのは能力のことだからな。この能力を失うのはちょっと困る。
「へぇ、んじゃどうやったらそのゲームを始められんだ?」
「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録していただければOK!商店街でも商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加してみてくださいな」
飛鳥が黒ウサギの発言に片眉をピクリと上げる。
「...つまり『ギフトゲーム』はこの世界の法そのもの、と捉えてもいいのかしら?」
「ふふん?中々鋭いですね。しかしそれは八割正解二割間違いです。我々の世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。ギフトを用いた犯罪などもってのほか! そんな不逞の輩は悉く処罰します━ですが!先ほどそちらの方がおっしゃった様に、ギフトゲームの本質は勝者だけがすべて手にすることができます! 例えば店頭に置かれている商品も、店側が提示したゲームをクリアすればただで入手することも可能だと言うことですね」
「そう、中々野蛮ね」
「ごもっとも。しかし全て主催者の自己責任でゲームが開催されております。つまり奪われたくない腰抜けは始めからゲームに参加しなければいい話のです」
黒ウサギは一通り説明を終えたのか、一枚の封書を取り出した。
「さて説明は以上ですが黒ウサギは皆様の質問に全て答える義務がございますが...後は取り敢えずコミュニティに戻ってから話させていただきたいのですが...よろしいですか?」
か?」
「待てよ。まだ俺が重要な質問を
してないだろ。」
「俺からもいくつか質問がある。」
今まで黙って聞いていた十六夜が威圧的な雰囲気を出しながら真面目な顔で聞いてきた。俺も結構真面目な顔をする。
「...どういった質問です?ゲームについてわからなかった事でもおありでしょうか?」
「そんなのはどうでもいい・・・・・・。腹の底からどうでもいいぜ、黒ウサギ。ここでお前に向かってルールを問いただしたところで何かが変わるわけじゃねえんだ。世界のルールを変えようとするのは革命家の仕事であって、プレイヤーの仕事じゃねえ。俺が聞きたいのは、ただひとつ。あの手紙に書いてあったことだけだ━
━この世界は……面白いか?」
彼は何もかも見下すように発した。
他の者たちも無言で返事を待つ。当然だろう。手紙に従い全てを置いてきてまでこの箱庭にやってきたのだ。半端な返事は許されない。そして黒ウサギは答えた━
「YES。『ギフトゲーム』は人を超えたものたちだけが参加できる神魔の遊戯。
箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪ 」
それを聞くと、他の3人は満足そうな顔をした。だが、俺は確認しなければならないことがある。
「あ~。いい雰囲気のところ申し訳ないが、質問してもいいか?」
「は、はい。なんでしょうか?」
「元の世界に帰るにはどうしたらいい?あ~別に今すぐ帰るってわけじゃないんだが、前の世界にも結構思い入れがあるからな。」
黒ウサギはすごく困った顔をしている。なんて答えるか迷ってるようだ。
「別に答えたくなければ答えなくてもいい。対して重要じゃないからな。」
「も、申し訳ありません...。さきほどすべての質問に答えなくてはいけないといったばかりなのに...。」
「気にするな。二つ目の質問だ。あの手紙以外でこの箱庭にくることはできるか?」
「は、はい。できなくはありませんが、この箱庭にくるにはかなりの実力が必要ですよ?」
これで紫が来る可能性ができたな。多分あいつのことだから十中八九くるだろ。興味本意で。
「質問はこれで終わりだ。」
「じゃあ早速行こうぜ!」
十六夜は元気があるな。やっぱ若いってのはいいな~。どっかの胡散臭いバB...もといババアとは大違いだ。
「はい!黒ウサギが案内します!みなさんついてきてください!」
それじゃ、行きますか~。
途中から飛鳥と耀が空気に...。
あと紫ファンの方々申し訳ありません。