ソードアート・オンライン―黒の剣士ともう一人の少年― 作:出席する白ウサギ
恋ってか行きすぎたシスコンブラコンだと私は思いたいです。(切実
「全く、いっつもだよね、アキってこう、危なかしくて」
結論 人類の最終兵器は姉ちゃんの前では通じませんでした。
てかお説教くらいました。
でも、土下座の効果かな?姉ちゃんも余裕がでてきたのか僕の愛称であるアキって呼んでくれてる。
……っていうか!
「あの、姉ちゃん?ここ、一応ネット世界だし、実名公開やめて、誰もいないからいいけど」
「あ、ごめん」
マジで素だからこっちが罪悪感でてくる。
「こっちではアリスって教えたでしょ」
「そうね、そうだったね……、でも今ぐらいはいいでしょ」
姉ちゃんのウルウルした瞳で上目遣いされたら断れる人間いる?
答えは否だ!
「ていうか、なんで姉ちゃんは実名をそのままアバター名にしたのさ」
「いや、だって……その…………ネットゲーム初めてだったし……」
「その初めてのネットゲームがデスゲームって姉ちゃんついてないね」
そんなこんなでこれまでの事をお互いに話す。
え?姉ちゃんの台詞?えっと……姉ちゃんの威厳のために僕の胸にしまいこんだんだよ、うん。
「それでね、私がこの世界で真面目に生きていこうって決めたのは一緒に戦ってくれたキリト君って人なんだ」
姉ちゃんを精神的に助けてくれたんだね、見知らぬ人、えっと、キリトって人ありがとう。
でも、姉ちゃんに手出したらぶちのめす、冗談抜き。
兄ちゃんからも姉を守れって言われたし。
「そういや兄ちゃん元気かな……」
「お父さんもついてるし、大丈夫よ、きっと」
現実<むこう>にいる家族を二人して思い出して泣いてしまった。
今度は僕も一緒に。
「さてと、そろそろ動かないとね」
「そうだね、ちょっと泣きすぎた気もするけど」
姉ちゃんとあって一時間ちょっとは他愛もない会話をしたり泣いたり、慰めたり。
うん、色々あった。
「とりあえずフレンド申請送るよ、このあとどうするの?」
「そうねぇ……、私自身はレベリングをするためにこの森へと足を運んだんだけど………………」
どんどん声が小さくなって、最後の方はほとんど聞こえなかった。
「だけど?」
「…………虫系のモンスターがでるのよ、それも芋虫型」
「あー、納得」
何を隠そう姉ちゃんは虫が苦手だ。
蝶とかはいいらしいけど芋虫とかは丸っきり駄目だ。
僕から見ればなんでもできる姉ちゃんの意外な弱点。
やっぱ、こういうのって可愛いよね!
「シッ!!」
短いかけ声と共にレイピアが僕の目の前で止められる。
「今、なんか変な事を思わなかった?」
「イエ、ナニモオモッテナイデス」
やっぱり御姉様怖い。
その後、姉ちゃんとパーティーを組んで森を探索する。
虫型のモンスターといってもほとんど小さかったり、これ、モンスター?ってレベルの虫までいる。
たぶん、これがテイミングできるモンスターなんだろうなってことをβテスト時の話と比べて思う。
あ、また一匹倒した。
テイミングってなかなかできないから珍しいのに勿体ないな……
「よし、だいぶ慣れてきたわね」
「ハハハ、お疲れ様」
もう乾いた笑みしかない。
だって姉ちゃんの剣速が速すぎてすぐ戦闘が終わるんですもの。
僕、気配探知で敵を発見することしか仕事ないです。
勉強できて、スポーツもできる姉ちゃんって剣も使えたんだね。
自慢のお姉ちゃんです。兄ちゃんはもっと規格外だけど。
そういえば寝泊まりに関してだけど姉ちゃんってフィールドの圏内で寝泊まりしてたんだって。
わお、流石家族、僕もやってたからな。
僕は一ヶ所に滞在してたけど姉ちゃんは転々としてたんだって。
とまぁ、こういうことをお互いにしてたわけで……
「今日はこの辺にしとく?」
「姉ちゃんに任せるよ」
だって、ほとんど一人で倒してたもん。
「じゃあ、お姉ちゃん疲れたし、今日はここまでにしよっか」
「うん、わかったよ」
それぞれの持ち込んだ食料を出して、二人だけでも久しぶりに楽しい食卓を囲むことができたと思う。
ここが仮装世界ってのを忘れるぐらいに楽しく、そこにある笑顔は現実の明日奈や彰斗のもの、アバターだってことを忘れさせるようなものだった。
食事も終わり、寝る準備に入る。
といっても完全な熟睡はせず、念のために気配探知を働かせながら仮眠をとるだけだ。
姉ちゃんはローブをとりだし、それにくるまる。
僕はジャケットを自分の上にかけて寝る。
………………うん、決心した。
今、この場だからこそ、言いたいことを言おうと思う。
「姉ちゃん」「アキ」
それぞれが同時に声をかけてしまう。
「いいよ、アキからで」
「う……なんか改まると物凄く言いにくいんだけど……その……」
やばい、超恥ずかしい。
えぇい!言っちゃえ僕!
「一緒に寝たら駄目かな?」
「アキったらお姉ちゃん大好きだよね」
「う、うるさい、そういうお姉ちゃんは何が言いたいのさ」
たぶん、僕の顔って恥ずかしさで真っ赤だろうな……
「お姉ちゃんも、一緒に寝たいなーって思って」
「ん……」
軽く肯定だけして近づく。
お互い恥ずかしかったのか背中をあわせてだったけどとても安らいだ気がした僕だった。
リズ「お姉さん、禁断の恋は駄目だと思うな~」
イエス、マム!私も同感であります!
あ、クリスマスエピソードを同日に三部構成で投稿します。(前編が3000文字、中編、後編は2000文字ないぐらいです)
時期はALO編が終わってGGOが始まる直前です。
一応ifとか外伝、こういった形になるので話が進むうちに本編が違う方向に進むかもしれません。
と、一応前編の前書きにも書いてます。
あ、前編が10時、中編は14時、後編は18時に投稿予定です。