ソードアート・オンライン―黒の剣士ともう一人の少年― 作:出席する白ウサギ
それで、ステータスを割り振るってのは普通のゲームでもあるしこんなかなと思ったけどサチの例を考えて、ジョブチェンジ(例として攻撃職から防衛職)になった場合って割り振りをやり直すこともできなさそうだからデスゲームでは不利だな~って考えてたら思い付きました(笑)
2014年12月23日
文章中の用語で間違いを発見したため修正しました。
圧電素子→信号素子
申し訳ありませんでした。
あれから三時間ほど一人でイノシシを狩り続けた。
戦闘中に少しずつ移動していたのか途中から狼(名前は読めない)がでてきて焦ったがイノシシより機動力がちょっと上なだけで所詮は第一層のモンスターだった。初見は超ビビったけど……
まぁ、頑張った甲斐もあってレベルは6、恐らくトッププレイヤーを目指してる人もこのくらいのレベルだと思う。
そういえばSAOには戦闘補助レベリングシステムがあって、各々の戦闘タイプにあわせて自動的にステータスが効率のいい形に割り振られる。
例えば、防御特化で前線を支えていたらVIT―耐久力―のステータスが優先的にあがる。
このステータス上昇ってのはプレイスタイルにあわせて勝手にあがる分、おまけみたいな感覚だ。
実際はこれとは別にSTR―筋力―やAGI―敏捷力―にDEX―器用度―がある。
これらにレベルアップと同時に手に入るポイントを割り振ることで好きなようにステータスを上げれる。
この二つは似ているようで実は違う点がある。
それは前者だとプレイスタイルが変わるだけでステータスが上がったり下がったりする。
例えば攻撃特化でプレイしてたプレイヤーが防御特化に変えたとき、ステータスが自動でSTRを下げてVITを上昇させたりする。
元々+値しかないから-値が存在しないわけで、特別攻撃力が減少するわけでもないから便利である。
もうひとつ、後者は自分でステータスを上げれる分、前者のように一度割り振られたステータスは元に戻せない仕様になっている。
オープニングセレモニーが始まるまで後数分だったから自分のステータスを見てたけどどうやら僕のプレイスタイルはSTRとAGIが高いみたいだ。
確認を終えた辺りで時間となり身体が光に包まれる。
時間になると自動で転移されるみたいだ。
転移先は第一層はじまりの町にある中央広場だった。
inした時もここだったがその時とは違い、今は日が落ちかけていて空が赤く染まっている。
そういえば、ここって城の中って設定なのに空があるんだ……
『プレイヤーの諸君、私の世界にようこそ。』
突如として空にフードを目深に被った巨大な人が現れた。
その出現と台詞により周囲はざわつく。
「わた、しの……世界……だと!?」
思わず呟く、それもそのはず、目の前の人物はフードを被ってコートのような物を羽織っているだけで何者かはわからないのだ。
『私の名前は茅場晶彦、今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ。』
茅場晶彦という名前にここにいる全員が驚く。
何故なら茅場晶彦という人物はこのSAOやナーヴギアを作り出した本人だからだ。
その為か周りではイベントが起こるという期待を持つものもいる。
でも、僕は冷静に考える……この世界をコントロールできる唯一の人間っていう表現に引っ掛かりがあるからだ。
『プレイヤー諸君はすでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気づいていると思う…………しかし、これはゲームの不具合ではない』
ざわめきが起こる。
僕自身も耳を疑っている。
『繰り返す、不具合ではなく……ソードアート・オンライン本来の仕様である。
しかし、十分に留意してもらいたい。
今後ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能しない。
ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君らのアバターは永久に消滅し、同時に、諸君らの脳はナーヴギアによって破壊される。』
「くっ!」
死刑宣告を無慈悲にされ、歯噛みをする……
『諸君らが解放される条件はただ一つ……このゲームをクリアすればよい。
現在君達がいるのはアインクラッドの最下層、第一層である。
各フロアの迷宮区を攻略し、フロアボスを倒せば上の階に進める。
そして第百層にいる最終ボスを倒せばクリアだ。』
「百層!?βテストではろくに上の階にはいけなかったって聞いたぞ!」
どこからか聞こえてくるこの声の持ち主の言う通りだ。
半年という期間があったにも関わらずβテスターは第六層までしか踏破しなかったと聞いている。
『それでは最後に諸君のアイテムストレージに私からのプレゼントを用意してある、確認してくれたまえ』
言われてみんなは自分のアイテムストレージを開く。
……手鏡?これがプレゼントなのか?
オブジェクト化させてみたがただの四角い手鏡だった。
疑問に思ってる時変化は起こった。
一人の悲鳴を合図にみんな、光に包まれたのだ。
転移するわけでもなくその場で光は収まったのだが……
「お、お前誰だよ……」
「お前!女じゃなかったのかよ!」
「あんた、誰よ!」
光が収まった後、そこにいるアバターはみんな容姿が変わっていたのだ。
「なっ!?これは……現実の僕自身の顔じゃないか!」
SAOを始めるために作ったアバターは手鏡には写らず、現実の……彰斗としての顔がそこにはあった。
髪の色は元のままだけど顔や髪の長さは変わっていた。
元々女顔っぽくて姉似って言われてるから大丈夫……かな?
「おいおい、こりゃどうなってんだぁ……」
「恐らく、ナーヴギアの高密度の信号素子が顔をすっぽりと覆っているからそれで、だろうな……
でも、身長や体格は……」
「なんか、初期設定で身体をあちこち触っただろ?あれじゃないのか?」
「そうか!それで!」
ご丁寧に謎を解明してくれた見知らぬ人に礼を心の中で言おう、うん。
聞き耳立ててただけなんだけど。
『諸君は今何故?と思っているだろう。
何故、ソードアート・オンライン及びナーヴギアの開発者、茅場晶彦はこんなことをしたのか、と……
私の目的はすでに達せられている。
この世界を作り出し、観賞するためにのみ、私はソードアート・オンラインを作った。
すべては達成せしめられた。』
茅場晶彦の言葉に衝撃を受ける。
僕達プレイヤーはただ一人の馬鹿げた妄想に付き合わされて命をかけている、それを理解してしまう。
僕の中で何かが外れた気がする。
僕はここに誓う、一生をかけてでも茅場晶彦に、失うであろう時間を償わせる、と。
その為には今、何をすればいいのかを考える。
(レベリングは済ませているから慌てなくてもモンスターは対処できる。
ならば、今はなんでもいいから武器や防具を変えることだな……ステータスが高くても初期の装備じゃダメだ。)
やることは決まった。
次の町へ行こう、そこで装備を新調しておかないといけない、そこを拠点にしないと……今の町は溢れかえってしまうということは明白だ。
茅場晶彦がいた場所に憎しみを込めて睨み付け、僕は踵を返してその場を後にする。
すぐに町を出る者は数名いたらしく、それぞれ僕と同じ結論に至ったか、何かしらの情報を掴んで動いてるかのどっちかだと思われる。
目の前を駆け抜けていった同じ年頃の人がソロでフィールドを走り抜けていった。
その目には悲しみを帯びていた気がした。
でも動きは慣れているようで恐らくβテスターだと思う。
(でも、強引なレベリングをしたんだ、僕にだってやれる)
決意をし、同じようにフィールドを飛び出す。
目の前を通りすぎた人だってソロだ。
僕だって恐怖には負けてられないし、なにせ同年代に見えたやつには負けられない。
「うおあぁぁぁぁ!!」
叫び声が聞こえる。
恐らく威圧的なものだろう、力強さを感じるから。
僕だって負けてられない。
「はあぁぁぁぁ!!」
外の草原を僕も駆け抜けた。
キリト君とクライン氏が地味にでてきました。
最初のクラインを見捨ててキリトが町を出るシーン
毎回鳥肌たってしまってヤバイですw
そういえばSAOってweb版だと2012年にデスゲーム化なんですよね……
この作品では小説やアニメにあわせて2022年デスゲーム化としております。
たぶん、2022年に統一した方がわかる人多いと思うのでご了承を……
ちなみに作者は小説やアニメは家にありません、一度見た切りです、web版はありますけど。
あれ?この先きつそう…