まず、自分はスマフォから投稿しております。ですが、Wi-Fiを繋げないとこのハーメルンに入ることが出来ません。そして、我が家のWi-Fiルーターがぶっ壊れてしまい、投稿が遅れてしまいました。申し訳ございません
あともう一つお知らせがあります。実は前回予告していたオリジナル話ですが、色々とグダグダしたし必要ないと思ってしまったため、予定を変更いたします。3度目のお詫びを申し上げます。
それはそうとお気に入り件数80件突破!!嬉しいです!!頑張らさせていただきます!!
それでは本編です
照りつける灼熱の光線、水が一滴もない砂の大地。糧とする植物や生物も少ない。夜になると全てを凍てつかせる極寒地獄。
それが、砂漠である。
だが、あえてその砂漠に適応し、生き延びるものがいる。適応さえしてしまえば天敵が少ない環境で安心して暮らせるからだ
ほおら、砂漠(サハラ)にまた一匹、モンスターが現れた。今度はどうなる?こいつも強いぞ?
だが、人間よ、エルフよ、生物たちよ、モンスターの脅威に屈するな、立ち向かえ。足掻いてみせろ。
そして...
どうか、モンスターと共存してくれ
これが、私の願いだ
☆☆☆
照りつける日差しが、砂の大地を焼いていた。どこまでも続くかのように感じられる砂の海の中、ぽっかりと島のように泉があった。
泉の半径は50メイルほど。その周りに薄くだが、森があり、砂漠の植物であるサボテンも数多く生えている。
泉のほとりには小さな小屋があった。形は正立方体に近く、壁はきめ細やかな白で覆われていた。ハルケギニアではまず見られない建物である。
小屋の前からは桟橋が泉の中ほどまで伸びている。その先で、一人の少女がプカプカ浮いていた。
何一つ、体に衣服を纏っておらず、細い体は一瞬、少年のように見えるが、透き通るような金髪と、スラリと伸びた手足が少年であることを否定する。その少女の姿を見たらハルケギニアの住民はきっと彼女を妖精か何かと見間違えるであろう。それくらい、彼女は美しかった
少女は眠っているかのように目を閉じている。人間よりも長い耳と、幾分高い鼻。
少女はエルフであった。
きめ細やかな肌はサハラの熱線が降り注ぐなかでもシミ一つなく、それがまた、彼女の『美』を際立たせていた
灼熱の光線を浴びているのに少女の肌にシミの一つもない理由はこのオアシスの空気にある。
風石と水石(ハルケギニアでは水精霊の涙)と呼ばれている先住の結晶を使った魔法装置により余分な日光をカットし、適度な温度と湿度になっている。先住の魔法を扱うエルフならではの技術であった。
少女の目がパチリと開く。目の色は蒼
視界には雲一つない空が映っている。
「?」
すると、空に黒い点が現れた。それはどんどん大きくなっていき...
ザブン!!
「!!!!!」
エルフの少女のそばに派手に着水した。幾つもの大きな波が少女を溺れさせようと言わんばかりに襲いかかる。
やがて少女はプハッと水面に顔を出し、黒い点の正体...ハルケギニアのより幾分大きい風竜に跨った線の細い男を睨み、叫んだ
「ちょっとアリィー!!何すんのよ!!」
「そんなところで泳いでいる君が...!!?」
アリィーと呼ばれた男のエルフは、君が悪い、と言おうとしたが途中で顔が真っ赤になり女のエルフから目を逸らして黙ってしまった。
それを見た女のエルフはニヤリと笑みを浮かべた。
「あら?アリィー、私の裸を見たくないのかしら?」
そう言いながら女のエルフは頭の後ろで手を組みポージングをとった
「そ、それは...う、うるさい!!早く服を着ろ!!」
男のエルフは目を瞑りながら顔を真っ赤にし、叫ぶ。
「やれやれ、私の婚約者は初心ねえ。ま、それが可愛いんだけど」
女のエルフ、名前をルクシャナ。ルクシャナは先程のイタズラを思いついた時の笑みとはまた違う笑みをうかべ、泉から出て、堂々と桟橋を歩き、小屋の中に入っていった
アリィーはしばらく目を開けることが出来なかった
☆☆☆
ルクシャナの家の中は人間の...エルフからは『蛮人』と呼ばれているグッズで溢れかえっていた。人間界で流行っている『バタフライ夫人シリーズ』、『イーヴァルティの勇者』、その他雑貨などがあった。
まあ、カーテンを絨毯代わりにしたり、傘をゴミ箱代わりにするなど使い方を謝ってるのが多々あるが...
ルクシャナはタオルのようなもので頭をガシガシと洗い、肌着を着て、レイピアに突き刺さっている果物を一切れ取り、食べる。すると、アリィーが家の中に入ってきた。顔の赤みはもう引いていた
「...いつ来ても蛮人のような部屋だな」
アリィーは嫌悪感を隠さずにそう言い放った
「あら、私は好きよ?こう、なんか...ゴテゴテしてて」
そう言いながらルクシャナはエルフから見たら下品でしかない宝石がゴテゴテ付いている壺を手に取り、うっとりとそれを見つめる。アリィーは更に眉をひそめた。
「(くそ、ルクシャナのやつ。僕と話す時よりもいい表情をしやがる)」
アリィーは心の中でそう愚痴る。
確かに、ルクシャナの表情は婚約者であるアリィーとしゃべる時よりずっと明るい。アリィーにはそれが我慢ならなかった。自らが蔑む『蛮人』に婚約者を取られたように感じるからである
要するに、アリィーは壺に嫉妬していたのだ
アリィーは「いかん」と思い、頭を左右に振る。たかが『蛮人』の壺に嫉妬していたことを恥じ、そのことを頭から追い出すためだ
「何やってんのアリィー?そうそう、なんであなたは私の家に来たの?」
ルクシャナは壺を元の場所に置き、頭を左右に振っているアリィーに怪訝な顔をしながら話しかける。
「ごほん...実は、ビダーシャル様がお帰りになっている」
咳払いを一つ、アリィーはそう言葉を続ける。すると、ルクシャナの顔が再び喜びに満ちた
「叔父様が帰ってきているのね!?こうしちゃいられないわ、アリィー行くわよ!!」
そう言うとルクシャナは外に飛び出していった
「おい待てよルクシャナ!!僕を置いていくな!!」
アリィーも慌ててそのあとを追った
☆☆☆
外に出るとアリィーが乗ってきた風竜が泉のほとりに座って、水を飲んでいた
「(叔父様が帰ってきているのね♪)」
叔父様、つまりビダーシャルのことだが、彼は交渉するためにハルケギニアの前ガリア王ジョゼフのもとへ向かった。そして、自らが臣下になる代わりに『悪魔』、すなわち『虚無の使い手達』を殲滅する。こういう交渉が行われたが...ジョゼフの死亡により交渉は打ち切り、ビダーシャルはエルフの国に帰ってきたのだ。
ルクシャナは叔父であるビダーシャルが大好きだし、何よりも『蛮人』研究をしている彼女にとって『蛮人』の国から帰ってきたビダーシャルは格好の情報源だ。彼の帰宅を喜ぶのは当たり前であった
だが、地中から微弱ながらも振動が起こっていることに気付かないほど有頂天にはなっていなかった
「...ルクシャナ」
「ええ、分かってるわ」
アリィーがルクシャナに駆け寄る。その顔は紛れもなく戦士である。ルクシャナもさっきのように笑顔は浮かべていない。緊張している顔だ
水を飲んでいていた風竜も首をもたげて辺りを伺っている
そして、始まりは突然に起こるものだ
ボフォン!!
そんな音と共に砂柱が起こった。その中から茶色の巨体が勢いよく飛び出てきた。
その巨体はサハラの大地を滑走し、風竜に襲いかかった
「キュア!?」
風竜は驚きながらも翼を使って飛び上がり、何とか茶色の巨体をかわした。その巨体は空にいる風竜に向かって「オオォォ」と唸り声をあげた
「な...なっ...」
ルクシャナは驚きのあまり目を見開き、口をパクパクさせる。アリィーも目を丸くする。
それも無理はない。現れた巨体は文字通り大きすぎるからだ。体長は20メイルほどあるであろう
その巨体をつつむのはサハラの風景に溶け込む茶色の甲殻。長い尻尾の先には石斧のような瘤が二つ。地中の砂を掘り起こすために生えている翼。砂漠を駆け抜けるために大きく発達した後脚。
そして、何よりも特徴的なのは天を穿ち、地を砕くであろう頭部から生えている二本のねじれた角。それを持つこの竜は『王』というよりも『悪魔』という感じがした
名を『ディアブロス』。別名『角竜』だ
ディアブロスは尻尾を地面に叩きつけながら、空にいる風竜を睨みつける。すると、力を溜めるように翼をキュッと閉じ、自身の真上を見るディアブロス
そして...
「キエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエェェェェェェェェェ!!!!!!!!!」
「がっ...!!」
「ぎっ...!!」
サハラに響き渡ったであろう凄まじい咆哮をあげた。その巨体からは想像出来ない甲高い咆哮はまさに『悪魔』。この世にこれ以上の『悪魔』がいるのだろうか?もしかしたら『悪魔の力』を持つものの方がよっぽど可愛いんじゃないだろうか?とルクシャナとアリィーは思った
ディアブロスはしばらくは自身の咆哮でも逃げない風竜を睨んでいたが、やがて『敵』とは思わなくなったのか視線をずらした
「あ...」
そして、今度はルクシャナと視線が合った。そりゃあもう、バッチリと
「オオオオオオオオオ!!!」
少し翼を広げて威嚇するディアブロス。だが、砂漠の悪魔は威嚇で敵を追い払おうとするほど優しくない。外敵は叩き潰す。先程の威嚇はその合図にしか過ぎない
「オオオオ!!」
ディアブロスは頭を低くし、角をルクシャナに向ける。そして、地を蹴り、初速からフルスピードでルクシャナに突っ込んでいく
「ひいっ!!!」
ルクシャナは恐怖のあまり体を硬直させる。砲弾と化した化物が突っ込んでくる。体が動かないのも当たり前だ。角が自分の身体を貫くか?それとも踏みつぶされるのか?どちらにしても死ぬであろう
「ルクシャナ!!」
すると、婚約者のアリィーが動いた。人差し指と親指を口に入れ、指笛を鳴らす。先程の咆哮のせいか、耳がジンジンし、今の指笛もアリィー自身には全く聞こえなかった。そのことが物凄い不安として彼を襲った
「キュアアアアアア!!!」
だが、風竜は来てくれた。空に逃れていた風竜がアリィーめがけて急降下してくる。アリィーはルクシャナを抱きかかえ、風のようなスピードで飛んでくる風竜に飛び乗り、すんでのところでディアブロスの突進をかわした。
だが、ルクシャナとアリィーの背後には...ルクシャナの家。目標を失い、ディアブロスは止まろうとするが、勢いのついた突進をそう簡単に止めることは出来ない。
結果、
ドゴォン!!ガラガラ!!パリーン!!
様々な物が崩れたり、壊れたりする音が重なり合い混沌の音が周囲に響き渡る。ディアブロスも家の残骸に埋もれるが、体を数度震わして埃や瓦礫を落とす。そして中には...ルクシャナが大切にしてきた『蛮人』コレクションもあった。
それを見たルクシャナは目を見開き、次いで憤怒が現れた
「アリィー!!戻って!!あのクソ竜をぶっ殺してやる!!」
戻る以前の問題に飛び降りかねん勢いのルクシャナをアリィーはさらに強く抱きしめて止める
「よせ、ルクシャナ!!お前一人で何ができる!!」
アリィーは抱きつきながらも風竜に合図をした。風竜はスピードアップし、ルクシャナの家を離れていく。魔法装置の範囲外に出るが、すぐさま精霊魔法を唱えた。
「この、この...絶対に許さない。絶対絶対絶対絶対絶対絶対.....殺してやるんだからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「キエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエェェェェェェェェェ!!!!!!!!!」
涙目のルクシャナがそう叫び、直後ディアブロスがまたも空気を切り裂く咆哮をあげた。距離はとっているため、耳をつんざくということはないが、それでも耳を抑えられずにはいられなかった。とんでもない咆哮だな、とアリィーは心の中で改めて思った
アリィーは遂に堪え切れなくなったのか泣き出したルクシャナを宥めつつ、首都『アディール』へ向かった
☆☆☆
一方のディアブロスは喜んでいた。外敵を排除したことではなく、このオアシスの空気に喜んでいた。先述したとおり、エルフのオアシスには風石と水石を用いた魔法装置により、このオアシスの空気は快適に保たれている。ちなみにその魔法装置はかさばるため、地中に設置されてあるため破壊はされていない。それがディアブロスにとって幸運だった
砂漠に適応するために進化してきたディアブロスも、四六時中灼熱と極寒の大地にいるわけにはいかない。食料や水、温度が変わらない寝床が必要だ。だからディアブロスは洞窟や地割れの中などに巣を作る。だが、そう簡単には洞窟などは見当たらないため、ディアブロスは縄張りを作る前に死ぬものも多い
それがこれはどうだ。原理は分からないがひんやりとした快適な空気。砂漠では滅多に見ることができない泉。大好物のサボテンまで生えている。楽園(パラダイス)と言わずして何と言おうか?
ディアブロスは木陰に入り、座り込んだ。そして、欠伸をして眠りに入ろうとした
だが、それは無理であった。新たなモンスターが現れたのだ
ディアブロスは起き上がり、臨戦態勢に入る。だが、その前に一撃加えられてよろけた
「オオオオオオオオ!!!」
ディアブロスは空を縦横無尽に飛び回るそいつを目で追うが、あまりにも早いため体の向きを変えるだけで精一杯であった。その間にそいつは急降下し、ディアブロスに蹴りをくらわして着地した。ディアブロスはまたもよろけたが大したダメージではない
「ゴオオオオオオ!!!」
ディアブロスは角を振りかざし、そいつに向かってフルスイングする。
「ピュイイイイイイイイ!!!」
だが、そいつは翼を使い、空に舞い上がることにより回避した。ディアブロスの角がそいつがいた場所の砂をえぐり、次いで木を吹き飛ばす。
ディアブロスは空を睨むがそいつは既に空の彼方へ飛び去っていた。
その鱗は金色で、陽光を浴びてギラギラと輝いていた
冒頭部分とかの原作部分の展開も弄りました。完全に展開一緒にするとちょっとマズイかな...と思ってしまい。
本当、文才が欲しいです。あれ?同じような展開...と思う方もいるかもしれませんがご容赦ください
次回予告みたいなもの
ド・オルニエールの屋敷についたサイト達。しかし、動き出す傭兵部隊。それを付けねらう漆黒の暗殺者。エルフ達も動き出す。どうするサイト?次回 動き出す勢力 後編。お楽しみに