更新するのが遅くなってしなってすいません。
誰かが感想でリクエスト?したカブトムシ編です。
適当に二話編成にしました。
7話 カブトムシ捕りで木を折るのは馬鹿ぐらい
「「「「……瑠璃丸探し?」」」」
「うむ」
ナツ、ルーシィ、ハッピー、グレイはとあるクエストにエルザに誘われた。
それは
「将軍という東の国の偉い方のペットの瑠璃丸を探す仕事だ。」
「へぇー」
ルーシィは目を輝かせる。犬だと思っているのかもしれない。
「で、何で森にいるわけ?」
「森にいる可能性が高いからだ」
「ペットでしょ?(犬なのになんで…?)」
「ルーシィ……」
ハッピーは馬鹿にしたというか、同情するかのようにルーシィを見上げた。
「なによ」
少しキレ気味に言うルーシィに、ハッピーは押し上げてくる笑いをこらえた
「瑠璃丸はカブトムシだよ」
「え?」
「それも黄金のな」
グレイもあきれながらに言った。
ルーシィはやはり勘違いをしていたらしい。
誰も、一言たりともペットの瑠璃丸が犬だとか猫だとかは言っていない。
まぁ、カブトムシだとも言っていないのだが
「嘘でしょぉぉぉぉぉ!?」
ルーシィの声が森に響いた。
「――――――」
「――――――」
なにやら話し声が聞こえる。
それにどんどん近づいて行っているようで、その声は大きくなってくる。
「「「「「カブト狩りじゃああ!!」」」」」
彼等の視線の先に見えたものは、数名の人間が木に止まっている一匹のカブトムシに向かって走っている姿だった。
「待てコラァァ!ここのカブト虫には手を出すなァ!!帰れっつってんだろーが!!」
「ふざけんな!一人占めしようたってそうはいかねーぞ、カブト虫はみんなのものだ!いや!俺のものだ!」
あまりの矛盾さに、絶句する。
「なにこれ…」
「あっ、アイツは!」
グレイには見覚えのある顔があった。
いや、それはここにいる全員に共通することだろう。
(グレイは別件だが)
「クソッ、オイ!奴らにアレを渡すな!なんとしても先に…」
そのとき
「ぶっ!!」
黒い髪の男の頭を台に、桃色の髪の少女が跳んだ。
「カブト狩りじゃあああ!!」
その跳んだ少女の足を、栗色の髪の少年が掴んだ。
「カ―ブト割りじゃああ!!」
そして地面にたたきつけた。
しかし、その後ろからこの間ギルドに来た銀髪の男がけりを入れる
「カブト蹴りじゃあ!!」
どんどんと倒れていく
「ワッハッハッハッ!」
いつの間にかゴリラが木に登っていた。
「カーブト…」
しかし、ゴリラははちみつまみれだった
「なんで!?」
ルーシィには理解できなかった。
ハニー作戦なのだが、これに関しては近藤以外には誰も理解できないのかもしれないが、悪ノリをして一部の隊士もやっているため、それは彼等のみ理解できることなのだろう。
ゴリラは木からすべり落ちていった。蜂蜜のせいである。
馬鹿め。蜂蜜を体に塗りたくるからだ。そのまま蜂にでも刺されてしまえ(笑)
いや、くまが出るか?
なんて冗談は置いといて
「割れたァァァァ!!!」
その隙に、黒髪の男と銀髪の男が木に登った。
「カ―ブト…!」
「言わせるか!カ―ブト…」
「俺がカ―ブト…」
二人は仲が悪いらしく、いや、なんかしょうもないことで争っているのだが、カブト…の先を言わせまいと必死になっている。
だが、そんな彼らの登っている木の下に、先ほどの桃色の髪の少女と栗色の髪の少年が立っていた。
「「カ―、ブ―、ト―」」
「…オイちょっと待て」
先ほどまでいがみ合っていたはずだが、明らかに息があっている。
「俺達味方だろ俺達…」
さすがに木に登っていた二人も危険を感じる。
この二人は、危険だ。
特に、黒髪の男は常日頃から命の危機にさらされている。
「「折りじゃァァァァ!!」」
二人は、仲間のいるはずの木を折った。
その場に砂埃が舞った。
「あっ…」
ハッピーが指差す方向には、カブトムシが飛び去っていた。
その日の夜
「で、何でアンタらがいるわけ?」
銀時は見覚えのある顔に話しかける。
「それはこちらのセリフだ。」
エルザは銀時たちを睨んだ。
「俺たちは金がねぇーの。だから金欠なの。カブトムシで一攫千金狙ってんの」
それよりも、そこまで生活が困難になるほどまでにどうお金を使っているのか気になってしまう。
そもそも、カブトムシで一攫千金を狙うこと自体間違っているような気もする。
「で、俺らは言ったぞ。次はアンタ等が言う番だろ。」
確かに銀時の言うことも一理ある。
エルザは説明することにした。
このとき、瑠璃丸の色を言わないようにして
「というわけだ。」
「なに?要するにアンタ等は御偉いさんのカブトムシ探しをしてるってわけ?」
「どんなお偉いさんですかそれ。」
ここで、初めて新p…眼鏡が喋った。
「あの、あってるんですけど。なんで言い直すんですか。」
そんな眼鏡の戯れ言は置いておくとして、本題に戻る。
「なんやパッとしないカレーアルな~。
わたし芋とか野菜がドロドロにルーに溶け込んだ田舎カレーが好き言うたやろ」
「うぜーよコイツ!!なんで関西弁!?
田舎が好きならご飯にどぶ水かけてすすってろ!」
「まって!話についていけないんだけど!?」
まぁ、ルーシィにはついていけないだろう。
「なにがだルーシィ」
「カレーだろ、カレー。」
「ルーシィ変だぞ」
「オイラもそう思う」
しっかり、他の者たちは話についていけている。
そう、話についていけないのはルーシィだけなのだ。
理解力がないとかそういうわけではなく、銀魂の空気になれなくてはならない。
その間にも銀時と神楽は喧嘩をしている。
それを新八が制していた。
「それにしても、あの人達ホントにカブトムシ捕りに来たんですかね? それにしちゃ随分と物々しかったような…」
ぱちーんっ!と、けっこういい音がした。
見ると、神楽が新八の頬を叩いていた。
「ちょっとォォォ!!何すんのォ神楽ちゃん!?」
「蚊」
手についた潰れた蚊を、新八に見せると、神楽は黙々とカレーを食べ始めた。
新八は神楽を睨むが、堪え、話始める。
「…話を元に戻しますけど…あの」
すると、こんどは反対側の頬に痛みが走った。
「蚊」
といい、銀時も掌を見せる。
「…テメーら、いい加減にしてくださいよ。蚊にかこつけて八つ当たりですか?」
「いや、だって蚊がさァ」
「ホントいい加減にしてくださいよ。こんなバラバラでカブトムシ捕まえられると思ってんですか? こんなんじゃね真選組に大物、全部捕られちゃいますよ。大カブトなんて夢のまた夢ですよ」
「協調性がなさすぎなのよ…。」
ルーシィは呆れているようだ。
まぁ、この三人はいざという時にはものすごく息の合った戦いをするのだが。
「あーあ悪かったよ。俺も大人げなかった。神楽も、すまんかったな。今度は田舎カレーに挑戦してみるよ」
珍しく、大人らしく神楽に謝る銀時
「ううん別にいいヨ。私ホントは田舎派よりシティー派なんだ。ゴメンネ銀ちゃん」
と、神楽も珍しく銀時に謝る。
まるで、それは父娘のようだった。
「そうか、じゃ次はシティーカレーだな」
そのとき、カレー鍋の上に蚊が飛んだ。
その瞬間、三人は三つ巴に、お互いを殴った。
鍋はひっくり返り、こぼれていく。
「てめェ!!新八ィ!
いい子ちゃんのフリして、てめーも狙ってやがったな!」
「甘いんですよ。アンタらと何年つき合ってると思ってんですか。」
行動パターンがよめるほど一緒にいると、恐ろしくお互いの事を理解できるものだ。
そして、とうとう殴り合いに発展するわけである。
「……私が持ってきたものを食べよう」
エルザは立ち上がり、テントの外へと行った。
ここにいても、なんの得もしないからである。
その数分後に、男たちの叫び声が聞こえた。
「ギャアアアアア!!」
カブトムシとか、遭難とか、無人島とか……
私はこの三つも好きです。
もちろん、シリアスも好きですけど、やっぱり銀魂ってギャグが面白いですよね